TS病患者てぇてぇされる   作:バロンヌ

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誤字脱字報告、評価、感想、ありがとうございます。

安定の誤字報告数が感想の3倍‥‥気を付けてはいるのですが、勢いで書き上げているので…皆様には大変お世話になっております。

14話書いてて登場人物がどんどん増えてるから書き分けの特徴無くて読みずらいんですよね…すみません。

とりあえず、主人公にジャブ打ってみました(薬品ではない)


14.突然の

 

 チープなよくある物語の展開の定番、“一目ぼれ”と言うものをご存じだろうか。

 物語の導入には多用しても展開が読みやすく余計な不安と言うものが減り、物語をより楽しむ手法の一つだと思っている。

 

 私の恋愛観として、一目惚れと言うものは正直ないと思う。

 身内から親戚類まで顔が良い、性格が良いとそんな人間に囲まれてきたし、実際に学生の頃から芸能文化に足を踏み入れている身だ。

 目は肥えてるが故に、私も妹と同じ面食いと言うジャンルに含まれるのだと思う。

 だが、24年間の人生の中でそんな状況に陥ったことがないのだ。

 

 遠回りに見たら、他人にモノすっごい興味がないというのかもしれない。

 

 かといって自分好き好き大好き愛してる、と言う訳でもない。

 

 ただ、私の恋愛観として好きになっていくものはずっと自分と寄り添っていくものを自然と好きになっていくだけなのだ。

 

 母親がイラストレーターでゲーム好きだから、絵を描くこともゲームも好きになった。

 父親がアーティストだからギターが好きになった。

 弟妹が、声優にハマったから、気になって、済崩し的に後輩と声優になって、この仕事が好きになった。

 

 ようは自分と切っても切り離せないような存在にならないと好きだと言えない。言いたくないのだ。

 

 簡単に言えば恋は落ちるものではなく、沼に全身浸かった状態で抜け出せなくなる類。

 それ故に、身元がしっかりしているとか、絶対に逃げられない状況にしてからじゃないと関わりたくないのだ。

 正直関係性が壊れた瞬間に心も壊れる自信がある。

 

 そう思っている私なので、

 

「あなたに一目ぼれしました! どうかお友達からお願いします!」

「はぁ」

 

 クソ真面目に正面からくる人間にどう対処していいのかわからない。

 

 このスーツ姿で花束を持っているこの男を、どうすればいいのか分からなかった。

 

 

 〇

 

【KVSでもっと絡んで! テェテニウム不足してます!】

 

『はい、こちらのクッキーです。んー、てぇてぇの中に自分が含まれるとか想像ができないんだわ』

 

・…What?

・箱で関係性があるだけでてぇてぇんですが

・お前の存在が尊いんだよ(\1010-)

・十数億分の一がお前だからそれだけでてぇてぇ

 

『なんか俺ら全肯定過ぎん……?』

 

・自分のことは好きじゃないが具現体は好き

・具現体はご神体なんで

・そりゃ祀らせてもろて

 

『……いつから俺祀られてたん?』

 

・偶像やんけ

・アベンジャー的な信念の集合体の結果が俺らな訳で

・合法的に推しにワイらの感情叩き込めんのは神しかおらんて(\510-)

・神×推し=てぇてぇ

 

『なんかもうわけわかんね』

 

・俺らの癖に哲学ってるぞこいつ

・俺らにも中二、合ったじゃろ

・中学二年、ネット、ニーチェ…う、頭が‥

・逆に熊は何がてぇてぇ思うん?

 

『感情と感情がぶつかる瞬間、個を感じる時』

 

・ふかぁ…

・わかる

・存在が確立されたとき、つまり具現体は確立されている…つまりてぇてぇ…?

・その理論でワイは鉛筆と消しゴムすらてぇてぇぞ

 

『そうなるじゃん? でもよく考えてみ、自分自身が推しと絡んでそれはてぇてぇなのか』

 

・あっ…(察し)

・てぇてくない

・一生壁で居させてもろて

・観賞植物になって眺めてたい

・空気になっててぇて二ウムを摂取したい

 

『そう、てぇてくないのだよ。壁で居たい』

 

・まぁ、具現体とワイらはまた別の個ではありますしおすし

・てぇてぇは勝手に俺らが感じるものなのでいつも通りでどうぞ

・はしゃいでる姿も考える姿も掛替えのないものなんやで

・もっと自我を出してもろて

 

『た、確かにてぇてぇは意図的に出るものではなく勝手に発生し勝手にこちら側が受けってるだけなんだよな……』

 

・ようやく理解したか(\10000-)

・はよよこせ(\5000-)

・お?理解したか(\2500-)+城下パーマch

・勉強代になったわ(\10100-)

・俺らってやつは…ホント…(\4545-)

 

『やめい、スパやめい、なんで俺がお金でわからされた風になってんの?! んー明日の配信にしようとしたけどいいや、KVSのメンバー15人+マネで焼肉行った話するわ。そん時の費用として運営に投げます』

 

・わかってんじゃねえか!(\50000-)

・求めてるもんようわかっとる(\10000-)

・そういうのでいいんだよ、そういうので(\500-)

・ハラミ代(\960-)

・KVS交際費(\20000-)

 

『いや、投げスギィ!』

 

 

 

 〇

 

 

 

 てぇてぇどころか、自分が恋愛対象に入っていることすらよくわかんないTS歴2ヶ月半児は絶賛混乱しているのである。

 

「では、~私を彼氏にするとどんなことがあるのか~のプレゼンを始めます」

 

「いや恐怖」

 

 混乱している間に半個室のチェーン店で茶を取ることに。

 

「……そうですね、先走りすぎました。見知らぬ大男に半誘拐で一緒にお茶ですから恐怖を感じて当然だと思います。たぶんA〇の撮影もこんな流れで持ち去られると思うので十分ご注意を」

「初対面相手に堂々と下ネタ言いますか普通」

「すみません。思ったことを口から垂れ流してしまうものでして」

「はぁ」

 

 私に突然告白と言うか友達になってください宣言してきたスーツ男は、まぁ、見てくれは悪くなく、清潔感がある。

 ただ表情が薄く少し目つきが悪い。

 

「先ほどお声かけさせて頂いた喫茶店で一週間ほど前に見て以来あなたのことが頭から離れず、行動が先走りました。あ、これ身分証です。不快になったら容赦なく通報してください」

「何さらっと覚悟完了してるのこの人」

 

 さらっと、大男はカバンから免許証と保険証、名刺を懐から取り出す。

 ……情報量が多い。

 とりあえず不安なので写真を撮っておく。

 念のためにクラウドにも保存しておく。

 

「容赦のない感じ。たまりません」

「こわ」

 

 表情はほぼ変わらないのにちょっと声が上ずって怖い。

 

「名前も確認していただけたと言うことで、自分は織田一心と申します。健康保険証にある通り、サラリーマンです。ただ職種としては芸能の声優をしています。芸名は織田和春、株式会社showIamと言う芸能事務所です」

 

「さらっとプレゼンに入ったこの人」

 

「声優と言う人気商売ですが、ありがたいことにそれなりの知名度を頂いてます。貯金もそれなりに蓄えているので、ひもじい思いをさせることは無いかと思います。万が一の場合でも事務員や力仕事の土木業でも働けるよう資格は各種取得していますので。大型のトラックドライバー、タクシー運転手も行けます」

 

 ……さりげなくこの人二輪以外運転免許フルコンしてる。

 

「稼ぐことには困りません。性格面、行動、理念等につきましては友人として、たまに遊んで、話等をさせていただき次第に理解していただければ、と思います」

 

「は、はぁ……」

 

「一方的に突っ走ってすみません。非常に緊張しているものですから。その、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか」

 

「……こういうものです」

 

 なんか根負けしてとりあえず声優名義の名刺をカバンから取り出し大男、織田に渡した。

 

「原田鉄さn――すみません。ササ僕からの大ファンです。サイン頂いてもよろしいでしょうか」

 

 薄い表情が目に見えて喜びをあらわにする……若干の表情の動きだが。

 先ほどから色々とカバンから出てきているがこいつのカバンはどうなっているんだ……?

 

 そして、さらっと出してきたのは私が後輩に拉致られ出演した初めて名前のあるキャラをやった作品“叫び囁く僕と君”ノベルゲームの略称である。

 裏ボスが私のキャラだった。

 

 一瞬で出てくるあたりそれなりに、ファンをしてもらっているのだろうか。

 

 思わずサインをしてしまったが。

 

「……私の直感が推しを探り当てたのかもしれませんが、それ以上にその瞬間のあなたの姿に見惚れたのは確かです」

 

「恥ずかしげもなくよく口が回りますね」

「嘘は付きたくありませんので」

 

 

 なんか、気まずい空気となり、2分ほど無音の空間を彼の電話が破り、此方から声をかけたのにこの後仕事があるので、と言うのでその場で解散となった。

 

「連絡をさせていただきます。なんでもいいので声をかけていただけると嬉しいです」

 

 そう言って深々と頭を下げて去っていった。

 

 

 これは、いったいどう状況なんだ…?

 

 

「あ、伝票もってかれた」

 

 

 冷静になるために口にした紅茶の飲み終わる頃には会計はとうに済まされていた。

 

 

 ShowIam……よりによって妹と弟のいる事務所か……。

 まぁ、人となりは聞けるかもしれないが。

 そんなことを二人に言った瞬間どうなるかは分かったものではないが。

 とりあえず、嫌悪感は感じない類の人ではあった。

 

 さりげなく先ほどの喫茶店で買い忘れたケーキを買いに戻り、店員に好奇心の目で見られたが、そっとスルーした。

 

 しばらくあの店寄れないな。

 

 ちょっとしょぼくれながら自宅へ帰った。




声優
 
 織田一心(芸名:織田和春)
 長身の目つき悪いイケメン。
 将来惚れた相手がどこら辺が琴線に触れるか分からないので、いろいろな趣味と知識を持つ。
 声優としては、そのシーズンアニメに2作品ほど大体名前があるやべー奴。
 ゲームの方洋ゲーの吹き替えなんかもよくやっている。
 一言でまとめるなら”一途なやべー奴”

 
 
 主人公の好感度グラフ(仮)

 突然花束を渡される -100
 身分判明する    +5
 声がいい      +25
 顔が良い      +5
 素直        +20
 ファン       +25
 不快ではない    +30
 弟妹の同僚     +35


 妹に教えてもらったケーキ屋に寄りずらくなった -100
 人気声優はパパラッチ怖い -150

 計-205

 まだまだ先は長いようです。
 
 
 次は百合の間に突っ込まれそうになるがどうにか回避しようとするが逃げられない
 Vの方の話の予定

 主人公を混乱の海に落とさなきゃ…(使命感)
 

配信上のキャラセリフ前に略称

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