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実況『幾多の戦いを繰り広げられてきたクラシック3冠路線。その歴史は長く、深いものです。今年も若き乙女達が夏を越えて、この舞台に挑みます!』
ジェンティル「それで、どうですの?オルフェさんの様子は?」
八幡「全く問題無いな。問題があるとすれば、1周目のスタンドで本気で走り出さないかが心配だな。」
ジェンティル「あら、それはそれは……確かに心配ですわね。貴方からすれば気が気じゃないのではなくて?」
八幡「いいや、さっきのは冗談だ。その心配は無いし、アイツは必ず1着を獲る。何せ、数年間前に挑戦状を貰ってるからな。」
ジェンティル「挑戦状?」
八幡「あぁ、姉からのな。」
ーーー控え室ーーー
オルフェ「………」
ジャーニー「………」
オルフェ「………行ってくる。」
ジャーニー「分かったよ、上で見ているからね。」
オルフェ「姉上……いいや、ドリームジャーニー………数年前の果たし状、今こそ答えを出そう。」
ジャーニー「……そうか。それじゃあ見せてもらうよ、オルフェーヴル。この時代の、【王】の走りを……」
オルフェ「刮目せよ。」
姉妹とも思えない会話をした後にそれぞれ違う道を歩いた。姉は見下ろす席へ、妹は駆けるコースへと歩んだ。
ジャーニー「ただいま戻りました。」
八幡「お帰り。どうだった?」
ジャーニー「オルなら心配ありませんよ。あの子ならきっと無事に先頭で走り切ってくれるでしょう。」
アート「じゃあ皆で見届けましょう、あの子の走りを。」
実況『地面から突き上げるような大歓声が瑠璃色の空に吸い込まれていきます。3冠を期待する歓声です、非常に大きな大歓声です。3冠が期待されるオルフェーヴルですが、この大歓声を前に全く動揺する様子がありません。皐月賞、ダービーの時同様に堂々と、悠然と、泰然とゲートへと歩を進めていきます。3冠を達成したのは長い歴史の中で僅か7人だけ、その中の1人に偉大な姉ドリームジャーニーが名を連ねています。第7代3冠ウマ娘にして3人目の無敗の3冠ウマ娘です。そしてその妹であるオルフェーヴル……3冠ウマ娘、そして無敗の3冠ウマ娘の偉業に挑みます!そのオルフェーヴルが今、14番のゲートに入りました。未だ7人しか打ち立てていない3冠の金字塔、今その偉業にオルフェーヴルが挑みます!さぁ、歴史の1ページ見届けましょう!菊花賞です!』
ガッコン!!
八幡「……前まではお前がこの舞台で走ってたんだよな、ちょっと年寄りくさい言い方かもしれないが、時が経つのは早いもんだ。今度はお前が観る側なんだからな。」
ジャーニー「そうですね、オルには良い背中を見せられたと思っていますよ。私の走った3年、オルにしっかりと見ていただけたと思いますから。」
八幡「オルフェ以外にも見ていた奴は大勢居るって。」
ジェンティル「今年はオルフェさんに譲りますけれど、来年は私の番でしてよ。」
八幡「はぁ……今年は良くても来年は嵐になりそうだな。まぁ次のデビュー戦は頼むぞ。」
ジェンティル「えぇ、お任せくださいな。」
実況『さぁここに居ました!オルフェーヴルはちょうど中間10番手でレースを進めています!金色の長髪を靡かせながら、これから2度目の坂を迎えます!さぁ他のウマ娘も上がってきた!徐々に固まってきた!オルフェーヴルはまだ動かないっ!』
ジャーニー「さぁ、魅せておくれオルフェーヴル………この時代の【王】の走りを。」
オルフェ「ムンッ!!」
実況『さぁ動いたっ!オルフェーヴル行ったぞ~!坂の下りでオルフェーヴルが行った!さぁ第4コーナーから間も無く直線!3冠へ続く最後の直線っ!オルフェーヴル、堂々外へ行った!!最後の直線大歓声っ!!さぁ、もうオルフェーヴルが先頭に立った!!サダムパテック2番手、更には懸命にロッカヴェラーノ!独走になるのかオルフェーヴルッ!?外からトーセンラー!しかし抜けた抜けたオルフェーヴル!金色の勝負服が大地を弾ませているっ!!オルフェーヴル先頭!!それを追う者は無しっ!!そして2番手にはハーバーコマンドとウインバリアシオン!しかし関係無いっ!これが、第8代の3冠ウマ娘だあああぁぁぁ~!!!オルフェーヴルッ!!!史上初、姉妹での3冠達成~ッ!!!』
八幡「……獲ったな。」
ジャーニー「えぇ、オルならやり遂げると信じておりました。」
オルフェ「はぁ……はぁ……ふぅ……」
ジャーニー「………」
オルフェ(これが余の走り、【王】の走りだ……ドリームジャーニー、次はその背を超えさせてもらうぞ。)
ジャーニー(いつでも受けて立つよ、オルフェーヴル。ただしこの背中、そう簡単には超えさせはしない。)
ジャーニー「ふふふ、妹の成長というのは中々に良いものですね。しかしそれと同時に寂しさも感じますね。」
八幡「まぁ、先代として後輩の面倒も見てやってくれ。俺も見るから。」
ジャーニー「私の誇りですからね、喜んでお引き受けしますよ。それに頼りになる同期の方もいらっしゃいますからね。」
ジェンティル「あら、それは私の事ですの?」
ジャーニー「はい、お願いしますよ。」
ジェンティル「仕方ありませんわね。まぁ最強を名乗るには倒さなければならない相手ですものね、引き受けましょう。」
八幡「色んな意味で楽しみだな、これからが。」
ジャーニー「えぇ、本当に。」
はい、というわけで【ドリームジャーニー編 ~黒金の旅路~】完結でございます!合計150話です!そして最後の挿絵についてですが、上手く作成する事が出来ませんでした……お時間をいただくか、このままかもしれません。ご了承ください。
今後については新しい作品を用意しているので、そちらの投稿をしたいと思っております。先に申し上げておきますと、オリキャラヒロインです。エピローグを10話程度書いてから本編を書いていきます。
ドリームジャーニー編を最後まで読んでいただき、ありがとうございました!これにてウマ娘シリーズの作品は一時的に完結となります!
※尚、次の作品の投稿日は10/1(木)となります。