明けましておめでとうございます。
今年も石楠花くんをよろしくお願いします!
「君の個性………『シャコ』じゃないよ」
何だってぇぇぇぇぇぇぇぇイヤッハァァァァァァァァ!!
問題解決、素晴らしい。悩みが解消されました。流石ヒーロー、人の心をも救いだす希望の星。
別に隠してたわけじゃなく純粋に封じられてただけだけど、個性が実は違いましたって言い難いのは何でだろうか?
俺の場合は目立ちすぎてたしな。体育祭優勝個性だしな。顔良し性格良しの男が使う個性だしな。かーっ!人気者は辛ぇぜ!
「それ本当ですかラグドール?」
「俺は異形型ですよ?シャコのシャコによるシャコのための個性に間違いが?」
「うん、あちきの個性で見えてる情報は……『節足動物』」
「節足…」
「動物?」
「うん、『節足動物』。概要は人型の節足動物になれるし、その力を使える。凡庸性が高そう!」
改めて聞くと強いよな。戦闘の幅が広がるぜぇ〜!堂々と使って爆豪を煽りまくれるぜぇ〜!
「石楠花くんは個性を使えるようになって、1番最初にシャコに慣れたんじゃない?」
「ええ、元々シャコが好きで好きでたまらないところ、シャコに変身できたハッピーボーイなので」
「それで意識が固定化されたのかもね。シャコになれた!だから自分の個性は『シャコ』だ!って」
確かにそうかもしれん。いやそうだよ。そうに違いないよ。俺がそうと言えばそうなんだよ。手術なんてなかった、いいね?
「そんな大幅に変わることがあるのか。今までで初めて見たなそんな奴。石楠花、何か意識して変わったことはあるか?」
「いえ、特には。急に言われて訳分からん状態じゃ何も出来ませんよ。シャコで思考が凝り固まっちまってるし」
「だろうな。ラグドール、他に何か分かることは?」
「知識が影響してそうだね!君の個性は節足動物の体の構造を理解して自分の体に反映してるっぽいのかな?弱点は……
マジか、そこまで分かるのかよ。俺の力を使った場合の致命的弱点を。
「成る程、大体分かりました。要は節足動物の構造を隅々まで理解することで、自分の体に反映し、その生物の力を使えるようになるってことですよね?それ、めっちゃ強くないですか?しかも括りが広すぎて俺の努力次第では出来ることめちゃくちゃ増えそう」
「強いな」
「強いにゃん」
改めて節足動物って括りヤバいよな。
昆虫、甲殻類、蜘蛛やムカデ、いろんな分野に分かれて、動物界で最大の種類数を誇ってる分類だ。
陸・海・空・土中・寄生みたいな形であらゆる場所にいるし、あらゆる環境に特化してる。
一体一体性質は違うが、俺は1人でその性質を全てカバー出来る。クソつおい。ぼくのかんがえたさいきょうのひーろーのちからです。
全然力の行使が出来てないから、現状自分の体で再現できるのは1体まで。2体以上も出来るだろうけど、
シャコは俺の後付けパワーなので問題なし。『シャコ』×『節足動物の何か』の形で落ち着くかな。
「とりあえず俺のアルティメット賢い頭脳で、俺の好きな昆虫の体の構造を思い出してみましょう。むむむっ!スズメバチ!スズメバチ!スズメバチ!………手から針が出た!何じゃこりゃあ!?」
「…!?これは……知識や技術次第で何でも出来そうな個性だな。石楠花、個性訓練でのお前の課題はまず理解を深めることだ。俺も急な情報で驚いているが、まず出来ることを洗い出せ。知識が無いなら構造を理解する時間に当てろ」
「イエッサーボス!」
根掘り葉掘り聞かれなくてよかった。話が早くて助かる。俺の大河ドラマ級のびっくり演技も後押ししてる気がするね。流石俺、才能の塊。
ふと思ったけど何で根掘り葉掘りって言うんだろうな?天才の脳でも忘れちまったぜ。葉掘りってどう言う意味だよォ!!葉は掘れねぇだろうが!!ムカつくぜェ!!(cv.爆豪)
でももう少し驚いて欲しかったよな。生徒の個性が実は違いましたなんてイベント早々ないぜ?目玉飛び出すぐらい驚いて欲しかったよ。
先生は多分感性が死んでると思う。それか、クール気取ってる方がカッコいいと思ってるタイプの大人か。俺は後者を押すね。
子供の感性を持ってそのまま大きくなってしまったんだな。プレゼント・マイクは隣でその間違った様を見ながら内心笑っているんだろう。多分。
今日の相澤観察日記なるものを毎日付けて、それを眺めながら夜な夜な笑いを噛み締めながら晩酌してるんだよ。多分。
可哀想に。なんて可哀想なんだ。誰も指摘しなかったせいで感情を表に出さないクール系主人公を理想の人間像とするモンスター相澤が誕生しちまったんだな。
でも俺はどんな相澤先生でも温かい目で見守るよ。例え捕縛布の色を黒色に変えたり、怪我してないけど両手に包帯を巻いたり、俺は『漆黒の翼』とか言い出しても、頻繁に『やれやれ…』とか言い出しても温かい目で見守るよ。
「『目は口ほどに物を言う』と言うが、お前ほど目を見ただけで何を言いたいのかが分かる生徒は初めてだよ石楠花」
「僕らはいつも以心伝心〜♪」
「除籍な?」
「最近最も所作の綺麗な土下座の仕方を学びました。披露するのでそれで勘弁していただけませんか?」
危ねぇ、普通にサラッと除籍されそうになった。
俺にだけ首を切る速度がとんでもねぇよ。居合切りの達人ですか?
奇跡の土下座で何とか許して貰えたぜ。あまりに綺麗な土下座だからラグドールが感動していたね。多分。
話が脱線しまくった気がするが、きっと先生はこれ以上驚いてはくれないね。俺はもっとこの一大イベントを盛り上げたいんだよ。驚いて欲しいんだよ。
ならばどうする?絶対に驚くであろう人に報告をすれば良いんだよ。
「みんな〜!俺の個性、実は『シャコ』じゃなかったんだって〜!」
「「「はアぁぁぁっ!?」」」
そう、この反応よ。これが見たかったんだよ。
驚愕の余りに顎が外れそうになってるアホ顔を拝みたかったんだよ。
「テメッ!ハアァ!?おまっ…ハァ!?ふざっ…ボケが!!」
そう、脳が処理しきれずパンクして、最終的に簡素な暴言しか出てこない爆豪のかっちゃんを見たかったんだよ。やっぱり期待通りの反応してくれるね。流石かっちゃん。さすかつ。
「石楠花くん!?それってどういう…!?一体どんな個性が…」
「ただし緑谷、てめーはダメだ」
「何で!?」
馬鹿野郎、個性を話したが最後、考察サイトばりの長文解説をお経の如く耳元で唱えられ続ける羽目になるだろ。考察だけで今日の訓練時間が終わるだろ。最悪、明日の朝方まで延々と話し続ける未確認生物になるだろいい加減にしろ。
俺は自分の時間を大切にしたいんだ。君も頑張って虎に殴られて来なさい。
俺の個性が気になりすぎて周りに群がり始めたが早く訓練を続けなさい。俺は報告できたからもう満足なんだ。そのまま悶々としてるがいい、ハ──ッハッハッハ!!
何故か俺だけ怒られた。解せん。
「個性の認識が違う子を見るのは久々だけど、でも何だろう?初めての見え方だったにゃん……
『節足動物』さえも薄くモヤがかかって詳しい情報が見れないなんて…
実は個性が『節足動物』でもない?………いや、まさかね」
▽
「さて、訓練すると言ったが……」
私は絶賛読書中でござんす!
何故かって?俺の個性は知識ありきの個性だと判明した。ならば簡単にポンポンと色んな節足動物の力を使えたらどう思う?
あれ?アイツ何で簡単に使いこなせてんの?怪しくない?処す?処す?
こうなっちまう可能性がある。まぁ俺の才能ですと言っても信じて貰えると思うけど、少しでも疑念を抱かせないようにしたい。ただでさえ個性が変わった奴って印象が強くなってるのに。
だからプッシーキャッツから借りた図鑑、百から借りた辞典等で知識の補強という名のアリバイ工作を行っている。これをしとけは後は俺の頭脳レベルの高さでカバーできるのだよ。
「百、そのチョコレート貰っていい?」
「ええどうぞ」
現在、食べながら創造するという訓練をしてる百の隣で読書中だ。
「やっぱ食べながら創造するのって難しいのか?」
「ええ。ながら作業で個性を使うことがなかったので、中々難しいですわ。簡単なものでも形が定まらず…」
やっぱ難しいのな。そう思うとプッシーキャッツや相澤先生ってすげえのな。生徒一人一人に的確な訓練を施せるって尋常じゃねぇよ。もう少し敬う気持ちを持つ努力をします。
「鱗さんも大変ではないですか?自分の個性が実は違うなんて……」
「自分の力に15年気付かなかった愚かな男と笑ってくれて良いぜ?」
「いえそこまでは…!?でも……」
「でも?」
「私の個性は知識を元に創造する、鱗さんの個性は知識を元に再現する……内容はまるで違う個性ですけど、個性を使うまでの過程、努力が似ていて…何だか一層距離が近づき、親近感が湧き、運命のように感じますわ!」
「あぁ、これは運命だよ。全宇宙の神であるサトウリキドーウのお導きのおかげさ」
「隣でイチャイチャするなよ!?それと俺を神にするなよ!?」
心配するな、サトウリキドーウは不滅さ。俺からケーキをお供えしておこう。頑張って食ってパワーを貯めて、俺と百のラブラブ波を全身に浴びて100%を超えるパワーを発揮してくれ。
「鱗さん、このクッキー美味しいですわよ?」
「マジで?一つ貰おうかな。百が食べさせてくれると俺がパワーアップして山を一つ消し飛ばせるパワーを発揮するぜ」
「山は消し飛ばさないでくださいまし!?でも……あっ、あーん」
「あー……美味えぇぇぇぇぇぇぇぇ!世界一美味えぇぇぇぇ!!」
「その…よろしければ私にも食べさせていただけると……」
「任せろ!はい、あーん」
「あー……美味しいですわ!!いつもの何倍も美味しいですわ!!」
「ふーん?なら私も食べさせてもらおうかな?」
「マッ、マンダレイさん!?いつの間に!?それよりもああああ貴女プロヒーローではないのですか!?そんなふしだらな…!」
「年上のお姉さんに食べさせるのもまた一興……はい、あーん」
「あー……確かに美味しい!もう一つ貰えないかな?」
「鱗さんこれ以上はダメですわよ!?貴女も抜け駆けは許しませんわ!」
「うおぉぉぉぉぉ!!砂糖を吐くぐらい甘い光景を見てるとパワーが何故か漲りまくってくるぜぇぇぇぇぇうおぉぉぉぉぉ!!」
「砂藤どうした!?お前オールマイトみたいになってるじゃねぇか!?石楠花一体何したんだ!?」
「えっ?何それ知らん。怖ぁ…」