ジョジョの奇妙な冒険~アメジストのif物語~ 作:Tarako@如月銘酪
色々あった!!!鈴木がイイ奴
前話↓↓
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一章一話↓↓
https://syosetu.org/novel/237782/2.html
キャラ紹介
○理亜
よくも悪くも苦労人。バイカラートルマリンウォーターメロン色の瞳。
○ジョラル
昨日の今日で凄い変わり様。
○瑠
色々けじめがついた。
○仗助
苦労人。かわいそう。こんど旅行行きな…
全然この人生が嫌いな訳じゃない。
ていうか、この落胆しきってる人生に対して、なんか求めようとする方がおかしいじゃん。
ジョラルみたいに凄い血筋な訳じゃない。
瑠みたいになんか才能がビビって来る訳でもない。
でもこうやって、惨めにしがみついてたら、神様がなんかボーナスくれるんじゃないの?
「おはよぉ、瑠」
重い目蓋をむりやりこじあけて、目の前の椅子に座る。前を見るとこれまた眠そうな瑠の顔が見れる。
「ねむそぉだなぁ…………」
そりゃあたしもあんたも同じでしょ、って言おうと思ったけど、そもそも喋る気力がないから撃沈。
「あんたこんなところにいて楽しいわけ~?」
近くのコンビニで買った甘めのコーヒーのキャップを開ける。二、三度てが滑る。今度は、ともおもって親指に力を込めて開ける。キリリ、とおとがしてキャップが開く音がする。
「ここに閉じ込めたのはてめぇだろうが…………」
「んん、そうだけどさぁ、嫌なら警備員とかにチクればいいじゃん、私が悪いことしたって。」
コーヒーを口に含む。すこし視界が晴れた気がする。
「だって、お前が決めたんだろ、俺を使うって。」
そうだけどさ、今更なんだけど、なんか罪悪感って言うか、そこにあんたの意思無いの!?って、思っちゃうって言うかさ…
「ちゃんとあるよ。」
瑠がボソっと呟く。
「え?」
あんまり聞こえなかった。もう一度言って、と促す。
「だから、ちゃんとあるよ。守りたいりゆうも、助けたいって思う事も、ジョラルの事も理亜の事も見捨てない。仲間だろ。」
急にそういうと、瑠はニコッと笑った。
瑠が立ち上がり面会室から出ていこうとする。
「まって!?どういう事?ねぇ瑠まって、仲間って…そりゃそうだけどさ、唐突すぎるよ…」
私が彼を止めるために大声でそういうと、瑠はこちらを振り返る。
「おれも頑張るってこと。理亜はジョラルを助けてやってくれよ。」
瑠は手をヒラヒラとふりながら面会室から出ていった。
「……ジョラルの所に行けってコトぉ…?そりゃ今日は予定無いけどさぁ、そんなフワッとした言葉で通じる奴少ないんだからさぁ、まったく考えてほしいよぉ…」
てゆーかあいつ、まるで私が思ってたこと全部わかってたみたいな感じだったんだけど。怖~。
でもほんとやること無いのよね。
だから来ちゃうんだけど。
チャイムを押す。私この音嫌いなのよねぇ、だってさ、なんかイラつくというか、癪にさわるというか、マジムカつく。
応答なし。居留守かよ
「ジョラル~?来てやったんだから返事くらいしなさいよぉ、もー!!!」
二回目のチャイム。これ私変に見えてないかなぁ、変質者じゃないのよ。言っとくけど。
『はぁーい』
やっと出たわね。声からして仗助君っぽいわね。
ガチャ、と鍵を開ける音がした後ドアが開く。
「理亜さん!」
「やっほ、元気にしてたかぁい?」
軽く挨拶をして中にいれて貰う。
「あんたまた身長伸びたんじゃないの~?ジョラルと違ってよく伸びるわねぇ、身長分けて貰いたいぐらいよ。あ、これお土産~さすがに手ぶらで来ちゃ悪いし。ほんとごめんね、せっかくの夏休みなのに。」
仗助に紙袋を渡す。
「え!?全然そんなことないッスよ!確かに初めてジョラル…さんが来た時は、外国人だし不思議な人だし、ぶっちゃけ言うと取っつきにくい人だなぁって思ってたんですけど……でもやっぱ優しい人って言うか、本当は凄い話す人で…だから全然迷惑じゃないです。むしろ感謝したいぐらいですよ。」
にか、と仗助が笑う。
(ずっと思ってたけど、ジョセフさんみたいな笑い方するのよねぇ。まるで親子みたい。全員血は繋がってる筈なのにまるで個性があるって言うか、不思議な感じ…)
「理亜さんお茶飲みます?」
仗助がコップ片手に聞いてくる。
「そうね、ご馳走になろうかしら。」
ぼーっとリビングを見渡す。
家族写真が壁に掛けられている。ジョナサンが優しそうな笑みを浮かべている。そのとなりにはエリナもうつっている。
「どうぞ。」
仗助から渡されたお茶を飲む。
「はぁ、ありがとう。最近立て続けにいろんな事があったせいでほんと疲れちゃってさぁ…これぐらいゆったり出来る時間が欲しかったのよねぇ…。」
一息ついてすこし眠くなる。
あ、そういえば
「ジョラル居る?あいつにちょっと用があってさ」
仗助があー、と言葉を濁す。
「実は…今はちこーっと用事があって…あ、ジョルノなら居ますよ!夏休みぐらいは居るって言ってたので…」
椅子から立ち上がり仗助に近寄る。
「仗助君って、ジョセフさんに似てるのに、嘘をつくのは下手なのね。どう考えても"ちょっとの用事"の時の慌て具合じゃないわ。」
理亜が不敵に微笑む。
「…ぐうの音も出ないです…あのぉ、ほんとすみません…でも出掛けてるのは本当ですよ。ジョセフさんと出掛けてるんです。ニューヨークに行くとか言ってましたけど…」
理亜が明らかに怪訝な顔をしている。
「ほほほ、本当なんですってぇ…!ニューヨークで少し羽を伸ばさねぇとなー!って言いながら昨日急に…」
理亜がはぁ、とため息をつく。
「マジで言ってる!?何日で戻ってくるのよ」
仗助もジョセフの突拍子の無さすぎる行動に呆れているようだ。
「確か…4日後に戻るって…シーザーさんも一緒でした。あーあ、俺も行きたかった…」
…やっぱ訂正するわ。仗助とジョセフは死ぬほど似てるし呆れてなんかいない。憧れてるわ。
「だって聞いてくださいよぉ、『俺がナンパのなんたるかを手取り足取り教えてやるよ!』とか言ってたんですよ!?しかもカジノ行くって言ってて…はぁ、良いなぁ…………」
私の拳が悲鳴をあげそうなほど握りしめる。
「なによそれ!?私痴漢(上司)に絡まれたり大変だったんだからね!?なのになんなのよあいつだけ!!わけわっかんない!!」
すると仗助もお茶を飲みながら答える
「そうっすよね…この前まで一触即発だったんですよ…!?ほんともう、カンカンにジョセフさん怒ってたんですから!でもそしたら急に海外行くとか言い出して…もうなんなんですかね…凡人には理解しがたいですよジョセフさん…」
ん…?一触即発の状態だったのに急に心変わり…?なぁんか裏がある気がする。私もニューヨークに行った方が良いかと思ったけど、やめといた方が良いわね。
(多分、ジョセフさんとジョラルでなんかのケリをつけに行くんでしょうね…)
え?それが何かって?それが分かれば苦労しないわよ。それこそ、"常人にはわからない天才の思考"なんでしょ。知らんけど。
バックのポケットから着信音がする。誰かと思ってスマホ画面を確認すると…
「…もしもーし」
人混みの音が凄い。車のクラクションも鳴っている。
『理亜…ごめん…なにも言わずに…』
いきる気力を失ったような声のジョラルの声がする。
「…気にしてないわぁ。…あんたもしかして二日酔い~?はぁ、本当にニューヨークにいるのね。」
いっけなぁい、ホントに血管がプッツン切れちゃいそうだわぁ
『うん、なんか夜ジョセフさんにつれられてものすごい量の様々な酒を少量ずつ飲むとかいう地獄が…………』
こいつ、勝手に行ったくせになんか勝手に疲れきってるんですけど。
「あっそ、お疲れ。で?用件は?無いなら切るわよ。ちょっと今あんたの声聞いてると殺意沸くから。」
ジョラルがため息をつく。
「ごめんって!!!ほんっとにごめん!!!でさ、そっちにデータを送りたいんだ。それを瑠に渡して欲しくて」
「え?なんで?」
「実は鈴木さんに頼まれててさ、んでそのデータもニューヨークじゃないと手に入れられない代物でさぁ、ほんとごめん!ヤバい奴じゃないから!」
少し悩む。ま、でもジョラルに頼まれたんじゃ仕方ないか。
「解ったわ。あとで送ってちょうだい。用件はこれだけ?そしたら切るわ。あ、そうだ。私からも渡したい資料あるから今度送るわ。」
ジョラルが「了解」と返事をする。
「じゃ、またね。」
通話を終了させる。仗助の方を向いてから
「ごめんなさい、ちょっと用事出来たから帰るわ。あ、ジョルノ君いるんだっけ?じゃあこの資料渡しといてくれるかしら?」
大きめの茶封筒を仗助に渡す。
「わかりました。気を付けて!」
理亜がパタパタと走ってジョースター家を出ていった。
行事がありすぎて暇がなーーーい!!
でもがんばる!!
次回!ジョラルニューヨークでやらかすの回
皆みてね!!