プリキュアとの奇妙な冒険‐ようこそヒーリングっど♥へ!‐ 作:アンチマターマイン
今回の語り部は鳴滝くん。
文字数は8500字強。量的にはともかく、やや急展開か。
当たり前だが、店まで戻るのに1分もかからなかった。
むろん、こっちが圧倒的に先だ。
プリキュアの全力疾走が子供の足に負けるわけもなし。
だが、これも当然なんだが…問題はここからだ。
「いるわね。さっきの警官…まだ」
さっき俺たちに応対した警官が店の入口に仁王立ちして、
戻ってきた俺たちを現在進行系でガン見してやがる…圧スゲエ
とはいえ、これはかなりマシな部類!
グレースがそれをすぐ口に出してくれた。
「好都合だよね。むしろ、どこかに行かれちゃってた方が頭抱えるかな…」
「やることはひとつラビ。話を聞くラビ」
「でも、話を聞いてくれるペェ?
やるしかないけど…誰から話すペェ?」
そして俺はその言葉を待ってた。
ペギタンに便乗して、フォンテーヌの背から降りる俺。
…正確には、下ろしてくれ、って背を軽く叩くんだがな。シマらねえ
この場合、半身不随でなくてもおぶられてただろうけどよ。
丁寧に下ろしてくれながら、フォンテーヌがいぶかしげに問うてくる。
「ん?あなたが行くっていうの?」
「『敵』じゃあなくって『中立』なら。
俺が行っても大丈夫だろうよ…
さっきの感じを見る限り、店に入らない限りは安全と見た」
「…賛成しにくいわね。
逃げられないじゃあないの。あなたの足じゃ」
「そこは平気。あたしが保証する。
こいつの足が動くのならスプリンターだってこと、
あんたは知ってるはず…夢の中なら人目もクソもないしね。
ここはグレースの創造物じゃあないってだけで、
夢の中に変わりはないんだからな…スタンドで走れるわけね」
俺の口の中に伝声管を作ってるF・Fの助け船。
そういや、夢の中だ。俺もそこを今から説明しようとしたのに…
松葉杖がいらないってことに今の今まで気づかなかった。
わりかしアホだな俺。というか、視野が狭くなってるくさい。
猛省は後だ。制限時間つきの課題があるんならな。
「F・Fじゃねぇーけど。
ここなら、俺の悪名もさすがに関係ないだろ…
俺から話すデメリットは何もない。
もし怒らせたときは、まあ…ケツ持ち頼む」
フォンテーヌは、かなり複雑で、微妙に不快そうな顔をしたものの。
背から下ろした俺を見るなり、すぐに表情を平静に戻した。
「細かく話を詰めてる時間も惜しいわね。
なら行ってちょうだい。まかせるわ」
「しっかりやるラビ。ケガしても治してやるラビ」
ラビリンの激励もついてくる。ありがたいね。
誰の反対もない。さて、ちっとは役に立つぜ。
これ以上、厄ダネに甘んじてたまるかよ。
正面だ。正面からまっすぐ行く。
俺は敵対行為を絶対に働かない。たとえ銃口をコッチ向けられようとッ
目的は突破じゃあない。立ち止まることから始まるはずなんだ。
銃の照準が俺の額をポイントして止まり、それより前に俺も足を止めている。
両手を上に掲げて、全面降伏のポーズだった。
「戦う気はない。いくらか聞きたいことがあるだけだ」
俺の声を聞いた警官は、銃口を俺から外さないまま沈黙を保つ。
時間がないんだよ。急かすしかない。
「さっきのガキだ。アイツがここに戻ってくるまでにッ
俺たちがわかっておくべきことがあるはず!
きっと、あんたたちが知っているんだろ?
ジョルノ・ジョバァーナにまつわる誰かさんたちなら!」
目つきが一瞬で厳しくなった。
凍りついたカミソリみてえによ…例えるならそうなっちまう。
引き金が絞られるのが見えたと思った。
それなら俺の額に穴が開くはずだが、
次の瞬間に見ていたものはプニ・シールドだった。桃色の。
やたらグラついてる変なプニ・シールド…
「次、攻撃してきたのなら!
わたしたちはあなたたちの敵になります」
ヒーリングステッキを拾ったグレースが、俺を背後に置いて警告していた。
どうやら、ステッキを俺の前の地面にブン投げて、
そこを起点にプニ・シールドを出したらしいな…
目ェ回しちまってんじゃあねーかラビリン
「わたしたちはジョルノさんを助けるためにここにいるの。
病院で今にも死んじゃいそうなジョルノさんを助けるためにッ
それはきっと、わたしの謎を解くことにもつながるの!」
予想外。『花寺』が自分の都合を持ち出した。
とは思ったが、完全な善意と言い張るよりは信用できるか。
そもそも、その善意を好ましく思うとも限らないからな……
…フォンテーヌは、戦闘態勢だけを整えているみたいだ。
「だから、絶対に助かってもらうの!
今、ここで!あなたたちが手を貸してくれないっていうのならッ
あなたたちを敵と決めつけて倒します!
時間がないから必死なんです。
十秒以内に返事がないなら、あなたたちは敵だよ!
建物ごとふっ飛ばす!」
いやいや待て、待て。マジギレしてんのかよ?
ムチャクチャすぎるぞ、グレース!
冷静な計算ずくの行動じゃあない、どう見てもだ。
くっそ、どのみち俺がしくじったせいだろ。撃たれちまったせいだ!
出しゃばって、まかされて、なんてざまだ。
こうなったら制圧だ。F・F弾で全員マヒさせて情報を吐かせる。
…と、言いたいが。効くのか?あの影どもに…
グレースが声高にカウントダウンを始めたところで、
店のドアが内側から開いた。
「…バ……な」
影の男が出てきた。おかっぱ頭のように見える、長身の男だ。
だが、何かを言っているのはわかる…のに、途切れ途切れで聞き取れない。
さっき、フォンテーヌがやり取りしてたときと同じだ。
グレースもカウントダウンこそやめたものの、かなり難しい顔になっている。
覚悟の上だったとはいえ、な。
「待った。あたしには聞こえるみたいだ…
フー・ファイターズを通してあたしの聴覚を共有するよ」
そこにF・Fがこう言ってくれたのは、
渡りに船ではあったが戸惑いが先に立つ。
だがそれを気にしている時間がないのはわかりきってる。
グレースがやはり最も早く聞き返した。
「…すみません。もう一度」
「シャバ僧だな、と言ったんだ…銃に対するその反応でわかる。
威嚇射撃に飛び上がってキレ散らかすんだからな。
スタンド使いで、戦い慣れてはいるが…
ヤクザじゃあない。カタギだ」
「返事になっていないわ…ッ」
煙に巻かれているヒマはない。
フォンテーヌが
男は姿勢を改めて向き直ってきた。
「ジョルノの命を助けたいというのなら、俺たちも同じと言っておこう。
入ってくるといい…全面的に協力するよ」
黒一色だから、表情とかがまったくわからずやりづらい。
信用できるかは未だ灰色だ…警官は、表に残るようだしよ。
先に入ろうとした俺は、グレースにそっと手で制されてしまった。
さらにフォンテーヌの後ろに回ってから中に踏み込もうとすると、
銃らしき何かを持つ男に、それを足元に向けられた。
「待て!オメーは入んな、入口でジッとしてろ」
「どうしてラビーッ?」
グレースのステッキについているラビリンにちとビビったようだが、
そいつは淀みなく理路整然と答えてきた。
…その。迷信だけどよ。
「オメーを入れたら『3人』入るだろ。
そこにもう一人来る予定なら『4人』になっちまう。
『4』は最悪だ。最悪の数なんだ」
「…げ、ゲン担ぎペェ〜ッ?」
脱力するペギタンに、その近くに座っていた女がため息で続ける。
こうも真っ黒だと歳格好も定かじゃあないな。
「スットロイ事言わないで。
入ってきたらその時点でオシマイじゃない、どっちみち」
「二度手間、三度手間の方がよっぽど最悪だろーがッ
入ってきてくださいよ。こいつは無視していいです」
銃の男の向かいに座ってる、スーツ姿?の男に入室を促されたのでサッと入る。
言葉こそ丁寧だけど、なんか威圧感がな…
と、けっこう聞き捨てならない情報が転がされてきたぞ、今。
グレースが直球で突っ込む。
「ジョルノさんが死ぬ条件が、ここに…あるの?」
「ふたつある」
勿体ぶる気はないようだ。おかっぱの男が即答する。
「ひとつは、この『世界』の食べ物を口にすること。
この条件は、君たちも適用範囲だ!
水一滴、氷一粒たりとも喉の奥に入れるなよ。
当然、ここの外でもダメだ」
背筋が凍るようなことを言われた。
俺もグレースもフォンテーヌも、それぞれ飲み物を飲んじまった後だが?
グレースは、さして動揺するでもなくこの場で紅茶を出してみせた。
DEATH13由来のやつな。
「これは例外だよね?わたしのスタンドで出したやつ…
だってわたし死んでないもん。夢の外で」
「…『夢』のスタンドか。だから、こんなところに入って来られたのか……
それなら大丈夫だ。だが、たった今からやめておけ。
この『夢』が騙しにこないとも限らなくなっている」
グレースも異論があるはずないだろう。
出した紅茶を消滅させると、テーブルに並んでいる
ピザやパスタ、ケーキの類に少しおびえる視線を向けた。
そしておもむろに指パッチンすると、それら全てが消え失せた。
「あーッ!何しやがんだ!イチゴケーキ残しといたのに!」
「スタンドが別の『夢』に通じるか確認したんでしょう?
クチに押し込まれても抵抗できるように…
あんたみたいにお気楽じゃあないみたいですよ」
「はい。死にたくないので。ごめんなさい」
ギャアギャア騒ぐ銃の男にペコリと詫びたグレースは、
しかし先程よりもさらに表情を引き締めて、おかっぱの男に向き直った。
もう、次に聞くことはわかる。フォンテーヌもだ。
わからないやつは誰もいないだろう。
「あなたたちは、『死んでいる』…の?」
「ああ、『死んでいる』。
この『夢』の中にしかいられない、幽霊ですらない残りカスだな。
ジョルノの『思い出』にへばりついて、
やっと存在している残りカス……そんなところだ」
…なんだよ、それは。
ここは『夢』であって『死後』の世界でもある?
とっさに俺は聞いた。
「あんた達に何が…」
ドバァン バキァ!
大きな丸テーブルが真っ二つになった。
スーツ姿?の男の仕業らしい。
音にビビッて振り向いただけだから、よくわからん。
「どうでもいいことを聞いてるんじゃあないぞ。
時間がないと言ったのはお前らだろうが、このクソボケ!!」
ひるんだ。あまりの態度の豹変に心臓が止まりそうだった。
あー、なんかわかった。さっきおかっぱがヤクザだのカタギだの言ってたわけが。
こいつらヤクザか。俺みたいなハンパモノの非行少年じゃあない……
「なら聞くわ。
それは…あなたたちが『死んでいる』ことは。
ジョルノさんがここに入ったらオシマイなことに関係あるのかしら?」
フォンテーヌがかばうように割って入った。
畜生、邪魔にしかなってねえ。
見るんじゃあなく観ること。聞くんじゃあなく聴くこと。
承太郎もそう言っていた。
それが足りないなら、足りさせるまでだろ。
…聞くべきことがひとつ浮かぶ。ド直球だ。
「悪い、俺からも。
さっきここに入ろうとして追い出されたガキ。
あいつが…ジョルノ・ジョバァーナなのか?」
スーツ姿?の男が自分の席にドカッと座るのと同時に、
おかっぱの男が視線を俺たちに戻した…そういう雰囲気な。
「その質問は、両方とも『
条件のふたつめが、そこにある」
全員がうなずき、沈黙で続きを促す。
「俺達は、ジョルノの古い仲間だ。
今となっては全員、あいつの前を去ってしまったが…
ジョルノもそれを知っているし、認めてもいる。
だから顔を見せることはできない」
「……見たら、『死ぬ』…ペェ?」
おそるおそる聞いたペギタンに、男がうなずく。
「今ここで、あいつが見知った俺達の顔を見たのなら。
ほぼ間違いなく、自分の『死』を自覚する。
そうなればおしまいだ…
そしてそれこそが、この『夢』の狙いなのだろうな」
「狙い……つまりビョーゲンズの狙いラビ?
というか、『夢』はジョルノに何やらせてるラビ?」
ラビリンも聞く。
状況証拠的に、これはビョーゲンズの仕業でしかないだろうよ。
ホワイトスネイクの可能性はゼロだ。
この世界で『天国』の素材になりそうな貴重な存在を、
身元不明者のまま一般の病院に放り出しておく意味がない。
ましてや、このまま死んだら、知らない間に火葬されてても仕方ないんだぞ?
DISCでどうにかする?病院のシフトに入ってる不特定多数をか?
だったら、さらってしまう方がよほど安全確実だ。
そもそも、佐久間さんの一件で調査したとき、不審な人物は他にいなかった。
なら動機だ。ビョーゲンズはジョルノをどうしたい?
デミビョーゲンにするなら、とっくにしてるだろ。
「ビョーゲンズというのが何かは知らない。
だが、何をやらせているかはわかる。少しはな。
おそらく、ジョルノが子供の頃、世話になった誰かだ。
その誰かに、何か食べ物を持っていかせようとしている…
今までの調べで、そこまではわかっている」
「調べっていうけど、どーやってラビ?
顔を見られたら死なせちゃうなら、危なくて出歩けないラビーッ」
「ジョルノが知らない頃の姿を、うまく使えるやつがふたりいる。
パッと見で誰だか判別できないくらいに違う姿をな……
外の警官と、もう一人だ。今、警官がジョルノを追っている。
もう一人が交代で入り口を守っているはずだ」
「だからケーサツは真っ黒じゃなかったラビ?」
「ああ」
ラビリンの質問に、矢継ぎ早に答えてくれているおかっぱ男。
だが…そんな簡単に真っ黒になったり、姿を変えたりとか出来るもんなのか?
カメレオンじゃあねぇーんだからヨ。
思うだけな。これもおそらく、聞いた瞬間にキレられる。あのスーツ?に。
今は、そういうもんだ、と思って話を進めるしかなさそうだ。
「嫌なことを、ひとつ、聞きたいんだが」
「言ってみてくれ。必要なことなんだろう?」
おかっぱ頭も、それとなく牽制してきてるな…もちろん、重要だから聞くんだよ。
「だったらそのふたりで、ジョルノ・ジョバァーナを拘束しておくことはできないのか?
ここに入ってくることも、世話になったとかいう誰かのところに行くのも、
それで両方とも防ぐことはできると思うんだが」
「目のつけどころはいい。それしかなくなれば俺たちもそうするだろう。
最後の悪あがきの時間稼ぎとして、になるがな」
「何も解決しない、どころか、その先に『死』しかなくなるっていうことか?」
「俺たちは『夢』の中にしかいられない、と、さっき言っただろう?
俺たちもまた『夢』の登場人物でしかなく、筋書きを超えた関与はできない。
加えて言うなら、俺たちの影響を強くするということは、つまり『死』の影響を強くすること!
俺たちがジョルノに働きかければかけるほど、どんどん『死』が近づくというわけだ」
「ようやく、話が見えてきたわ……」
フォンテーヌが、恐る恐るといった感じで、推測を口に出して確認し始めた。
「あなたたちには、時間稼ぎしか出来ることがないのね。
時間稼ぎをしている間に、現実でジョルノさんの容体が好転……
目を覚ましてこの『夢』が消えるのを、ひたすら待っている。違うかしら」
「正解、だ。そして風向きはすでに変わっている。
『死』と『夢』の外側にいる君たちがここに来たのだからな」
つまりだ。現実世界のジョルノが回復すれば、
この『夢』は消え、何もかも問題なくなる。そういうことだな。
結果論で言えば慎重になりすぎた。
ジョルノにいきなりヒーリング・オアシスが最適解だったんだ。
そう考えた直後にその結論をぶちまけて捨てた。
わかるかよ、そんなもの。
「グレース。そうと決まれば、ジョルノをチリ・ペッパーでさらって浄化するしかない。
そのための準備はしてきていたはずだよな?」
「佐久間さんのザ・キュアーが通じてなかったのは、
きっとビョーゲンズに取りつかれてたからだペェ!
なら、浄化した直後にザ・キュアーを使えばどうにかなるはずだペェ!」
俺とペギタンとで、現実世界のスパークルと話せるグレースにそう持ち掛けたが、
渋い顔で歯を食いしばっているようなグレースは、沈痛に答えた。
「たった今、確認したよ。ニャトランに……もう、それはできない。
ジョルノさんが集中治療室に運び込まれちゃってる、今さっき!
付きっ切りの延命処置が必要な段階に!今、入っちゃってる!」
「……くっ…つ、次だ。次の手は?」
奮い立たせるために言ったつもりなんだが。
なんだよ、次の手は?って。なんだよその疑問形。
なんか役に立つこと言ってみろよ、俺ッ
考えろ。考えるんだ。俺だけじゃあない、みんな考えている…
沈黙をいち早く破ったのはペギタンだった。
「『夢』がビョーゲンズの仕業なら、つまり…ビョーゲンズはここにいるペェ」
「っ…ここで見つけて、倒せる、って言いたいのね。ペギタン?」
「『夢』でのダメージを、現実に与えられるわたしもここにいるね。
見つけ出しさえすれば、わたしたちなら戦えるよ」
この『夢』の舞台を動かしているのはジョルノじゃあなく、ビョーゲンズだというなら。
『夢』でのダメージを現実化できるDEATH13がここにあるなら。
確かに、手が届きさえすれば倒せる。
「問題は、どうやってヤツを引っ張り出すかだ。
ジョルノを死なせることで、ヤツは何をどうしようとしている?
その思惑を外せば、ヤツは出てくるんじゃあないのか?」
「少なくとも、デミビョーゲンにすることじゃあないペェ。
やるんなら、もうとっくの昔にやってるペェ。
だったら、狙いは…そうじゃあない、何かだペェ。
そのために、ジョルノさんを死なせようと…」
「妙な話だな」
俺たちの相談を、おかっぱの男が一声入れて止めさせた。
全員の視線が、そちらに集中する。
「聞いている限り、ジョルノは間もなく死ぬんだな?
とくに何もせずとも、放っておくだけで……
なのに、そのビョーゲンズとやらは、わざわざ『夢』にまで手を突っ込んで
ジョルノに『死』の条件を満たさせようとしている……
そうでなければ手に入らない何かが、そこにあるのだとすれば」
「……ビョーゲンズも、追いつめられてるってことになるペェ?
あとちょっとで、『死』の条件を満たさずジョルノさんが死んじゃうペェ」
そうだ。確かに変だった。変だと思うべきだった。
物理的に殺すんなら、それこそ楽々のはずだろうが。
それを『夢』の中まで入ってきて、まわりくどい『死』を強いるのなら。
ヤツの欲する何かは、そうしなければ手に入らないということ。
そこへさらに、F・Fも口を突っ込んできた。
「記憶DISCを『魂』と同じだとすればだがよぉーーーッ
『魂』が抜けても、肉体は延命処置し続ければ死なねえってことはわかってる…」
唐突で脈絡ないようにも思えるが、こんなタイミングで無意味な雑談をするはずない。
これが核心だとF・Fは言いたいはずじゃあないのか。
「あたしには、ジョルノの肉体を『空き家』にしようとしてるように見えるね。
ジョルノという家主を追い出して、てめーの家にしようとしているように」
「…の、乗っ取り、ラビ?」
おぞましいにも程がある推理だな。
浄化すれば元に戻ることは一応できるデミビョーゲンならまだしも。
魂を殺して追い出し、肉体を丸ごと乗っ取るつもり、だと?
全員、圧倒されて押し黙る中。グレースが、うわごとのようにぼやいた。
「……。わ、わたし…も?」
「グレース?どうかしたかしら?」
「わたしも、そうなったの?…もしかしたら、そうなっていたの?」
…花寺の、謎の奇病か!
子供時代を台無しにしたっていう、例の奇病が『これ』だっていうのか?
ドガッ
スーツ?男が、自分の座ってた椅子を蹴り転がした。
ビクンとなったグレースは、一瞬だけそっちを向くと…自分の頬をパンパンと叩いた。
話の脱線をこうも警告してくるあたり、やっぱりジョルノの仲間、と言うべきかな。
おかっぱの男が、何事もなかったように話を戻す。
「ヤツの狙いがそれなら、間違いなくプランを変更するだろう。
『空き家』が消えてなくなる直前ならな……
ここまで時間が押していれば、ヤツの行先はすでに決まっている」
「ジョルノさんのところに、直接行く。だよね」
「なら…後を追っている『警官』から、そろそろ連絡が来るはずだ」
「連絡?デンワでもモッてるラビ?」
ドバァン!
トボケた口調でラビリンが聞いた直後、入り口から何かが高速で入ってきた。
入口のドアをブッ壊して入ってきたのは、警官だ。キモイ高速で後ずさりしてくる!
「な、何よこれッ どういう一発芸?」
あっけにとられたフォンテーヌをよそに、
警官のベルトにはさまった紙片を発見したおかっぱ男はそれを手に取る。
それから十秒も経たずに、警官は店内から去っていった。
やはりキモイ高速で。しかも来たときと全然変わらない動きだったのは気のせいか?
「す…スタンドだペェ?よくわからないけど、手紙を持ってきたんだペェ?」
「そうだ。この連絡方法をとってきた時点で緊急のな…
どうやら、さっきの読みは正しいようだ」
「何が書いてあるラビ?」
紙片を開いた男は、すぐさま歩き出した。
「『海岸線沿いのアイスクリーム屋』だ。
ジョルノはそこで、ヤクザの男と接触している…
もはや、ここを守る意味はないと見た!
全員で行く!ついてきてくれ…君たちがカギになるんだろ?
近くまで着いたら合図する。そこからは先行してもらう」
そしてレストランの外に出るなり、男はしゃがみ込み、地面に指をつける。
その背中に、銃の男、スーツ?男、ロングスカートの女…
それと、外で見張りをしていたらしい、バンダナ?の男が掴まると。
おかっぱ男の指先から、金具のようなものが現れ…
そこから地面を切り裂くようにして、
とんでもない速度で地面すれすれをカッ飛び始めた!
どういう能力だよ?全然わからねえ!
気のせいでなけりゃ、地面にガスガスぶつかってないか?
どうやってノーダメージなんだ?
「鳴滝くん、こっち!」
「ちょっ、急がないと見失うわよッ」
「メチャクチャな速さだペェーッ!」
グレースに、かなりぞんざいに担ぎ上げられた俺は、
彼女の背中にガックンガックンとアゴをぶつける羽目になった。
訓練済みだけどな。これも!さんざん!
代わってほしいヤツがいるなら、すぐにでも代わってやるよ!
ひろプリのファーストシューズのおばあちゃんみたいに、
プリキュアの背に乗って大ジャンプを連続で経験させられるのは、
代わってくれると言われても正直ゴメンです。
想像しただけで胃腸が縮み上がる。
ご意見、ご感想、誤字脱字報告、ここすき等、ぜひよろしくお願いします。
現時点で、この作品に何を求めて読んでいますか?
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心優しいプリキュアたちらしい熱血バトル
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ジョジョらしいどんでん返しの知略バトル
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プリキュア世界で動くジョジョキャラ
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ストーリー上の謎がどう展開するか見たい
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主人公たちがどう成長していくのか見たい
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人間関係がどう変わっていくか見たい