進めてる奴が案の定詰まったので、頭を空っぽにしてビルドファイターズに転生者が大量にいたらこんな風になるよねって言うのを書いてみた奴。

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スーパーロボット大戦BF

その世界に生まれ直した者達は自重していた。

特に理由はない。その世界に原作があるから、と言うのも関係ない。

なんとなく、なんとなく、理由も分からず自重していた。

本当はもっとはっちゃけたい。もっと滅茶苦茶やりたい。ストーリーを知っている者であれば、滅茶苦茶やっても良い世界だと理解もしている。

何せ、原作がぶっ壊れてもこの世界は平和なままだと知っているから。むしろぶっ壊してしまった方が遊べる時間が長くなるかも知れない。巨大アリスタが暴走しなさそうだし。

 

それを知りながら自重していたのはきっと祭りの時間を待っていたからなのだろう。

 

第七回ガンプラバトル選手権世界大会。

 

各地に生まれ落ち、牙を研いでいた彼らは誰に相談するでもなくその舞台へと集まっていた。

 

 

そして、全選手90人が参加する世界大会予選第二ピリオド、バトルロイヤル。

 

 

 

     集っていた奴らはついに――…

 

 

 

 

                盛大に弾けたのである。

 

 

 

 

 

 

「深追いは禁物――、接近する反応だと!?」

 

 

ヤサカ・マオのガンダムX魔王、そしてイオリ・セイ、レイジのスタービルドストライクガンダムを翻弄し、離脱に移ろうとしていたアビゴルバイン。

聖戦士ダンバインに影響を受けたと思われるその機体に向かって一直線に突っ込んでいく光があった。

 

「やっと見つけたぞ、ルワン・ダラーラ……」

 

スパイク付きにしては滑らかな形状の……何かの甲殻を使っている様にも見える肩アーマー、騎士の兜を模したヘルム状の頭部。そしてそこから細く伸びた二本の触角。

 

「いいや、アビゴルバイン。聖戦士ダンバインに影響を受けたその機体!」

 

背部には開いたバックパック、――いや、オーラコンバーター。

淡く尾を引く青い光と薄く透けた四枚の羽根はその機体がモビルスーツとは異なる系譜で生まれた存在である事を如実に語っている。

どこか生物的な、人間の形をした虫の騎士とも言えるその姿にルワン・ダラーラは瞠目して叫んだ。

 

「馬鹿な!? オーラバトラーだとッ!? しかも、その機体……!」

「流石だな、分かるかルワン・ダラーラ! この機体の名がっ!」

 

幅広の長剣を振りかざして突っ込んでくるオーラバトラーを迎え撃つべく、ルワンはアビゴルバインにビーム・サイスを構えさせながらその名を呼ぶ。

ダンバインではない、サーバインでもない。しかし確かに己の駆るアビゴルバインの源流である物語の、その主役筋に当たるその機体。挿絵に残されたその姿。

まさか、有り得ない。ガンプラバトルだと言うのに――こんなにも完璧なその機体が動いていていいのか!? いいんだろう動いているんだから! つまりガンプラを基にしてその機体は再現されていると言う事!

一ファンとしての歓喜と、その作り込みの深さに対しビルダー、そしてファイターとして抱いた戦慄に衝き動かされ、ルワンはその機体、その作品の名を口にした。

 

「カットグラ……オーラバトラー戦記のカットグラかぁっ!」

「その通りっ! さあやり合おうじゃないかルワン・ダラーラ! 俺のオーラ力を受けてみろぉっ!」

 

オーラを纏った長剣とビーム・サイスの刃がぶつかり合う。

ぶつかり合った異質な力が反発し合い弾け散る光の中で、何処か似通った二機が美しく照り輝いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんやあの機体っ!? いや、それよりも……セイはんたちは、ぁっ!?」

 

一瞬二機の激突に気を取られたX魔王を襲ったのはスペースデブリの嵐だった。

岩塊、鉄塊、ガンプラの残骸。雨あられと降り注いでくるそれに吹き飛ばされながら、デブリの向かってくる方向に目をやれば、彼方にあったのは超重力の塊。

誰が知ろう。それが凶鳥の名を冠するパーソナルトルーパー、ヒュッケバインの必殺武器が生み出した超小型のブラックホールであるのだと。

そして直後、そのブラックホールを巨大な爆光――解放された圧縮プラズマが内側から消し飛ばす。本来この時代には影も形もない筈の未来のガンダム、AGE-1グランサがぶっ放したプラズマダイバーミサイルが超重力圏の内部で炸裂したのだ。

 

この事態、景気づけの花火だとばかりにバトルロイヤルに持ち込まれたフルスクラッチのプラズマダイバーミサイル(一発ごとに消滅するので完全に使い捨て)が発射されたのを確認したヒュッケバインがミサイル起爆の前に大慌てでBHキャノンを打ち込み、その弾頭をブラックホール内に飲み込ませたことが原因である。

周囲に漂うスペースデブリを吸い込んだ後、一転して放出し始めたのは内部で爆発したミサイルの爆圧にプラフスキー粒子で再現された重力塊が耐えきれなくなったから。

呑み込まれたデブリが吐き出され始めたことで危険を悟った周辺各機は泡を食って逃げ出し、少し遅れて虚空に盛大な花火が咲いた、と言うのが真相だ。

 

反応が遅かった何機かがひろがるプラズマに飲み込まれかけ――しかし、その中の一機が突如真紅の光球に包まれて超加速する。

V-MAXレッドパワー。スラスター全開、マグネチック・フィールド・ジェネレーター全力稼働。特殊強化剤を推進剤に叩き込み、爆光に取り込まれる前に超推力で離脱したその機体の名は第二世代SPT・ザカール。蒼き流星SPTレイズナーのラスボス機体である。

早々に切り札を発動してしまったファイターは舌打ちを零すが、やってしまった物は仕方がない。V-MAXを維持できる時間の内に精々暴れてやると索敵に入ろうとした所で、……接近してくる青い光球に気付く。

 

まさか、いやまさか、作った奴がいるのか?自分以外に?この作品の機体を?

高まる期待のままにそちらに向けて突撃し、そして確認した敵機の名にファイターは思わずガッツポーズをした。――敵機名・レイズナーmk-Ⅱ。

 

「叩き潰してやるぞレイズナーッ! V-MAX、スーパーチャージ!! オンッッッ!!」

「V-MAXIMUM発動ッ!! 決着を付けてやるザカール! 今から始まるのが俺たちにとっての決勝戦だ!!」

 

双方ともに既に発動しているが気分である。気分は大事だ。

実現されなかった対決を今此処で実現できると言う歓喜の絶叫と共にぶつかり合う二機。

青と赤が絡み合ってぶつかり合い、縦横無尽に駆け巡る。

 

 

勿論、その二機だけが目立っている訳ではない。

 

己が身を縮めるように屈みこんだ赤いジムの様に見える機体が全方位に光の線にしか見えないレベルに加速したミサイルをぶちまける。

その光のラインを身を引いて回避した、百式にちょっと似た顔の頭の長いモビルスーツ、――いいや、ヘビーメタル・エルガイムMK-Ⅱが振り向きざまにバスターランチャーをぶっ放した先には、どう小さく見積もっても戦艦サイズのモビルアーマー、もとい巨大な蛇竜の胴体から上半身を生やした真ゲッタードラゴンが存在していた。

下半身そのものと化している竜の顔面をバスターランチャーで焼かれたゲッタードラゴンが憤怒の咆哮を上げ、竜の口から緑の光をぶちまける。宇宙を一直線に切り裂いていく翠光の濁流――ゲッタービームに飲まれた機体が幾つも消滅していく中で、その射線上から真紅に輝き退避した機体は、これまたやっぱりこの時点ではキットが存在していないダブルオーライザー。

ツインドライブ、全開。掲げたGNソードⅢから立ち上る光の柱はトランザムライザーソード。それを目の当たりにしたジム、もといイデオンが対抗して腕を掲げ、縦一文字に振り下ろされるライザーソードをイデオンソードの横薙ぎで迎え撃つ。

 

本来ならばイデオンソードが圧倒する組み合わせだが、これはあくまでガンプラバトル。拮抗してぶつかり合った二つの剣、その持ち主である二機を射線上に乗せ、諸共に飲み込んだのはX魔王が放ったハイパーサテライトキャノンだった。

デブリの嵐を損傷なしで切り抜けたものの、かなりの距離を流されたX魔王が目にしたのは修羅(ゲッター線の使徒) 神 仏(ジムの神様)に悪鬼どもが暴れ回る地獄の光景。

流石に破壊が大規模過ぎて無視して素通りしようとしても巻き込まれて死ぬ、と判断し、技的な意味で派手に目立っている二機と物理的に目立っているもう一機、真・ゲッタードラゴンを纏めてハイパーサテライトキャノンで消し去ろうとしたのだが、……結果的に言うとこれが悪手だった。と言うより悪手になってしまったと言うべきか。

 

オーラバトラー・カットグラがアビゴルバインとの戦いを求めた様に、レッドパワーを発動したザカールを見付けたレイズナーMK-Ⅱが他の全てを放り出して決着を付けに行った様に、ライザーソードにイデオンが切り札であるイデオンソードを叩き付けた様に。

このバトルロイヤルに参加している連中は既にそのほとんどがその場の勢いに任せた馬鹿と化してしまっている。まともに勝ちを狙ってしょっぱく逃げ回ろうとする奴らの方が少数派である。

そして真ゲッタードラゴンをフルスクラッチで作るような奴はその中でも輪を掛けた超特大級の馬鹿であり、そんな馬鹿を目にしてノリと勢いで合体技に走ろうとする馬鹿がいた。いてしまった。

 

ダブルオーライザーとMSサイズのイデオンを消し飛ばし、そのままの勢いで真ドラゴンに迫るサテライトキャノン。

そんな時、鋭角的な軌道を描いて真ゲッタードラゴンの竜頭に真ゲッター1が降り立つ。

真ゲッター1から爆発的に立ち上るゲッター線(プラフスキー粒子)。真ドラゴンもそれに応じる様に吼え――二つの心(二人の馬鹿)が一つになった。

 

「真ッッ!!」

「シャァインッ!」

「「スパァァァァァァアアアアアクッッッ!!!」」

 

遠間から迫るハイパーサテライトキャノンに正面から突撃していくゲッターロボ。その闘争本能に応えたかのように二機を包んだ翠の光が純白へと変わり――ハイパーサテライトキャノンを正面から弾き散らして突き進んでいく。

そして逃げる間もなくガンダムX魔王は轢き潰されて消滅し、――ゲッターロボはドワォした。具体的にどうなったかと言うと二機揃ってバトルフィールドを突き破って失格となった。しかし二人の馬鹿は非常に満足げな顔をしていたと言う。

 

 

 

処変わって、地上フィールドを挟んで逆側の宙域でもそれなりに派手な戦闘が巻き起こっていた。

アイラ・ユルキアイネンのキュベレイパピヨンが展開したクリア・ファンネルをアンチファンネルシステムを展開したガンダムReonが封殺する。

かと言ってキュベレイだけに関わって居られるような状況ではない。本体の動きを警戒しつつも、その両腕のビームガンを連射して自身の周りに敵を近付けさせまいとする。

何せその宙域は完全な乱戦模様、一瞬機を逸らせば次の瞬間に後ろから刺されていてもおかしくない状況だ。

 

本来バルキリーに付いているべきトルネードパックを装備したメタスと言うゲテモノが納豆ミサイルをぶちまける。

各機体を数発ずつ追尾してくるそのミサイルを、ある機体は切り払い、ある機体は装甲で防ぎ、ある機体は片手を向けて雷撃を放つことで防いだ。

ABRAHADABRA――死に雷の洗礼を。ウイングガンダムゼロをベースとして作り上げられた異形の鬼戒神の名はリベル・レギス・ゼロ。グリリバ大喜び間違いなしのその機体に偃月刀を振り上げて、まんま魔を断つ剣な再現機体が突っ込んでくる。なびく鬣の為にドール用の髪を移植している辺りガチな奴と言わざるを得ない。

ぶつかり合うバルザイの偃月刀と黄金の十字架。直後二機の中心へと叩き込まれるのはソニックスマッシュ砲。七つの大罪、怠惰を管轄する悪魔の名を持つガンダムベルフェゴールの大火力武器。

即座に離れた二機から意識を離したベルフェゴールがストライククローを振り上げる。ぶつかり合う質量と質量。振り下ろされた超大型メイスを二本のクローで防ぎ止め、即座にクロービーム砲を発射する。それをAMBACで躱す動きに合わせて振り抜かれるテールブレードを、脚部のアトミックシザースで挟み止めて勢いを殺す。

これまたこの時点では影も形もない狼王、72柱の悪魔の名を冠するそのガンダムがベルフェゴールと睨み合ったのも束の間、Reonの頭部ハイメガキャノンがぶっ放されて諸共消し飛ばそうとするのを揃って回避し、――別れた二機が手近な敵へと殴りかかる。まさにどったんばったんの大騒ぎである。

 

出来れば二機で殴り合いたい鬼戒神組、誰でもいいから殴りたい悪魔組、引っ掻き回すメタスバルキリーに、ファンネルを止めているReonを落としたいけれどわけわからん連中がやっている乱戦の中に突っ込むのはごめん被ると言った様子の、一歩引いているキュベレイパピヨン。敢えて乱戦に身を置いてキュベレイパピヨンから幾らか距離を取っているReon。

そんな構図が崩壊したのは、突然の事だった。

 

キュベレイパピヨンの後方に突然発生するスパーク。生じた小さな黒い穴が内から光に飲み込まれ、突如現れたのはサイコガンダムよりも更に一回り巨大な、スーパー系なガンダムである。訂正、ガンダム顔のスーパーロボットである。

突然の巨大ガンダム出現にほんの一瞬だけ各機が固まったその瞬間を逃さずにガンダム――亜空間移動してきたバルディオスが胸を突き出し、胸部プレートを眩く発光させる。そして次の瞬間、超特大の爆発がその場を席巻した。バルディオスは反動で後ろに吹き飛び、至近距離にいたキュベレイパピヨンは消し飛んだ。

他の機体も大なり小なり吹き飛んでダメージを受ける事となったが、サンダーフラッシュはスパロボでは全体攻撃だから仕方がない。

 

なお、アイラは既に転生してきた人たちのホワイト企業から引き抜き工作を受けているので鬱展開はないと言う事を書き記しておく。そしてその結果、現状若干ネメシスでのやる気が失せてもいるが、それは仕方がないだろう。エンボディ辛いしダサいし。

 

 

 

 

宇宙はこんな有り様だが、勿論地上も負けてはいない。

ウイングガンダムフェニーチェに対するガウの特攻に割って入ったウォーカーギャリアがICBMの代わりにガウを受け止め、メガサイズザクにぶん投げたり――…

はたまた、原作では森に潜んでいた戦国アストレイが通りすがりに喧嘩を売られたりとこっちも賑やかこの上ない。

特に戦国アストレイの相手をしている機体は物凄く煩かった。

 

―――Let's party! DEATH FANG! MAGNUM! WAR DANCE! ya-ha!!

 

わざわざモーションごとにボイスデータを搭載してスピーカーで流しているその機体の名は婆娑羅アストレイ政宗。お前がレッドフレーム(真田幸村)ポジだ! レッツパーリィ! 楽しもうぜ! とばかりに大はしゃぎしているが、これが普通に強いのだから堪らない。

ビギニングガンダム仕込みのサーベル三本持ちをそのまま刀でやっている上、魔龍剣士ゼロガンダムの雷龍剣要素を突っ込んでいるのかガチで雷撃走るである。六刀流の手数も相俟って戦国アストレイは割と防戦一方だが、これはニルスが若干出し惜しみをしているのも原因であるので自業自得と言えるだろう。

 

賑やかなのが二機のアストレイならば、静かなのはシノビである。

音を殺し、気配を殺し、二機のニンジャがぶつかり合う。放ったクナイで影を縫われたGの影忍がミノフスキー隠れの術で視界を奪う。姿を見失ったやんちゃだった頃のキンゲことXANがそれでもとフォトンマットを投げ込むが、――シノビのサーベルは金剛宝虚空剣。この世に断てぬもの無しと謳われた業物のビームサーベルは影縫いの秘術さえ切り裂く。既に影忍はその場を離脱済みだった。

トリカブトや松の実などを混ぜた粉末状のミノフスキー粒子を目くらましにして姿を消した影忍がXANを背後から急襲するが、切り裂いたのはXANの幻影。ヤーパン忍法、分身の術で出した分け身を囮に用いたのである。ワザマエ!

写し身と気付いて背後に振り向いた影忍が抜き打ちに繰り出した一刀を、XANのアクナギノツルギが受け止める。二機の力量は実際互角。ほんの一瞬の油断が生死を分ける、シノビの戦いはまだ続く。

 

 

 

そして市街地。

四機の機体が入り乱れ、繰り広げられるのは近距離戦。

クイックブースト、クイックターンによる瞬間加速。単純な機動力と瞬発力に措いて他の追随を許さないのはネクストAC・03-AALIYAH、――シュープリス。

ジェットローラーダッシュによる加速性能に、ターンピックによる変則機動。細やかなフェイントで徹底的に読みを外し、豊富な実弾火器で制圧するスコープドッグ・ターボカスタムLRS。

超低姿勢の前傾ダッシュと、足を止めた後の再加速時にすら隙の無い軽快さ。パワーボムを用いた牽制を兼ねた攻性防御と踏み込みの鋭さで格闘戦を狙うのは電脳歴におけるGMと言っても良い10/80のアップデート機、10/80SP。

そしてメイジン・カワグチの駆るケンプファー・アメイジング。PPPSEの技術の粋を集めたとされる高水準の性能と、それを生かし切るファイターの技術は流石と言った所。そして何より、スラスターの推力を機体の向きに応じて全方向に向けられる点は三次元機動に措いて他の機体より抜きん出ている。

 

爆炎を共にビルの合間を絡み合う様に駆け抜けていく四機の前に、廃ビルをぶち抜いて飛び出してきたのは光沢からして大人げなくメタルメッキを施したと思しき鉄の城、マジンガーZと、がっぷりと四つに組んだ青の巨神ゴーグ。

ゴーグの肩口を掴んだ腕をロケットパンチで射出する事で無理矢理に引き剥がしたマジンガーが油断なく四機に向き直り、――余計な機構がない故か、ロケットパンチの推力に押し込まれ、ビルの瓦礫に叩き付けられて尚ダメージを受けていない様に見えるゴーグもまた起き上がってきた。

そして距離を置いて睨み合う六機の中心点に、轟音と共に新たな闖入者が現れる。

 

並のモビルスーツよりも一回り大きく、見るからにマッシブな腕部、脚部。

肩、そして膝に開いたビームスパイクの発振口。前腕の可動部を開かれれば、ドッズ理論を応用したビームラリアットの発振部が存在するだろう。

しかしてその四肢の中心にある体部分は、愛らしいドレス姿の、桃色の髪をリボンで二つに結った少女――。

 

スーパーふみなを随分と先取りして現れたその存在の名を、M・S(魔法・少女)まどかタイタス。

そして膝を付いてスーパーヒーロー着地をした彼女の背を補う様に、音もなく降り立ったほむスパロー。

 

こんなもんを作った奴が二人もいたのかと言う驚愕と、明らかに二機で組んでいるその佇まいを前に――自然、他の六機も静かに肩を並べて即席のコンビを作り上げていく。

 

マジンガーZと、ゴーグ。

スコープドッグと、10/80。

そしてケンプファー・アメイジングと、シュープリス。

 

「信頼させてもらうぞ、複眼の機体」

「元ネタに肖るなら後ろから撃つ(騙して悪いがする)のもありだと思うが、まあしないさ。

 中央のまど、じゃなくって少女型を侮るなよ。全身からビームを突き出してくるぞ、あれは」

「面食らったがガンプラは自由だ。作り込みの深さに敬意は表しても油断はしないさ」

 

凄い変な機体だとは思うが。そんな内心を表すような沈黙が数秒。その後に全機が一斉に動き出す。

向けられる銃口、構えられる拳、振り上げられる刃。実力伯仲、誰が落ちてもおかしくない戦闘の最中、メイジンは思わず笑っていた。

 

「カワグチ?」

「アラン、こんな時だが――私は楽しい。これほどの猛者たちが何処に隠れていたのかと思うと、これからが楽しみで仕方がない!」

 

一年前の大会は、見た限りでは実力と言う意味でもカオスさと言う意味でもこれほどではなかったと言うのに。

ああ、そうだ。そうなのだろう。今闘っていて実感できる。他作品の再現機にMS少女、想像もしていなかった機体を目の当たりにして、その実力を直に感じて強く強く思うのだ。

 

「そうだ、ガンプラの可能性は――無限大だっ!!!」


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