じゃあ、全力で、確実にヴィランを排除する連中が居るなら。それがヒーローより信用のある警察なら。
そっちの方が良いんじゃないか?
アクダマドライブを見終わって思いついたから書いた。
アクダマドライブはもっと流行れ。
設定が雑なのはしょうがないね。
多分続かない。
緑谷出久は無個性だ。
それは彼のパーソナリティに面白味がないという意味ではなく、『個性』と総称される超能力をその身に宿していないという意味だ。
中国で発光する赤子が生まれて以降、あらゆる超常は平常となった。
しかし中には未だ超常が超常のままである人間もいる。緑谷出久はその一人だ。
はっきり言って、進化一回分に等しいその差を埋めることは努力や工夫では不可能だ。
あまりにも明瞭な持つ者と持たざる者の格差。それは様々な問題を引き起こしてきたが、それはさておき。
故に持たざる者である彼が、持つ者の暴挙を止めようとしたことは、無謀でしかない。
「かっちゃん!!」
緑谷は駆ける。
幼馴染の、クソの下水煮込みとまで言われる程性格の悪い少年、爆轟勝己を助けるために。
「デクッ!何しにきやがった!!」
仮にも助けにこられてこの言い草では、正義のヒーローも助け甲斐がないだろう。
しかし緑谷は、ヒーローに憧れる少年、緑谷出久は。
それでも爆轟を助けようとしていた。
「君がッ!助けを呼んでたから!」
はっきり言って彼の行いは無謀極まりないものだ。
爆轟に絡みつくヘドロは個性によるものだ。無個性である緑谷に出来ることなど何もない。むしろ二次被害を考慮すれば足を引っ張っているに等しい行為だ。
少し考えればわかること。
緑谷は考えていなかった。
考えるよりも先に体が動いていた。
カバンを投げつけ、爪で掻き毟り。
虫も殺せぬ気弱な少年が、今思いつく限りの抵抗をヘドロに行う。
そこに一つ、声が響いた。
決して大きくない声。この喧騒の中では、ともすれば聞き逃してしまいそうな。
しかしその声はこの場にいる全員に届いた。絡みつく、ヘドロにも。
「警視庁処刑課だ。C級アクダマ、ヘドロ男」
水戸黄門の様に掲げた端末から光り浮き出る『処刑』の二文字。
「死刑、執行!!」
目にも止まらぬ速さでヘドロ男に肉薄し、赤熱した十手を以ってヘドロの体を切り裂く。
「あぎっ!」
呻き声を微塵も気にせず、ただただ作業の様に切り裂き続ける。
抵抗を許さず、無慈悲に、無残に、無情に。
木っ端みじんになるまで切り裂けど、その絶技で中身の爆轟は無傷だ。
そしてヘドロが息絶え、地面に飛散したころ。
「処刑、完了だ」
誰も、彼を止めることなど出来なかった。
◆◇◆◇
警視庁処刑課。
ヴィラン受け取り係とまで揶揄される警察がそのメンツの為に増設した特殊部隊だ。
警視庁が認定したヴィランを『アクダマ』と呼称し、その処刑を認可された超法規的存在。
身柄確保を主とするヒーローと違い、ヴィラン、彼らの呼び方にあやかるなら、アクダマを殺すことに躊躇のない彼らの抑止力は大きい。
人権侵害として彼らを批判する声は大きいが、犯罪者に一切容赦のない彼らを賛辞する声もないではない。
その増設が告知されてから『ヒーローと処刑課、どっちが良いか』はネット上ではずっと議論されている話題だ。
どっちの方がマシかはコメント欄でどうぞ。
多分続かないけど、思いついたら書く。