Metal Gear Solid/ Ark of ■■■■ 作:daaaper
後書きで宣伝ありますが、ご容赦くださいm(_ _)m
4月7日 AM 09:00 ロドス本艦 深層フロア 格闘訓練室
「これより訓練を始めるっ!」
訓練室に朝からドーベルマン教官の号令が響く。ドーベルマン教官の前には、縦二列で行動予備隊A1、A4の十人が姿勢を正して整列している。普段の訓練であれば整列はしていても瞼は重い、といった者もいるが、今日はしっかりと姿勢を正しているようだ。それもそのハズ、彼らはいま、ドーベルマン教官をはじめ普段訓練を施してくれている教官陣が周りを囲っている。
さらに、ドーベルマン教官の隣には眼帯を着けたいかにも傭兵といった顔立ちの男が立ち、そこにBSWの四人が整列している、しかも先頭に立っているのはジェシカだった。先に訓練室で待機していた行動予備隊の面々は、フランカかリスカムがリーダーとして訓練に参加するだろうと思い込んでいたが、BSWの四人が訓練室に入ってきた時、ドーベルマン教官に報告をしていたのはジェシカだったし、いまも列の先頭に立っているのはジェシカだった。
「本日はBSWとの合同訓練を行う、訓練内容は事前に各隊の隊長に知らせた通りだ。各自安全確保にはくれぐれも注意するように。何かあれば周囲にいる教官にすぐ報告しろ。また、今回初めて見る者も多いだろうから紹介しておくが、彼はスネークだ」
ドーベルマン教官に名前を紹介されると、スネークは縦二列に並んでいる彼ら彼女らの方をみて軽く礼をする。合わせて行動予備隊もスネークに対して礼を返した。
「皆も知っている通り、ロドスはBSWと契約を結んだ上で協力関係にある。彼はBSWのインストラクターだが、今回は外部協力者としてお前たちの訓練の評価も行ってもらう。またと無い機会だ、怪我のないよう注意しながらも全力でこの訓練に望め」
チラッとドーベルマンがスネークに視線を送る。今この場でロドスのオペレーターへかける言葉は彼にはない。アイコンタクトで短く返すと、彼女はすぐに正面に向きなおる。
「訓練開始は09:45、各自準備にかかれっ!」
「教官に、敬礼!」
フェンの号令とともに、行動予備隊は前に立つドーベルマン教官に敬礼をする。敬礼されたドーベルマンやスネーク、周りを囲む教官たちも敬礼を返すと、行動予備隊はそれぞれの部隊に分かれて準備を始めた。
「教官らと最終確認をしてくる、先に上に上がっていてくれ」
「わかった、今日はよろしく頼む」
「なに、互いの教え子のためだ。こちらこそよろしくな」
スネークと軽く挨拶をすると、ドーベルマンは教官たちの方に集まっていった。
「おはようございます、スネークさん」
「今日はよく眠れたかジェシカ」
「はいっ。少し緊張はしていますが……今の私がやれることをやるだけですっ。何よりこの訓練は私一人ではありませんから」
ジェシカの様子からは確かに緊張は見られるものの、最初の頃のような怯えや自信の無さは感じられない。仲間がいることも関係しているだろうが、何より自分の能力に自信をつけたことが大きな要因だろう。
「そうか、なら良い。お前たちも体調は大丈夫か」
「ばっちりよ〜」
「私も問題ない。私たち二人はアーツの使用を控えるので間違いない?」
「ああそうだ」
行動予備隊は一チーム五名で構成されている一方で、BSWは四人しかいない。しかし、コチラは重装オペレーターや前衛オペレーターがアーツを扱うことができることや、戦闘経験の差も考慮すると、パワーバランスは拮抗しているとは言えない。
また、今回の訓練はあくまでチームとしての働きを評価するものであり、個人の技量を測るものはないことから、フランカとリスカムの二名はアーツの使用を禁止した上で訓練に参加する。
「だが戦闘に関しては手加減は要らない、全力でやってくれ」
「オッケー、遠慮は無用ってことね」
「わかってるとは思うが、あまり怪我はさせるなよ」
「もっちろんよ」
フランカは軽く答えているが、彼女は相手をよく見て戦闘を仕掛けるタイプだ。柔軟に対応してくれるだろう。リスカムの方も性根が真面目なのでコチラも問題にはならない。
「バニラちゃんは大丈夫ですか?」
「ハイッ! BSWの先輩方や、ロドスの皆さんと一緒に訓練できるのが楽しみですっ!精一杯頑張ります!」
残るは新人のバニラだが、BSWの留学生として派遣されてることもあり基礎は十分に出来上がっており、能力も悪くない。今回の合同訓練であれば十分に役割を発揮することができるだろう。何より、スネークが声をかける前にリーダーであるジェシカがコンディションを確認しているあたり、今このチームに特段の懸念材料はない。
「なら2階に移動するぞ」
「最初はあの子達からやるんだっけ?」
「ドーベルマンと相談した結果だ。まずは行動予備隊同士で攻守ともにやってから、お前たちの本番だ」
ロドスとしては、普段は叶わない外部の部隊と訓練することで新人達に新たな経験と刺激を与えること。スネークとしては、ジェシカの能力評価に向けた最終チェックをすること。両者目的は異なるものの、共同訓練として落とし込むことでそれを達成することができると踏み、この合同訓練が実現した。
まずは行動予備隊同士で紅白戦の訓練を行う。手の内を知り尽くした相手でウォーミングアップをさせた後BSWを交えた紅白戦を行うことで、今までの自分たちと何が違うのか各々が比較することが効果的だろうという算段だ。
「けど、先にメランサさんやフェンさんの動きを見るのは不公平だったりしませんか?」
「いや、手の内を知られた上でどう動くかも向こうの訓練だ。実戦で動きを一回見られたから負けました、なんざ話にならんからな」
「な、なるほど……」
「戦場に公平は無い。何よりこの訓練も実戦を想定している、遠慮なく上から観ておけ」
「わかりました」
付け加えるなら、戦う相手のあらゆる情報を入手した上で、どう活かせるかでも部隊の任務成功率は変わってくる。この訓練で、ジェシカがどれだけのことをやれるかもスネークは観察するつもりだ。
「私メランサに声かけてくるから先に上がって良いわ」
「そうか、なら移動するぞ」
そう言ってスネークは訓練室内を見渡すことができる場所へと移動し始める。フランカは行動予備隊の面々が集まっている方に一人向かっていき、ほかのメンバーはスネークと共に上へと移動していく。
「今日の訓練はここ二ヶ月の訓練の総復習みたいなもんだ。今のお前ができることをやっていけばいい」
「はい……正直、あんまり成長してる実感はないです。けど、はい。今の私にはリスカム先輩やフランカ先輩、ドーベルマン教官に、BSWやロドスで教わったものがたくさんあります、よね?」
「うん、そうだよ。何より訓練だからね、いま全部出来なくたって大丈夫」
リスカムがジェシカの肩にボンッと力強く手を置き言葉をかける。その手には後輩への心配や杞憂ではなく、信頼と確信がたしかに置かれていた。
「さて、そろそろ訓練の開始時刻だ。他の部隊の動きを見るのも訓練の一環だからな。ジェシカ、あとバニラ。お前たちはキルハウスの中と外の全体を見渡せる場所にいておけ。見学中に移動しても構わん」
「わかりました」
「は、はい!」
ジェシカと共に名前を呼ばれたバニラはやや驚きながらも、スタスタと見やすい位置に移動するジェシカの後ろを早歩きで追いかけていく。
「私はあんまり見ない方が良い?」
「いいや、あくまで訓練の主役がジェシカというだけだ。むしろアドバイザーとしてウチの部隊の動きを見てもらえる方が助かる」
先ほど登ってきた階段からドーベルマンがこちらにやって来ながら、リスカムの言葉に返事をする。階段にはフランカの姿も見えた。
「あら、随分と私たちのことを信用してくれてるわね」
「ロドスとBSWは正式な業務提携を結んでいる、その中には秘密保持も含まれていることは君なら知っているだろう」
「まあね、じゃなきゃうちのラーニングシステムも使えないしね」
「ん、ラーニングシステムってのは何だ?」
「簡単に言えば戦闘訓練計画を作ってくれるものよ。ま、ウチが開発したチップだと思ってくれれば良いわ」
聞き慣れない単語にスネークが反応すると、フランカが答える。どうやらBSWの育成プランをロドスでも使用している、ということなのだろう。戦闘訓練とチップがどう関係しているのかはピンとこないが、BSWが開発・運営しているシステムであれば眉唾な物では無いのだろう。
「この訓練は集団での戦闘能力の向上だ。勝ち負け以上に、行動予備隊に経験と気付きを与えてやりたい」
「なら、遠慮なくやらせてもらうわよ〜」
「まずは見学だがな」
宣伝です
明日、pictSQUAREにて開催される『ノアの休日2』に参加させて頂きます。
会場はこちら https://pictsquare.net/650efsung6xkcty52qvauyo21klmubzr
当日は6番艦のえの3におります。
頒布する小説についてや、イベントの詳細については下記のTwitterを確認していただけますと幸いです。
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