タイムレンジャーの活躍により「大消滅」を回避し、人類が未来へと歩み出してから幾年。世界を代表する企業へと成長した浅見グループの次期代表浅見竜也の息子、浅見明日人は、私立秀知院学園の生徒会に所属していた。
重くのしかかってくる浅見の名と向き合えない彼は、せめて学校内では自分が明日を明るく生きれるようにするために、迫りくる困難(藤原)を回避し、今日も生徒会室で繰り広げられる恋愛頭脳戦(?)をサポートする!

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久しぶりに書いたからところどころ拙いです。


Case File.EX 時は流れて

『西暦2000年、20世紀から21世紀へと歴史が動こうとしたその年に、1000年後の未来からやってきた怪物たちが日本を襲った。彼らは「ロンダーズ・ファミリー」を名乗り、窃盗、強盗、脅迫、殺人など数々の犯罪行為を繰り広げてきた。

そんなロンダーズに対抗するために、同じく1000年後からやってきた5人のヒーローがいた。彼らの名はタイムレンジャー。彼らは人々の命を守るために、ロンダーズと戦っていたのだ。』

 

スマホのネットニュースの冒頭に書かれた文章を目に通し彼は静かにため息をついた。1000年後の未来からやってきただの、ヒーローだの、何かの映画の宣伝記事かと思うような内容だが、これらはすべて()()()()()()()()()()なのである。検索すれば当時の記事は簡単に見つかるし、動画サイトにはロンダーズがタイムレンジャーと戦っていたり、巨大化したロンダーズがタイムレンジャーのロボと戦っている動画がたくさん出てくる。自分たちより上の世代はこの出来事を実際に経験している人もいるし、ロンダーズが元で大成長を遂げた企業もある。

今ため息をついた少年の実家もその一つだ。いや、むしろ彼の実家ほどロンダーズが元で急成長を遂げた企業など存在しないだろう。

 

「明日人くん!生徒会の仕事中に休まないでください!」

 

 

少年の名は浅見明日人(あさみあすと)。ロンダーズ事件が元で飛躍的成長を遂げ、今や世界市場を席巻する大企業浅見グループの御曹司であり、元タイムレッド浅見竜也の息子である。

 

 

Case File.EX 時は流れて

 

 

私立秀知院学園。日本トップクラスの偏差値を誇る超エリート学校であり、多くの有名企業や組織の子息令嬢が通うスーパーリッチな学校でもある。

さて、そんな学校にも一般的な学校と同じく生徒会というものが存在する。しかし世間一般の認識の生徒会と同じと侮ることなかれ。世間の常識とはかけ離れた秀知院を代表する生徒会役員。そのメンツもかなりの変わり者たちだらけである。

 

「もう!明日人くんも生徒会役員なんですからちゃんと仕事をしてください!」

 

藤原千花。秀知院学園生徒会書記。曾祖父が総理大臣、叔父が現職省大臣、父親も政治家であり母親も元外交官など、根っからの政治家一家の令嬢。ゆるふわな雰囲気と同年代と比べると頭一つ飛び出した容姿と圧倒的なバストを兼ね備えた彼女だが、意外と頭が弱いところがある。

 

「藤原先輩、誰だってさぼりたい時はあるんですから大目に見ましょうよ。だいたい先輩だってさっきから作業をする手が止まってますよ。人に言う前に自分の行動を直さないと説得力は生まれませんよ」

 

石上優。秀知院学園生徒会会計。零細玩具メーカーの次男坊であるが、藤原の一個下でありながら会社の経理を担当するなどその能力は非常に優れている。片目を隠すほど伸ばした髪や首から下げたヘッドホンからわかる通り陰キャである。そして正論で人を殴るDV男でもある。

 

「石上、今のは藤原が正しいからあまり言ってやるな」

 

白銀御行。秀知院学園生徒会会長。一般的な家庭生まれの彼だが、並外れた頭脳で一般枠で秀知院に入学。学年トップを維持し続ける学力とそのカリスマ性から生徒会会長に選ばれた人物である。本人の家庭は大変貧しい環境にあり、白銀は家庭を支えるためにアルバイトの掛け持ちと秀知院での優秀な成績を維持するための勉強で寝不足であり、常に目つきが悪い。四宮のことが好き。

 

「そうですよ石上君。だから藤原さん、そう泣きそうな顔をしないで」

 

四宮かぐや。秀知院学園生徒会副会長。総資産200兆円を誇る日本の四大財閥の一つ「四宮グループ」のご令嬢。学問、運動、芸術など様々な分野で優秀な成績を収め、会長である白銀を支える人物である。容姿端麗な見た目と気高く誇り高いその性格は生徒から多くの支持を集めているが、藤原の圧倒的な戦闘力を憎んでいる。白銀のことが好き。

 

「ごめんごめん千花、すぐに仕事やるから!」

 

明日人はスマホを仕舞い目の前にある書類を片付けていく。生徒会の庶務を任されている彼の仕事は多岐にわたるが、目の前にある書類整理は彼個人ではなく生徒会全体に与えられた仕事である。だからこそ、一番下っ端の彼が怠けていてはいけない。彼が怠けてしまえば他のメンバーのモチベーションの低下にもつながるのだ。目の前で仕事を投げ出している藤原のように。

 

「それにしても明日人くん、何を読んでいたんですか?」

「別に大したことじゃないよ。ただのエンタメニュース」

 

嘘をついた。本当は自分に一番かかわりのあるニュースであるが、彼はあまり自分の家の話はしたがらない。質問したかぐや本人も明日人の態度から察したのかそれ以上聞くことはなく、作業に戻った。

 

「ほら藤原、明日人は仕事に戻ったんだからお前も手を動かせ」

「えぇ~私もう腕が疲れちゃいましたよ。だいたいこの書類ほとんど予算関係のばっかじゃないですか。石上君に任せて私たちは早く帰りましょうよ」

「先輩は僕を殺す気ですか?」

 

藤原、案外後輩に対してはドライである。

 

「安心しろよ優、さぼったお詫びに俺は最後まで一緒にやるよ」

「明日人先輩……僕、先輩に一生ついていきます!」

「だから作業をしろ作業を!」

 

本日も平常運転の生徒会活動。もくもくと作業を進めていく生徒会役員たちであった。

 

「そういえば明日人くん!」

 

作業を再開して数分、作業の手を進めながら藤原が話しかけてきた。先程サボっていた明日人を叱っていたことは彼女の中では記憶の彼方へと消え去ったようである。

 

「今度萌葉たちとショッピングに行くんですが一緒にどうです?」

 

突然のデート(荷物持ち)のお誘い。女性、特に普段家庭の厳しいルールを守るよう言われている藤原にとってショッピングとはまさに心のオアシス。おしゃれをしたい華のJKのお買い物が少量で済むわけもなく、当然華奢な藤原では持てないほどの量になる。配送なども可能だが、藤原はお楽しみを後に取っておけないタイプ。買ってからの実際手にするまでの時間差が発生するのは容認できないのだ。そこで必要になるのが荷物持ち。この中で一番付き合いの長い明日人がその生贄に選ばれた。

ちなみに萌葉とは藤原の妹で秀知院の中等部に通っている後輩である。

 

「えぇ……別にいいけど萌葉ちゃんもかよ。絶対俺一人じゃ持てない量になるじゃん」

「別にいいではありませんか。明日人くんは力持ちですし、昔馴染みの藤原さんの頼みぐらい聞いてあげたらどうです?」

「あれ?もしかして荷物持ちにしようとしたのバレてます?」

「逆に女二人と男一人でショッピングに行って男が荷物持ちにならないビジョンが見えないのですが」

「明日人は空手のインターハイ出場経験者だからな。ちょっとしたボディーガードとしても優秀だし、ちょうどいいんだろうな」

「そうです!明日人くん!か弱い私たちを守るのも立派な生徒会庶務の仕事ですよ!」

「ねえ、俺は確かに庶務だけどどっちかっていうと便利屋みたいな扱いされてない?」

 

かぐやと白銀の援護射撃を受けて勢い込む藤原。こうなっては断るのもめんどくさいので明日人はしぶしぶ了承する。

 

「わかったよ。じゃあその日は予定空けとくから」

「やったー!じゃあ萌葉と圭ちゃんにも連絡入れときますね!」

 

藤原の口から出てきたその名前に反応し手が止まる人物が二名。かぐやと白銀だ。

 

「ちょっと待て藤原、なんでお前が圭ちゃんの名前を知ってるんだ?」

「え?だって圭ちゃんと萌葉って友達同士ですし、よくうちにも遊びに来ますよ」

 

兄白銀御行、今知る衝撃の新情報。思春期を迎え、妹である圭とは家庭内でも若干ギクシャクした関係になっている白銀。当然妹の交友関係など知る由もなく、偶に友達の家に泊まる時も「今日は友達の家に泊まるから帰ってこないぞ」と父親から告げられるまで知らないレベルである。

 

(まさかこんな身近にいたのかよ圭ちゃんの友達の関係者!)

 

兄として圭の性格は熟知しているつもりだ。若干危ういところはあるが圭はいたって真面目。そんな彼女が頻繁に交流している相手ならば悪影響を与えるような人物ではない。だが、目の前にいる藤原に至っては別次元の話。

全てが予測不可能。本能のままに生きるこの未確認生命体が最愛の妹に何を教え込むか分かったものではない。

そしてそんな白銀以上に困惑しているのがかぐやだ。

 

(圭?今この子会長の妹さんのことを呼び捨てにしました?しかも家に遊びにきてる?私がいまだにできないことをこれが既に成し遂げていたと?)

 

四宮かぐやは白銀御行のことが好きである。しかし本人は絶対に告白したくない。なぜなら恋愛とは告白をされた側が勝者であり、した側は敗者であると思っているからだ。そのためかぐやは日々白銀に対しての告白させるためのアプローチを行っているが、白銀もまたかぐやと同じ思考をしている。互いに相手を告白させようとするも、すべて空回りに終わりどちらも告白はしない。均衡状態を打ち破るべくかぐやが最近手を出しているのが白銀の人間関係だ。

白銀の周囲の人間を篭絡し、「会長、もしかしたら私のことが好きなのかも?」といえばあとは白銀本人が周りに詰め寄られ心が折れて告白するのみ。そのために白銀の身内である圭との関係は何としても結びたかったのだが

 

(まさかこんなところに裏切り者がいたとは。私を出し抜いて会長の妹を篭絡しすでに呼び捨てまでしてるとは。藤原千花、人間の見た目をしていながらその中身はなんて醜く浅ましく下劣なのかしら。私は友人だと思っていましたが、それも今日で終わりです。後でこの未確認生命体Fは排除してしまいましょう)

 

藤原、死刑宣告。

一気に空気が重くなる生徒会室。そんな現状を打破すべく、明日人は口を開いた。

 

「圭ちゃんも来るの?じゃあ俺一人だと心許ないし、御行もついてきてくれよ。そうだ、かぐやは圭ちゃんとは会ったことないし、その日予定が空いていたら顔合わせで一緒に来るか?」

 

明日人(荷物持ち)からのお誘い!

これまで学校外での関わりはほとんどなかった白銀とかぐやを合理的に引き合わせるこの提案は二人の心を動かした。

 

(明日人ぉ!ナイス提案だ!)

「ふむ、そうだな。さすがに3人の荷物持ちは明日人でもきついだろうし、俺も行かせてもらうか」

(素晴らしいわ明日人くん!私たち一生友達でいましょうね!)

「いいですね。私も中等部の子たちとの関りはなかったですし、親睦を深めるということで私も同伴させていただきます」

「かぐやさんや会長も来るんですか!やったー!」

 

わーいと両手を上げて喜ぶ藤原。

白銀は明日人の荷物持ちの手伝い、かぐやは中等部との顔合わせ。二人の不安や怒りを収めつつも他人同伴とはいえ一緒に街中で買い物をする理由を作った明日人。白銀は親友に感謝し、かぐやは昔馴染みを一生の友と認めた。

ここで一つ強調したいのは、あくまで白銀とかぐやは互いが好いているというのを家族など身近な人物にしか話していない。自分が相手を好きだというのがバレたら、その時点でこの恋愛頭脳戦に敗北したも同然だからだ。そのため生徒会役員で真実を知るものは誰もいない。むろん二人の仲ではこの提案をした明日人も相手を好きだというのを知っているとは到底思っていない。自分たちの日々の演技は完璧であり、普段の会話の中でそれとなく相手に勝負を挑んでいるのだ。他人にバレるなど絶対にありえない。

 

(マジでこいつら早く告白しちゃえばいいのに)

 

バレていた。

浅見グループ御曹司として昔からかぐやと面識はあったし、小学校からの付き合いである白銀の性格は同年代と比べたらだいぶ知り尽くしている。そんな明日人がこの頭脳戦に気づかないわけもなく、二人の膠着した関係を何とかしようと助け舟を出したりしている。

 

(そろそろなんとかしないと千花が本当に殺されそうだし優はかぐやの視線におびえて死んじゃうぞ)

 

浅見明日人。秀知院学園生徒会庶務。生徒会で一番下っ端である彼の仕事は、この不毛な恋愛頭脳戦を早く終わらせることである。

 

本日の勝敗  明日人の勝利(白銀四宮を見事収めたため)

 

(僕、誘われすらしなかったな。別に誘われたとして行くわけないけど、ちょっと悲しいな)

 

蚊帳の外の石上は、一人黙々と作業を進めていた。

 

 

 

 

日も落ちはじめ、校内で部活動をしていた生徒たちが活動を終えるころ、生徒会役員たちはようやく作業を終えた。

 

「ぶひゃ~づがれまじだ~!」

 

机に上半身うつ伏せになる藤原。彼女ほどオーバーではないが、ほかのメンバーも肩を回したり目を抑えたりとかなりの重労働であったことがうかがえる。

 

「なんとか下校時間には間に合ったな。それでは各自今日はこれで解散だ。今日が忙しかったからって明日学校に遅刻するなよ!」

 

白銀の号令とともに、各々自分の荷物をもって生徒会室から退出していく。部活を終え学生がちらほらと帰宅しているのを窓から眺めながら、明日人は下駄箱に向かっていく。大変だが、これこそ自分が望んでいた生活だ。友達と仲良く学校生活を送る。こんな普通がいつまでも続けばいいと明日人は思っていた。

 

「浅見くん!」

 

そんな思いにふけっていた明日人の意識が現実に引き戻される。声がした方を振り返ると、そこには周知院の制服を着た男子生徒がいた。よく見ると、同じクラスに似たような顔の人物がいたような気がする。

 

「生徒会の仕事はもう終わった?」

「おう、これから帰るところだ」

「良かった~!今日中にこれを浅見くんに渡せって親から言われてたんだ!」

 

男子生徒は持っていた学校指定の鞄から一枚の手紙のようなものを取り出すと、明日人へと渡してきた。

 

「今度うちの会社でパーティーをやるんだけど、浅見くんを絶対に呼んでくれって言われててね。それと、できれば家族の人たちも呼んでほしいんだ!」

 

男子生徒の言葉を聞き、明日人の時が止まる。彼の実家は確かエネルギー産業に手を出していた企業だったはずだ。そして自分をそのパーティーに招待するということは、()()()()()()なのだろう。

その招待状を受け取るか一瞬迷った明日人は必死に表情を作り男子生徒へ顔を向けた。

 

「うん、わかった。じいちゃんや親父にも言っておく」

「ありがとう!それじゃまたね!浅見くん!」

 

招待状を手渡すと、男子生徒はすぐに去っていった。その場に残された明日人は招待状を眺めながら苦い顔をしていた。

 

「また浅見の庇護を受けたい企業からの招待状ですか?」

「相変わらず神出鬼没だな、愛」

 

明日人がいる下駄箱の向こう側にいて姿は見えないが声ですぐにわかる。

早坂愛。四宮かぐやの使用人であり、この学校の生徒でもある。普段は正体を隠し明るいギャルっぽい格好で学校生活を送っているが本性は今のように冷静沈着である。

幼いころからかぐやと面識のある明日人にはその正体がばれており、かぐやもそのことは承知している。

 

「その招待状、渡すか迷っているなら捨ててしまえばいいじゃないですか。後で不参加の旨を伝えればいいだけですし」

「いや、ちゃんと家族には伝えるよ。どうせ俺個人に向けられたものじゃない」

「明日人様のその達観した性格、私は嫌いですよ」

「そう?俺は案外気に入ってるけどね。浅見の名前を重く受け止めることもないし」

 

浅見の名はとても重い。それは早坂も重々承知している。なにせあの四宮家当主の雁庵くそじじいが明日人との関係だけは絶対に途切れさすなと口うるさく命令するほどである。いや、正確には浅見との関係を途切れさすなと言っているのだろう。

 

「竜也様は若い頃家を出て自分で会社を立ち上げたと聞いていますが、明日人様はそういったことはなさらないのですか?」

「俺は親父みたいに浅見の名前から逃げるなんてことしないよ。それに結局、親父だって今は次期会長として浅見に貢献してるんだ。俺なんかが何やったって無駄だよ」

 

小さいころ、祖父から聞いたことがある。父は浅見の名前が嫌で祖父に賭けを持ち込んでいたらしい。浅見が関わらない、自分だけの道を歩みたいと。その賭けに勝ったときに立ち上げた会社は今は父の手を離れているがそれなりに名のある企業へと成長しているらしい。しかし、そんな道を歩んでいたはずの父は今や祖父の後継ぎとして実質的な浅見グループのトップにいる。結局は父も浅見の名から逃げることができなかったのだろう。

父は強い。体力面では空手のインターハイで準優勝した経験もさることながら、人格面でも非常に優れている。明るく周りを引っ張りながら、時には親身になって部下たちの意見も取り入れてくれる。明日人のわがままもある程度は聞いてくれるなど、父としては非常に尊敬している。だからこそ、そんな父が浅見に()()()ことが明日人にはショックなのだ。

 

「それで、どこの企業からの招待状ですか?」

「エネルギー関連の会社。大方うちが最近開発してる新エネルギーについてだろ」

「確かに、Ζ―3が完成したら今あるエネルギー関連の企業はすべて潰れてしまいますからね」

「とんだ迷惑だよ。大体、まだ量産できるわけじゃないのに皆浅見に媚び売っちゃってさ」

「そのうち量産できると知ったら今まで以上にいろんな企業が浅見に取り入ってきますよ。そうしたらもうエネルギー関係ではどの企業も浅見に逆らえなくなりますね」

 

浅見グループが研究しているΖ―3。λ―2000と呼ばれるエネルギー結晶体に含まれるとある副作用を克服した環境に無害な完全クリーンエネルギーだ。少量あるだけで東京都心のエネルギーはすべて解消できるし、あらゆるものに応用が利くまさに夢のような資源になる。現在浅見グループが保有しているブイレックスと呼ばれるロボットもこのエネルギーが使われており、20年以上経った今でも一切の補給なしに動くことができるのだから期待も高まるというものだ。

明日人は靴を履き替えると、校門へと歩き出す。その後ろに仕えるように靴を履き替えた早坂もついていく。

 

「みんな浅見にへこへこし過ぎなんだよ。所詮ただの一企業グループでしかないのに」

「そうでしょうか?浅見ほどいま勢いのある企業はないと思いますが。もし私が経営者なら浅見に媚びを売らないほうが異常だと思います」

 

早坂が言ったように、浅見グループはタイムレンジャー関連の事件を機に急速な成長を遂げ、多くの事業に手を出している。ロンダーズから契約会社を守る名目で発足したシティーガーディアンズも今では警察に代わる新たな組織といわれ、Ζ―3によるエネルギー市場への参入、更には30世紀の技術の独占など、もはや並大抵の企業では足元にも及ばないほど成長している。

だから明日人は浅見が嫌なのだ。そんな大企業の御曹司など、普通の生活が送れるわけがない。先ほど招待状を渡してきた生徒のように、自分を浅見とパイプを築くための道具としか思っていない。むろん、今後ろにいる早坂も

 

「じゃあ俺もう帰るから。藤原たちとのショッピングの日程も決まったら教えるって伝えておいてくれ」

「うん!じゃあね!浅見くん!」

 

早坂の雰囲気が変わった。学校内で過ごすためのギャルモードということは、近くに他の生徒でもいたのだろう。

明日人は背中を向けながら手を振って帰路へ着く。早坂も手を振って明日人を見送る。女子が男子に手を振るなどそういう関係を疑われかねないが、明日人ならば別だ。この学校で明日人が近寄って声をかけない生徒はほぼいない。こうしてお別れの挨拶をする人だって結構いる。だから疑われることなんて絶対ないのだ。

それが、浅見にとっての普通なのだから。

 

()()()()、か。知り合いに言われるとやっぱ嫌な気分になるな)

 

そう思いながら、明日人は自宅への道を歩いていく。

『明日』という未来を、明るく生活できることを願って

 

Case File EX

20XX.May.15.




自粛期間中にタイムレンジャー全話見て思いついたやつです。つづきは書かないですけどもし書くんならブイレックスは出す予定。

オリ主の明日人くんに関してですが、性格は父親の竜也に割りと似てます。
違うところは竜也が浅見のレールから逃れようといろいろ行動してたのに対して明日人はレールから逃れることを諦めきれてない半端者なところです。招待状をあっさり受け取ったりしてるのも浅見の名を背負っている以上仕方ないことだと割り切っている風ですが生徒会メンバーが全員下の名前呼びだったりするのは「浅見」と言われるのが嫌だから明日人がそうさせているためです。だから学校モードの早坂に「浅見くん」って言われたときはまあまあ傷ついてます。
竜也が浅見の次期会長になってることについてですが、竜也は最終回で浅見と向き合うという決意を固めたのでおそらく父親の後は継ぐんだろうなというのが自分なりの解釈です。じゃないとインターシティ警察とか存在しなくなっちゃうので
この作品での浅見グループの立ち位置ですが竜也が持ってるクロノチェンジャー、ブイコマンダー、ブイレックスを保有してるため技術力はずば抜けて高いです(技術が未来過ぎてほとんどを解析できていない状態だけど)。だから他の企業はみんな浅見に頭上がりませんし四大財閥の四宮や四条も浅見に取り入ろうとしています。
Ζ―3は20世紀にはまだ変換技術がないと明言されていましたがDVディフェンダーの出力を調整するだけで変換できてたので浅見はDVディフェンダーと同出力の装置を開発してΖ―3に変換しているという設定。

今年はタイムレンジャー20周年だからなにか動きがあるといいな
では機会があればその時に

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