ポケモンの世界に転生した少年シンジ。彼はポケモンマスターとして旅立つ気は無く、マサラタウンで悠々自適に生きるつもりだった。

しかし、ある日、釣り上げたのは……

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ポケモンって言うかミラモンだった件

 

 

 

 

俺の名はシンジ。ぶっちゃけ転生者って奴だ。自分が死んだ時の記憶なんか無いけど、此処が元々の俺の居た世界じゃないのは承知済み。何故かって?普通にモンスターボールが売っているからだ。もう理解しただろうが、俺はポケモンの世界へ転生した。しかも出身地がマサラタウンだ。

 

隣の家にはサトシ。その逆隣にはシゲル。向かいの家にはリーフって娘が住んでいる。はい、主人公sに囲まれた家に住んでます、はい。因みに全員、幼馴染みである。

 

何でサトシとシゲルは和名でリーフだけ英名だったのか不思議だったが変なツッコミは止めておこう。

 

さて、そんな俺だがポケモンマスターの旅に出るかと言われればNOだ。ポケモンは好きだが、ポケモンマスターを目指そうとかは思わなかった。むしろ、マサラタウンでのんびりと釣りでもして過ごしたい。

 

サトシやリーフからは「一緒に目指そうぜ(よ)」と言われているが、今一乗り気にならない。シゲルは「フッ、僕に恐れをなしたのかい?」と言われたので関節技で負かしておいた。

 

そんな日々を呑気に過ごしていたがサトシ、シゲル、リーフの旅立ちの日が近付いていた。つーか、明日だ。

三人は旅立つ事やどんなポケモンが貰えるのかとワクワクしていた。俺はマサラタウンからバイバイする気はなく、残るつもりだ。サトシ達と離れ離れは少し寂しいが。特にリーフは最後まで俺の事を誘っていた。昨日、最後の断りをしたら泣きそうになっていたので悪い事をした気分だ。

 

 

「頑張ってちょーだい、ってね」

 

 

俺はマサラタウンの海沿いの浜で釣りをしていた。ポケモンの旅に出る事が嫌な訳じゃない。でも、何か煮え切らないのだ。

 

 

「……ま、皆の旅の無事を祈ろ……お、来たよ」

 

 

考え事をしながらボーッとしていたら釣竿に反応があった。しかも、この撓りは大物だ。俺は慌てて釣竿を両手でしっかりと握る。いや、大物過ぎない?釣竿が折れんばかりに強い引きだ。

 

 

「だが負けるか……ぬぐぐ……でぇりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

 

俺は大物が掛かったと確信し、渾身の力で釣竿を引いた。そして海面から現れたのは……

 

 

「…………へ?」

「キチキチキチ……」

 

 

大人の身長並みに高い背丈に黄金の身体をした二足歩行の蟹だった。いや、ちょっと待って?

 

 

「ボ、ボルキャンサー!?」

 

 

俺が釣竿で釣り上げたのは仮面ライダー龍騎のミラーモンスター、ボルキャンサーだった。いや、モンスター違いも良いところだよ!?

 

 

「キチキチキチ……」

 

 

パチンパチンと爪を鳴らして俺に、にじり寄る。いやいやいや……まさかでしょ?

 

 

「グルァァァァァッ!」

「や、やっぱり!危なっ!」

 

 

この世界のルールと言うべきか野生のポケモンは人や他のポケモンを襲う事がある。コイツも例外ではなかった。いや、コイツはミラーモンスターなんだけどさっ!俺は襲ってきたボルキャンサーの突進を咄嗟に避ける。

 

ボルキャンサーの爪は近くの植木を切り裂いた。いやー、劇中と違って切れ味抜群。なんて、思ってる場合じゃない。なんとか逃げないと頭からモグモグされちまう。子供向けのゲームやアニメで見せられない映像になるわ。

 

 

「って言っても……あ」

 

 

俺の腰には万が一の為にと母さんから渡された空のモンスターボールが。もしも、ポケモンに遭遇して危ない目にあったら、モンスターボールを投げて捕獲。またはポケモンがモンスターボールの中で暴れてる間に逃げるようにと言われていたのだ。俺はボルキャンサーから視線を外さずに腰のモンスターボールに手を掛けた。

 

捕獲できるのか……ミラーモンスターを?そもそもモンスターボールが反応してくれるのか?アニメじゃオニギリとかをモンスターボールに入れてたし、不可能じゃないんだろうけど……

 

 

「グルァァァァァッ!」

「やるしかないっ!」

 

 

襲ってきたボルキャンサーに俺はモンスターボールを投げた。モンスターボールはちゃんと反応をしてくれてボルキャンサーを捕獲してくれた。

 

 

「と、取り敢えずは中に入ったか……後は……」

 

 

俺は迂闊に近付かずゴロゴロと転がるモンスターボールを見ていた。まだ中ではボルキャンサーが暴れている筈だ。出てくる可能性が高いのでまだ油断は出来ない。そんな事を思っていたらカチッ!とモンスターボールが鳴る。つまりこれは……

 

 

「捕獲出来たって事か……でも、開けるの怖っ」

 

 

大人しくなったモンスターボールを手に取る。中にボルキャンサーが居るのかと思うと少し……いや、結構怖かった。

 

 

「ポケモン……もといミラモンゲットだぜってか?」

 

 

ミラーモンスター、略してミラモン。語呂悪。でも、どうしよう?野生に返すのは色々と危ない気がする。特に俺はボルキャンサーにロックオンされた訳だし。かと言って他の人に預けるのも論外。つーか、なんでポケモンの世界に仮面ライダー龍騎のミラーモンスターが現れるんだよ。

 

 

「はぁ……呑気な釣り生活って訳にはいかなくなったか」

 

 

俺は釣り道具を片付けてオーキド博士の所に相談しに行く事にした。ボルキャンサーを預けるにしても、俺が旅立つにしても知識と経験が必要だと思ったからだ。間違ってもリーフに旅に誘われたからじゃないぞ、うん。あくまでマサラタウンでミラーモンスターの驚異に怯えるのが嫌なだけ。

 

そんな事を思いつつ、俺はボルキャンサーの入ったボールを指先で回転させながらオーキド博士の研究所に向かった。

これが俺の旅立ちの始まりだった。でも、最初のポケモンがミラーモンスターってどうよ?

 

 




久し振りの短編でした。

以前考えた小説のプロットが見付かったので書き直してみました。こんな設定なら面白いかも、と考えた『ポケモン』×『仮面ライダー龍騎』

今作では仮面ライダー本体は出てきません。あくまでミラーモンスターだけの設定です。




『ボルキャンサー』

属性
『みず・じめん』


『ひっかく』
『なきごえ』
『あわ』
『かたくなる』



ポケモン的なデータだとボルキャンサーはこんな感じでしょうか?

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