ぐらんぶる転生最強もの(仮)   作:紅茶タルト

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第12話

 腕力。

 学力。

 財力。

 私はこの三力を得ねばならない。まあもう既に年齢にそぐわないレベルのは持っているのだけれど、万全にしておきたい。

 まずは、腕力。いろいろ考えたが、パンチ力と重いもの持ち上げる力があれば文句ないだろう。

 私も自分の限界が気になってきているところ。

 

 そんなわけで伊豆ボクシングジム。体験とかナシで飛び込んだ。

 このジムの良いところは課金システムがあることだ。VIP会員になれば元ウェルター級王者の会長にトレーニングを見てもらえる。一般的感性からすれば高額な入会金と月謝を要求されるVIP会員だが、入会金五万月謝五万なんてガチ勢にとってはタダみたいなものだろう。しかも会長さん、ちゃんとトレーナー修行をしているそうだ。隙がない。

 ただ会長は予約制だから今日は普通に空いてるトレーナーさんだけど。

 

「よろしくおねがいします! 古手川です!」

「よろしくおねがいします! 上原です!」

 

 なかなかのガタイのトレーナーだ。うすいあごひげがキュート。

 そんな上原さんと元気よく挨拶をしあって、まずはストレッチ。動的ストレッチなのですぐ済んで、縄跳びだ。

 跳びながら話します。

 

「古手川さんはやっぱりプロ志望で?」

「ああいえ、好きなコが力強い人が好きだと言うので」

「へえ。それでVIP会員に?」

「愛の強さですわ。でも大会とか出れるなら出たいです」

「ああ、丁度最近アンダーナインの大会ができたから、今から頑張れば行けるんじゃないかな?」*1

「それは嬉しいですね」

「タイミング良かったね。それにしても……」

「なんです?」

「余裕そうだね」

「ええ」

 

 息も切らさず十分ほど跳んだ。

 

 体が温まる。

 

「すごい体力だね。なにかやってたの?」

「体力は生まれつきですよ」

「へえ? じゃあ、ジャブとワンツーから始めようか」

 

 まだグローブは付けず、鏡の前で教えてもらう。

 構えから。

 

「古手川さん、利き手は?」

「両利きです」

 

 実際には違うが、どうも前世と今とで利き手が違うようで結果両方使える。

 

「じゃあサウスポーでいいかな。こう、右を前に出して」

「はい」

 

 構えを教えてもらって、ジャブ。

 

「完璧」

 

 そうなの?

 

「じゃあ次にワンツー。素早いジャブとストレート。こう、サウスポーなら右でジャブを打って、次に左ストレート」

「おー」

 

 ぱぱんっと二発のパンチが飛ぶ。確かに速く、かっこいい。私もやってみる。

 

「ふふんっ」

 

 二連パンチ。

 

「おおっ、すごい速い! じゃあ、ストレートの時後ろの足は前に出さないようにしてみよう。ほら、こうひねるように」

「なるほど」

 

 後ろ足を前に出してたけど、これじゃあ水月突きだな。

 言われた通りやってみると、これが難しい。どうにも後ろ足が前に出そうになる。何度かやっているうちにそれっぽくなってきた。

 

「そう! あごを引いて。そう! 当たる瞬間に拳を握って。そう! 打ったらすぐ戻す! ……完璧」

 

 そうかなあ。

 

「じゃあグローブ付けてサンドバッグ叩いてみようか」

 

 話早いな。

 

 異論もなく、その通りに。今日のところはグローブを借りてサンドバッグの前に立つ。グローブの中の拳をどう握ろうか考えたが、一本拳はたぶん違うだろう。うろ覚えの格闘マンガ知識によるとボクシングは拳を箱にして殴り合うからボクシングなのだとか。ならば素直にそれに習おう。

 ほんとかどうか、ちょっと疑わしいけど。

 

「すう……」

 

 吸って……止める。

 ほんの少し踏み込み――すぱぱん!

 

 んで、ステップで戻る。

 

「いいよ! ちゃんとステップできてる。いいインパクト!」

 

 ちょっとサイドステップして踏み込んで、すぱぱぱん!

 すぱぱぱぱぱぱぱん!

 ……楽しい。

 

「っふう」

「いいねいいね! もっと拳の位置上げてみようか。足の幅少し広げて!」

 

 さっき完璧言うたやん。

 フォームを直しつつのワンツーはややこしかったが、なんとかかんとか。

 

「じゃあ、次からはもう少し基礎をやりましょう! お疲れさま!」

「お疲れさまでした!」

 

 結局の所まったく完璧などではなく、まだまだ直すところがあるっぽかったがまあそれは次回と相成った。会長さんとのミット打ちが楽しみ。

 まったく、初日だからって手を抜きやがって。そんな思いでコンビニで買ったサラダチキンを食いながら家へ帰る。だがまあそれが現実的なラインなのだろうなとも思いながら。

 私がトレーナーでも、年齢一桁の少女にいきなりあれやこれやハードトレーニングはさせまい。

 ……ましてや、殴り合い競技。なかなか続けようという少女はいまい。だからちゃんとしたジムですらこうしてまずは様子を見ているのだろう。

 もう少し近場には空手道場もあった。そこを選ばなかったのは、空手道には"道"の要素があるからだ。

 すなわち、礼節がどうのこうの。だが私はもっとインスタントに取り掛かりたい。そこで、道ではないところを選んだ。とりあえずは。

 なのに、という思い。

 展開次第では遠出してキックボクシングや総合格闘技からのK-1やらなんやらのルートもまだ残っているけど、良さそうなとこに行こうと思うと神奈川や東京に行くことになる。まだ自由自在にテレポートする魔法は覚えてないから、とりあえず優先順位を下げた。

 動物とのあれこれのためにレンジャーのレベルを取ったり、なにかあった時の治療のためにクレリックのレベルを取ったりの浮気のせいで魚とかふつーの生き物を殺すだけで経験値が入るヌルい設定でもなかなか高レベルのソーサラーにはなれていない。

 もしそのへんを曲げていれば、と思わなくもないが……他んとこでも同じだった気がするな。"もし"はそうした方がよくなるとは限らないものだ。思い悩むのはよくなる確証や根拠がある時だけでよい。

 まあ会長さんと相談すればいいか。課金コースだし。

 

 

 

 次に学力だが、これはひとまず現状の努力を増すことにした。今度大学で教員の方にいい塾でも紹介してもらおうかとは思うが、栞ちゃんは高校レベルの小学生にもっと上を求めるクレイジーではないだろう。もちろん強化には努めるが、ここはとりあえず現状で不足はないと見る。

 そんなわけで、財力である。

 

 ……いやあほんと、十兆円とか言われたら困っていた。世界が。

 

 例えば私が生まれたのがファンタジー世界観で、金を手にしようとカジノに入り、出る目を占うなどして勝ちまくるとする。そりゃあ一晩で何億円にも匹敵する金貨銀貨を得られるわけだが、そこには限界がある。追い出される、とかもあるが単純にそこにある通貨の量だ。

 しかし、FXのように数値のみを扱う場合はその限界が無い。

 この例えは物理的な通貨でやり取りされてさえいればいいので別にファンタジー世界観である必要はなかったが、私は理論上、そしてその理論通りに金を無限に得ることができる。

 基本的にゼロサムゲーム、限りあるパイを奪い合うものである為替市場でそんな無茶をすれば、私が得た十兆円分の損失という影響が出ることになる。いや税金の分もあるからもっとだ。

 いまいち想像もできない金額だからはっきり予想もできないが、世界的な恐慌が起きたりするのだろうか。あるいは損失は分散されて大したことにならないのか。

 とても試す気にはなれない。その結果アニメやゲームの制作会社に影響が出たら私が楽しめない。

 幸い栞ちゃんの言う十億円は既にクリアしている。ただ、栞ちゃんは遠慮して少なめに言ってくれたのだろう。なのでとりあえず千倍用意すればいいと思う。栞ちゃんも一兆円的なこと言いかけてたし。

 普段用の口座から移して証拠金を増やしさえすればちょい加速できるし、それもやろう。出金に少し時間がかかるからやんなかっただけで実のところ大した手間はかからないし。ちょちょいと、ほらできた。

 んじゃ、やろうか。

 

 "毒チワワ : 野良犬に噛まれたんですが、狂犬病とか大丈夫でしょうか?"

 

「占いならまだだよ。もうちょい。……医者行けよとりあえず。感染症はいろいろあるんだから」

 

 配信を始めて数分。まだ準備中の私に質問が飛び込んだが、それは医者案件だ。医療クラスターの視聴者が数名同様の突っ込みをしてくれている。不安なのはわかるが、私に訊くことではない。

 

 うっすら、変な痕の残った手が見えたけど知ったことではない。さてはすぐ行かないな医者。忠告はしたぞ。

 ウォーミングアップをするように何度も占いと少額の取引を繰り返すうち、エンジンが温まってきた。

 どんどんと数字が増えてゆく。雪だるま式に、現実のお金が。

 現実感が無いから嫌いだ。だからあまり本気ではやらず、使うぶん程度に留めていた。だが、やろうと思えばどこまでも行ける。

 恐らくは、どこかにあるであろうなんらかの打ち止めまで。

 

 世界観が変わってしまいそうだからやらないが。

 どうなるんだろうか? 面白そうだけど。面白そうだけどやらない。

 

 "レモン : マルチーズのケリーちゃんがいなくなったんですが、どこにいますか?"

「レモン。保健所にもっかい連絡してみたら?」

 

 子供噛んでるから行っても得はしないだろうけど、言っても得しないから言わない。

 

 "でぃせ : 石塚さんと市川さんがレースをするんですが、どちらが勝ちますか?"

「でぃせ。それ競艇じゃん。だめだよ、占いをお金儲けに使おうだなんて」

 

 だめだぞ。

 

 "藤田啓子 : 娘の居場所を教えて下さい。もう二週間も探していますが、行方がわかりません。"

「あー。……言えない。藤田さん、悪いけど」

 

 死んでる。事件捜査はしない。

 

 "藤田啓子 : せめて生きているかどうかだけでも教えていただけないでしょうか。"

「事件捜査はしない。言えるのはそれだけだよ」

 

 ほぼ答えだけど。被害者が小さい子とかだったら私も融通を利かせるが、それ以外は……山程ある事件の中から一つをどうにかする理由なんて私にはないし、かといって全部をどうにかしたがるような変態でもない。

 クソ人生になるだろう、それは。

 

 "笑う : こんな子供の占いにマジになっちゃって草"

「千葉の中学生だね。もうちょい勉強しないとあとでつらいよ。あとやたらお母さんに当たってるけど、七・三で君が悪いよ。お尻のこととかも話そうか?」

 

 先輩に掘られてら。

 

 "やくぅと : ……ヤツを探している。得物を準備しているうちに、姿をくらました。"

「やくぅと、ヤツならテレビの裏だ。右だ、右から攻めろ。多少面倒でも棚をどかし、そちらからやるんだ」

 "やくぅと : わかった! 感謝する!"

 

 ヤツらは私にとっても敵だ。私には《蟲の放逐(リペル・ヴァーミン)》があるけど、これも三メートル以内に近づけさせないだけの魔法でしかない。完全に目にしない、というのは私を以てしても不可能だ。今のところは。

 可能性があるのは錬金術。アイテムを作るのに特化したシステムくらいだ。だけど、あれはあんまりさわれてない。要求素材がファンタジー系だったりすることが多々あって取っ付きにくいのだ。レシピを開放するにはこの世界にもある素材で調合して、レベルを上げなくてはならない。だからこそ、未開拓で可能性があるのだけれど……調合の際鍋の中が緑色の光に満たされたりするからわが家のとってもオープンなキッチンには向かない。

 だから部屋にカセットコンロを用意して……となかなかに面倒で、レベルが上げにくく放置気味。

 なんかない限り、今後もそうだろう。

 

 "ヘイヴン : 生き別れた父を探しています。成瀬尚文という名で、関西あたりに居ると思うのですが……。"

「ヘイヴン。ダメ元で嘘をつくのはやめような。あと、復讐じゃなくて筋の通らない逆恨みだからそれもやめような」

 

 親でもないし殺そうとしてるし。私の知らないところでやるぶんには好きにすればいいが、私に嘘をついたのは許せない。相手方のFacebookに忠告入れておこう。

 

「ふー」

 

 ま、こんなもんか。

 今度久しぶりに税理士さんと話そう。

 

 

 ひとまず気が済んで下に降りると、梓がいた。飲んでる。

 ……他は、奈々華姉だけ。

 

「ねえ、梓」

「おおー? 服着てるなんて珍しい。どったの?」

「水着ですが。ええとね……梓って……ノンケ食ったこと、ある?」

「あるよー」

 

 あった。

 

「自分はそんなんじゃない、ってコを落として、気持ちよくさせちゃうのがもうほんと楽しくてねー。もう、何人も! ……なに、恋バナ?」

 

 顔の輝く梓。話が早い。

 

「伊織の妹の栞ちゃんっているじゃん」

「あー、あのコね。……おお! 霧火もやるね! そっかー……霧火も恋かー」

「プロポーズは済ませたんだけどさ。オッケーももらった」

「……早っ! じゃあ何を……あれ、そのコってノンケなんだよね?」

「うん。だから、ちょっと騙す感じで言質をもらって……それもほんとはからかうつもりだったんだけどさ、それやってからガチ恋しちゃった」

「あらー……そりゃ困ったね」

 

 相談。

 まー私なりに打てる手はもう打ってるんだけど……こういうの話すの楽しいわ!

 

「うん。で、対策しようと千紗姉経由で好きなタイプを訊いたんだけど、力強くて勉強できてお金がある人だってさ。私のことじゃん」

「あー、それって……」

「わかってるわかってる。まあ千紗姉はわかってなかったみたいだけどさ。遠回しに伝えたいことがあるんでしょ? 恥ずかしがり屋だから。んでまあ、結婚資金は十億円でいいって言質ももらって、それもクリアしてるから後は力と勉強だけよ」

「ぶふー」

 

 チューハイを吹き出す。

 

「自分でももうアプローチなんだか嫌がらせなんだかわからないけど、もの凄い腕力学力財力を用意してぶつけてやりたい。お金ももっと稼ぐ」

「ああ、もしダメでも意趣返しくらいはしたいよね」

「そうそう」

 

 いや、楽しい。こうして楽しく、ノンケ対策を教えてもらいました。

 作戦は決まってたから主目的はおしゃべりだけど。

 

 

 

「お、おお……」

 

 気分転換に作曲をしていたら……なんということだろう。とんでもない名曲が生まれてしまった。

 私にこんな才能が。いや、逆にない才能が見当たらないけど。こないだみんなが麻雀やってたから入ってみたら、

 

 

【挿絵表示】

 

 

 配牌が。

 履かせる下駄がでかすぎないか。

 

 さておき。なんか名曲ができたわけだ。ど、どうしよう。どう発表するのがベストなんだ。

 そんなんを悩んでいると、耕平がこんなことを言った。

 

「小学校に行かないか?」

 

 と。

 

「ん、なに? うち来る?」

 

 なんとかそれを可能にする企画を考えることになるが、私の学年からはなんらかの専門家を呼んで話を聞いたりする。そのへんからなんやかや……できるかなあ?

 

「いえ、そうではなく……」

「なんだ。……千紗姉、通報やめてあげて」

 

 話を聞いてみると耕平はすまーとふぉんを取り出した。画面には、廃校を利用した宿泊施設。なるほど。

 ああ、肝試しか。あったなそんなの。

 

「あ、これ面白そう」

「廃校になった小学校に泊まれるのか」

 

 伊織たちの反応も悪くはない。これは決まりそうだな。伊織たちは信治たちにも話を通し、こうして夏合宿が決まったのだった。

 

 

 

 そんなわけで、合宿当日。私は一年チームと一緒に愛菜の運転する車の中――ではなく、そちらにiPhoneクマちゃんを送り込み、一足先に廃校の空いてる教室にいる。

 

『トラブルは必ず起きるものじゃないから番組を成立させるためにやらせの指示をするわけだけど、そんな感じで生まれた悪役への誹謗中傷からの自殺は海外を含めると四十人以上になるよ』

「もうテラスホーム見るのやめる!」

 

 選曲クイズ、愛菜編。"答え、リアリティショーの主題歌繋がり"への私のコメント。

 それを好きな人には申し訳ないが、あれは悪い文明だ。悪いやつは悪いやつ扱いを受けても開き直るなりなんなりできるが、作られた悪役はそうではないからな。

 

「じゃあ次は俺の選曲で」

「アニソン」

「せめて聴いてから答えろ!!」

 

 耕平はスキップして。

 

「次は千紗行こうぜ」

「……じゃあ」

 

 おお。千紗姉、普段どんな曲聴いてんだろ。

 千紗姉のすまーとふぉんをスピーカーに繋ぎ、再生する――と。

 

「あ」

「お」

 

 あ、私の曲だ。

 

「あ、これフェリーチェでしょ!」

「当たり」

 

 鳥の詩。Airの主題歌だ。この曲は最高なので摩耶にも歌ってもらってる。

 フェリーチェ名義はネットのみの活動だが、なんやかやあってそちらの知名度は高い。特に女子高生とかに人気……らしい。

 

「すごいよねー。若い声なのに、いろんな曲作れて……」

「うん。ジャンルを選ばないのがすごいよね。洋楽とかも歌えて」

「ん、これ霧火ちゃんの声じゃないか?」

 

 はい。

 

「えっ」

「あれっ、え?」

「当然だ。霧火さんだからな」

「ああ、なんかそんなこと言ってたな。青女の学園祭ステージの動画だったか」

「……え、え?」

 

 もう隠してないとはいえ、わざわざ宣伝してはいない。

 だから愛菜……はいいとして、まさか千紗姉。

 

『私のだね』

 

 前の世界の再現だけど。

 ……千紗姉は、えっ、とかそんな声を漏らしている。

 

『私だよ』

「……声、似てると思ってた……」

 

 やっぱり気づいてなかったか。

 千紗姉。千紗姉って……いや、よそう。ポンコツとか明言するのはやめておこう。

 

「え……霧火ちゃんが!? じゃ、じゃああのダイヤモンドクレバスも!? 逆さまの蝶も! 紅蓮華も! 恋する図形も! 炉心融解も!」

 

 愛菜が千紗姉の膝の上にいるクマちゃん()に顔を向ける。前向け前!

 

『あ、うん。カヤやレコーディングミュージシャンに歌ってもらったのもあるけど、曲作ったのは私』

「そーうだったんだ! 私、ずっと聴いてるよ! Butter-Flyとか、Bad Apple!!とか、ワンダーランドと羊の歌とか最高!」

『……おう、ありがとう』

 

 ううむ。

 基本的に、私は前の世界の曲という他人の功績をかすめ取ることに後ろめたさとかはない。どうせこちらにはないのだし、それに――

 

「私は春よ、来いが好き」

 

 松任谷由実の春よ、来い。

 ……このレベルの名曲が存在しなかったりするから、再現するのは義務というものだろう。その代わり私の好きにする。

 もともと気にしない上に理論ガードもあるけれど、こうもあれこれ言われるとちょっとモニョるな。私に言われてもって思う。

 他人の力で名声を得たくてやったわけじゃない。でも結果的にそうなっているな。……すっかり忘れていたけど、名義を分けていた理由ってこれもあった気がする。

 そうか、過去の私はこれを予見して……。

 

 小学校行きたくなさすぎる。これでちやほやされるの相当キツいぞ。

 

『まあそれはそれとして、新曲があるんだけど聴かない?』

「聴く聴く!」

「楽しみ」

「おお! 誰よりも早く霧火さんの新曲が聴けるなんて……!」

「へえ、どんな曲なんだ?」

『ふふ。すごいよ。ものすごい名曲だから。耕平くん、曲データ送るね』

「はい!」

 

 ほどなくして曲が再生され始める。美しいイントロが少し長く続き、みんなの気分を高める。そして、歌が始まった。

 最初に反応したのは耕平だった。声を出さないよう抑えているようだが、あまりの驚きか「ハブッ!?」とか聞こえる。出来上がった曲があまりに良すぎて摩耶に頼んだのだ。

 次は伊織だった。「ぐおおおお!」と悶えている。

 

「どうしたの? 伊織」

 

 伊織の返事はない。きっと、喜びで胸がいっぱいなのだろう。

 

『伊織の作曲ノートから一曲作ってみた。まさか、ここまでの曲ができるなんてね……』

「……なるほど」

 

 自分の作詞がこれほどの名曲に昇華される。そのクリエイターとしての大きな喜びを今伊織は味わっているのだろう。

 喜んでくれて私も嬉しい。がんばった甲斐があった。

 

 曲が終わると、車内には替わりに耕平のすすり泣くような声が響き始めた。

 

「北原……」

「なんだ……」

「俺は今、お前が恨めしい……」

「まったく身に覚えがないぞ……」

「そして同時に、感謝もしている。……この、名曲の歌詞はお前が作ったんだ。誇っていいぞ」

「とても複雑だ」

 

 このあと伊織から歌詞使用の了承をいただき、近々摩耶の曲として発表される運びとなった。

 きっとものすごい再生回数になるぞ。

 

「……さて」

 

 いろいろ準備を始めようか。

 

 

 

 小学校に車が到着し、待ち構えていた幹也が顔を出す。

 

「おう、来たな」

「東先輩」

「結構早くに着いてたんですか?」

「色々準備があったからな」

「準備?」

「言ってくれたら手伝いましたが」

「なに気にするな。携帯や貴重品はこれに入れてくれ」

『私も幹也に預けてね』

 

 そんなわけでクマちゃんは伊織たちとわかれるわけだが……もちろん、姿を消した私が近くにいるわけだ。

 四人は入り口へと向かう。

 

「まずはトイレだな」

「そうだな」

「霧火ちゃんが用意してくれたコーヒーとお茶、おいしいから飲み過ぎちゃったよね」

 

 仕込みはうまく行ったようで、みんな尿意をもよおしているようだ。

 そう、まずはトイレだ。

 

 一行は入口の前に置かれた机と、その上に用意された懐中電灯と肝試しの指令が書かれた紙を見て、私たちの企みを理解したようだ。素敵な思い出を期待していた愛菜はショックを受けているが、代わりに私に素敵な思い出ができるからいいじゃないか。

 千紗姉が紙をめくり、その裏に書かれた続きを見つけた。

 

 尚、霧火がノリノリだった。

 

 その文字に顔を強張らせたのは三人だった。度合いは千紗姉、伊織、耕平の順。

 

「へえ! なんだ霧火ちゃんか」

「……ちなみに、どんなのを想像しているんだ?」

「白い布かぶって、おばけだぞーみたいなの。きっとかわいいんだろうなー」

 

 打って変わってウキウキの愛菜。三人は何も言えず、とても重そうな足取りで入り口へ向かっていった。

 

 

 

 中へ入った四人に襲いかかるのは《秘術錠(アーケイン・ロック)》の洗礼である。見えない私がドアを強く引いて閉め、この魔法をかける。

 

「うおっ」

「びっくりした……」

「気圧差か?」

 

 伊織がドアに近づき、力を入れる。……が、

 

「……開かない」

「ちょっと、そんな古典的な冗談」

 

 愛菜も試すが、開くはずもなく。

 この魔法は扉などに鍵をかけることができる。なお普通に鍵があれば普通に開く。

 

「……ほんとに開かない。どういう仕掛け?」

 

 問いに答えはなく、一行は壁に張られたコース案内の矢印に従い、先へ進み始めた。

 

 四人はひと塊になって廊下を歩く。PaBの初期案だと男子女子に分けるつもりだったようだが、男女別の肝試しって……なんだ?

 そんなわけでそちらは廃案にした。

 廊下はおふだや血糊が用意され、気分が出るように演出されている。血糊は紙の上だが、それでも片付けは面倒だぞ。気合入れておる。

 

 前振りの通り、みんなトイレへ入る。すると、男子トイレから「うおっ!?」と声が。少しして、トイレ前で集まる四人。

 

「さっき声がしたけど、なにかあったの?」

「そっちにはなにもなかったのか。いやな、こっちには蛾がいたんだ」

「蛾? なんだ、伊織たちって虫苦手?」

「いや、そうじゃないんだが……」

「……幅が一メートルくらいあったな」

「えっ……」

 

 《蟲の巨大化(ジャイアント・ヴァーミン)》。でっかくし、簡単な命令を可能にする。

 PaBに蛾の捕獲を依頼して、巨大化して設置しておいた。女子トイレはなし。だいたいの男子はでっかい蛾がいても出すもの出せるからな。不気味な雰囲気を作り出す工夫。

 

「いやいやいや、そんな蛾いないでしょ。びっくりして大きく見えただけじゃない?」

「じゃあ見てみるか?」

 

 入っていくので、魔法を解く。

 

「ほら、ちっちゃいのがいるだけじゃない。怖がりすぎよ」

「さっきはでかかったんだがなあ……」

 

 二人が同時に目撃した以上、気のせいとは考えにくいが証拠がないためにうやむやになり、一行は次へ向かう。

 さて、トイレを出てまず出会うのは軽いジャブとして廊下の真ん中に置かれた机と日本人形。

 警戒しているようだが、別に仕掛けなんてない。通り過ぎたあとで、私が向きを変えるだけだ。振り向いて気づけばよし。気づかぬもよし。

 

「……あれ」

「どうした、千紗?」

「人形が……」

「人形って……うおっ」

「さっき、あっち向いてたよね……?」

 

 愛菜が伊織にくっつく。そうそう、こういうの。なにが面白いかしらんけど、これが定番だろ。

 

 振り向くと、

 

「ひっ!?」

 

 ひた、ひたという足音とともに血の足跡ができてゆく。《初級幻像(マイナー・イメージ)》!

 愛菜がガタガタ震え始めた。

 

「へ、変よこんなの……おかしいじゃない……」

 

 伊織にひっついたままへたりこんでしまった。

 

「そんな怖がらなくても、霧火ちゃんのいたずらだろ?」

「そんなわけないでしょ!? 目の前でできたんだから! ほらぁ! あそこに血の……ない!?」

 

 消した。

 

「ぜったいだめだって……呪われてるよ……」

「まあ、行くしかないだろ。玄関も開かなかったし」

「でも! ほらそこの窓開いて――」

 

 閉める。鍵もかける。

 

「…………おかしいよぉ」

 

 私は楽しいよ。

 

 愛菜がなんとか立ち直り、一行はおっかなびっくり先へ進む。

 私はてきとーな持ち物にかけていた《静寂の机(サイレント・テーブル)》を解き、少し離れて足音を隠さず付いてゆく。

 なにかに気づいた一行が止まると、一歩だけ私は余計に歩いて存在をアピールする。

 こちらへ振り返る四人。愛菜は泣いているが、千紗姉はわかっている顔だ。もう、いたずらして、って顔。だって体重の軽い裸足の千紗姉にとっては聞き慣れた足音だ。

 見えぬとわかっていながら、親指を立てる。

 

「分かれ道か」

「右だって」

 

 張り紙に従い右へ向かおうとするが、当然左側にもちらと視線を向ける。

 白い服を着て、黒い長髪のかつらをかぶった梓が、下を向いて髪を垂らし、顔が見えないようにしている。

 

「うおっ……って、梓さん……ですよね?」

 

 梓は、ぶらんと垂らしていた腕を片方上げる。水平に、しかし肘から先は垂らす。もう片方も同様にし、カクンと腰を落とす。

 そして――

 

https://www.youtube.com/watch?v=SmYZK88ssk0

 

 手足をばたばたしながら追いかける。

 

「うおおおおおお!?」

「きゃああああああ!?」

 

 逃げる四人。しかし、そこには壁がある。《幻の壁(イリューソリイ・ウォール)》。

 

「行き止まり!?」

「そこが開いてるぞ!」

 

 その手前の、開けておいた更衣室に見事に誘導完了。扉を閉め、鍵をかけ立てこもる四人。私も締め出されるが、想定通りだ。

 梓の出番はこれでおしまい。さて、幻の壁の向こうに置いといた人体模型を移動させてと。壁も消して。

 中からはしばらくぜえぜえと荒い息が続いていたが、対処を思い出したのか伊織と耕平の息はほどなくして整った。

 やや落ち着いてきたようなので、次。

 

 もっかい《初級幻像(マイナー・イメージ)》。

 

「はっはっは、驚きすぎだぞお前たち」

「と、時田先輩。じゃあ、さっきのはやっぱり梓さんですか」

「当然だろ。ずいぶん慌ててたが、怪我はないかお前たち?」

「はい……」

「なんとか……」

 

 更衣室の扉にはくもりガラスがあり、その前に信治の幻影を配置した。中からはうっすら体格が確認できることだろう。この魔法は音も出せるから便利便利。

 

「そうか、ならよかった。まったく……張り切るのもいいが、それで怪我でもしたら大変だろうに」

「ああいえ、このくらいなら」

「それより! さっきからこの学校変なんです! 血の足跡とか、人形が動いて!」

「うん? よくわからんな……ひとまず出てきて落ち着いて話をしないか? 俺も合流したほうが良さそうだ」

「はっ、はい!」

 

 幻影が脇に移動し、消える。どちらに移動したかというと、人体模型を配置した位置にね。

 かちゃりと鍵が開き、ドアががららと開き――四人は存在しない信治と、かわりにある人体模型という存在のダブルパンチを喰らい、

 

「ひぅっ……」

 

 愛菜は気を失うのだった。

 

 伊織が愛菜を背負い、あったはずの壁にも何も言わず一行は先へ進んでくれる。道中落ちている手鏡が急に割れたり、教室から子どもたちの普通の話し声が聞こえたり、楽しいことが目白押しの肝試し。いかがだったでしょうか? ラストは、音楽室から聞こえる子犬のワルツ。私の演奏だ。近づいてきたとこでやめる。

 

 調律が大変だった。

 

 入ってきて、伊織がピアノに手を伸ばすと、蓋がバタンと閉まる。

 ラストっぽくないけど、私からは以上だ。だって、当初は私が目全体が黒い小学生男子に変身して天井を四つん這いで走る、みたいなのも予定にあったけど《初級幻像(マイナー・イメージ)》の利便性の強さに気づいてしまって冷めた。だいたいこれでいいじゃん。そりゃ忍者も多用するわ幻術。

 

 そんなわけで。

 

「かんぱーい!!」

 

 仕上げをみんなに任せたが、愛菜が気絶しているのでソフトに終わらせいつもの宴会となる。私と違って、みんなはリタイアが出ても無視するような子供じゃないのだ。

 

 私も愛菜が騒いでくれないとつまんないよ。

 

 

 

「う……」

「お、気がついた?」

 

 ようやっと愛菜が目を覚ます。眠らせてしまったのは私なので、ブルーシートの上で私の膝を枕にし寝かせていた。

 

「ごめんね、張り切りすぎちゃって」

「……霧火、ちゃん?」

 

 身を起こそうとするが、なんとなく頭に手を乗せて制する。ちょっとなでなで。

 

「ん……」

「演出凝りすぎたよね」

 

 信治が"開けて"と言って開けたら人体模型。散々怖い思いをして、信頼できる先輩と合流できるという時にそれだ。期待していた緊張の緩和が裏切られる……。パーフェクトな演出だったと思う。パーフェクト過ぎたが。

 問題は順番だった。一番凝ったところはラストに持っていけばよかったわけだ。そうしないから先細りになった。なるほどな!

 幸せが過ぎてか、もはや失敗にすら喜びを感じる。それは確実な学びに繋がるからだ。

 来年が楽しみだ。これ、毎年恒例だからな!

 

「そっか……ねえ、霧火ちゃん。……でも、どうやったの?」

「んー?」

 

 どうしようか。

 おばけと友達なんだ、と冗談を言うか。魔法使いだと正直に言うか。

 まだ愛菜と挨拶したいっていう魑魅魍魎が一個師団そこで控えてるんだけど……と盛大にビビらせたいのはやまやまだけど、そのあたりは嘘と冗談の境目だ。自分で信じてもいない幽霊が存在すると騙すような形になる。私が思うに、それはマイナスだ。愛菜に心霊体験談という持ちネタができるだけならいい。けど、信じ込んで傾倒したら。しそう。愛菜は。

 

「実はね、私は魔法使いなんだ」

 

 ちょっとTYPE-MOON気分。

 pingが悪いのか、少し反応に時間がかかる愛菜。

 少しずつ目を見開く。

 

「……だから、いつも裸だったの?」

「それは関係ないけど」

 

 楽だからだ。それに……この若い体が服などの干渉から逃れた時、全身で感じられるこのなめらかな動き。

 若さ! それを最大限に実感できる。イコール幸せ。

 幸せはいいぞ、愛菜。愛菜、幸せはいいぞ。

 

「海風を全身で感じられる。いつでも海に飛び込める。……愛菜、裸はいいよ」

「ここ海じゃないけど……」

「些細なことだよ」

 

 さて。私の魔法について知らないのはこれで耕平だけだ。

 じゃない。ええと、自分でも自分のスタンスが迷子だけど、とりあえず伊織と愛菜以外には言ってないな確か。

 んん、そもそも私は隠してるんだっけか? 自分が魔法使いだってこと。わかんなくなってきた。

 

 ま、いいか。

 だが、こうして無限に先送りにしている気がするぞ。

 

 

 

 キャンプファイアーを見ると飛び込みたくなるけど、まだ魔法使いだってことみんなにちゃんと言ってないのでがまんする。

 不便だなあ。

 

 あ、千紗姉だ。

 ……思えば、千紗姉にも私が魔法使いだということは言ってない。

 言うべきなんだろうか。……驚くだろうか? 私が魔法使いだと知ったら。

 

「千紗姉千紗姉」

「なに? 霧火」

「実はね……」

「うん」

「私ね……」

「うん」

「…………魔法使いなんだ」

「うん」

 

 言った。

 ……言ってしまった。

 

「知ってた」

 

 ついに、私は秘密を打ち明けた。

 

「だってこないだも部屋のドア直してくれたし」

 

 きっと、生涯隠し通すべきであろう秘密を。

 

「占いできるし」

 

 ……それは魔法とは違うけど。

 世が世であれば、普通に生きられなくなるほどの秘密を。

 

「変なお酒も作ってたし」

 

 いやそれは錬金術だけど。

 ……巡り合わせが悪ければ、利用されてしまう能力……、

 

「怪我とかしないし」

 

 それはなんか体が丈夫なだけだけど。

 

「いつも裸だし」

「それは関係ないけど」

 

 知ってたよ。知られてるのは知ってたけど、もうちょっとリアクション欲しいじゃん。

 

「二歳の時、スプーン曲げたし」

「……そんなことしてたの私?」

 

 え、そういう普通の超能力あるの? 知らないんだけど。

 

 ……なんか、甲斐がないな。

 

 

 

「博士、ついに完成しましたね!」

「いやあ、みんなほんとによくやってくれた。ではみんな、タイムマシンの完成を祝って、乾杯だ!」

「かんぱーい!」

 

 ごくごくごく。

 

「じゃあ、早速タイムマシンを動かしてみよう」

「とりあえず様子見で一分だけ戻してみましょう」

「そうしよう」

「博士、ついに完成しましたね!」

「いやあ、みんなほんとによくやってくれた。ではみんな、タイムマシンの完成を祝って、乾杯だ!」

「かんぱーい!」

 

 タイムマシンという芸。

 私にはわからないが、盛り上がってる。

 

「よし」

 

 先帰ろう。

 

 

 

 

*1
2018年開始。翌19年もやっているが、20年は不明。ないかも。でもこの作品ではある。




書くの好きだけど投稿するのは好きじゃない。でも映画応援のニュアンスがあって書いたのに満足するまで書いてから投稿するのでは映画が終わってからになってしまうので諦めて投稿。

ジムはグーグルアースでOASIS周辺のジム系を調べた結果出たものから消去法で選出。
カーブスは女性向けのライトなやつなので外し。
ウェルネススポーツクラブはデータが少ないため除外。ただ、だいたいのジムは"このトレーニング器具があります"というようなことを書かない。
スモールジムLet’s伊東は公式サイトに"免疫力"というフワっとしたワードが出て向かないと思った。
そんなわけでボクシングジム。ルームランナーやウェイトリフティングなどの設備も揃っているようなのでパーフェクト。課金システムがあるのもこの作品的には最高だった。会長の人柄はブログくらいしかデータが無いため完全に想像。上原さんも完全オリキャラ。
空手道場もあったがどんな風に教えるのか想像できなかった。
結果ボクシングジム。唐突にボクシング。まるで刃牙。

ボクシングにはプロとアマがあり、当然プロはアマチュアの大会に出られず、その逆もしかり。そしてオリンピックボクシングはアマチュアの領分であった。しかし16年のリオオリンピックからプロが解禁になった。なんと、本番2ヶ月前に。
わけがわからないよ。こんな急なのは明治政府が『明治5年は12月2日までで、その次の日は明治6年の1月1日だから、ヨロピコ!』と11月9日に言い出した時以来だ。この時は財政難で、12月と翌年にあったうるう月ぶんの給料を払わず済むようにしたんだとか。
だからどうということもないが、無茶をするには理由があるものだ。

十兆円の影響ってどの程度なんだろうか。

麻雀の画像は手牌画像ジェネレーターから。『商用・非商用問わずご自由にお使いください。』とのことで感謝。

ホラーの仕掛け人サイドを描く珍しいシーン

なんだかわからないうちにウエディングドレス姿でブーケ持たされてる栞ちゃん好き
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