心を無くした男と、嘘つきな王サマ   作:朝霧=Uroboross

33 / 33

 夏イベに翻弄され、推敲に悩み、水着クロエのセリフを聞いて胸をグサグサと刺された今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。


 はい、遅れて大変申し訳ない。
 UBWとヘブンズフィールを一話一話じっくり見直しながら、FGOの夏イベを周回してたらいつの間にか時間が経っており……ハイ、ズビバゼン。


 最初に告げておくと、初夜のバーサーカー戦は残念ながら大幅カットです。ごめんねバーサーカー、君の大事なところはそこじゃないんだ……許して。










残夜を過ぎて、不穏の影

 

 

 教会に入る2つの影。周りには、周囲の警戒するかのように見張る2人。それを見ていたのは、なにも一つだけではない。

 やがて、2人が教会から離れたのを見計らい、大木を思わせる巨人を連れた少女が襲撃する。可憐な挨拶とは裏腹に、残酷な戦闘開始の合図を行う。

 

 幾重もの重たい剣戟の音が響く。時おり、何かを破壊するようなものまで混ざり、夜闇の静けさに似合わない圧迫感が流れる。

 夜明け頃の霧、眠る墓地。その静けさが、突如として砕かれる。

 

「くっ──────はぁっ!!」

「■■■■■■■ッ!!」

 

 筋肉質な巨漢と、華奢ながら鎧を着けた少女。見えない剣を振るいながら、柱のような斧剣が振り下ろされる。

 あまりの質量に土煙を上げながら、少女は巨人と相対する。周囲の墓石を破壊しながらも、僅かながらに傷をつけていく。

 

「──いくぞ、ここが貴様の死地だ、狂戦士(バーサーカー)!!」

「■■■■■────ッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 と、ここまでが昨夜の話。

 結局、あのバーサーカーってやつは倒しきれなかったし、何ならアーチャーのヤツがデカいのお見舞いして、あのまま帰っていった。

 オレはと言うと、あの2人が帰ったあとすぐに吐血して気絶しちまったらしく、気付いたら家で遠坂に診てもらってた。ほとんど、何にも出来なかったけどな。

 

 

 起きた後は、弁当を忘れた藤姉に作って持っていかなくなって、セイバーがあちこち歩き回るせいで、学校中を歩き回る羽目になってしまってと、かなり大変だった。

 そんなこんなで夕暮れ時までかかってしまってるし、こりゃ夕飯どうするかも考えないとなぁ…。

 

「────ってぇ、ちょっと待ったーッ!!サラッと流そうとしてるけど、あの子と同居してるわけ!?」

わ、私ももうちょっと……って、違う違う。ふ、不純ですよ!!同居なんて許していいんですか、藤村先生!!」

 

 あぁ、こっちもどうにかしないとなぁ…。

 その後は、なんだかんだで藤姉たちも一緒に住むと言い始めるわ、起きたら起きたで当の本人はいなくなってるしわで、ほんと参った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………ッ」

「あー、遠坂、おはよう。えっと、顔になんかついてるか?」

 

 なんでさ。朝登校したら、遠坂にはすんごい顔で見られた。なんなんだ?オレの顔に変なものでもついてたか?

 

 その後は普通に授業受けてたわけなんだが…問題は、生徒会室で昼メシを食ってたときに起こった。

 

美綴先輩が、行方不明!?

「あぁ、昨日家に帰っていないらしい。最後に会ったのが間桐慎二なんだが、アイツも行方を知らんと言う」

 

 そうか…。慎二がそう言うってことは、多分そうなんだろう。口は悪いけど、そういうことでウソは吐かないヤツだしな。

 その後は、どうしてもその件が頭に引っ掛かって、放課後に色々と聞き込みをしていったら、どうやら美綴は風邪で寝込んでいるってことがわかった。

 

 けど、どうしてなんだろう…どこか引っかかる。何か、大事なことを見損なっているような気がする。

 やっぱり違和感がする、学校に引き返そう。そう思って、夕暮れ時だけど中を探索していたら────出会ってしまった。

 

「呆れた。サーヴァントも連れずに学校に来るなんて、正気?いっそ、休みなさいよ」

「んなこと言ったって、マスターは人目のあるとこじゃ戦わないんだろ?」

 

「ふぅん…じゃあ聞くけど、ここって人目があるのかしら?」

 

 そう聞かれて、慌てて辺りを見渡す。遠坂は階段の踊り場から見下ろしている。辺りの教室からは人の気配がせず、無人なのがわかる。

 嫌な気配を感じた。ふと遠坂の方を振り返ると、魔術刻印を起動させて指先を向けていた。

 

「ちょろちょろ動き回るんじゃないわ!覚悟しなさい、士郎!」

「ちょっ、まっ────」

 

 指先からガンド────北欧の地味な呪い、のはず────を次々と放ってくる。というか、地味って言ったのだれだよ!殺意しか感じないじゃないか!

 慌てて近くの教室に逃げ込んだはいいものの、遠坂に結界を張られてしまう。明らかにヤバい────近くにあるものをかき集めて、咄嗟の盾を作る。次の瞬間、無数のガンドが壁を越えて無数に放たれてくる。

 

「──投影、開始(トレース・オン)ッ」

 

 魔弾の群をしのぎ切り、止んで一拍放たれた爆発も既のところでドアを打ち破って回避する。無茶苦茶すぎるだろ、あいつ!

 なんとかして遠坂と相対したはいいけど、ここからどうする。魔術師としての腕なら遠坂が上、このままやり合ってもジリ貧だ────

 

 

『きゃあぁぁぁぁぁっ!!』

 

「「────ッ!!」」

 

 瞬間、身体が動いた。特に何か考えたわけじゃない。けど、ここで悲鳴が上がるってことは────!

 慌てて外に出てみれば、気を失って倒れている女子生徒。良かった、気絶しているだけで…。

 

「バカ!そんなわけないでしょ、中身が空っぽなのわからない!?」

「なっ、どうにかならないのか!?」

 

 その人は遠坂のおかげで、なんとか息を吹き返した。中身が空っぽ、生命力────()が足りない。なんだ、何かが、何かが引っ掛かる。

 その時、何かが森の奥から見つめてくるような…

 

「ッ!遠坂危ない!!」

「えっ────」

 

 咄嗟に前に腕を突き出す。

 ────痛い。おぼろげだけど、何かが突き刺さっている。鋭くて、これは…杭?これは、攻撃か──!

 

 このままだと、オレも遠坂も、ましてやこの人も危ない。

 そう思って、女子生徒を呆けたままの遠坂に任せ、気配の元──―攻撃先の相手を追って森へ入っていく。

 奥へ、奥へとかき分けていく。どこから来るから分からない空気に警戒しながら進んでいって──────

 

 

 

 

 

 

 

 

「…驚いた、令呪を使わないんですね、アナタ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






 次回からはライダー戦1回目です。
 話数が経つにつれ、日常はどんとん消えていくので、今のうちに楽しんでくださいね(ハート)。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

【外伝開始】メソポタミアの冥界でエレちゃんに仕えたいだけの人生だった…。(作者:土ノ子)(原作:Fate/)

【第一部完結】▼・現代から転生したテンション高めのガルラ霊がメソポタミア冥界でエレちゃんを助けようと頑張るお話▼・達成偉業:【冥界DASH企画達成】【■■■■神撃退完了】【神性:EX獲得】【都市国家ウルク守護完遂】【汝、冥府を■らす■】▼・原点:召喚触媒用短編▼・エレちゃんはいいぞエレちゃんはいいぞエレちゃんはいいぞエレちゃんはいいぞエレちゃんはいいぞエレち…


総合評価:30223/評価:9.01/連載:204話/更新日時:2024年07月06日(土) 06:00 小説情報

ヘラクレスが現代日本倫理をインストールしたようです(作者:飴玉鉛)(原作:Fate/)

Q.ヘラクレスに現代日本人の倫理「のみ」をインストールしたらどうなるのでしょう。▼A.歴史が変わる。▼※Fate/staynight編突入。▼本作の表紙。匿名希望さんより。▼【挿絵表示】▼支援絵頂きました。▼アニムスフィア属トマトケチャップ種 さんより、ヘラクレスとヒッポリュテです!▼【挿絵表示】▼【挿絵表示】▼


総合評価:28531/評価:8.76/連載:111話/更新日時:2020年07月24日(金) 21:29 小説情報

カーマさんとイチャコラしながら人理修復する話  (作者:桜ナメコ)(原作:Fate/)

大体は題名の通り。▼一度カーマと契約したことがあるオリ主が、好感度はそのままに再契約して人理修復に挑む話です。▼藤丸は女性で登場(ヒロインにはならない……はず?)▼ 設定が穴だらけな可能性があるので、気になった所は指摘して貰えればと思ってます。▼ 前日譚はこちら→ https://syosetu.org/novel/286124/▼ 


総合評価:8953/評価:8.07/連載:60話/更新日時:2023年03月21日(火) 18:00 小説情報

数多の英雄を束ねる者(作者:R1zA)(原作:Fate/)

「俺がギリシャ最強?そんな訳無いだろ!いい加減にしろ!」▼目が覚めたらFGOの金髪ワカメに転生してた。▼ただし雷の権能が使えたし何か全能神に気に入られた。▼…何でぇ?▼これは原典から誰おまレベルで逸脱した金髪ワカ…イアソンに転生したよくわからん奴―――基(もとい)、ギリシャの勇者王伝説の物語である。▼AD.2022/11月26日:神話編、完結。▼AD.202…


総合評価:22465/評価:8.71/連載:33話/更新日時:2023年11月05日(日) 22:26 小説情報

最強に成りたい、王子(偽)(作者:獣耳もふり隊)(原作:Fate/)

──光と闇が両方そなわり最強に見える。▼※▼・壮大なキャラ崩壊。▼・パワーインフレ。▼・垣間見える御都合主義。▼これら踏まえ、タグなど確認した上でご了承いただける方のみお読み下さい。


総合評価:6159/評価:8/連載:10話/更新日時:2021年07月22日(木) 00:39 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>