プリズマイリヤ雪下の誓いのifになってます。
HFを見た影響でもしも座にいる彼に心境的な変化があったのなら、
奇跡が起きたならばの話になっています。

プリズマイリヤの原作を読んでいないとわからない部分があると思いますので、そこはご了承ください。


最後に原作よも?

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お読みいただきありがとうございます。


彼女の味方

夕方から雪が降り始めたせいか、地面には雪が積もり始めている。

その冬の夜空の下男女が二人向き合っている。

男の名前は衛宮士郎、最愛の妹、美遊を友達だと思っていたジュリアンたちに奪われ、奪還するべく扮装している少年。

女の名前は間桐桜、そんな衛宮士郎の力となるために今夜この家に訪れた少女。

 

 

目の前の少年を見て思う。本当なら私と一緒に逃げてほしいと、だけどその願いは叶うことはなく。今しがた目の前の少年本人に拒絶されたばかりだ。

この街で起こることすべてを話したのに。

 

少年(せんぱい)は目の前の後輩(わたし)ではなく、奪われたを妹を獲った。

 

選ばれなかったのは辛いけど、私の知ってる先輩ならきっとそうするって解っていたから。

だから、選ばれなかった私は先輩のために、このカード(ギルガメッシュ)を渡すと決めたのに。

 

いざとなったら怖くて震えてしまっている。

このカードを渡したら先輩はきっといっぱい傷ついて、それでも彼女の為に戦い続けるだろう。それが怖い。

きっと先輩は私がカードを渡したせいで傷ついても、私のことを責めないだろう。

先輩に聖杯戦争のことも、美遊ちゃんのことも黙っていたのに先輩はあまり驚いてなかった。

少しでも怒ってくれたら私は悪者にでも成れたのに‥

 

それでも、私の大好きな先輩が困っているなら力を貸してあげたい。

それが、私の為じゃなくて、他の誰かのためだとしても。

だって、そんな先輩のことが私は好きになったのだから。

 

だから、そんな先輩に渡そうと思ったのに‥

 

「あっ」

 

「桜!?」

 

っつ、痛い。左肩に何かが刺さった。

鋭く鋭利なもの、恐らく投げナイフか何か、そして私の行動を邪魔するのは恐らく

 

「あはははははははっ!!軽いなぁ軽すぎる。本当に尻の軽い妹だよ桜ァ」

 

ナイフに布をくくりつけ振り回している男がそこには立っていた。

 

やはり兄さんでしたか、いつかは邪魔をしてくると思っていましたが、まさかこんなに早いタイミングで訪れるなんて想像していませんでした。

 

「兄貴だと!?なぜ桜にこんなことをする!!」

 

「そうだよ、僕こそが間桐家の正当な後継者、名前は間桐‥なんだっけ?」

 

それにタイミングがまずい、まだ先輩に渡すカードの中身も確認していない。

けれど、兄さんは恐らくカードを持ってここに来ているはず、まずはこの戦況をどうにかしないと、私たちに未来はない。

 

「桜こっちだ!!」

 

そんな考え事をしていると、先輩に引っ張られうちの中に入る。

先ほどの変身の時に兄さんのカードに髑髏の仮面が見えた。

恐らく兄さんのカードはアサシンのクラスカード。

それなら、私が持ってるギルガメッシュのカードの方が強い。

変身すれば負けるはずがない、ギルガメッシュは最強のカードなんだから

いつまでも守られている私じゃない。

そう思っていたんです。

だけど‥

 

夢幻召喚(インストール)‥‥え?」

 

私は先輩を守るように前へ出た。

しかし、カードは、何の反応も起こさず微動だにしない。

おかしい、これはたしかにギルガメッシュのクラスカード、そう言って渡されたもの。

何で、何で反応してくれないの、ここで反応しなければ先輩は‥私は‥

 

そんな中響く笑い声。

この空気の中笑う人物など一人しかいない。

そう、アサシンのクラスカードを持つ男。

 

「ハハハハハハハッ!!どうした桜?夢幻召喚できないのか?」

 

「そんな!?何で!?どうして!?」

 

私の手には何の反応も示さないカードが握られている。

そんな私の疑問に兄さんが嗤いながら答えた。

 

「お前が裏切る可能性なんて想定済みなのさ!!本物のギルガメッシュのカードをお前なんかに渡すわけないだろ!!そのカードはな、どの英霊とも繋がっていないクズカードなんだよ!!」

 

「屑、カード?」

 

本当に笑える、先輩の助けになる為にこのカードを持ってきたのに、私の行動は筒抜けで、摑まされたのは屑カード。

おまけにどの英霊とも繋がっていない、正真正銘のただのガラクタ。

 

先輩の助けになれると思ったのに結局私はいつまでたっても誰かの掌だったんですね。

 

「じゃあなぁ桜!!」

 

ああ、わかる。私は今から死ぬんだろう。

既に死んでいる兄さんの手によって私は死ぬ。

本当はもっといっぱい先輩と部活したり、お料理したり、お出かけしたり色んなことがしたかったなぁ。

 

そして、本当は先輩と一緒にどこか違うところで幸せに暮らせればよかったのに。

刻々と迫る死の恐怖の中、それだけが私の胸に渦巻いていた。

 

「これでぇぇ!!終わりだぁぁぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さあーーここから先はifの物語。どこかの世界、どこかの並行世界の果てに、彼女の為に何もかもを犠牲にした男がいた。

自身の信念すらも捨て去り、ただの一人の女の為に自分の命を賭けた男がいた。

その男の記憶、信念それはとある英霊の座にいる人物に引き継がれている。

幾重にも重なる並行世界において、抑止力として働く守護者と呼ばれる英霊たち。

彼もそんな一人だった。

 

今まではだが‥

 

 

彼は辿る。

これが、タブーだとわかっていながら、彼は彼女の願いを聴いた。

数多の並行世界の果てから聞こえた、か細く、小さな彼が守りたかった少女の悲痛な叫びを。

 

どんなに離れていようとも聞き間違えるはずのない声を辿り続ける。

赴くのは世界の果ての果て、世界の破滅までタイムリミットが差し迫っている、終わりの世界。

今ここで助けたとしても、放っておけば世界の破滅で死んでしまう存在だ。

 

やめろと霊基が悲鳴をあげる、身体には幾重にも負荷がかかり、頭もひどい頭痛だ。

 

勝手な真似はするなと全身に拒絶反応が起きる。

 

それでも、俺は進む、彼女を助ける為に。

 

終わりのない地獄から一筋の光が見えた。

 

「‥あぁ今回は間に合いそうだな」

 

 

ーーーーーーーーー

 

兄さんの攻撃が目の前まで迫る。

私はもう間に合わない、せめて先輩だけでも逃げてほしい。

そんな事を思いながら最後の刻を待つ。

 

「終わりだぁぁぁ!!」

 

兄さんの手が伸びて私の目前まで迫る。

 

 

「‥さようなら、先輩」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ーー熾天覆う七つの円環(ローアイアス)

 

 

 

 

死んだとそう思った。

英霊の一撃、それは生身の人間では到底耐えられるものではない。

 

けれど、不思議なことに私の身体には傷一つない。

何が起きたかわからなかった。

 

ふと、後ろを振り返ると、七つの花弁で兄さんの攻撃を防いでいる少年が映る。

その後ろ姿は、見知った先輩にそっくりで、それでも先輩ではないことははっきりとわかった。

 

「ーー大丈夫か、桜」

 

目の前の先輩によく似た人は優しい声色で訪ねてきた。

誰だかわからないけど、きっと優しい人なんだということだけはわかった。

 

「ぼ、僕の、攻撃をと、止めるなんてぇ!!お前ぇ何者だぁ!!」

 

あの兄さんが焦っている。

それもそのはず、この世界において魔力が枯渇している今英霊より強い存在などそうそういない。

 

「ー俺か?俺はただの英霊の端くれだ。彼女、間桐桜の願いのために現界した無銘の英霊だ!!」

 

「無銘だと?そんな分際でぇこのぼくの攻撃を邪魔するなんてぇ、許されないぞぉ、まずはお前からだ、お前から殺してやる!!」

 

「大丈夫か、桜!!」

 

慌てて先輩がこちらに駆け寄ってくる。

突然の出来事で、混乱していたが死の恐怖から解放されたせいか身体に力が入らない。

 

「‥は、はい。あの人のおかげで私は大丈夫です」

 

一体彼は誰なんだろうか?

そんな彼は兄さんの攻撃をいなしながら、一点を見ている。

何を見ているのかと思いその視線を辿って見ると

先輩を見ている?

 

先輩も先輩で、彼のことをずっと見ている。

 

「さっきから僕を見ないでぇ、誰を見てるんだよぉ!!こっちを見ろよゴミがぁ!!」

 

兄さんの攻撃が激しくなるも彼は先輩から目をそらさなかった。

 

そして、彼は懐から何かを取り出し、先輩に投げ渡す。

急に投げられたそれを慌ててキャッチする先輩。

投げられたそれを見てみると、クラスカード?

さっき私が使おうとしたアーチャーのクラスカードだった。

 

「先輩?どうしたんですか?」

 

そんな屑カードを渡して彼は何がしたいのだろうか?

けれど、私と違い。先輩と彼は何やら通じ合っているようだ。

 

「アギャッ」

 

彼が兄さんの鳩尾に蹴りを加え吹っ飛ばす。

兄さんは壁を超えて、道路まで吹き飛ばされていった。

 

離れたのを確認した彼はこちらに近づいてきた。

 

座り込んでいる先輩と私を上から見下ろす感じで立つ彼。

その間も彼らは目を離さない。

 

「ーーー衛宮士郎、お前が倒せ」

 

「ああ、わかっている!!俺のために、美遊のために俺は戦う!!」

 

そう言って先輩は立ち上がる。

傷だらけの体を無理やり持ち上げて先輩は立つ。

 

先輩が立つのを確認すると、彼は初めて私と目を合わせた。

初対面のはずなのに彼がこちらをみる眼差しからは慈しむような視線を向けられている。

それが、なんだかこそばゆくて、恥ずかしくて変な感じがする。

 

「桜」

 

不意に名前を彼に呼ばれる。

教えていない私の名前。

だけど、なんだか嬉しくて返事を返す。

 

「はい、なんでしょうか」

 

私の返答を聞くと満面の笑みを浮かべて、彼は言った。

 

「君の(願い)は、確かに俺に届いていた(繋がっていた)よ」

 

そう言い残すと彼は足先から順に消え始めている。

 

「ま、待ってください、あなたは一体誰なんですか?どうして、私を助けてくれたんですか?」

 

消える前にどうしてもそれだけは聞きたくて彼に問う。

誰にも選ばれない私を助けてくれた理由。

それが気になっていた。

 

そんな私の心境を他所に、彼はフッと笑っていった。

 

「俺が君だけの味方だからだよ」

 

そんなキザなセリフを残して、無銘の英霊(私だけの味方)は消えていった。




今回のエミヤはHFの士郎の想いを引き継いでいる設定になっています

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