男はその日思い出した。
自身の前世を。
だが、男が前世を思い出しときには手遅れだった
男には何も残ってなかったのだ、金も武器も親すらも。
男は決めた、成り上がると。

これは前世の記憶を元にオラリオ唯一の金貸しになった男の金融物語である。

初投稿です。

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竹内力版を参考にしてますので大阪弁などに間違いがあれば指摘お願い致します



トイチの金次郎
オラリオの鬼マンダ


その日、俺は思い出した。

自分の前世、生まれてから死に行くその瞬間までの全てを。

そうして思い出した知識を元に自分の置かれた現状を考えれば前世のサブカルチャーでよくある神様転生、そんな優しいものなんかではなかった。

特典もなく、親も無く、金も無い。

そんな自分が生きてくにはスラムしか無かった。

いつか絶対に成り上がる、そんな決意を胸に俺は心のままに生きてきた。

 

気づけば俺はオラリオの鬼と呼ばれるようになっていた。

 

 

「あきまへんなぁ店長さん、ワシは店長さんを信じて命よりも重い銭貸したんや……それが返せませんってなると店長さんも命賭けてもらうしかない」

 

赤紫という人の目を引く派手なスーツを身にまとった男がそう問う。

 

「そんなこと言ってもなぁマンダさん……僕らもこれが精一杯なんです。どうか今日はこの金額で許して貰えないですか?」

 

「そっちの事情は分かりました、でもなぁアンタがウチに借りた金は200万ヴァリス、トイチの利息の期日はとっくに過ぎてるんですわ、利息すら払えないとなるとワシも考えなあかん」

 

「本当にこれが限界なんです、これ以上取られたら僕死んでしまいます」

 

「死ぬんは構いはせんけど、そうなれば次はあんたの親が痛い目みまっせ」

 

「な、何で!お、鬼だ!貴方は鬼だ!!」

 

その言葉を男は鼻で笑いながら言う。

 

「勝手なことばかり言うてもろたら困りまんな、ワシは銭借りてくれなんて頼んだこと1度もあらへん、貸してくれ言うたんはそっちや、借りる時は調子のいいこと言って返す時は鬼呼ばわりでっか……マンダ金融舐めるのも大概にしときなはれ、ワシらは顔で商売しとる、その顔に泥塗るん言うならタダじゃおきまへんで」

 

「く、くそぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

 

店主が泣きながら蹲るのを後目に男、マンダ金次郎は去る。

オラリオの鬼マンダ、スラムから成り上がった金貸しとして一部の住民と神の間では有名な男。

彼を敵に回して無事で済んだものは誰ひとりとして居ない、彼は例え相手が神であろうと自分に害を与えた者は許さない。

 

ーーーファミリア金融伝、オラリオの鬼ーーーー

 

その日、マンダは何時ものように事務所で札勘作業をしていた。

そこに自身の弟分であるリュウイチが駆け込んでくる。

 

「兄貴!大変です!」

 

有り得ないものを見た、そんなリュウイチの切迫した表情にマンダは視線を向け続きを促す。

 

「ウチの事務所の前に!フ、フ、フ、フレイヤファミリアの主神とオッタルが来とるんですわ!!あ、あ、兄貴!どうしましょ!!」

 

「はぁ……そんな焦ることない、通してくれ」

 

これはオラリオ唯一の金貸しの物語である。


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