薄明と双子の姉妹 (リメイク中) 作:きょうこつ
その翌日__。朝日が照らすエルガドにて、カムラの里行きの船を見送るべくフィオレーネやゲンジ達は港へと来ていた。
「旦那様!寂しかったらすぐ呼ぶんですよ!
「私達がすぐさま駆けつけますからね」
「分かってるから、離れろ…」
そう言い2人が差し迫るとゲンジは頬を染めながら頷く。
それからゲンジ達と抱擁を交わしたヒノエ、ミノトはウツシ、ロンディーネと共に船に乗り込んでいった。
そんな中であった。
「ゲンジよ…」
皆が乗り込み残りはフゲンのみとなると彼はゲンジ達へと近づきヒノエ達に聞こえない声で話す。
「ウツシから話はきいた……今のところガレアス殿以外には話しておらんが…くれぐれも気をつけろよ…」
「あぁ…一応出航する前に積荷もくまなく調べた方がいい」
「うむ…」
その後、調べた結果、何の異常も見当たらなかった為に船は無事に出航していったのであった。
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船が去っていくとゲンジは意識を入れ替えガレアスの元へと向かい調査について尋ねた。
「いまのところどうなってる?」
「うむ」
ゲンジが尋ねるとガレアスは地図を広げながら説明を始めた。
「昨晩の調査隊からの報告によるとこの地点にてキュリアの大群が目撃されたらしい。だが、本体であるメルゼナの姿は見当たらなかったようだ」
そして、ガレアスは地図から目を離し、目の前のボードへとこれまでの事項を整理し始めた。
「連日の大量発生したキュリア…そして連続して襲われる大型モンスター。メルゼナは明らかにこの近辺にまだ潜んでいる」
「なるほどな。つまり奴が潜伏している今が好機…ということかな?」
「そうだ」
エスラの言葉にガレアスは頷くと、皆へと目を向ける。
「奴の位置が確定しだい…すぐに討伐司令を送る。それまでに準備を整えておいてほしい」
「了解した」
「それと、こちらも同時並行ですすめているのだが」
ゲンジが頷く中、ガレアスは今度は懐から一枚の設計図を取り出し、ボードへと貼り付ける。
「これは…船…?」
そこに書かれていたのは、巨大な撃龍船であった。見れば、船のみならず撃龍槍の設計図もあり、従来の突き刺すものではなく、火薬を利用して発射するという前代未聞の構造であった。
「この妙な構造…ぜってぇハモンさんだろ?」
「その通りだ。もしもの時に備えて、海上でも奴を迎え撃てるようにエルガドとカムラの里で共同制作することとなった。今回、フゲン殿に来ていただいたのはその打ち合わせのためでもあるのだ」
「なるほど。んで、今その話題を出すってことは、素材が足りねぇのか、その素材の採掘場所にモンスターが居座ってる…かのどっちかだろ?」
「察しが良くて助かる。貴殿らには、必要素材となるビシュテンゴ亜種の狩猟を頼みたい」
ゲンジの見解にガレアスは再び頷くと、ビシュテンゴ亜種の絵が書かれた本を皆へと見せた。
「撃龍槍の開発のために奴の爆破を誘発させる成分が必要不可欠…。頼んだぞ」
「了解した」
ガレアスの依頼にゲンジ達は頷き、すぐさま城塞高地へと向かうのであった。
だが、その頃、城塞高地では、キュリアの姿は一体も見えず、変わりにエリア全域に黒い靄が舞っていたのであった。