さてと遊戯王が終わってすぐにポケモンチャンピオンズが配信スタートになりましたね。すぐに自分もゲームを始めましたけど面白いですね。ゲームの時はインターネット環境がなかったので対戦はしたことなかったので配信が決まった時は本当に嬉しかったです。
それでは最新話が完成したので投稿しました。それではどうぞ!
「えっ反射速度ってあの反射速度?」
一輝から推理した理由を聞いたステラが復唱すると一輝はどういうことなのか分かりやすく説明してくれた。
「視覚し、理解し、対応する。この一連の行動過程を処理する速さを反射速度というんだ。そしてこの速度は普通の人なら0.3秒、僕やステラ、八幡がどれだけ鍛えても0.1秒程度。しかし今の攻防でカウントしてみたら、倉敷君の反射速度は0.05秒を切っていた」
なるほど、ということは黒鉄が一つの行動を起こそうとする間に倉敷は2つか3つの行動を起こすことができるというわけだな。そりゃあ衰えていた綾辻海斗では敵わないわけだ。
「その反射速度をもってすれば常識では回避不可能な攻撃を避けることや刃と刃が当たる瞬間に軌道修正を加え、全く違う角度から打ち込むことも可能になる」
「ハハハッ俺の
「だから僕がどれだけ身体を鍛えて、技を磨いて、駆け引きを覚えていたとしても、全てを生まれつきの反射神経で置き去りにされては無意味・・・倉敷君はそう言いたいんだね」
「そういうことだ、よく分かっているじゃねぇか。さて種明かしもしてやったんだ、俺の攻撃に対応できるなら対応してみろよオラァッ」
そういうと倉敷は今までとは比にならない程の猛攻を黒鉄に仕掛けた。
剣士の間合いに一歩で侵入すると連続突きを放ってくる。その突きはほぼ同時に放たれており、一つを防いでも残りの一つが黒鉄に襲いかかるという技だった。
これが倉敷蔵人の誇る神速反射を使用した剣技の蛇咬か。後からいくらでも軌道を変化させられるが黒鉄はどのように防ぐのか楽しみだ。
そうしてほぼ同時の二連突きが黒鉄を襲うが一つを躱すとすぐに飛んでくる2つ目も防いでみせた。
全く同時の攻撃ではないし黒鉄なら攻撃を掻い潜れるか。だが倉敷は仮にも七星剣武祭のベスト8の実力者だ。まだこんなものではないだろうな。
その後も倉敷の連撃を回避したり捌いたりして攻撃を受けていない黒鉄だったが少しずつ攻撃密度が上がっていきどんどん黒鉄の防御が削られていく。
「あめぇ!俺に何度も同じ手が通じるかよ!」
そして倉敷が黒鉄の虚を突いて大蛇丸の刃を伸ばすと黒鉄の防御を掻い潜って襲いかかった。
1つ目の攻撃を何とか防いだ直後にこの攻撃か。これは少しまずいぞ、防げるかこれ?
反射神経に頼った倉敷の一撃を黒鉄は剣先に近い方の峰と柄の根元を持ちその間の峰で防いでみせた。
「変則ガード!?」
「リーチを操れるのは君だけじゃないってことさ!」
なるほど小太刀術か。確かにそれなら手元の回転が速くなり倉敷の連撃にも抗えるようになるな。だがそれも今の連撃の話であってこれ以上連撃の数が増えるようならまた厳しくなるだろうが。
黒鉄の特殊なガード方法に倉敷は驚くがすぐにそれを上回るため更なる攻撃を加えた。
「ハハッまだまだ俺の最高速はこんなもんじゃねぇぞ!」
次に倉敷が行なったのはさっきまでの2連撃を更に上回る4連撃だ。一瞬の間にほぼ同時の連撃が次々と襲いかかり黒鉄の防御を超えて少しずつダメージを蓄積させている。
そして連撃の一つを何とか防いだ直後に黒鉄は足元の段差に気付かずバランスを崩してしまった。そこへ倉敷の4連撃が襲いかかり黒鉄は4連撃の内2つをなんとか防いだものの、崩れた体勢では全てを防ぐことはてきず残り2つの斬撃が胸にかすってしまう。
「フッよろめいて致命傷を防いだか。悪運の強いやつめ」
倉敷の言う通りギリギリだった。よろめいていなければ今頃滅多斬りにされていただろう。
「だがその悪足掻きもここまでだ。このままなます斬りにしてやるぜ!」
そして倉敷は今度こそ黒鉄に止めを刺すため動き出した。
「ハッハッハッ」
大蛇丸の刀身を伸ばして一方的に攻撃できる距離を維持しながら猛攻を仕掛ける。対する黒鉄は先ほどと同じように小太刀術の応用で回転率を上げて対応しているがやはり全部を防ぎ切ることはできず傷が増えていっている。
やはり反射神経のアドバンテージは大きいな。なんとか黒鉄も防いでいるが時々防御が間に合わず腕とか足に攻撃を食らっているし。
「ヴァーミリオンさん、もうこれ以上我慢出来ないよ試合を止めよう」
外野から声が聞こえてきたため試合の様子を見ながら耳を傾ける。
「今止めたら道場は戻ってこないわよ」
「でもっ」
どうやら綾辻先輩が黒鉄の一方的に攻め込まれている様子を見て試合を止めようとしていて、それをヴァーミリオンが止めているようだ。
「私だって止められるものなら止めたい。だけどあんなに楽しそうなイッキを観てたら止められないじゃない」
ヴァーミリオンの言葉に改めて黒鉄を見た綾辻先輩は倉敷にあれだけ攻められていても口が楽しげに釣り上がっている黒鉄の様子を観て驚く。
「笑ってる!?」
「本当バカよね。強いヤツと戦いたい、目の前のすごいヤツにただ勝ちたい。頭の中はそれだけなんだから」
強い奴は大体そうだ。とても負けず嫌いで強い相手に全身全霊で向かっていく。黒鉄はそういったタイプの人間で恐らく倉敷もそうなのだろう。そうでなければああやって楽しそうな声を出しながら剣と剣で斬り合うなんてことはできない。
「ねぇ先輩。先輩の話を聞いてからずっと疑問に思っていたことがあるんだけどいいかしら」
「なに?」
「
「えっ!?何を言ってるの!?そんなの当然じゃないか!あいつさえ・・・あいつさえいなければ僕達は幸せでいられたんだ。父さんも無念だったに決まってる!」
ヴァーミリオンの疑問に綾辻先輩はそんな筈はないと叫ぶがヴァーミリオンは冷静に告げる。
「でもそれは先輩の思い込みかも知れないわ。かつては剣の世界で栄冠を欲しいままにして、最後の侍とまで称された人がただ朽ちていくだけの毎日を送るなんて剣客として本当に幸せかしら?私なら耐えられない。確かにアイツの行いは強引で褒められるようなものではないわ。でも朽ちてゆくしかなかった自分にこうまでして真っ向から挑みかかって来てくれる人間がいるって剣客としてすごく幸せなことだったんじゃないかしら」
ヴァーミリオンの話を最後まで聞いた綾辻先輩はやっと自分の父親の本当の気持ちに気づく。
「・・・っ!?じゃああのとき父さんが謝ったのは道場を守れなかったからというだけじゃない、倉敷君の期待に応えられなかったことを謝っていたんだっ」
綾辻先輩が自分の父親が意識不明になる直前に呟いた言葉の真の意味に気付いた次の瞬間道場内で大きな音が鳴り響いたのだった。