没になった小説を無理やり終わらせるという形で、土に力づくで突っ込んで供養したもの。
続きが思いつくとしてそれはいつ頃になるのやら

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黒魔術の試練の前座

 とある町のとある場所で、トラック事故が起こった。

 

 原因は最近になって連日の報道で注目されていた持病のある高齢ドライバーの突然死によるものだった。そのトラックは歩道に突っ込み、その先には一人の女性がスマホを弄りながらゆっくりと歩いている。彼女はトラックに気づくと眼を見開き、咄嗟に避けようとするが凄まじいスピードで迫る鉄の塊を前になす術もなく、死ぬ。……本来ならそうなるはずだった。

 

 「危ない!!!」

 

 そこに、たまたま女性の近くを通りかかった男が彼女を突き飛ばすことで、彼女は九死に一生を得たのだ。

 _人人人人人人_

  >BANG!<

  ̄Y^Y^Y^Y^Y ̄

 だが、彼女の身代わりとなって、通りかかった男は何かを叫んで死んでしまった。

 神はそれを見て言った。

 

 「これはいい男だ。

  トラウマになるだろうから、とりあえずその日の記憶は消してあげて、

  どこか同じ死因で死なない別の世界で蘇らせてしんぜよう。」

 

 こうして、男は別世界で生きることになった。

 

 

 

 ちなみに彼の最期に残した遺言は何だったのだろうか?一度聞いてみよう。

 

 「いや、爆発音なんでアメコミ風???

  これトゲットゲの吹き出しついてたら完っ全に、アメコミやん!

 

  どう見ても現代日本って舞台設定で使う感じのフォントty」

 

 ――コメント:メタ発言は控えましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 事実は小説より奇なり、とは言うけど実際はそんなことあらへん。

 何も行動を起こさんと、受動的に流されるがままに生きている奴にとって、事実っちゅうんは普遍的で世の中に溢れているものに過ぎないんよ。

 

 それに例外なんかあらへんで?あっしも、おんなじように周りから見ていわゆる普通、要するにつまらん奴やなぁって思われとったんとちゃうかな。

 

 やから例えば、目ぇ覚めたら知らんトコにおって4人の髭長の爺さんに囲まれとった~なんちゅうという事になる心当たりなんてあるわけもないし、ましてやその爺さんが

 

 「本日より、お前にはこのカルディン家当主の選抜を受けてもらう」

 

 て、アンタ何歳やねん!中学生かっ!つーツッコミ入れたくなるような残念な奴なんて、有り得ん。てかもうこれぶっちゃけ夢やろ。

 

 丁度、眠気にも襲われとったし、ええ機会や。

 

 (よし、寝よか)

 

 そんな感じで、

 

 (いやぁ夢ン中でも、眠気はあるんですなぁ)

 

 などと我ながらみょーなところに感心しつつ、あっしは寝るために腕を枕にしたろう思うて動かそうとしたトコで、自分が腕を縄で縛られて吊り上げられていたことに気が付いたわけですわ。

 

 そこでよう考えたら感覚やけにリアルやし、もしやけったいな趣味の爺さん達に連れ去られたんか思うてな?誘拐の二文字が頭ン中を過ったわけよ。

 

 「……ぇ?」

 

 勿論、眠気もすっ飛び、肌も逆立ち、大慌ても大慌てよ。

 マジで、気の利いたツッコミの一つも入れられへんくらい。

 思わず、目ぇひん剥いてまいましたもん。

 

 まぁ、目ン前にいた爺さんは聞き返されたとでも、思うたんやろうな。

 能面みたいなつまらん顔でこう言ったんよ。

 

 「まず黒魔術の修業だ。前から話はしていただろう。

  お前の肉体が十分に成長すれば、カルディンの当主にしてやると。

  あぁ、してやるとも。お前が生き残ればだがな。」

 

 んー、何言うとんのこの爺さん。

 アレか?所謂、不思議ちゃんっつーやつか?

 爺さんまで持続するとはなかなか強固な世界観なんやね。

 関心関心。

 

 ……いやいや、この爺さん、本格派過ぎん?自分の世界に入り込むためのセット全部作り切っとるやん。部屋には何に使うんかよう分からんモンのホルマリン漬けとか、アルファベットで書かれた発光してる本とか置いてあるし、服装も胡散臭い新興宗教の教祖みたいな大仰な恰好してはるわ。

 

 と、なるとや。今日までに、演技とか相当練習してたんやろし、部屋のセット用意するのにも手間かけたんやろな。

 こりゃ、あっしが付き合ったらな、いくら不審者で初対面の人間の腕、縄で縛って吊り上げる奴とはいえ可哀そうかもしれん。

 

 (とりあえず、咄嗟にええセリフなんか思いつかんし、ちょい時間稼ごか)

 

 「えーーーーーゴホ「まず、資格があるかを確かめる。

  こっちへ来い。すぐに魔術士として最初の儀式を始める。」ン?」

 

 

 有無を言わせない様子でこちらにそれだけを告げると、彼らはあっしに背を向け、その場を後にするのだった。

 

 ――ガチャン!

 

 彼らが去り、最後の一人が扉を閉めた音がすると、先ほどの張りつめた空気はまるで嘘だったかのように部屋は静けさを取り戻す。だが、しばらくの間、あっしの頭から、彼らの放った不気味な言葉が張り付いて離れることはなかった。

 

 

 ……。

 

 

 ……。

 

 

 ……。

 

 

 「いや、縄解かんかあぁぁぁい!

  なんやぁコレ。ツッコミ待ち?

  の割には誰も反応せえへんけど。

 

  それとも、次のコーナーの準備長引いてるんで、フリートークで場を繋いでください的な奴?もしそうなんやったら、正直話すん下手やし勘弁してや。第一、馬子にも衣装っちゅう言葉あるっちゅうのに、その衣装すらこんなボロかったら、ボロ出るって。感想つけようがなく、ただただ、自分の無地の服やん。普段着やん!誤魔化すんにも、準備は要るんやで?この際、胡麻擦りでもなんでもしたるから、今すぐ胡麻団子の着ぐるみとか貸してや!『滑りました。ちゃんちゃん』、なんてオチ、この気合い入れたセットとかセリフ回ししてるノリでやるんはちゃんちゃらおかしいし、不自然やん。な?あっしってば、ピチピチのかわいいかわいいごまめちゃんやろ。なんとかしてちょうだいよ!

 

  え?ごまごま、てダジャレしつこいしつまらんから、衣装あったところで客に受けへんぞって?

  そりゃ勘弁してくれや。ピーチクパーチク言うとる小鳥のゴマメちゃんやからさ。頼むで。

 

  いや、頼もうにも、よー考えたらスタッフの爺さん達出てっもうたよな?」

 

 

 ……。

  

 

 「あぁもう!遅い。そこは誰がスタッフやねん!ってツッコミ呉れや。

  マジでどっか行ってどうすんねん。

  せっかく、その後いや、おるんかーい!ってツッコミ返し入れたろ思うとったのに台無しやん!

 

  この空気どないせいっちゅうねん!あぁぁぁ~、爺さんまだかいな。

 

  ……待てよ?もしかして、さっき付いて来いって言ってたんて自力で縄抜けしてこいってことなん?いやぁ、まさかぁ。そんな放置プレーかますわけないやんなぁ。当主の選抜で最初の儀式やる言うといて、連れてかへんなんてありえへんよなぁ。

 

  だってそんなん、オーディション番組に審査員居らんのとおんなじやで!やっぱ上手いこと、演出さんの指示で流れ作ってもらわな、芸だけ披露しても正直、場がまとまらんくて、時間経ったらこれどないしよって変な空気なるやろ。司会もおらんのに帰らんとってや。これやと、単独でネタ滑って観客が反応に困る芸人みたいなるて!」

 

≪……男は滑った。

 番組オンエア時の時間に5分のダメージ≫

 

≪男はどうする?

 →ボケ続ける(出番全カット)

 →とっとと進行して番組の出演時間を減らさないようにする。≫

 

「いや、メタァ!

 さっき思いっきし禁止とかいうといて、メタァ!

 くっそ、せっかく妨害ほぼ入らん予定なんいいことに

 フリートークで出演時間水増ししてアピールしたろ思っとったのに。空気読めや!

 芸人が世界観壊さず、どれだけアドリブで面白できるかっちゅう建前なんやったら、メタで妨害するんやめたらどうや!」

 

 「って、さっきまでのやりとりカットすんな!

  視聴者想像力で補うしかなくなるやんけ!」

 

≪世界観を守るためには仕方ない≫

 

 「……。」

 

 「いや、このまま喋ってても埒が明かへんな。

  とりま、爺さんの行った方に向かうかぁ。」

 

 ちなみに、縄は薄々感じとったけど、見掛け倒しやった。

 おっと、遅れても、リアクションはやっとかへんとな。

 

 「って縄ァ、緩ッ!」

 

 これで良し、と。自己満やけど、精神安定のためには必要なことや。

 

 「喧しいぞ!とっとと黙って来んか!」

 

 う~わ、中二病爺さん入口のすぐ近くにおったんかいな。

 全然なんも言わんし、気づいとらんかったわ。

 

 あ、せやせや。よぉ考えたら今こそ、例のツッコミをするチャンスやないか?

 今やんな?……言うぞ!いや、言うで!

 

 「いや、おるんかーい!」

 

「喧しいと言うとるのが聞こえんか!」

 

 「すんません」

 

 

 

 

 

 

 

 そっから、あっしはだだっ広い廊下をタラタラ歩く爺さんに、ちっとばっかし

 

 (いや、亀ちゃうんやからもうちょいはよ動けや)

 

 ってな具合にイラつきながら、もう足棒になるんちゃうかってぐらいにフラつきさながら、酒飲んだ酔っ払いみたいな……そう!千鳥足で某部屋(某ってつけときながら、あれやけどどこにある部屋なんかとか知らんし、多分みんなにも知られてるわけじゃない)になるたけ早めにつきたい人生やったか。とか思いながら辿り着いた。

 

 (韻踏みた過ぎて、文章気色悪くなっとるとか言ったやつ〇す!)

 

 「ここが、儀式の間だ。

  当主になればもう一度訪れることになるが、そうでない者はこの一度で用はなくなるだろう。」

 

 連れて来られたトコは思っとったより、ちっこい部屋で、縦に長い。

 

 奥に、〇リコっぽいY字ポーズを本来のグ〇コが上げてる方の足で跪きながらしとるっつー感じのみょうちくりんな像と、祭壇っぽいなんかがあること以外は、ごく普通の内装やった。

 面白味は、あまりないそーです。……すんまへん。

 

 (像はシュールな感じやから、人によってはおもろいんかも知らんけど。)

 

 「さて、では早速儀式を始める。」

 

 ちゅ~か、さっきからずっと気になっとったんやけど、爺さん以外だぁ~んれもしゃべりよらんなぁ。

 エキストラ的なあれなんか?そういや、サクラも立派な職業やって聞いたことあんな。

 そ~いう人派遣する会社から呼んだ感じなんやろか?

 

 

 微妙に気になるわぁ~。

 

 

 「これっ!

  神聖で伝統ある儀式を前に、何を他所見しとるか!

  当主選抜に加わる名誉ある者としての自覚を持って立ち振る舞え!」

 

 「は、はい」

 

 いや、怖いなぁ。目が、マジやん。人殺す奴の目ぇしとる。ソースは辛口……やなかった、情報源(ソース)は漫画。

 

 こりゃやっぱ、今日のために準備整えてあっしを連れて来たに違いないな。ちょいちょい突っ込みたくなるとことかあるけど、しばらくは頑張って役に徹したろ。

 

 「ゴホン!……では、改めて。

  この像は、民衆が放ったソースを浴びる黒神 グリ〇様を象ったものである」

 

 「ぃや、ちょい待たんかーい!」

 

 無理無理無理無理。そんだけ、露骨過ぎるんは、さすがに無理。

 突っ込まないわけには行かへんて。

 あんまりにも、露骨過ぎるから、ツッコミのしょっぱなちょっと飛んでもうたって!

 

 「一体何度騒げば気が済むのだ!名誉ある者の自覚を持たぬか!」

 

いや、いくら番組スポンサーって設定やからって、実在企業の象徴的なマーク小説に使いなさんなや!それに最後の砦なはずの伏字も役割果たしとらんやんけ!

 

 あぁ!だぁ!もう!ついさっき思っといてあれやけど、役に徹しとられへん。これでやり遂げたとか思ってもうたら、あまりに爺さんが可哀そうや。

 

 「めちゃくちゃやん?世界観もろ崩れしとるやん?

  爺さん、実はあんまりファンタジー系の小説とか映画とか見とらんのとちゃうか?

 

  俄かなまま、一回軽く見たくらいで表面的に感動して、その世界観、現実に再現しようとしとらへんか?

  アンタが凝り性やからか、全体的にはええ感じの雰囲気作れとるけど、致命的なとこで人間が鰓呼吸しかしないって言ってる奴の頭ん中並みのエラー起こしとるで!

 

  ほら、いったん落ち着いて考えてみよか?

  今なら、まだ生きとるうちにもうちょいまともなもん作れるで!」

 

 「さっきから、何をごちゃごちゃと抜かしおるか!

  もしや、この家の、カルディンの家の伝統を愚弄しておるのではあるまいな!」

 

≪あ、あと尺ちょっとなのでどうにか話畳んでください。≫

 

「んな無茶苦茶な!え?できなかったら出番全カット?だぁもう!」

 

 ……ダメや。世界観に入り過ぎて、もう、人の話聞かん奴になっとる。

 もう、左遷や。新しい爺さん持ってきて打開したくなり過ぎて、くそう、抑えが効かん!

 

 なまじ、この環境で過ごし慣れてきて、逆にあっしのほうが、こういうファンタジーっぽい世界観用意したくなってきた。

 そうなってくると、この、駄作者は邪魔や!排除せんといかん!(急展開)

 

 「おい、アンタクビやクビ!

  用済みや。とっとと出てけ!

  ついでに、もっとできる新しいもん用意せんかい!」

 

 「クビとはなんだ。

  カルディン家の当主を選抜する立場にある者に向かって言うべき言葉ではないぞ。」

 

 そうなってくると、なんか爺さんのこの態度もごっついムカついてきた。(掌返し)

 

 「一つ言わせてもらうで!そんなどこの馬の骨が決めたかも分らん仕組み、素直に従うわけあるかいな!

  とっとと、終わらせてもらうで!」

 

 「「「「「それを許すとでも?」」」」」

 

 え?ちょ、ここに来て急に周りの四人喋り出すなや。混乱してまうやろ。

 ってか、圧、凄いな。これホンマはサクラちゃうんと違うか?

 

 あ、みんな体光り出したか思うたら、なんか、手から火球みたいなん出始めた。

 ん?火球?本物?でもみんな熱そうにしとらんよな?

 

 「お前はどうやら、現実すら受け入れられとらんらしいな。

  我らの魔道を喰らわせ、痛みでその妄言、止めさせてやろう。」

 

 「え、ちょ、ま、待て、待とっ!せ、せや!ちっと話し合おうや。

  それ猫だまし的な奴なんやろ?実際飾りとか機械で写したリアルな立体映像なんやろ?

  当たった時に、熱そうなリアクションとらんかったら、気まずい空気なるで?

  ええんか?……ちょ、無視して手ェ掲げんとってや!

  今なら間に合うて!そう今な……うわぁぁぁぁぁぁ~普通に熱いし肌が焼けて痛いいいいいい!!!」

 

「ハイOKで~す。ちゃんと予定通り5000文字+ー500文字以内の時間で終われましたね。」

 

「いやぁ、間におうて良かったですわ。……駆け足感凄かったけど。

 にしても、リハの時に見せてもらってましたけど、マジであの火の玉見た目リアルすぎません?

 ニセモンやって分かっとっても、結構自分に迫ってくるのん見ると、素で落ち着いてられまへんでしたよ!」

 

「はて、今体験したのは、本当に科学技術とやらによるものだったのでしょうかねぇ?」

 

「え?いや、そんなのそうに決まって……あっ熱」

 

 「13男も所詮、刷り込まれた虚偽の“設定”には打ち勝てぬどころか、

  気づくことすらできない凡愚だったか。では、次に移る。

  焦ることはない。まだ候補は100人以上残っている。

  カルディン家に相応しい当主は必ずや……」















透明文字機能で遊びたかったけど、中途半端になってしまった。
いや、ほんと、力量不足、忍耐不足だった。
反省反省。

一部特殊タグ閉じ忘れで悲しいことになっていたので訂正。
う~わやらかしてた。

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