グレイフィアさんは夫に隠れて間男とイケナイ関係を築いていてほしい。

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人妻グレイフィアさんと不倫したいだけの人生だった

「グレモリー?」

 

 男が目を丸くする。

 まさか、そのような名前を出されるとは思っていなかったという顔だ。

 普段は厳めしい顔つきなので、それが凄く面白く思ってしまい、女────グレイフィアはクスクスと笑う。

 そんな仕草をしてしまったため、身体に巻き付けてあったシーツがハラリと落ちる。

 もはや、彼女の身体を隠すものはない。

 豊満な乳房が、しぐさに合わせて柔らかそうに揺れる。

 

「ええ。この町を任されているけれど、まだ子供よ。必要な時、最低限の手助けをしてあげてほしいの」

「…………」

「そんなに嫌そうな顔をしないでちょうだい」

「していない」

 

 そうは言いつつも、男の顔には明確に出てしまっている。

 そういうところは、子供っぽくてかわいい。

 自分が息子もいるからか、母性本能は強い方だと認識している。

 

「(子供っぽいくせに、頼りになる大人の男の一面も持っている。そのギャップは、女殺しだわ)」

 

 そう思いつつ、宥めるように男の背中に抱き着く。

 お互い、何も身に着けていない。

 素肌同士がすり合い、微弱な快感を与える。

 背中に圧倒的な量感の胸が、柔らかく潰れる。

 しっとりと汗をかいているそれは、男を興奮させるには十分すぎるのだが、つい先ほどまでさんざんなことをしていたので、今更覆いかぶさるようなことはなかった。

 

「あの子は強い力を持っているけど、まだ子供だわ。大人がサポートしてあげないと、致命的な失敗をする」

「ならば、悪魔の勢力で何とかするべきだ。俺は人間だ」

「私とこれだけ深くつながっていて、普通の人間なんて無理よ」

「…………」

 

 またむっつりと黙り込む男。

 グレイフィアは、最強の女王。

 現魔王ルシファーの女王であり、妻である。

 悪魔というだけでも人間がかかわるには不相応なのだが、その中でもトップクラスの悪魔だ。

 そんな彼女と会って、会話をし、そして深い関係────不倫関係にあるのだから、普通の人間とは到底言えまい。

 そもそも、『普通の人間ならグレイフィアが接触することもなかった』のだが。

 

「後悔したかしら?」

 

 彼に抱き着きながら、グレイフィアが問いかける。

 そうだ、と頷かれたら、ショックを受けるだろう。

 しかし、男は首を横に振る。

 

「いや、それはない。だったら、お前とも縁を切っている」

「それはよかったわ」

 

 スリスリと頬をこすりつける。

 しっとりとした肌は、男にはないグレイフィアだからこその感触だ。

 最強の女王が、こんなにも甘えているのは、夫のサーゼクスにもないだろう。

 いや、魔王だからこそ、簡単には甘えられない。

 そのストレスを、彼女はここぞとばかりに発散していた。

 

「何も、すべてをサポートしてと言っているわけではないの。必要な時、最低限……。お願いできないかしら?」

「……分かった。俺にどこまでできるかは見極めてくれ」

「ありがとう。だから、好きよ」

 

 ちゅっとみずみずしい唇を頬に押し付ける。

 グレイフィアは抱き着いていた身体を名残惜しそうに話すと、彼の前面に回った。

 そうすると、当然彼女の美しい肢体が遠慮なくさらされる。

 銀色に輝く美しい髪。

 意思の強さを表す切れ長の目は、ドロリと欲望に蕩けている。

 紅が差された唇は瑞々しい。

 経産婦とは思えないほど整ったスタイル。

 豊満な乳房に、括れた腰。

 大きく曲線を描く臀部に、スラリと長い脚。

 まさしく、完璧な美が存在していた。

 それを見ても、男の表情は変わらない。

 まるで、これが自分のものだから、当たり前だと言わんばかりに。

 その傲慢さに多少腹が立ち、しかしそれ以上に支配される悦びに包まれるグレイフィア。

 彼女は、ゆっくりと跪いた。

 あの最強の女王が、魔王の妻が、ただの人間に。

 

「先払いのお礼をするわ」

「お前にとっての褒美になるんじゃないか?」

「いじわる」

 

 グレイフィアはクスリと微笑むと、二人の影は再び重なるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ■

 

 

「…………」

「…………」

 

 静まり返っているのは、オカルト研究部の部室。

 学園を代表する美少女とイケメンがいるこの部活だが、基本的に入部希望者は入部が認められない。

 というのも、彼らは全員が悪魔。

 人間とは異なる種族だからである。

 それゆえに、ここに入ることができるのは、悪魔などの特別な種族、また特別な力を持つ人間に限られる。

 近時、兵藤 一誠という新しい悪魔が入部したばかりである。

 そんな場所で、もっともこの部活で偉い部長が、一人のメイドの前で正座していた。

 

「……何か、言うことはないんですか?」

「ご、ごめんなさい……」

 

 冷たく見下ろすのはグレイフィア。

 魔王サーゼクスの女王であり、最強の女悪魔である。

 プライベートを除けばあくまで使用人という立場をとっているグレイフィア。

 そのため、グレモリー家次期当主のリアスの方が、一応は立場は上である。

 だというのに、今はただ義姉に叱られる子供でしかなかった。

 

「なあ。先生って、悪魔関係者なのか?」

 

 敬愛する部長のこんな姿を見たことがない。

 一誠は、思わず近くに立つ木場に問いかける。

 その疑問の内容は、こんな状況に陥ってしまった元凶ともいえる、先生だった。

 

「うん。転生悪魔でもない、人間だけどね。僕たちをサポートしてくれているんだよ」

「それで、なんであんなに怒っているんだ?」

 

 先生は怒っていない。

 いつも通り、無表情だ。

 一方で、急に現れたグレイフィアがカンカンである。

 メイド服の上からでもわかる豊満な乳房に鼻の下を伸ばしていた一誠であったが、リアスが詰められているのを見ると、性欲より恐怖が勝った。

 非常に珍しいことである。

 

「堕天使との戦いは色々余波があったからね。そのしりぬぐいを全部してくれたっていうか……僕たちが完全に忘れていて、押し付けちゃったからかな」

「お、おお……」

 

 つい先日、堕天使コカビエルとの戦いが起きた。

 リアスたちが戦い、生徒会のソーナたちが結界を張るという役割分担だったが、聖書にも記される怪物との戦いの余波は、その程度では防ぎきれるはずもなかった。

 その漏れ出た影響を対処したのが、先生だったということである。

 申し訳なさもあって、一誠は黙り込むしかない。

 

「でも、先生自身は気にしていないみたいなんだけど……っていうか、小猫ちゃんがめっちゃ懐いている!?」

 

 ギョッとするのは、いつの間にか先生の膝の上に座っている小猫の姿を見たからである。

 小ぶりながらプリっとしたお尻をぐりぐりと押し付け、ついでに白髪の柔らかい髪も胸板に押し付けている。

 普段、一人隅っこの方でお菓子をバクついている姿しか知らないので、一誠は唖然とする。

 

「……何がですか。変な言いがかりはやめてください」

「ゴロゴロ言っているけど!?」

 

 あんな甘えた声を出す小猫ちゃんなんか知らない!

 一誠はとてつもなく大きな衝撃を受けていたのだが……騒ぎすぎた。

 

「……あなたも原因なのですが?」

「すみません!!」

 

 グレイフィアの絶対零度の視線が一誠に注がれる。

 爆乳メイド銀髪美女に怒られるというのは、ご褒美かもしれない。

 だが、実際にグレイフィアの圧力を受けた今、そんなバカみたいな考えは微塵も浮かび上がらなかった。

 そんな彼を救ってくれたのが、先生だった。

 

「まあ、そこまででいいんじゃないか。グレモリーたちも反省しているようだし」

「……彼がそう言っているので、今回はここまでにします。ですが、魔王様の妹としての自覚を、もっとしっかり持ってください」

「はい……」

 

 何をしても収まりそうになかったグレイフィアの怒りだが、先生に言われると一瞬で鎮火した。

 小言を残すと、グレイフィアは先生に近づいた。

 座っている彼に顔を近づけると、身体を曲げることによって爆乳が揺れる。

 紅が差された瑞々しい唇が、先生の耳の近くに寄せられる。

 

「お待たせしました」

「ああ。またな」

「にゃぅ……」

 

 優しく膝の上からどかされ、小猫はシュンと落ち込む。

 そんないじらしい姿に、一誠は鼻血を流していた。

 そうして、先生とグレイフィアは連れたって部室から出て行くのであった。

 

「……なんか、凄く距離が近くないかしら? あの二人」

 

 リアスが疑う……というより怪訝に思うのは、二人の距離感だった。

 グレイフィアと先生は、それこそ肩がこすれ合うほど近く、歩いている。

 グレイフィアは兄の妻である。

 そんなことはありえないから、心配はしていないのだが……。

 

「あらあら。部長は可愛らしいですわ」

「どうして!? 何か知っているんじゃないの、朱乃!?」

 

 何やら含みを持たせる自身の女王に詰め寄るのであった。

 

 

 





主人公:なんかグレイフィアさんと不倫している人間。多分、特別な力を持っている。

グレイフィアさん:主人公と不倫している。悪魔だから欲望のままに行動するのはセーフ。通い妻みたいになる程度にはまっている。

小猫:ペット枠。

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