ㅤここは何処だろうか。
スキアーズはそう思いながら真っ黒な空間で目を覚ます。
ㅤとりあえず意識の失う直前のことを思い出す。そう確か、ゼロの力を手に入れた闇の王を相手に戦っていた。とても強くアイリスは1人で戦っていて、カイルに背中を押してもらって、アイリスの元まで行って。
「ダメだ、あの後の記憶がない」
ㅤ闇の王に勝てたのだろうか。
ㅤとりあえず現状を確認しようと周りを見渡すが、そこは広い大地。今まで見た事のないような場所だった。
「ありえない」
ㅤその光景には驚かざるえない。
ㅤ彼のいた場所はそもそもわかりやすい大陸などその世の中には存在しなかった。全てが島であった締めくくられた狭い世界。二人の約束が果たされることなく
ㅤ
ㅤ
「ここ…は……何処だ」
「アイリスゥゥゥゥゥゥウウウウウウウウウ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
ㅤ
「おいおい兄ちゃん、エールはまだ早いんじゃねぇの?」
ㅤそう言いながら酒場のマスターは少し止めようとしたが。
「悪いけど年齢なら既に数万年は生きてるよ」
ㅤローブの少年はそう返した。
「冗談よせよ、そんな年数たとえ太古の時代にいた伝説の魔神族や女神族だって生きてはられねぇっての」
ㅤマスターはその言葉にそう返した。まぁ、確かにそうだろうどれほど長寿でも数万年も生きれば精神は摩耗し生きようとする気力は失せるだろう。そう思いながらも少し気になった言葉があった。
「マスター、魔神族ってやつの事を聞きたいんだが」
「知らねぇのか?三千年前に存在した神々の片側、両者の神々は争いあい結果女神族に人間、巨人、妖精が加わり、世界を闇で染める魔神族を封印したってお話だ」
「御伽噺か何かなのか?」
「たとえ事実だとしても今じゃ御伽噺の類と何ら変わらんな」
「そうなのか、いい話ありがとう。エールも」
「おう、まあガキだろうとちゃんと払ってくれりゃ誰でも客だ」
ㅤ魔神族か、そう考え自身の始まりを思い出す。
【理想が見えてしまった者にはそれを実現させるため命を燃やす義務がある!】
ㅤ忘れてないさ、スキアーズさん。
「いい話をありがとう、本当に、また来るよ」
ㅤそう言いながら外に出ると、
ㅤ山が空に見えた。
「僕の知る巨人族にこんな奴はいないよ…」
ㅤ空飛ぶ巨大な豚からディアンヌはさらに巨大な存在を見下ろす。
「体に複数の魔力反応を感知したが生命反応が一切ない、恐らく
ㅤマーリンはそう冷静に言う。
「ああ、あれは兵器…巨獣アルビオンだ。古の大戦において魔神族に造られた生き残りだ……恐らく十戒の復活と同時に目覚めたんだ」
ㅤ団長メリオダスのセリフにディアンヌは反応するが、今はそれどころじゃないと話を後にする。
「う、嘘だろ。メリオダスが3370、マーリンでも4710なのに」
ゴオ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”オ”
ㅤ
「我々の闘級に反応したか、来るぞ」
ㅤ巨獣アルビオンの体は山と形容しても差し支えないほど大きい。デカい、ただそれだけでつよさとして大きなランク付けに反映するほどに。そんな奴が拳を振り上げ、下ろしただけでどうなるか……想像は難しくない。
ㅤ空に手を上げる。その動作だけでひとつの雲を砕いた。
ㅤそして振り下ろし…………
ㅤその腕は木っ端微塵砕かれた。
ㅤ
ㅤ
「あれはいったい」
ㅤそれは誰の言葉だったのか。その場にいた聖騎士だったのか、それらの頂点に位置したアーサーだったのか、それとも大罪の誰かなのか、ひとつ言えたのはそれを指し示したのは1人だった。
ㅤ黒い闇の剣を持ちその件から伸びる闇の巨剣で腕を粉々にした人物。赤と黒が混ざった髪を靡かせ青い目で巨人に相対していた者。
「貴方が何者かは知らないが、約束したんだ……また来ると」
ㅤ静かにローブをはためかせ、風の勢いのまま紐が外れ空へ飛んでいく。黒と赤の髪が見える
「悪いけど自分は君を倒すよ」
ㅤそれだけを言うと空に構え、彼の刃から伸びていた闇の刀身が伸びてさらに高く、天を貫くほど
「レティセンス・リベリオン」
ㅤその巨剣はアルビオンを分断した。
「うっひょー!?すっげーなんなんだ今の黒い闇の剣は!?」
ㅤホークがそのようにテンションをあげて言うが、マーリンとメリオダスの以外驚愕といったふうに、そして2人は僅かに顔を歪めた。
「なんだなんだ、キャメロットに何か仕込んでやがったのかコノヤロー♪」
「いや確かにキャメロットには魔力防御壁が張ってあったが今ので丸ごと破壊された」
「へ?」
ㅤホークがそう言うと、今の認識を改めさせるようにマーリンは口を開いた。
「
ㅤその言葉にさらに驚愕を覚える一同。
「で、でもアルビオンを攻撃したってことは少なくとも 敵じゃないんだよね」
ㅤディアンヌは意見したが。
「さあな、俺たちに敵意があるのかは分からねぇがアルビオンと敵対しているのは確かだ」
「だが団長殿、今のやつの力は…………かつての闇の」
「あぁ、野郎とかなり力が酷似してはいるが何処か嫌悪感は感じられねぇ……むしろ奴の本質とはかけ離れてるように……」
「だが用心しておくべきだ」
ㅤ2人はそう締めくくり、今までにないほど警戒していた。いつも余裕を見せるマーリン、そしていつも緩い態度を見せるメリオダスに周りのもの達は気をいっそう引きしめた。
ㅤスキアーズは剣の闇を自身に戻すと刃を鞘に収める。
ㅤすると空から何人かの人がスキアーズの目の前に降りてきた。
ㅤ
ㅤ二人つの黒紡ぎ出す未来が始まる