くそくそ傲慢理不尽悪趣味NC様みたいなものなのでは?
と思い勢いで書きました。
タイトルの通りです。
恐らく冒頭だけ書いて終わるので、良ければ鬼滅×ネクロニカとかください…ください…。
彼女は正しくこの地球の王女様だった。
汚染されつくし腐肉とガラクタと、生き物の本能のそれらしく思うがままに勢力を伸ばした生物兵器たちが繁茂する薄汚れた星だったとしても、それは間違いなく彼女の所有物で、一番『えらい』のは彼女なのだ。
なにせ、全てが終わった後日談の更にその向こう、自分の玩具箱を後生大事に抱えて己の為だけの箱庭で踏ん反り返っていたネクロマンサー達も様々な理由で滅び去って居た。
自身の生み出したドールとのお遊びに破れたり、偶発的な事故であったり、あるいは人形遊びにも飽き、自らの存在を放り投げてしまったり……恐らくそんな程々には愉快な舞台の終焉を迎えたに違いない。
引きこもりでお山の大将を地で行くネクロマンサー達なもので、実際の所は良く分からない。ひょっとしたら、彼女の知らない程の僻地でひっそり、みみっちいい人形遊びに興じている者も居るかも知れないが、目に映らないのだから、居ないも同然。
こうして世界全ての設備やネクロマンシー技術は彼女の元に集約され、地球最後のネクロマンサーと成り、地球の支配者となったのだ。
勿論、お互いに不可侵を貫くネクロマンサー共から奪い取って来た訳では無い。
たまたま彼女が残ってしまっただけだ。
自分の始まりはいまいち記憶にない。
確か、彼女も最初はどこかのネクロマンサーに作られたドールの筈だった。それがいつの間にか蟲毒の壺の最後の一匹になって居た。
凡庸と言ってしまうのが相応しい、そこそこに可愛いらしい顔。生きた少女ならば毎朝鏡と睨めっこを続ける羽目に成ったであろう、たっぷりとして艶やかでは有るが、酷い癖っ毛の黒髪。十二、三の程度の肢体は目立った凹凸もない。
何とも詰らない外装。
それもそのはず、彼女が自身を名乗るこの身体は『彼女』の末端でしかなく、ここしばらくどんな遊びにも飽き飽きして、誰も目にする事もなく着飾る理由も無いのだから仕方がない。
ついでに言うと、彼女には名前もない。
ドールだった頃や、今自分自身だと認識するこの自我には名前が有ったかも知れないが、思い出せないし必要もない。
地球上には今、彼女しか自我を持ったヒトガタは居ないのだから、個体の名称など不要でしかない。
どんな人格のドールだって、幾らでも作成可能だが遊びつくしてしまい、もうすっかり飽きてしまっている。
どんな趣向を凝らしたって、胸躍り、悶え狂う様な展開は訪れない。
一人っきりで、これ以上先も変化もないどん詰まりの世界。
心を持ったドールが孤独に壊れる様に、一度ぶっ壊れたネクロマンサーだって退屈に窒息死する。
変化し、進み続ける事こそが『ヒト』としての醍醐味であり、華なのだ。
変化の無い世界には、流石の排他的引籠り気質ネクロマンサーも、心が死にかけている。
ああ、ああ! 何か、なにかはっとする様な変化が欲しい!
いくら自分の思い通りには動かず、想定外の『変化』を提供してくれるお人形を作って遊んだって、その舞台は結局自分が作ったものでしかない。
ここまで来ると、リスクを嫌うネクロマンサーだって、刺激的な遊びを欲してしまう。
たとえば、他所のネクロマンサーの領地に踏み入って見る様な? そんな、ちょっと危険でどきどきする悪戯。
たとえば、他所のネクロマンサーと規定を作り争って見る様な? そんな、自分の考え得ない事に対する興奮。
この地上には、思考する者は彼女位しか居ない。詰まるところ、彼女のハイリスクな遊びの末に滅びようが、退屈に自我を壊そうが最終的結果は同じだ。
地球最後のネクロマンサーが消える事に変わりはない。
「そうと決まれば一世一代の大舞台ね!」
彼女のみならず、後日談の中這いつくばって居た者共の一生など、とっくに終わり或いは何度だって人格がダウンロードされ、何度だって死んだのかもしれない。
凡庸で面白みの無い、ただ少女として当たり前に愛らしい声で彼女は決断を叫ぶ。
「地球最後のネクロマンサーと、地球最古
楽しいわたのしいわタノシイワ!
平凡でしかない少女はくるくると一人、何も始まってもいない中で喝采する。
「素敵すてきステキ! きっと楽しいわ! おめかしをして、会いにいくわ!」
踊る様に、世界最後の可動しているネクロマンサーのラボを駆け回る。
「会いに行くわね! 鬼舞辻無惨様! とっておきのおめかしをして、会いにいくわ!」
その言葉と共に、少女の体がぐしゃりと崩れ溶けだし、後には何も残らなかった。
ただ彼女の……世界中のネクロマンシー技術を集めた『秘密基地』の駆動音だけが響き渡っていた。