GANTZ:F   作:うたたね。

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今回はとても短いかつ最後の連続投稿です
オニ星人編エピローグです


0034 ねくすと・みっしょん

 

 

 ラジオ体操のうた。

 

 この部屋に呼ばれた人間にとっては、重大な意味を持つ歌。

 部屋に収集され、この曲が流れ始めると否応にも理解させられるのだ。

 

 

 ──ああ、これからまた命を掛けるのだ

 

 

 だが、この場にいる全員──あの伏黒甚爾を含めて、誰一人として今この現状を理解出来た者はいない。

 この曲が流れるということは、こ(・)れ(・)か(・)ら(・)ミ(・)ッ(・)シ(・)ョ(・)ン(・)が(・)始(・)ま(・)る(・)こ(・)と(・)を(・)意(・)味(・)す(・)る(・)。

 しかし、甚爾たちはつい先ほどミッションをクリアし、採点を終えたばかりだ。 

 こうして連続でミッションが行われることなど、あり得ない──

 

「──いや、過去に一度あったな」

「……ああ、そうだな」

「ッ、クソ、マジかよ」

 

 甚爾の呟きに反応したのは、和泉と西だった。

 そう。彼らは、この現象──連続でミッションが行われるイレギュラーな事態の経験がある。

 

 ──ひょうほん星人

 

 その際、標的として提示された星人の名だ。

 その強さは他の星人とは一線を画す。今程ではないが、かつての和泉や100点を獲得した神功明里といった実力者がいたにも変わらず、多くの損害をこの星人はもたらした。

 最終的には、橿原大樹の手によって倒されたが、その点数は甚爾が最も警戒している1体で100点の"100点星人"だ。

 

 その尋常じゃない様子に坂田が詰め寄る。

 

「おまえら、何か知ッてンのかよ」

「……言ったろ。1体で100点をゲットできる、馬鹿みたいに強い星人が現れることがあるってな」

「……まさか」

「ああ。確実じゃないが、かなり前に同じ状況でそれは現れた。今回も十分にあり得る」

 

 複数のZガンと新たな強化武器を手に入れたため、次のミッションまでに連携や使用方法を確認する予定だったが、どうやらそれは叶いそうにない。

 本当に100点が来るのなら、ぶっつけ本番で模索していく他ない。

 

「最悪だな、この状況は」

「どういう意味?」

 

 普段からは想像出来ない甚爾の焦り様に周囲は困惑を隠せない。

 桜丘の疑問に甚爾は舌を打つ。

 

「いいか? さっきのミッションで制限時間は撤廃されたんだ。つまり、1(・)0(・)0(・)点(・)相(・)手(・)に(・)時(・)間(・)切(・)れ(・)を(・)狙(・)っ(・)た(・)逃(・)げ(・)切(・)り(・)は(・)許(・)さ(・)れ(・)ね(・)え(・)ってことだ」

「……待ッて、それッてまずくない? 私たちの方針は、そもそも100点とは積極的に戦わないことだッたわよね?」

「腹括るしかないってことだ」

 

 いつ100点星人が来てもいいように、部屋には情報を手に入れた段階で周知していた。

 その際、甚爾は珍しく部屋の方針に口を出した。

 100点とは積極的に戦わない──最悪、ペナルティ前提で逃げ切るべきだ、と。

 

 100点星人の情報を初めて目にした時、甚爾は戦いを放棄することを決めた。

 まるで術式のように物理法則や概念を無視した、所謂『異能』ともとれる能力を有した存在。

 それは、この世界の人間とは一線を画す肉体を持つ甚爾の命にさえ届き得るかもしれない。

 100点を獲得出来ることに対して、デメリットがあまりにも大きすぎた。

 チーム単位での無駄死にを避けるため、甚爾はチーム全体で100点星人との戦いを放棄するという方針を促したのだ。

 

 だが、その前提も崩れた。

 おそらく"上"の連中は、カタストロフィが起こる前に確実に星人を殺し切ろうとしている。

 時間制限の撤廃が暗にそれを示している。

 オニ星人との戦いの際に、逃げ切りが通じなくなることは考えていたが、これ程までに早いとは思いもしなかった。

 

(今はひとまず玄野のことはどうでもいい。今(・)回(・)の(・)件(・)が(・)玄(・)野(・)の(・)隠(・)し(・)事(・)が(・)関(・)係(・)し(・)て(・)い(・)た(・)と(・)し(・)て(・)も(・)、1(・)0(・)0(・)点(・)の(・)対(・)策(・)の(・)方(・)が(・)重(・)要(・)だ(・))

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 歌が終わり、ガンツの画面が切り替わる。

 ふざけた文言を一通りに流した後、黒い球体は新たなる標的を提示する。

 

 

 ──は?

 

 

 ガンツに表示された星人を目にした全員が、口を揃えてそう口にした。

 

 

 

 

てめえ達は今から

この方をヤッつけに行って下ちい

 

....

 

 

くろの弟

....
特徴

 イケメン

好きなももの

 おにいちゃん

きらいなもの

 きゅうけつき

口ぐせ アニキ……

 

 

 

 

 

 動揺、困惑、無関心、愉悦、そして絶望。

 

 それぞれの感情を宿し、全員の視線が一人の少年に向く。

 

 

「……嘘だろ、なンでアキラが……」

 

 

 少年──玄野計は、呆然と立ち尽くす。

 

 星人を逃したことによる罰則(ペナルティ)は、自らの手で星人(おとうと)を殺す依頼(ミッション)を下されること。

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆

 

 

 

 

 

 この状況下でも玄野計は意外にも冷静だった。

 

 おそらく全員が思っている。

 アキラを黒服星人であるということを知らない彼らは、おそらくこれまでのミッションの中でも、ネギ星人に次ぐ程度の難易度のものだと。

 

 だがしかし、玄野にとっては違う。

 玄野は今回のミッションをク(・)リ(・)ア(・)す(・)る(・)つ(・)も(・)り(・)は(・)な(・)い(・)。

 

 アキラを逃すことに全てを費やす。

 ミッションの制限時間がなくなった以上、エリア外に逃し続けるしかアキラを救う道はない。

 たとえペナルティを受けることになったとしても、あの時アキラを殺すという選択をしなかった自分が今更それを放り投げることなど出来るわけがない。

 次(・)は15点ペナルティを受けるというのならば、玄野は進んで他者に点数を譲るつもりさえあった。

 

 ただ、アキラを救うこと──それを成すためには、大きな障害が存在する。

 

 ほとんどの人間がアキラを殺しに行くだろう。

 玄野は、それを一人で相手する必要性がある。

 

 

 つまり、それは──

 

 

 事実上、伏(・)黒(・)甚(・)爾(・)を(・)打(・)倒(・)し(・)な(・)け(・)れ(・)ば(・)、アキラを助けることは出来ないということだ。

 

 

 すなわち、玄野計にとって、このミッション最大の敵とは──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Next Chapter

 0035 VS 伏黒甚爾①

 

 

 

 

 

 

 

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Next Mission

 

 

《vib:1》0035 VS 伏黒甚爾①

 

 

 

 




最後の演出をやりたかった
実は、一年前からこれはやる、と決めておりました。
単純な話、オニ星人編は主人公である玄野くんの活躍がほとんどなかったですよね?
こういうことですよ。

【おまけコーナー】
・最後の次話のタイトル
実はこれはずっとやりたかった演出。アキラを倒すミッションで絶対にやると決めてました。
Thisコミュニケーションという漫画をご存知でしょうか?
読んでいる方は、お察しがつくと思います。はい、あの演出です。

・追加ミッション
原作で追加ミッションが行われた例は
・たえちゃん編
・GANTZ:MINUSのひょうほん星人編
の二つだけです
たえちゃん編は、獲得点数は30点だったため、おそらく追加ミッションだからといって100点ミッションである、という法則はないです。
しかし、本作ではたえちゃんミッションがないこと、過去追加ミッションが行われた際には、100点星人であるひょうほん星人が標的となったという事例があり、甚爾たちは勘違いしております。

・100点星人 
いずれまた解説を。
現段階で100点星人のミッションの法則は2つあると思っています。
・『星人呼称がついていない星人』が100点だという設定(GANTZ観察日記から引用)
・星(・)人(・)呼(・)称(・)付(・)き(・)だ(・)が(・)、標(・)的(・)の(・)星(・)人(・)が(・)一(・)体(・)し(・)か(・)い(・)な(・)い(・)ミ(・)ッ(・)シ(・)ョ(・)ン(・)
下の方は、はんぎょじん星人とひょうほん星人ですね
はんぎょじん星人、あれあんだけ雑魚敵がいるくせに、本体の分体だからか、倒しても点数扱いにならないのクソゲー過ぎる


次回の更新は、また書き終えてから投稿する予定です
アキラ編自体はそう長くないですが、その後に幕間を入れる予定なので、
頑張って夏頃には投稿できたらな、と思いますが、断定はできないので申し訳ない……
エタることはしないので、気になる方はTwitterかメッセージで進捗を聞いてくだされば、お教えいたします!

それではまたいつかとか!

GANTZ:F 完結後に書いてほしいもの

  • GANTZ:Gにパパ黒√
  • かっぺ星人後からパパ黒介入√
  • チャットルーム回
  • その他(個人でメッセージでどうぞ)
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