・Reなぁ。コードベロニカはやらんのですかそーですか。
・いかん、バイオ4に間に合わない!まぁ、メタルギアは新作出ないから、ゆっくりでいいか……←堕落。
今作戦におけるザンジバーランド軍旗艦・ギアキャリア級ヘヴンディヴァイドの司令室を艦長であるオセロットの野郎に押し付け気味に任せ、俺は甲板に出て必死に白陽社の母艦・黒曜丸にレーザー信号機や手旗信号を送ること数分。
なんか黒曜丸から日本の井○屋の茹で小豆(業務用)の缶にプロペラのついた一見小学生の工作かと思うような作りのドローンがこっちに飛んできた。その下部にはワイヤーでなんか風呂敷包み……緑地に唐草渦巻き模様の昔のマンガに出てきそうな奴……がくくりつけられている。なんというかその光景は非常にシュールであり、なんか近未来からやってきたわりに昭和的な猫型ロボットの秘密道具を見ているような感覚に覚えてしまった。
「……『おしるこ一号』?」
ボディに下手な日本語でそう書いてある。多分、このドローンの名前なのだろう。というか間違いなくこういう物はヒトシの奥さん、ナスターシャの手になる物に違いあるまい。
ドローンは俺のすぐ近くで停止するとゆっくりと降下し、風呂敷包みをポスっと下ろした。
「…………」
風呂敷包みにはメモがセロハンテープで貼り付けられており、
『差し入れ』
と書かれていた。
「ふむ?」
風呂敷を開けてみるとその中にはハンディトーキーが2つほど、あとは魔法瓶とそしてカップヌードルがやはり2つ。そしてハンディトーキーにはそれぞれの無線番号とメッセージが書かれたメモが貼り付けられていた。
メモには下手な日本語で、
『無線の中継器を施設内に設置してるので通信繋がるまでしばらくカップラーメンでも食べて待ってちょ』
と書かれてあった。
「なぜ日本語……、いや、そうか。なるほど」
おそらく白陽社サイドでも『サイファー』のAIのなりすまし無線を警戒しているのだろうと気がついた。無論、彼らは『サイファー』の名も『ゼロ少佐』についても知らないだろう。だがやはり薄々、何者かがAIを使って自分達を監視していることに感づいていたらしい。
故の日本語なのだろう。
日本語は欧米の言語、つまりラテン語派生言語とは文法が違い、かつ、平仮名、片仮名、漢字を使用する言語である。この言語についてAIが対応しているかどうかはわからないが、他の言語よりかは難解なはずである。
……意図してかどうかはわからないが、ナスターシャの文字は下手すぎて元日本人の俺でもわかりにくいレベルだからな。
俺がそう苦笑していると、俺の背後からオセロットがやってきた。
「ふう、やはり外は寒いな、ミラー」
白い息を吐きつつこっちに来る。その顔にはやや疲労がやはり見えるものの一仕事終えた的な感があった。オセロットはドローンを見ると、
「それはなんだ?……昔のレーションの缶?」
と言い、やや首を捻って顔をしかめた。
「黒曜丸からの『差し入れ』だ。それより艦隊司令が持ち場離れていいのか?オセロット」
「ふん部隊司令のおまえもだろう。だが持ち場にいてもどうにもならんさ。少なくともあと二時間はな。……古参連中がハロルドをリンチにかけようとしなければもうとっくに復旧していただろうがな」
オセロットは肩をすくめ、このような事態だというのに堂々と開き直ったような態度である。まぁ、かく言う俺も似たようなものだが俺達はこんな危機など今までいくつも経験してきた身だ。とっくに腹を括っている。
ハロルド、と言うのは今回の作戦でハッカーチームに参加している男の名だ。本名をハロルド・ストレンジラヴといい、かつてビッグボスと俺が中南米にて巻き込まれた『ピースウォーカー事件』……アメリカCIAが計画したAI搭載型無人核抑止兵器『ピースウォーカー』を巡る一連の事件だ……にて無人核抑止兵器『ピースウォーカー』の設計者二人の間に出来た子供である。
いや、なぜその息子が古参の兵士達にリンチにかけられそうになったのかも言えば、これはハロルドの親父であるヒューイ・エメリッヒが悪い!という事になる。いや、ハロルドがその親父に瓜二つの容姿をしていたのも関係しているのだろうが。
このヒューイ・エメリッヒはかつて俺達MSFがカリブ海のマザーベース……つまり現在、ヒトシんとこの会社が本社として使っているベースだ……にいた頃、ヒューイ・エメリッヒは国連核査察団に扮した謎の組織『スカルズ』を呼び込み、俺達を壊滅させようとした、つまり裏切ろうとしたのである。
まぁ、その企みは他でもない、死ぬ前のサイファーの頭目だったゼロ少佐からの情報で知らされ、『スカルズ』を逆に強襲する事で回避出来たわけだが、なぜヒューイがそのようなバカな裏切りをしようとしたのかは未だに謎が多い。
有力な説としては妻であるストレンジラヴ博士から離婚を申し立てられた後で自暴自棄になった、とか、MSFにいたままでは自分の研究が日の目を見ないと焦っていた、とかいろいろある。
とはいえどのような理由があれどもヒューイのやったことは裏切りに他ならず、結局奴は満場一致でMSFから追放される事となった。
その後はなんかアメリカの貧民街の安アパートで急性アルコール中毒で死亡しているのが見つかったらしい。
まぁ、ヒューイの話はどうでもいい。問題は古参の兵士達が、ハロルドを親父のように俺達を裏切ろうとしてウィルスをメインコンピューターに感染させたに違いないと暴れ出した事だ。
「で、結局ハロルドがウィルスを仕込んだのか?」
俺の問いにオセロットは首を振った。
「それは不可能だな。念の為にナオミに奴を監視させていたがハロルド、奴はシロだ。感染源は米軍だ。あちらの新人オペレーターがあろうことか仕事をサボって軍の機材でネットのポルノサイトを常習的に閲覧していたそうだ。『トロイの木馬』?とかなんとか言うそうだが、おそらくあちらとのデジタル通信からこちらにウィルスが流入したのだろう」
「……ストレンジラヴ博士からめちゃくちゃ抗議が来るぞ。あいつは息子を溺愛しているからな。どうすんだよ、つーかゴネられたら俺の商売にもかなりの影響が出るぞ、おい」
「幸い、被害はハロルドの眼鏡が割れただけだ。傷はほとんど無い。多少、精神的なショックは受けたみたいだが、なぁに奴はどうもナオミに惚れたらしくてな。ナオミに懐柔を試みさせている。つーかナオミもなんか庇護欲みたいなのが出てきたらしく、やけにベタベタしてるぞ?」
「いや、それグレイフォックスが許さんだろう?!つかアイツのシスコンぶりはお前も知ってるだろーが!!」
ああ、考えたら頭が痛い。つうかよりによってソリッドもなんでヒューイの息子を相棒にしてんだよ、そこはキャンベル大佐んとこの姪を相棒にしとけよ、めっちゃ気がキツいけど!
「ま、考えるのはこの件が終わってからだな。……ま、そこにある差し入れのカップ麺でも食って、現場からの通信を待とうじゃないか」
「はぁぁぁぁっ、仕方ねぇなぁ」
そうして、俺とオセロットは肩を並べてカップヌードルにポットの湯を注ぎ、三分間我慢の子で待って麺を啜り、スープを飲んでヒトシからの通信を待ったのだった。
「……しかし、老人にはこのスープは味が濃すぎるんだが?」
「だったら湯を足して薄めろよ。……はぁ俺、このミッション終わったら日本に行くんだ……。ああ、ヒトシもビザ書き換えしなきゃならんとか言ってたから、ついでにアウターヘヴン号で……」
「死亡フラグは立てない方が良いぞ、ミラー」
なお、通信が来るまで30分はかかった。
そして結論。
「やっぱ、施設は自爆させる方向で」
そう、決定してしまったのだった。
・施設の自爆決定。
・……オッパイノペラペラソース!!
・アシェリーちゃんのおパンツは見えない。そーですかそーですか。←パンツが見えないだけでモチベだだ下がり。