転生したら兎だった上に竜と家族になっちゃった件 作:謎の人でなしZ
「……つまり、雨風を防ぐ場所が欲しくて、偶々近くにあった俺たちの村にやってきた………ってことで間違いないのか?」
「ええ。 出来れば食料も少し分けて欲しいのですが……」
「(モサモサモサモサモサモサモサモサ)」
あれから俺とリアは、この村のリーダである薄青色の長髪の少年?(性別は存在しないらしい)――リムルに案内され、普段は会議で使用されているという建物の中で、何故ここに来たのかを聞かれた
それにしてもあの見た目で男なんて……やっぱり異世界なんだなぁ
リムルの周りにいる人達も頭に角が生えてるし、なんか筋肉ムキムキの緑肌のおじさんだし、一本角がある大きな狼までいるし……俺、大丈夫だよね? そこの狼さんにエサとして見られてないよね? ていうか、なんでリアはそんなに堂々としていられるんだ?
「……話は分かった。 此方としても来客を歓迎したい。食料についても用意させよう」
「……本当にいいんですか? 自分で言っては何ですが、見ず知らずの私達にそこまでするメリットはないと思うんですが?」
「(モサモサモサモサモサモサモサモサ)」
お、話が纏まりそうだと思ったらリアが何か怪しんでるぞ。でも、言われてみれば確かにリムル達にはメリットがない。あるとしてもこの俺のモフモフボディを堪能できることぐらいだ
もしも本当に泊まらせてくれるなら、喜んでこの身体を捧げようじゃないか……別に変な意味はないよ?
「ああ、だから一つ条件がある。その条件を飲んでくれたら、此方もできる限りそちらの要望に応えよう」
「……詳しく聞きましょう」
「(モサモサモサモサモサモサモサモサ)」
『……………』
何だろう、視線が俺に集中してる?
「………いつまでやってんですか!!」
「うおぁ!?」
リアがいきなり俺に向かって蹴りを放ってきた!? ギリギリでよけるが何をするんだ!!
「なんだよいきなり!!」
「私が交渉してるときに、いつまで草を食べてるんですか!!」
「草じゃねえ! これは気持ちを落ち着かせるカモミールという素晴らしいハーブでだな……」
「どうでもいいです! というかなんで私が交渉やってるんですか!!」
「うるせえ!! 大体俺がこうなったのもお前のせいだろうが!!」
「なんですって!? 喧嘩なら買いますよ!!」
「やってやんよ!!」
そう言って俺とリアは互いに構える。俺は周りに魔法を展開させ、照準をリアに合わせる。リアは魔力を両手足に纏わせ、いつでも対応できるようにしている
まさに一触即発。俺とリアが同時に突っ込む――
「ちょっと待て待て!? お前らここをぶっ壊す気か!!?」
前に、リムルが俺達の間に割り込んでくる
……そういえば、ここってリムルの村だったわ
それに気づいたのかリアも構えを解き、バツの悪い顔をする。おそらく俺も同じ顔をしていることだろう
「「………ごめんなさい」」
そう言って二人そろって頭を下げる
「……頼むから喧嘩だけはやめてくれ。お前らがやったら村どころか、ここら一帯吹き飛ぶ。いや、冗談抜きで」
そこまでか?
《告。仮にマスターとリアが本気で戦闘を行った場合、半径10キロは軽く吹っ飛びます》
ハ、ハハハ! 冗談がうまいな、『次元ノ神』は!!
《……………》
……マジ?
《マジです。もっというならこの村は粉々になります》
うん! 僕、喧嘩しない!!
「そ、それで、条件ってなんなんだ?」
「……討伐の協力をしてもらいたい」
「討伐?」
「ああ――豚頭帝の討伐だ」
□□□
聞く話によると豚頭帝というのは数百年に一度発生する個体で、最悪の魔物と言われており、固有スキル『飢餓者』を有しているのだそうだ
『飢餓者』とは周囲のモノを食べ尽くし、ある程度相手の能力を吸収することができる。さらに厄介なことに、その性質を味方にも授けることができ、飢えれば飢える程、戦闘力が高まっていき、飢えて死んだ仲間を食らえば食らう程、自らが飢えれば飢える程、その戦闘力は高まりを見せる……らしい
その豚頭帝率いるオークの大群がこのジュラの大森林に侵攻してきているそうだ
『次元ノ神』に反応を調べてもらったところ、確かに膨大な数のオークの反応があった。その中でも一つだけ他よりも大きい反応があった。おそらくコレが豚頭帝だろう
「……話は分かった。どうする、リア?」
「私的には、引き受けてもいいと思いますよ? 簡単ですし」
ふむ。ならば答えは決まった
「分かった。リムル、俺達も協力するよ」
俺の言葉にリムルは笑みを浮かべる
「それは助かる。よろしく頼むよ」
「ああ………それはそうと、そこの人はどうしたんだ?」
俺が視線を向ける先には先程まではいなかったうっすら透き通る神秘的な美人が部屋の片隅でガタガタと震えており、それをリムルの周りにいた全員で慰めていた
リムルもその光景に苦笑し説明を始める
「あー……彼女は樹妖精のトレイニーさんで、このジュラの大森林の管理を任されてるんだ」
へー、と思いながら感心する。でもなんで森の管理者さんがあんなになってるんだ?
《おそらくマスターとリアの存在に恐怖しているものと推測します》
ん? 恐怖?
《マスターは竜種であるリアからの名付け、およびスキルの吸収により魂が昇華され、存在の格がリアと同等のものとなっています。リアは抑えていますが、現在のマスターは力を抑えきれておらず駄々洩れになっています。つまり、あの樹妖精はマスターに威圧されあの様になっているのです》
えと、つまり……俺のせい? でも、リムル達は平気みたいだけど
《リアが交渉をうまく進めるために個体名リムル及びその配下の魔物たちに結界を張っているのです。しかし、あの樹妖精は突然現れたことにより、一瞬ですがマスターの威圧を直に受けてしまったようです。もう少ししたら落ち着くでしょう》
……なんか、罪悪感がすごい。どうにかできない?
《告。人化を使用することによりマスターの力を90%隠蔽することが可能です。人化を使用しますか?》
久方ぶりのYes/No選択肢が頭に浮かぶ
人化ってことは、俺も人になれるってことか?
《肯定します。使用しますか?》
……まぁ、使ってたほうが俺としても有難いし、色々やりやすいだろうし……
やってみるか。Yesで!
《マスターの承認を確認。人化を開始します》
『次元ノ神』の言葉と同時に俺の身体が光りだし、体格が大きくなっていくのを感じる
光が収まり、目を開けると目線の高さがリアと同じくらいになっていた。どうやら無事に成功したようだ
「ふぅー……ずっと
そういって今の自分の容姿を確認する
背丈はリアよりも少し高いだろうか? 服装はリアと同じで魔法使いのような格好になっている。違いといえば俺の場合スカートではなくズボンになっており、ローブにはフードがついている
そしてなによりも――
「…………ん?」
何か頭に違和感がある。そして下半身――正確には腰のあたりにも……
その違和感を確かめようと手を伸ばしてみると………
モフモフモフモフ
柔らかい感触が両手に伝わる
するとリアが俺の肩をたたき、どこから出したのか鏡を俺のほうに差し出してくる
俺は鏡に映る自分を確認し――愕然とした
兎状態の名残なのか純白の髪は肩口で切りそろえられており、顔は中性的で男にも女にも見える
更に右眼には紅い罅が入っており、左の眼は黄金のような金色に対し右は煉獄のように深紅に染まっていた
だが、そんなこと、俺にとってはどうでもよかった
「な、な、なんで……」
なぜなら――
「なんでウサ耳が生えてんだぁぁああァァァァァァあああああ!??!?!?」
頭に生えた此方も純白なウサ耳がピョコピョコと揺れる中、俺は絶叫した
その後、俺が絶叫を上げ混乱している間に、リアはトレイニーさんへの説明、リムル達と一緒に豚頭帝に対する作戦を考え終えていた
「しっかりしてくださいよ」と言われたが、いきなり人化してウサ耳と尻尾が生えてたら誰でも混乱するだろう。するはずだ
それに俺は聞き逃さなかった。俺のウサ耳を見ながら「……カワイイ」と呟くのをなぁ!!
そのことを指摘したら顔を真っ赤に染めて、鳩尾を殴られ、俺は地面をのたうち回るのだった
次は……何時になるかな………
アレンとリアを今後どうするか
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リムルと共に原作を突っ走る!!
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自由に放浪し、二人で気ままな旅を……