切ちゃんとフシちゃん   作:クロトダン

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お待たせ致しました。
シンフォギア世界初のポケモンバトル後編です!
今回はポケモンバトルがメインなので話の都合上、装者達が空気になります!すみません!

それでも楽しんでいただけたら嬉しいです。

最後にある方の名台詞をどうぞ!

「ポケモンは怖い生き物です」byラパン博士


フシちゃんと白い兎さん

「ニバァァ……!」

 

 フシちゃんにトドメを刺そうとした隙を出していたゴースの背後から悪タイプの技【ふいうち】を喰らわせ、地面に着地した白い兎−【うさぎポケモン:ヒバニー】が両耳をピンッと伸ばして睨み付けていた。

 

「さっきの兎さん!どうしてここにっ?」

 

「調、あの白い兎の事知ってるのデスか?」

 

「うん、切ちゃんとフシちゃんを追いかけようとした時に会って、怪我をしてたから手当てをしてあげたのだけど……あっ!」

 

「ニバニバニバ!!」

 

「ゴースっ!ゴォォォースッ!」

 

「ニバァッ!」

 

「ゴォォスッ!?」

 

 調が切歌にヒバニーと会った経緯説明してるとゴースと睨み合っているヒバニーが先に動き出した!

 ヒバニーが両脚で地面を何度も踏み付けるように足踏みするとヒバニーの脚元から炎が燃え始めると徐々に脚から全身にかけて炎に包まれ突撃する使用すればするほど素早さが一段ずつ上がる炎タイプの技【ニトロチャージ】をゴースに向けて繰り出した!

 炎を纏ったヒバニーの攻撃を避けたゴースはお返しと【シャドーボール】を放つがヒバニーはそれを跳んでかわし、毛皮に隠していた小石を取り出すとそれを炎を纏った右脚で強く蹴り飛ばす炎タイプの技【ひのこ】をゴースに向けて繰り出した!

 ヒバニーの【ひのこ】が直撃したゴースの体は自身の纏うガスに引火した!低確率に発生する【やけど】の状態異常だ!炎に包まれたゴースは自身を燃やす炎の熱さから逃れようと必死に体を大きく揺らしていた!

 

「あっ…動ける……!」

 

「ニバッ!」

 

「兎さん、さっきはありがとう。……コレは?」

 

「ニバッ!ニバニバッ!」

 

「ダ、ダネェ……」

 

「デェス…」

 

 炎に包まれたゴースの集中が切れたのか【かなしばり】の効果が解けて、動けるようになった調の元に駆け寄ったヒバニーが毛皮の下から取り出したポケモンの体力を回復させる効果を持つ青いオレンジと似た【オレンのみ】を倒れているフシちゃんに、【まひ】状態から治す効果を持つ赤いさくらんぼと似た【クラボのみ】を切歌にとそれぞれに向けて小さな手を差し伸ばしてした。

 

「この果物を切ちゃん達に食べさせたらいいの?」

 

「ニバ!…ッ!ニバニバ!ニバニバッニバッ!!」

 

「あっ!」

 

 きのみを調に渡したヒバニーは視界の端に【やけど】状態を振り払ったゴースが怒りに染まった眼で睨み付けているのを視認すると『ココはボクに任せて!アナタはあの人達をっ!』と叫んでゴースに向けて再び【ニトロチャージ】を発動させて素早さを更に一段上げて駆け出して行った!

 

「っ!フシちゃん!」

 

 調はヒバニーがその小さな体で時間を稼いでくれると理解した調はそれを無駄にしない為に直ぐに行動に移した。まずは地面に【ひんし】になって倒れているフシちゃんの元へ駆け寄り、ヒバニーから教えてくれた通りに【オレンのみ】をフシちゃんの口元に充てるとゆっくりと口を開けて【オレンのみ】をなんとか一口咀嚼して嚥下すると体中にあった傷が大分薄くなるとパチクリとフシちゃんの意識が戻り始めた。

 

「……ダネ?」

 

「フシちゃん!あんなにあった傷がさっきより薄くなってる……!次は切ちゃんを!」

 

 体を起こしたフシちゃんを見た調は安堵の表情を浮かべた後、直ぐに体が痺れてる切歌の元へ駆け寄りフシちゃんと同じように【クラボのみ】を食べさせると【まひ】の状態異常から解放された切歌が体を起こして、先ほどまであった痺れがあっさりと無くなった事に驚きつつも動けるようになったフシちゃんの姿を見ると小さな体を抱き上げて、元気になって良かったと嬉し涙を流していた。

 

「そうだ、兎さんがあの黒いのと戦ってて」

 

「ニバ、ニッバァァァァッ!!」

 

「ゴォォォォッ!?」

 

 調はヒバニーがくれたきのみのおかげで切歌達が元気になったと説明した後、ゴースの相手をしてくれているヒバニーの方へ顔を向けようとしたその時、ヒバニーが繰り出した相手が出す技が攻撃技なら先制出来る悪タイプの技【ふいうち】がゴースが放とうとした【シャドーボール】ごとゴースの顔を力強く蹴り飛ばしていた!

 

 

・

・

・

 

 

 ……あるポケモンの話をしよう。

 そのポケモンは自己を意識してから今日(こんにち)まで自分より弱いポケモンを獲物として生きていた。

 

 ある時はまだひ弱な小さなポケモンを痺れさせて、技が掠るくらいの攻撃をして鈍くなった体を必死に動かして逃げるポケモンをじわじわと追い詰め、またある時はトレーナーの指示を受けたポケモンの動きを止めて、目の前でトレーナーを痛めつけ、又はトレーナーの動きを止めてからポケモンを痛めつけその悲痛の叫びを上げる姿を見るのがそのポケモンにとって至福の喜びであった。

 

 そのポケモンがいつも通りひ弱なポケモンとバトル(狩り)が終わったある日のこと、そのポケモンの前に突然黒い穴が開くと黒い穴から吸い込む強い風が起こるとそのポケモンは抵抗する暇もなくあっさりと黒い穴に引き摺り込まれてしまった。

 

 風が収まり次に目を開くと先程までいた世界とは少し違うとそのポケモンは本能的に驚いたが楽しそうに笑っていた。

 そのポケモンーーゴースにとって例え世界が違っても自身の生き方は変わらないからだ。

 

 それからゴースがシンフォギア世界(この世界)に迷い込んでから数週間が経った頃、ポ(・)ケ(・)モ(・)ン(・)に(・)似(・)た(・)生(・)き(・)物(・)をいつも通りに狩っていると目の前に自分以外のポケモン(ひ弱な存在)が現れた。

 ポケモン(ひ弱なポケモン)ーーヒバニーが『何故こんな事をするんだ』と叫ぶが、ゴースは気にもせず笑った後ヒバニーに向けて技を放った。

 ヒバニーも当然必死に応戦したが経験(レベル)の違いか、なす術もなく痛めつけられ、勝てないと判断したヒバニーはゴースから必死に投げ出した。

 当然ゴースはこの場所(境内)から逃さないように逃げ道を塞ぎつつ、いつも通りじわじわと嬲るようにヒバニーを数日かけて攻撃していたある時、自身の縄張りに2人の人間とポケモンが入り込んできた。

 

 それを確認したゴースはヒバニーを狩るのを辞めて、現れた新たな獲物を痛めつけようと行動して、そしていつも通りトレーナーを動けなくしてそのパートナーのフシギダネを更に痛めつけようと自身の得意技である【あくのはどう】したその時ーー

 

 『ニィ……バァァァァーーー!!』

 

 先程まで痛めつけていたヒバニーがゴーストタイプにとって相性が悪い悪タイプの技【ふいうち】を喰らい大きく吹き飛んでしまった。

 ゴースは自身の至福の時間邪魔をしたヒバニーにもう一度痛めつけようとするが以前より素早くなり動きが良くなったヒバニーの猛攻に少しずつ押されている自身に驚きを隠さなかった。

 

 先程まで痛めつけていた自分より弱い筈だったポケモンの猛攻に押され、更に技を出しても少しずつ当たらなくなっている自身の姿に怒りが沸き始めたゴースは自身に追撃をしようとするヒバニーが肉薄するまでギリギリまで力を溜めていた【あくのはどう】を避けられない至近距離で撃ち放った!!

 

 

・

・

・

 

 

「兎さん!?」

 

「ダネダネ!?」

 

 至近距離の【あくのはどう】の直撃を受けて爆煙に包まれたヒバニーに心配の声を上げる調達を他所にゴースは『ようやくくたばったか』とニヤリと大きな口を歪ませ、今度こそ調達を痛めつけようと視線を爆煙に包まれたヒバニーからこちらを見る調達に向かおうと離れようとしたその時……

 

「……ィィィバァァァーー!!」

 

「ゴ?!」

 

 爆煙を吹き飛ばして中から傷だらけでも空中で自身より大きい火の玉を蹴り放つ体勢で全身を赤い炎のようなオーラを纏ったヒバニーの姿を見たゴースは馬鹿な!?と驚愕の表情を浮かべ、驚愕のあまり避けるのを忘れ硬直してしまった!

 

 何故直撃を受けた筈のヒバニーが【ひんし】になってないのか、それは攻撃を受ける前にヒバニーが必ず先制出来るノーマルタイプの技【こらえる】を発動させたおかげで体力を【ひんし】手前の状態でゴースの【あくのはどう】を耐え切ったのだ!

 更にヒバニーが持つHPが1/3以下の時、ほのおタイプの攻撃技が1.5倍になる特性【もうか】の効果が発動されヒバニーの得意技である【ひのこ】が巨大な火球になったのである。

 

「ニィィィ……バァァァァァァッ!!!」

 

「ゴ、ゴォォォォォォォッ!?」

 

 ヒバニーが【もうか】の効果で強化された【ひのこ】がゴースに向けて蹴り飛ばした!

 避ける暇もなく巨大火球に呑み込まれたゴースは炎に焼かれ幾つもの墓石を砕きながら吹き飛ばされた後に力無く地面に崩れ落ち、完全に力尽きて目を回していた。

 

「や、やったのデェェスッ!!」

 

「ダネダネェ!!」

 

 切歌とフシちゃんが【ひんし】状態になったゴースが倒されたと分かり喜びの声を上げた。

 

「ニバァ…ニバァ…ニ、バ……」

 

「兎さんっ!」

 

 一緒に喜んでいた調が倒れそうになっているヒバニーの元へ駆け出し、地面に崩れ落ちる寸前に両手で受け止め、傷だらけのヒバニーを優しく胸に抱き上げ心配の表情を向けているとヒバニーは小さな右手を掲げて心配してくれている調にサムズアップをして、大丈夫とニッと笑っていた。

 

「……もう、無理しちゃって……ありがとう、私達を助けてくれて」

 

「ニバ…!」

 

 それを見た調は分かりやすい痩せ我慢をしてる目の前のヒバニーに苦笑してお礼を言った後、フシちゃんが一口齧って半分残っていた【オレンのみ】を食べさせようと喜んでいる2人の元へ戻っていった。

 

 

・

・

・

 

 

ーその日の夜、S.O.N.G本部司令室ー

 

 

「もう!勝手な判断で調査をした挙げ句、連絡もなしに戦闘をして、更にはフシちゃんも危ない目に合わせるなんて、何を考えてるの2人とも!!」

 

「前にも勝手な行動をするなと釘を刺したのになんであたしらを呼ばなかったこの後輩どもは!」

 

「「ご、ごめんなさい(デス)!」」

 

 ゴースを倒したその日の夜、S.O.N.G本部の司令室で調と切歌の姉のような存在であるマリア・カデンツァヴナ・イヴと雪音 クリスが目の前で縮こまっている2人に雷を落としていた。

 

「ま、マリアさんにクリスちゃん、2人も凄く反省してますしもうその辺で……「黙りなさい立花 響!これはこの子達の問題よ!」「無茶筆頭の直線バカは引っ込んでろ!この馬鹿!」ひぃ!すみません!」

 

 仲裁しようとした響だったがマリアとクリスの剣幕と叱責を受けて謝罪した後引き下がった。

 それから響の助け船が無くなり、マリアとクリスの叱責から調と切歌が解放されたのは30分も経った後、風鳴 弦十郎が自分が叱る分まで叱られた落ち込んでいる2人に始末書を書いて提出するようにと追い討ちを告げられた。

 

「失礼します」

 

「ダネダネ!」

 

「ニバニバ!」

 

司令室の扉が開かれ白衣を着てタブレットを持ったエルフナインと彼女に連れられた元気になったフシちゃんとヒバニーが入ると二匹は調と切歌の姿を見つけると喜びの声をあげながら2人の元へ駆け寄って行った。

 

「フシちゃん!」

 

「兎さん!」

 

 廃寺からS.O.N.G本部に移った後特に重症だった二匹を本部内の医務室に設置してある試験的に置かれていた回復カプセルに入れて治療を受け完治して、元気に駆け寄ってきた二匹の姿を見て笑みを浮かべた2人は切歌はフシちゃんを調はヒバニーを両手で二匹を抱き上げ、元気になって良かったと話しかけていた。

 

「ふむ、その兎が火の玉を放つ兎か。2人の報告にあった黒いガスみたい生物もフシちゃんと同じ世界から来た可能性があるか…。エルフナイン君」

 

「はい、皆さんモニターを見てください」

 

 弦十郎がエルフナインにS.O.N.G職員が調べた廃寺の調査結果を報告するようにと声を掛けるとエルフナインはタブレットを操作して、司令室にいる装者達に司令室にあるメインモニターを見るようにと声を告げた後モニターに調査結果を映し出した。

 

「まずは切歌さんと調さんのクラスメイトの方が言った通りあの廃寺の境内からこの世界に存在しない未知の道具が幾つも見つかりました。レコードのような物、水晶の中に雷のようなエネルギーを持つ石、触れると火傷する球、様々な効果を持つ木の実、更に一見普通の首飾りや粘土や帯に聖遺物とまでいきませんがエネルギーが込められている事がわかりました。これらも全てボクたちの世界には存在しない物です」

 

 エルフナインの言葉に司令室にいる面々は驚きの声上げる中、エルフナインは更に情報を報告する。

 

「次に境内を調べたらフシちゃんと一緒にあったこのボールが複数個発見されました」

 

 次に画面が変わるとモニターにはフシちゃんがいつも中に入る6つの【モンスターボール】が映し出されていた。

 その後ボールの近くや境内の隅々まで調査した結果フシちゃんと同じように卵は見つからず、ヒバニーは単身この世界に迷い込んでしまったのではないかと仮説を報告した。

 それを聴いた調は小さな身一つでこの世界に来たヒバニーの顔を見て、1人で頑張ってきたんだだねと優しく頭を撫で、頭を撫でられたヒバニーは目を細めてニバァ…と甘い声を出していた。

 

「最後に調さん達が遭遇した黒いガスのような生物ですが……」

 

 言葉を区切り、言いにくそうにしてるエルフナインに装者達はどうしたのかと彼女を見つめるとエルフナインは顔を上げて、報告にあった事を口にした。

 

「調査員からの報告によると件の生物は突(・)如(・)発(・)生(・)し(・)た(・)黒(・)い(・)穴(・)に(・)引(・)き(・)込(・)ま(・)れ(・)る(・)よ(・)う(・)に(・)姿(・)を(・)消(・)し(・)ま(・)し(・)た(・)」

 

 それを聴いた後司令室に装者達の驚きの声が響き渡った。

 

 

・

・

・

 

 

ーポケモン世界、???ー

 

 

「う〜ん、範囲を拡げると空間の維持が不安定になるな」

 

 薄暗い沢山の機械が置いてある部屋で白衣を来たボサボサの白い髪の若い男がガリガリと雑に髪を掻いた後、指紋や脂で塗れた眼鏡を掛け直すとパソコンに映っているデータを見て唸り声をあげていた。

 

「今の状態だと比較的小さなポケモンや道具が通れるくらいの大きさなら安定するけど、それ以上は不安定になるなぁ…」

 

 そうぼやいた白衣の男は立ち上がるのも面倒なのか座っている車輪付きの椅子で部屋を移動して、部屋に設置してある冷蔵庫から【サイコソーダ】が入った缶を取り出して足で蹴った冷蔵庫の扉を閉めて、その勢いで元の場所へ戻ると【サイコソーダ】を仰ぎ飲みながらパソコンを弄ると画面に檻に入れられたポケモンや保護カプセルに入れた状態のポケモンの卵が映っていた。

 

「確保したサンプルや育て屋から盗んだ卵を適当に空間に放り込んだけど、なんのリアクションも無しか……。んー、せめて向(・)こ(・)う(・)の(・)ポ(・)ケ(・)モ(・)ン(・)の(・)い(・)な(・)い(・)世(・)界(・)に送られているのが分かれば良いんだけどなぁー」

 

 白衣の男は空になった缶を後ろに放り投げ、椅子の背もたれに寄りかかって、つまらなそうに天井を仰ぎながら呟いた。

 

 

 

 

「せっかく【(・)く(・)う(・)か(・)ん(・)ポ(・)ケ(・)モ(・)ン(・)】(・)の(・)能(・)力(・)を(・)一(・)部(・)と(・)は(・)い(・)え(・)再(・)現(・)で(・)き(・)た(・)のに、人が通れる程の大きさにもなれないなんて意味ないじゃないか」

 

 

 

 つまらなそうにぼやいた白衣の男はうあーーと子供みたいに手足をバタつかせてガタガタと椅子を揺らしているとバランスを崩して機械に繋げているコードやお菓子の袋や空になった飲み物で散らかった床に転倒して、『イッタイな!!』と自分以外誰もいない部屋に文句を言っていた。

 

 

ー次回に続くー

 




お待たせ致しました。
最初はゴースを進化させたルートだったのですが流石にパワーバランス崩れるし、装者達を含めたバトルの両立は難しいと判断して半分以上書き直しましたw

道具の説明はわかりやすいのをメインに出しましたが、何の道具かわかりましたかねw

最後に出た謎の白衣の男が呟いた【くうかんポケモン】の能力を再現というヤバいキーワードに盗んだ卵や捕らえたポケモン達を使う奴の目的は一体なんなのでしょうね。

次回は番外編を一つ投稿してから、次の装者のパートナーを出す予定です!
お楽しみ!
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