ティターンズのモブテストパイロットにTS転生したので、刻の涙を減らすべく頑張ってみます~機動戦士Zガンダムより 作:ひいちゃ
宇宙世紀0123。
宇宙世紀0087のグリプス戦役が終結してから、36年が過ぎていた。
その地球圏は、宇宙世紀0096のラプラス事変という紛争事件はあったものの、それ以外は平穏に時を刻み、人々は、一年戦争とグリプス戦役による二つの大戦の傷を乗り越え、地球圏の復興、さらなる発展にまい進していた。
その人々は希望にあふれていた。ラプラス事変で解放されたラプラスの箱の石碑の影響によるものかもしれないが、確たる証拠はない。
だがそんな中でも、戦いの種が芽生えるのが人間社会のサガである。
宇宙世紀0106に設立された、複合企業ブッホ社の私設軍、クロスボーン・バンガードが、理想国家コスモ・バビロニア建国のために動き出したのである。
クロスボーン・バンガードはフロンティアⅣをたちまち制圧し、コスモ・バビロニアを宣言。次なる目標を、フロンティアⅠに定め、侵攻を開始した。
のちの世に、『コスモ・バビロニア建国戦争』と呼ばれるようになった戦争である。
* * * * *
「人間だけを殺す機械かよ!?」
ビルギット・ピリヨは、そう憤慨しながら、愛機のヘビーガンを駆っていた。
フロンティアⅠはまさに地獄だった。クロスボーン・バンガードがコロニーにはなった無人兵器・バグが暴れまわり、コロニーの住民を狩りまくっていたのである。
人々は、地下に隠れたりしていたが、人間の炭酸ガスを感知するバグの前には意味をなさず、犠牲はただ増え続けた。
ビルギットは、ただ住民を根絶やしにするための兵器をばらまいたクロスボーン・バンガードへの怒りをあらわにしながら、ただ戦い続けた。
僚機であるシーブック・アノーのF91や、セシリー・フェアチャイルドのビギナ・ギナとはいつの間にか離れ離れになっていた。
それでもビームサーベルを振り回し、群がるバグを切り払いながらフロンティアⅠの空を飛んでいた。
だが。
いくらビルギットが優れたパイロットでも、数の差には勝てなかった。
次から次へと群がるバグの前に、両足を破壊されてしまい、ついにはコクピットハッチまで切り裂かれてしまう。
そしてついに、目の前にバグが迫ってきた!
もはやここまでかという諦める気持ちと、まだ死にたくないという恐怖、そして負けてたまるかという闘志が交錯しつつ、目を閉じた彼の前に。
戦乙女は舞い降りた。
恐る恐る目を開けた彼が見たのは、一機のMS……らしきものだった。
白銀一色に身を包んだ機体。機体の各部からはみ出したフレームらしきものは、まるで羽のよう。
なにより、その機体からは、銀色のオーラのようなものが漂っていた。
「シーブック……なのか……?」
だが、戦乙女はそのビルギットの問いに答えることなく、ただ目の前のバグに対して腕を振った。すると、その手から銀色のオーラが放たれ、それを浴びたバグたちは次々と墜落してしまう。
信じられないことはまだ続いた。
また接近してきたバグたちに、再び腕を振る。すると、オーラを浴びたバグたちは、まるで彼女のしもべになったかのように彼女への攻撃をやめ、本来味方であるはずのバグに攻撃を仕掛け始めたではないか。
そうしているうちに、ビルギットのヘビーガンと、戦乙女の周囲のバグは一機たりとも存在しなくなっていた。
* * * * *
戦乙女がこちらを振り向く。
本来、MSに表情などないはずなのに、なぜだろう。
ビルギットには、そのMSがなぜか慈愛に満ちた微笑みを浮かべたように見えた。
戦乙女は、ビルギットに対して腕を振る。
すると、ビルギットのヘビーガンはゆっくりと、宇宙港へ……彼の母艦であり、仲間たちが待つスペース・アークの元へと流れていった。まるで、ゆりかごを川に流すかのように。
「あんたは……一体……」
そこまで問いかけるが、そこで限界だった。
疲労や精神的重圧などで、意識が遠くなっていくビルギット。その耳に、女性の声らしきものが聞こえた。
―――私は、ただの女の子ですよ、ただの……ね……。
* * * * *
かくして、ビルギット・ピリヨは生き残った。
不思議と、『ただの女の子』と名乗ったあのMSは、シーブックのF91と、クロスボーン・バンガードの幹部、鉄仮面のラフレシアとの最終決戦の場には現れなかった。
しかも、シーブックもセシリーも、そんなMSは見なかったという。
ビルギットにも、あれは夢だったのか、どうだったのかわからない。ただ一つあるのは、あの後、フロンティアⅠのバグは一掃され、数少ないフロンティアⅠの市民たちが、かろうじて命をつないだ、ということ。
周囲は、ビルギットが無我夢中でバグをせん滅していき、フロンティアⅠを救ったのだというが……。
ただ彼は思う。あのMSは確かに存在した。そして、自分とフロンティアⅠを救ってくれたのだ、と。
後にビルギットは、ネット掲示板にあることを書きこんだ。その書き込みは、やがて歴史研究家たちに注目され、話題になることになる。
その書き込みとは……。
『自分はフロンティアⅠで銀色のMS……いや、
ティターンズのモブテストパイロットにTS転生したので、刻の涙を減らすべく頑張ってみます~機動戦士Zガンダムより・完
さぁ、この銀色のMSが何者かは、皆さんの想像にお任せします。
そして『テテテ』はこれにて終幕。読んでくださり、ありがとうございました!
今回も『てんえん』に勝るとも劣らぬUAや評価をいただき、本当に嬉しいです! 感謝感激雨霰時々雪崩です!
次回作もよろしくお願いします!
なお、『テテテUC(ユニコーン)』の設定も考えていますが、それは別の作者さんにお任せしようと思ってます。
というわけで、書いてくださる方、募集中。やってみようと思った方はメッセージください(笑
というわけで次回作の予告、どうぞ!
* * * * *
シャングリラにアーガマがやってきたのが運のつきと誰かが言ってたけど、それはアーガマにとってか? それともオレたちにとって?
それはともかく、オレ、マリハ・クトゥル!
U.C.0088年のガンダムに世界にTS転生した男子大学生! 転生して今は13歳のロリっ子!
シャングリラでジャンク屋をしていたオレとジュドーたちは、ヤザンとかいうおっかない兄ちゃんに唆され、生活費のために、アーガマからZガンダムを盗むことになっちまった。
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まぁ、でもオレたちはジャンク屋、若い仲間! オレがせいぜい頑張ってみんなをサポートしてやらなきゃな!
『ガンダムZZって作品の世界に転生してきたプル似のTS転生者だけど、ヤザンとかいう人にゼータ強奪を持ちかけられてます~ガンダムZZ別伝』
2/1 12:00
ついに、やっと出番だ!