とある科学の大空と超電磁砲(レールガン)   作:薔薇餓鬼

300 / 300
標的(ターゲット)300 曖昧な記憶

 

 

 

 

 

 

 リボーンに言われた場所へと向かう美琴。やって来たのは外装代脳(エクステリア)のある研究施設へとやって来ていた。

 

「来たわね」

 

(美琴……)

 

 研究施設の入り口。ツナと操折が立ちつくす先には美琴が立っていた。いつもと変わらぬ表情を浮かべる操折に対して、ツナは辛そうな表情を浮かべていた。

 

「色々と言いたいことはあるでしょうけど後にしなさぁい。時間力が惜しいことはリボーン()から聞いてるでしょぉ?」

 

「そうね……でもこれだけは言っておかないとね」

 

 そう言うと美琴はゆっくりと2人の元へゆっくりと歩を進めて行く。そしてツナの前に立つ。

 

「美琴……グフッ!?」

 

「ちょっ!? 何やってるのよ!?」

 

 すると美琴は右手でツナをおもいっきり殴り飛ばした。いきなり行動に操折も驚きを隠せないでいた。

 

「リボーンから聞いたわよ。私に笑ってて欲しいから今回のことを話さなかたってですって?」

 

「っ!?」

 

「あの1件で苦しんだのは私だけじゃない。あんただってそうでしょ? 苦しむなら私も一緒。だからあんたが全部、背負うなんて絶対に許さない」

 

「美琴……」

 

「言いたいことはそれだけ。今度、私に黙ってこんなことしてたら許さないわよ」

 

「うん……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、その頃。

 

「っていうことがあったの」

 

「そんなことが……」

 

「……」

 

 ここは風紀委員(ジャッジメント)177支部。佐天はこれまでの一部始終を話す。婚后の身に起きたこと。婚后を襲った者の仲間である警策のこと。美鈴が人質に取られたことを。佐天から一部始終を聞いて初春は驚きを隠せず、黒子は黙ったまま何かを考えていたようだった。

 

「嘘ですわね」

 

「ちょっと白井さん!!」

 

「本当なんですって!! 信じて下さい!!」

 

 黒子の無慈悲な言葉を聞いて初春は焦り、佐天は信じてくれるよう懇願する。

 

「誤解ですわ。私が嘘といういったのは御坂美琴の人質に取られたという件ですの」

 

「どういうことですか?」

 

「考えてもみなさいな。人質を取るような相手が人質を取ったことを他言しないよう、御坂美琴に釘を刺さない訳がありませんの。人質を取る側にとって第3者による妨害は何より警戒すべきことの。そんなことが分からない相手が、婚后光子を倒せるはずがありませんの。おそらく佐天さんを巻き込まない為に御坂美琴が一人芝居打ったと考えるのが妥当ですの」

 

「そんな……」

 

 黒子の推測に納得すると同時に、ショックを受ける佐天。

 

「まずは佐天さんの見たという人形使いを見つけませんとね。初春。まずは佐天さんの証言を元に書庫(パンク)にて人形使いの候補を調べますわよ」

 

「は、はい!」

 

「白井さん……」

 

「勘違いしないで下さいまし。風紀委員(ジャッジメント)として学園都市の治安を乱す者を捕える為ですの」

 

 もっともらしいことを言いつつも黒子は佐天の為に行動することを決める。

 

「それと私たちが御坂美琴と知り合いかもしれないという件についてですが……」

 

「うん。だって私たちのことを知ってたみたいだし。それに携帯の連絡先に御坂さんの連絡先が入ってたし。まるで私たちが忘れちゃってるみたいっていうか……なんていうか……」

 

「何者かに記憶を改竄されてると言いたいんですの?」

 

「はい……確か常盤台には精神系の能力で有名な超能力者(レベル5)の人がいますよね?」

 

「食蜂操折……」

 

 佐天の言葉を聞いて黒子の脳裏には食蜂操折の姿が脳裏に浮かんでいた。

 黒子たちは操折と出会った時の記憶は消去されてはいるものの操折の存在までは記憶を消去されていない。操折が記憶を消去したのは黒子たちが、ツナとリボーン何かしていることに気づいて自分たちの目的に首を突っ込まれないようにすること。美琴が自分たちの目的に気づいた際に、黒子たちを頼れないようにする状況を作る為である。

 操折は学園都市に7人しかいない超能力者(レベル5)にしてエリート校常盤台中学の生徒。その存在を知らないということが敵に違和感を覚えさせ逆に怪しまれると思ったからである。故に操折は黒子たちの記憶から自分の全てを消去させなかったのである。

 

「確かに彼女なら可能ですが……正直、自覚がありませんの。ですから立証するのが難しいですわね。御坂美琴がいれば彼女を証明することもできたでしょうが……」

 

「ですよね……」

 

「とはいえ調べてみましょう。佐天さんの言うことも気になりますし。もしかしたら食蜂操折が自身の悪事を隠蔽する為に私たちの記憶を操作された可能性もありますし」

 

 会ったこともないはずの美琴の連絡先があること、美琴が自分たちのことについて知っていたこと気になったこと。何より佐天が悩んでいる。黒子は食蜂のことを調べることを決める。

 

「マークすべきは人形使いと食蜂操折。まずはこの2人のことを徹底的に洗い出しますわよ。それと御坂美琴の捜索を同時に行いますの」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

『マークすべきは人形使いと食蜂操折。まずはこの2人のことを徹底的に洗い出しますわよ。それと御坂美琴の捜索を同時に行いますの』

 

「やれやれ……こいつは厄介だな……」

 

 とある場所。リボーンは盗聴器にて黒子たちの会話を

聞いていた。

 リボーンは佐天たちが婚后を病院に運ぼうとした時に最悪の事態を想定して盗聴器を佐天に仕掛けていた。

 

(記憶を消去されてる今のあいつらに言っても説得力がねぇ……あったとしてもあいつらは引くようなタマじゃねぇしな……記憶を消してもらうのが無難か……)

 

 なんとか巻き込まないようにしようと考えたリボーンであったが、どう説得したところ無駄だという結論に至り、操折に黒子たちの記憶を改善してもらうのが一番ベストだと判断する。

 

(ん? 待てよ……)

 

 ここでリボーンは思い出す。佐天が警策の操る液化人影(リキッドシャドウ)を佐天が撃破したということを。

 

(やべぇな……佐天は顔を見られてる可能性があんのか……)

 

 佐天は警策本人とは接触していないが液化人影(リキッドシャドウ)とは接触している。つまり液化人影(リキッドシャドウ)を操る警策に顔を覚えられている可能性が高い。さらに言えば佐天はあの時、美琴と一緒にいた。つまり美琴の仲間だと認識されててもおかしくない。

 

(ったく……記憶を消されても面倒事を起こしやがって……これじゃあ記憶を消せねぇじゃねぇか……)

 

 巻き込まない為に記憶を消去したのにも関わらず、状況をややこしくする佐天に対してリボーンは心の中で嘆息する。

 敵に顔を覚えられてるかもしれない状況で記憶を消去してしまえばいきなり知らない人間から襲われるという

恐怖に襲われる。つまり記憶を消去したくとも消せない状況になってしまった。

 

(しゃあねぇな……こうなったら警策の情報をあいつらに教えるか)

 

 説得も記憶の消去もできないなら警策の捜索を黒子たちに行わせた方がマシだとリボーンは判断し、馬場を拷問した際に得た情報を佐天の携帯に送ることを決める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

風紀委員(ジャッジメント)177支部。

 

「あっ。電話だ」

 

 佐天の携帯に着信音が鳴る。佐天はポケットから携帯を取り出す。

 

「誰だろう……?」

 

 携帯に映し出された番号は佐天の知らない番号。故に佐天は戸惑いを隠せないでいたが、恐る恐る電話に出ることを心に決める。

 

「も、もしもし?」

 

「ちゃおっす。俺がわかるか?」

 

「君は……!?」

 

 電話の向こうから聞こえてきた声を聞いて佐天は電話の主がリボーンであるということを即座に理解する。

 

「お前に伝えたいことがあって電話させてもらった」

 

「伝えたいことって……それより大丈夫なの!? 怪我とかしてない!?」

 

「あんな雑魚にすら認定できねぇような奴にこの俺が傷を負わせられるなんざ、天地がひっくり返ってもある訳ねぇ。まぁ上手く逃げられちまったがな。それよりもてめぇの心配をしやがれ」

 

「私の?」

 

「お前が接触したあの犬の機械を使役していた男。目的は不明だがあいつには仲間がいることがわかった」

 

「仲間?」

 

「そうだ。目的は不明だが。お前はあの男に顔を見られてる。だから狙われる可能性が充分にある。だから警告とその仲間のことを伝える。一度しか言わねぇから耳の穴かっぽじってよく聞けよ」

 

「う、うん……」

 

「今わかってるあの男の仲間の名前は警策看取とショチトル。警策の能力は液化人影(リキッドシャドウ)。液体金属でできた人形を遠隔操作できる能力。ショチトルに関しては不明だ」

 

「あっ……」

 

 液体金属でできた人形と聞いて佐天は思い出す。先程、自分が戦った人形が警策による能力によるものだったということに。

 

「私、戦ったよ」

 

「何だと?」

 

「どういう訳か知らないけど御坂さんを狙ってて……」

 

「そうか」

 

 リボーンは盗聴されていること気づかれないよう知らないフリをして会話をした。

 

「警告はした。じゃあな」

 

「あっ……ちょっと!!」

 

 佐天に伝えたいことを全て伝えたリボーンは佐天の制止を聞かずに一方的に電話を切った。

 

「誰からでしたの?」

 

「それが……さっき言ったリボーンって子で……」

 

「それって佐天さんたちを逃がす為に現れた子供ですよね?」

 

「うん……」

 

「一体、何者なんですの? なぜ佐天さんの連絡先まで知っているんですの……?」

 

「多分だけど……御坂さんと同じであの子のことを忘れてるんだと思う……」

 

 黒子の疑問に答えると佐天は、携帯を操作し始めた。

美琴と同じく連絡先が登録されていると考えたのである。

 

「あった……」

 

 自分の予想は見事的中し、電話帳にリボーンの名前が登録されていることが確認できた。

 

「やっぱり……私、あの子とも知り合いだったんだ……」

 

 リボーンと出会った時に初対面なはずなのにも関わらず、初めて会ったという感覚がなかったのは気のせいではないということを佐天は理解する。

 

「やっぱりって……佐天さん、何か確信でもあったんですか?」

 

「あの子と会った時、なんか初めて会った気がしなかっったっていうか……」

 

「誰とも分からない情報を信じるのは危険ですが……とにかく調べるだけ調べてみましょう」

 

 リボーンという単語を聞いても何も感じなかった黒子であったが、佐天を信じて調査することにした。

 

 

 

 

 

 




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