サムライミ版のピーターに憑依した男っ!!   作:紅乃 晴@小説アカ

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アメリカのケツの話を書こうとしたらこうなってるという。


第三話

 

 

 

 

アスガルドの戦闘ロボット、デストロイヤー!

 

デストロイアではない。デストロイやァーッ!!発音が肝心である。あとここはニュー・メキシコ州ではなくニューヨークです。

 

どうもこんにちは。

ピーター・パーカーがニューヨークのパークアベニューよりお送りします。

 

アスガルドの王子たるソーとの会話中に起こった轟音は、アルのA.I.Mラボのすぐ近くが音源だった。思わず外に飛び出すとあらやだ、ツーブロック先辺りに全身メタルのデストロイヤァーッ!!がいるではないですか。

 

ほんとにこの世界どうなってるの?なんでデストロイヤーがおるねん。

 

ソーがここにいるから、嫌な予感はしてたけど……主に笑いの神ことイタズラ神、ロキについて警戒してたんだが、まさかデストロイヤーがここにくるとは予想しとらんでしたわ。はっはっはっ、参ったね。

 

ちなみに映画版では復活したソーにぶっ壊されたデストロイヤーだが、原作ではめちゃくちゃ凶悪な相手である。

 

はるか昔、セレスティアルズと呼ばれる宇宙生命体が地球の人類に対して遺伝子実験を行い、この実験が、超人的な能力を持った人間が次々と現れるようになるきっかけを作ったとされている。

 

セレスティアルズは千年後に再び地球を訪れることを決定し、もしその時に人間の進化が十分でなければ、惑星ごと滅ぼすという恐ろしい計画を立てていた。

 

そのことを知ったアスガルドの神々は、地球の破滅を阻止するための対抗手段としてデストロイヤーを製作。デストロイヤーは神々の頂点に君臨するオーディンが製作し、アスガルド原産の未知の金属「アンチメタル」からできたボディはオーディンの魔力が注がれさらに強化された。

 

というのが原作の設定。驚くことなかれ、映画ではソーが粉砕したデストロイヤーだが、そのボディはアスガルド原産の未知の金属「アンチメタル」でできている。

 

アンチメタルは、アダマンチウム、ヴィブラニウム、ソーのハンマーの原料でもある神秘的な金属ウルよりも高い硬度を誇っているとされているという激ヤバ金属なのだ。

 

えーっと、設定によると、この「アンチメタル」という金属は、滅びた異星の神々の死骸が数えきれないほどのビッグバンやビッグクランチを耐え抜き、その過程で金属化したものである。うん、普通にやべぇわ。

 

世界樹ユグドラシルの根の最深部から発掘されたこの金属を、周囲の宇宙ごと歪ませながら加工して作り上げられたのがデストロイヤーのボディなのだ!

 

さらに内部骨格には神秘的な金属ウルが惜しげもなく使われており、デストロイヤーを破壊するのは事実上不可能とされている……映画でデストロイヤーをぶっ壊したソーの力は一体……。

 

しかも火力がやばいのなんの……まず指がビーム砲、高熱や電磁プラズマなどの莫大なエネルギーを放出することができる。その威力は都市を丸ごと吹き飛ばすほど。

 

また周囲の磁場を操ることができ、敵を引き寄せるトラクター・ビームを搭載しているほか、最もやばいのは、顔面にあたる部分に搭載されている元素崩壊ビームだ。頭部のバイザーを解放して放たれる元素崩壊ビームは、その名の通り命中した物質の元素を崩壊させて甚大なダメージを与える。

 

このビームを受けた物質は、神秘的な金属ウルであっても耐えることができない。また、足の裏に刻まれた重力制御のルーン文字のおかげで、空中を移動することもできる……と。

 

ははーん、さてはこの世界の神であるサム・ライミ監督が異世界転生者であるトビー・マグワイアピーター・パーカースパイダーマンを殺しにきてるな?今目の前で暴れてるデストロイヤーが原作基準の性能だった場合、先日タイムズスクエアで戦ったウルトロンの愉快なスクラップくんたちがおもちゃに見えてくるぞぅ。

 

とか、現実逃避の思考をぐるぐる巡らせていると、俺を追って出てきたソーとアルも大暴れしているデストロイヤーを見て驚愕の表情をしていた。

 

 

「ピーター。君にも見えてるか?私の幻覚だと信じたいのだが……」

 

「あれはアスガルドの最強の兵器、デストロイヤーだ。なぜここにいる!!」

 

 

ソーが地球に追放されてる段階で、話的には映画路線だと思うけど……あのデストロイヤーが激ヤバロイヤーの場合、地球存亡の危機になるのは間違いない。

 

ソーはどうにかしようと思考を巡らせているようだが、力が封じられている今はどうすることもできない。

 

今の彼にはスーパーパワーはない。

 

けれど、ここには……俺がいる。

 

ドンっと音が響き、目の前にあった車が爆発と共に跳ね上がった。俺はスーツも何も着ないまま、飛び上がり、手首からウェブを放つ。浮き上がった車の慣性をウェブで殺して、そのまま車のボンネットに着地して一緒に地面へと降りた。今の一連の流れを見て、正体を知るアルは「少しは加減をしろ」と呆れ、ソーはあんぐりと口を開けて着地した俺を見ていた。

 

 

「ソー、アル。とにかく住民を安全な場所に誘導して。僕はアイツのケツを蹴り上げてどうにかするよ」

 

 

2人にそう頼んで、俺はウェブをビルに放って一気に飛び上がる。相手はデストロイヤー。映画だろうが原作だろうがアスガルドの最強の兵器だ。心許ないが、どうにかしないとパークアベニューが更地になってしまう。逃げ惑う人とは逆方向に飛び、全身メタルのデストロイヤーへと距離を詰める。

 

ふと、視界に一台の車が入ってきた。あれ?おかしいな。よく見る社名がバンの側面に書かれているぞ?

 

 

「こちら、ニューヨーク、パークアベニューよりデイリービューグルがお届けします!ご覧ください!全身メタルのロボットが街で暴れています!視聴者よりの情報で我々が独占生中継を……」

 

 

げぇっデイリービューグル!!しかもP.E支社でよく顔を見るアナウンサーとカメラクルーやないかい!こないだJ.J.ジェイムソンにバイクの件でとっちめられたときにコーヒーを渡してくれたのでよく覚えてるよ!!目と鼻の先で暴れるデストロイヤーをモノともせずに生中継をする無謀とも考えなしとも取れる行為には脱帽ものだけど、危険がやばいよそれは!!

 

言ってる間にデストロイヤーがテレビ中継をする2人にロックオン。顔のバイザーが開いて激ヤバビームを放とうとしてる。うわああああ待て待て待て!!

 

悲鳴を上げる間もなく光が飛び出した瞬間、俺は2人の前に飛び出して近くにあった車を「どっこいしょぉお!!」という掛け声と共に持ち上げて簡易シールドにし……アチアチアチチチチチ!!!焼ける焼ける焼ける!!

 

あまりの熱線に手が火傷してしまい、咄嗟に車を蹴っ飛ばしてビームを放つデストロイヤーに叩きつける。ついでにあたりでぶっ壊された車とかもウェブで振り上げて怯んだデストロイヤーに叩きつけまくった。

 

 

「パ、パーカーさん!?」

 

「今はどっちかな?ピーター!?スパイダーマン!?めんどくさいからパーカーマンでいいよ!とりあえず逃げるよ2人とも!!」

 

「えっ、ちょっ……」

 

 

返事は聞いてない!!とりあえず2人をまとめて引っ掴んでウェブで離脱する。火傷で手が痛いけど気合いと根性とガッツで耐えるしかない。2人を掴んだまま近場のビルの屋上に到着。そこに下ろして、俺はすぐに手すりへと身を乗り出した。

 

 

「ここならまだ安全だと思うけど、身を乗り出したらさっきの激ヤバビームが飛んでくるから中継はほどほどにね、2人とも!」

 

《パーカー!!今そこにいるのか!!特ダネだ!!なんとしても映像を押さえろよ!!》

 

 

うわ出たJ.J.ジェイムソンだ。編集長のがなり声にカメラクルーはすぐに立ち上がって下で暴れ回るデストロイヤーにフォーカスを合わせた。

 

 

「パーカーさん!!」

 

 

アナウンサーの子が俺を呼び止める。手すりに身を乗り出して振り返ると、アナウンサーは心配そうに俺を見つめていた。

 

 

「ありがとう、スパイダーマン。お礼は言いたいから……必ず生きて戻ってきて」

 

 

そう言って死にかけた恐怖を押し殺して微笑む彼女に、俺は上着を預けてこう返した。

 

 

「まかせて。僕は……スパイダーマンだから」

 

 

その言葉と共にビルから飛び降りる。それを察知したのか、デストロイヤーがバイザーをあげてこちらに狙いを定めてきていた。うわやべ。ウェブで身を翻して飛んできたビームを避ける。ズボンの裾が焦げた。くそが、これグウェンとのデートで買ったやつだぞ!!

 

ビームを避けて横へと回り込みながら手首から固めたウェブを放って注意を引きつける。あんなビーム撃ちながら暴れられたら堪ったもんじゃない!!

 

 

「ウェンディ!!ウェンディ!!聞こえる!?」

 

《いつでも聞こえてますよ、マスター》

 

 

腕時計型のデバイスから呼びかけるとマイスーパーPCにいるAI、ウェンディが軽やかな声で応じてくれた。ごめんな、普段カーナビ代わりに使ったりして!

 

 

《データ解析をしましたが、あれはウルトロンシリーズではありませんね》

 

 

うん!知ってる!その言葉はポーピーと頭スレスレを通ったデストロイヤーのビームを避けるために飲み込んだ。髪の毛焦げたぞこれ!!

 

 

《外部よりのアクセスは不可。そもそも地球の技術ではない言語プログラムでの遠隔操作が予想されます》

 

「ほっ!?いつのまにウェンディそこまで分かるようになってるの!?」

 

《ウルトロンこと、アーニム・ゾラのデータより参照しました》

 

 

やだ、うちの子優秀。とりあえずビームを避けてはそこら辺にある瓦礫をウェブでぶん投げたり、勢いつけて蹴り飛ばしてるけど、まっっったく効果がない!!強すぎだろ、デストロイヤー。ウルトロンでも俺の蹴りで少しは怯んだぞ!?(ガチギレ)

 

 

「ウェンディ!ビューグルの車って特車!?」

 

《特車です。No.025となります》

 

「ナイスゥ!けど着替えてる暇与えてくれないよな、これぇ!!」

 

 

デストロイヤー相手にスパイダースーツに着替える暇はありません。こんなことならロージーが駄々こねてでも研究したがってたナノテクの研究、もっと真面目に取り組むべきだった!!

 

さて、ウェンディとの会話に出た特車だが、デイリービューグルの取材車両には特車が数台存在する。これはP.E社が出資した取材車両であり、中には放送機器とは別に「スパイダーマンスーツ」が格納されているのだ。ちなみにNo.35まで存在していて、その番号ごとにスパイダーマンスーツも特性が異なっている。どちらかというと、ハリーとオズボーンさんが作ったウイングスーツ……スパイディ・アーマーの特徴が違うわけなのだが。

 

とりあえずデストロイヤーから振り下ろされた拳をタッチダウンライズというアクロバット技で回避。バク転で距離をとったらバイザーが上がってビームが放たれる。ウェブで上空へ舞い上がって事なきを得るが、あんな猛攻の前にスーツへ化粧直しをする余裕なんてないですよね!!

 

どうしたもんかと悩んでいると、雄叫びと共に1人の巨漢が戦斧を振り上げてデストロイヤーの横っ面をぶん殴った。

 

 

「地球にも、勇敢な戦士がいたものだな」

 

 

後ろから聞こえる声に振り返ると、そこには浅野忠信……じゃない、ウォーリアーズ・スリーの一員であるホーガンが!!そして隣には、鮮烈なるファンドラル、その後ろにはレディ・シフがいた。ウォ、ウォーリアーズ・スリーだ!ということはさっき戦斧振り上げて突っ込んだのは、大いなるヴォルスタッグってことか。

 

 

「地球の戦士よ。よくぞ戦った。我らも加勢しよう!」

 

 

ファンドラルが、一振りの長剣を鮮やかに振るってそう言う。すると、遠くから悲鳴が聞こえた。ドガン!という轟音と共にさっき果敢にデストロイヤーに突っ込んだヴォルスタッグが廃車の上に突っ込み、それを更にスクラップにした。

 

 

「効いてないぞー」

 

 

凹んだ車の上に横たわりながらそう言うヴォルスタッグ。レディ・シフや、ホーガンが肩をすくめ、武器を構えた。向こう側から無傷のデストロイヤーが悠然とこちらに向かって歩いてくる。

 

 

「あー、その、たぶん君たち……ソーの仲間?」

 

「いかにも。我らはウォーリアーズ・スリー。ロキの企みを止め、ソーをアスガルドに連れ戻すために馳せ参じた」

 

 

ホーガンの言葉におおよそ納得する。たぶん雷神様、民間人の避難の手伝いをしてるはずです。とりあえず飛んできたビームを飛び上がって避けてから、俺はビームを盾で受け止めるシフや、ウォーリアーズ・スリーに作戦を伝える。

 

 

「初対面でごめんなんだけど、あの金属ダルマの相手を1分頼むよ!」

 

「はっ!この俺がぶっ飛ばしてやる!」

 

 

復活したヴォルスタッグが車の屋根から立ち上がって再び戦斧を振り上げてデストロイヤーに突撃していく。他の仲間も武器を構えてデストロイヤーへと果敢に挑んでいった。ひとまず注意は逸れたな。俺は素早く車の上を移動して奇跡的に爆発も横転もしてないデイリービューグルの特車へと乗り込んだ。

 

 

《ピーター!聞こえるか!?》

 

「やぁハリー。ごめん、ちょっと渋滞に捕まっててさ」

 

 

特車のパソコンにコマンドを打ち込む。すぐさま放送機器の一角が反転してスパイダースーツとアーマーが姿をあらわにした。腕時計型デバイスから聞こえるハリーの声にそう返しながら、スーツに袖を通していく。

 

 

《パークアベニューの情報はウェンディから取得済みだ。グウェンは父に同行してネバダだし…。とりあえずウイングスーツを着て、俺もそっちに向かう!》

 

「早めに頼むよ、ハリー。今回の敵はウルトロンより激ヤバだから」

 

《マジか?ピーター、次はどんな厄介ごとを呼び込んだんだ?何があっても俺は驚かないぞ》

 

「じゃあ本当のことを。オーディンの持つグングニルがロキによって悪用されて、アスガルドの最強のロボットのデストロイヤーがソーを始末するため地球に送られてきたんだ」

 

《ごめん、ちょっと何言ってるかわかんないんだけど》

 

 

とりあえずデストロイヤーをどうにかしないとニューヨークが何度めか分からない更地の危機になってしまう。スーツを着て、オズボーンさん肝煎りのウイングスーツNo.025を身につける。

 

ハリーのウイングスーツもオズボーンさんが作った代物であるが、この人No.025は俺のスパイダーマン能力を前提に新たに設計されたアーマーだ。ウルトロン・オートマトンで使用したアーマーからさらに軽量化。ロージーの素材研究のデータや、多層構造体のボディアーマーは身動きが早いスパイダーマンの能力の邪魔にならない。

 

腕部には分子カッターが搭載されていて、なにより強いのが背中のわずかなスペースに詰め込まれた小型ミサイルだ。うん、なんかだんだんアイアンマンみたいな様相になってきたぞ。

 

とりあえずアーマーを身につけて俺はすぐにビューグルの車を後にする。嫌な予感……スパイダーセンスが働いて飛び出してみると、ビームがデイリービューグルの車を溶けたバターのようにしてしまった。あの車、出資うちで結構な値段するんだけど!!しかも放送機材がパァになったので、これ以上、中継ができないと言う……これはまたジェイムソンがぶちぎれるぞ。

 

ピーター・パーカーからスパイダーマンとなり、空へと飛び上がった俺は、A.I.Mのラボからほど近い場所に着地して……。

 

そこで、半身をビームで焼かれたアルと。

 

傷だらけになったアルを介抱するソー、そして彼に寄り添うジェーンを見てしまった。

 

 

 

 

 

 




次回!

でぇじょうぶだ。エクストリミスで死んだ人間はよみげぇる(大嘘)

俺は太陽の子!
ハイパーパーフェクトストライク・アルドリッチ・キリアン登場!!

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