ホワイトルームの刺客に綾小路の妹もいたら━━━   作:KEI (~ ̄³ ̄)~

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第四話 宣言

 

  

 

 日が暮れると寒さがまだ残る4月

 日曜日の夜

 

 時計は21時50分をまわり22時になろうとしており、私達(・・)は一年生寮の裏手側で事の顛末を見守ろうとしていた。

 

 

「んー、なかなか現れないよね」

 

「───────そうだね」

 

私は、隣で小悪魔のように微笑んでいる"天沢一夏(・・・・)"の言葉に相槌を打つ。

 

「───ところで''天沢"、『アイツ』はどうしてる?月城の立てた[私の影に隠れてクソ兄貴に自然に近づいてテストで0点取る]ってプラン通りで動いてないよね?まさか、相対してクソ兄貴は倒せないと思ったから隠居生活ても始めた?それともこんな時間の無駄のような学生生活を楽しんでたりするわけ?それとも月城に対する叛逆だったりするつもりなわけ?

 まあー、どうせ私一人でやるつもりだったし『アイツ』が動かないならそれはそれでいいけど」

 

 私は少しばかりイライラしながらそれを口にした。

 

「んー、あたしには分からないな〜。でも美味しいモノ沢山食べたり、恋したりして楽しく過ごすことが学生の在り方でしょ〜?」

 

「────学生の在り方、ね」

 

「あ、来たっぽいよ」

 

 

 

 ひと際暗く静かな寮の裏に目を向ける。その場には、綾小路清隆(クソ兄貴)、堀北先輩、須藤先輩、宝泉くん、七瀬さんの5人がいた。

 ゴミ出し以外の用途で使用することもないため、この場をを見られているとは現場の5人は思いもしないだろう。

 

 

 そして、宝泉くんが堀北先輩に"暴力"を開始する。

須藤先輩が慌てて駆け寄り、堀北先輩の腕を引き、詰め寄ってきた宝泉くんの拳を受け止める。

 

「へー、やっぱり見た目通りパワー系なんだ〜」

 

「それに頭も良いみたいだしね」

 

「えー、あの見た目で〜?」

 

「OAA見なよ、学力B+。一般人から見たら十分高い」

 

「ふーん、あっ須藤先輩倒された!」

 

 再び、校舎裏に目を向けると須藤先輩は宝泉くんにボコボコにされ、受けた痛みに悶絶し転げまわっていた。

 

 そして、堀北先輩が宝泉くんと向かい合う。

 

 

 

 その様子を見た天沢一夏が「勝てる相手かどうかも分からないのかな〜」と吐き捨てた。

 

 

 

「──────」

 

 

 

 

 ホワイトルームの『最高傑作』、綾小路清隆(クソ兄貴)

を誰よりも崇拝し、信仰する天沢一夏の吐き捨てた言葉に私は返事はできなかった。

 それは私にも言っているようで………

 

 

 

 

 校舎裏から外れた意識を向けなおす、堀北先輩もあっさりと倒され、宝泉くんの照準は綾小路清隆(クソ兄貴)へと向き、詰め寄って行く。

 

 止めに入った七瀬さんも堀北先輩にしたように平手で払う。

 

 宝泉くんの思惑を読んだ綾小路清隆(クソ兄貴)は駆け出し、自傷する一歩先に左手を犠牲にしてナイフを受け止める。

 

 

「おー、さすが綾小路先輩!」

 

 

 綾小路清隆(クソ兄貴)のことを尊敬し、崇拝し、信仰する天沢一夏が心底嬉しそうにそう言った。顔は気持ち悪いほどににやけている。それはもう恋する乙女そのものだった。

 

「ちっ、なぜ宝泉は綾小路清隆(クソ兄貴)に歩み寄った?歩み寄らなければナイフは受け止めることは間に合わず、自分の足にナイフを突き立てれたはずだ。そうすれば終わってたのに!全く持って使えない」

 

 私は崇拝者の天沢一夏とは真逆の不快な表情を浮かべていた。イライラしてくる。

 

 

「やっぱりー、あの程度(・・)じゃ退学させれないよね〜。流石だよね〜」

 

 

 

「────ちょっと行ってくる。殴り合いにはならないと思うけど……

 あと天沢が私の駒みたいなように言ってくる。そしたら楽に動けるし綾小路清隆(クソ兄貴)にも近づきやすくなるでしょ?」

 

 

「おー、ありがとね〜」

 

 

 私は、踵を返し校舎裏へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「───()の雰囲気、本当に似てるね〜」

 

 

 

 

 

 崇拝のホワイトルーム生天沢一夏は誰もいない空間でそっと呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜綾小路清隆side〜

 

 

「ボクには……綾小路先輩がこの学校に相応しい人だとは思えなかったからです」と言い放った七瀬は憎悪のような感情をオレに向け、この場を去っていった。

 

 

「綾小路くん、これからは………」

 

「そうだな、七瀬と後日改めて話し合いが行われるだろうな。ひとまず茶柱先生と合流できたら今日は解散で大丈夫だろう」

 

「そ、そうね。そうしましょう」

 

 

そこにザッという足音が一つ。

 

 

 

 

 

「「これで終わりと思うなよ」」

 

 

 

 

暗い校舎裏に声が響く。

 

 

 

現れたのはオレの実の妹、優華だった。

 

 

 

堀北も須藤を突如現れた優華に驚きの視線を向けている。

 

 

 

「七瀬と宝泉……ほ────っんと使えないまさか自分の足を狙ったナイフを手で防がれるほどノロマなやつだったとはねしかも七瀬は『例の試験』のことバラすしあと天沢もだ簡単に見抜かれるような作戦立てやがってしまいには…………あーーーーーうざいうざいうざいうざいうざいうざいうざいほ────っんと使えない駒程度の働きもできないのかあの間抜け共は!!!!」

 

 

 優華はオレに「怒り」「殺意」「嫌悪」様々な負の感情を向ける。それは七瀬の向けた「憎悪」とは桁が違う。

 

 

 

「綾小路…さん、あなたまさか…」

 

 宝泉のように暴力を用いてくるのではと警戒する。

そして、堀北の表情を読み取り答える。さっきまで形相とは180度異なる表情で、笑顔で。

 

「いやー、今日はこれ以上何もしませんよ?それにさっき綾小路清隆(お兄ちゃん)電話をかけているましたよね?大方、茶柱先生に処置を頼んでいるですよね?」

 

 

「───そうだ」

 

 

 

 間が開く。

 

 

 

「はぁー。ほんと規格外だよ!クソ兄貴は、でも"この程度で終わるわけがない"そんなことわかってるよね?これからもクソ兄貴の倒すため多くの刺客が送られ、あんたはそれを何事もなかったように解決する。

 

 何度も何度も退けるだろうね

 

────それでも、最後には二人が残る

 

 そして、お前を 殺 す (退学させる)のは私だ!『部外者』でも『月城』でも『施設外』でもない。ましてや『アイツ』でもない!私だ!私がクソ兄貴の『これまで』の全てを否定してやる!必ずだ!」

 

 

 

「──────」

 

 

 

 その言葉オレは応答しない。

 

 

 

 

「それじゃー、綾小路清隆(お兄ちゃん)まだ戦えそうだけど、茶柱先生ももうそろそろ来そうだし、私は帰るよ………」

 

ま た ね(・ ・ ・)

 

 

 

そう言うと優華はこの場から離れていった。

 

 

 

 ひとまず、暴力を用いた戦闘にはならなかったことに堀北たちは安心する。 

 オレは優華の発言からもう一人のホワイトルーム生は誰かを推測するが結局分からなかった。

 分かったのは、宝泉、七瀬、天沢が優華の駒であること。しかし、このことだけでホワイトルーム生ではないと断言はできない。

 宝泉は中学時代のことが明るみになっているためホワイトルームからの刺客でない可能性が高いがゼロではない。本物の宝泉に接触しあらゆる過去を聞き出した偽物という可能性もある。

 七瀬は一見毒を持たないようだが憎悪のような感情を向けてきた。計算された行動をすることからホワイトルーム生の可能性は宝泉よりも高い。

 天沢は宝泉と手を組んでオレを退学させようとした要注意人物だが、これもすべて2000万プライベートポイントのためと思えば納得のいく範囲でホワイトルーム生と結びつけることはできない。

 

 

 

「この状況がしばらく続きそうだな」

 

 

 

 

 

 

 

 

オレ達は茶柱先生と合流した。

 

 

これからはより慎重に行動しなければいけない

 

 

と思いながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜綾小路優華side〜

 

 

 

 

5月1日 特別試験の結果が発表される日

 

 6限目になると担任の先生が現れ説明に入る。黒板にも表示するが、手元で細かく見れるようにタブレットにも一斉表示されると公言している。

 

 

 

 

 特別試験、私は2-Cの椎名先輩と組むことになった。

 龍園先輩からしたら、支払った100万プライベートポイントを払った分を個人の特別報酬で少額でも回収したい、と考えたからだろうか?と私は推測する。

 

 龍園先輩の内を読むことはほどほどに試験に対し私は無難に取り組んだ。

 

 

 

そして、特別試験の結果はというと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……全科目100点を取った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 椎名先輩との合計得点で上位5組に入ったため10万プライベートポイントが支給された。

 

 

 

 

 

 

 

 担任から、クラスのみんなから称賛される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ちなみに天沢は420点を叩き出していた。事前説明された予測点数表よりもやや上の点数、学年トップ10には間違いなく入っているだろう。そして、私はもう一人の刺客である『アイツ』の成績を見る。可もなく不可もない。平凡の成績。不満を募らせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあー。まったく何やってるだよ──────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────"✕✕ ✕✕(・・ ・・)"」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私は、もう一人のホワイトルームからの刺客の名前を周囲のクラスメイトには聞き取れない声量でつぶやいた。

 

 

 

 

 

 

 




書いてる途中に「否定する」で刀語の否定姫を思い出した作者です!
今回少なめです!



3/3更新

ここからはホワイトルームから刺客は"椿"として書こうと思ってましたが、最新刊4巻を読み、「これ?八神の方が……」ってなったので✕✕✕としてひとまず保留とします。
椿のキャラデザ好きだから椿が刺客だったらいいなぁって思ってますww 
ヾ(・ω・*)ノ





次の巻が楽しみですね〜。

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