突然現れた未来から来たという『博麗の巫女』。

彼女は、とある未来に起こる異変で、瀕死になった霊夢を救うがために現れたという。しかし、当の霊夢や魔理沙は信じようとしない。

それもそうだ。急に未来から来て、自分が死にかけた、なんて言われても、突拍子もない話で信じられるはずもない。

焦りからか、未来からの少女は上白沢慧音を負傷させ、永遠亭に乗り込んでしまう。

彼女に追いついた霊夢と魔理沙は戦闘状態に入るが、未来からの少女は種族としての魔法使いに覚醒していることが、八雲紫によって知らされ…。

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【注意】この作品は以下のことにご注意ください【重点】

  ・この作品は東方Projectの二次創作です
  ・「劇場版仮面ライダードライブ サプライズ・フューチャー」を下敷きとした話です
   (主人公、泊進ノ介の前に、未来から息子・エイジが現れたことから始まる)
  ・原作設定を最大限尊重していくつもりですが、一部設定を無視している可能性があります
  ・東方紅魔郷に没キャラとして存在しているらしいキャラに似ているかもしれませんが、他人の空似です

 以上の点を踏まえて、この作品を閲覧してください。
 それでは、Start Your Engine!


異変の始まり

 それは突然の出来事だった。

 私こと、博麗霊夢の前に、紅白の巫女衣装で魔理沙に似た髪型と髪色、そして目の色をした少女が現れたのだ。

 どうやら、彼女は私の後に博麗の巫女となったという。

 未来の博麗の巫女が現れた理由は、とある異変で私は霊力を喪失しかけて、死にそうになったらしい。

 もちろん、そんなことを聞かされても私は誰が信じるか、となる。

 彼女はたまたま遊びに来ていた魔理沙にも話すが。

 

「なに言ってんだ? 未来がすでに定まっていたらおかしいだろ。未来は自分で切り開くものだろ?」

 

 と言い返した。

 焦っていたのか、彼女はどこかへと飛び去っていってしまった。

 

「変なやつ」

「確かに変よね。未来の人間が現れて、過去の歴史を変えたいだなんて」

「歴史をどうこうする、って、上白沢慧音って奴がそれっぽい力を有していたよな」

 

 魔理沙が言う。

 

「なんか聞いたことがあるわね。彼女は人里で子どもたちを教えていたわよね。行ってみましょ」

 

 私は魔理沙と共に、上白沢慧音のもとへ向かった。

 ……だが、一足遅かったらしく、私達が弾幕勝負で打ち負かしたときと同じようなダメージを負っていた。

 

「ちょっ、マジかよ」

「大丈夫なの?」

「……まさか、あれ程の力を持っていたとは……。後代の博麗の巫女……」

「あぁ、やっぱり」

「やっぱり、とは?」

 

 私の代わりに魔理沙が事情を話した。

 

「確かに、魔理沙の言っていたとおりだ。大方、私のもとを訪れたのは、そのことを聞くためだったのだろう?」

「そうだぜ。な、霊夢?」

「ええ。……慧音、あなたの能力では過去の改変はできないのよね」

「もちろんだ。なかったことにするのは簡単だが、書き換えることはできない。未来に起こった出来事が、『すでに起きてしまったこと』なら同じことだ。――だが、まだ起きていない事柄なら、未来に起こってしまったことを変えることはできる。

 おそらく、私に話を聞いたあと、信じてくれなかった霊夢達が来る前に再起不能にしてしまおうと考えたから襲われたのだろう、全く……。

 駆けつけた妹紅が追い返してくれなかったら、もっとひどい目にあっていたかもしれないな……」

 

 ため息をつきながら慧音は言う。

 

「あいつ……」

「やれやれ。未来の私はあの女にどんな教育をしたんだが……」

 

 頭をかく私。

 

「霊夢、とにかく、あいつを追いかけよう。なにをしでかすかわからん」

「それは同意見。で、どっちの方角に向かったか、わかる?」

「永遠亭の方に向かったように見えたが……」

 

 永遠亭、という言葉で、私の勘が冴え渡った。

 

「――ッ! 蓬莱の薬を手に入れるつもりかもしれないわね、急ぎましょ!」

「もちろんだぜ」

 

 大急ぎで永遠亭の方角に向かった。

 永遠亭に近づいた頃、魔理沙がマスタースパークを放った時のような音が聞こえた。

 

「――!? あいつ、博麗の巫女だったよな!? 魔法を使うのか!?」

「まさか、ハイブリッドでもなっているつもり!?」

 

 永遠亭に向かったということは月関係? あるいは不老不死になれるという蓬莱の薬狙い?

 だとしたら、短絡的発想で、永琳や輝夜を襲ったということね。

 ……でも、さすがはあの二人、という感じかしら。砂埃の中から、やる気満々の二人の姿があった。

 

「全く……。あの紅白は礼儀がなってないわね」

「仰るとおりで。少しお灸をすえる必要がありますね」

「そうみたいね」

「……っと、加勢に来たぜ」

 

 魔理沙が言う。

 

「あら、紅白の巫女に黒白の魔法使い。あれは一体何者なの」

「それが私達にもわからないんだ。急に私達の前に現れて、な?」

「ええ。あれは私の後釜らしいのよ。……だから、あれは私達が後始末をつけなきゃ。いきなり襲われたあんた達の気持ちはわからないでもないけど」

「二人ともどいて。私は霊夢さんと魔理沙さんを再起不能にはしたくないの! そこにいる八意永琳と蓬莱山輝夜を倒して、不老不死になって帰らなきゃいけないのに!」

 

 金髪の巫女の言葉に、カチン、と来てしまった私。

 

「はいそうですか、って、簡単に返すわけには行かないわ。私達の友人を襲っておいてその口ぶりはなによ。未来の私がなにをあんたに吹き込んだか知らないけど、今の私があんたを折檻してやる」

 

 札を構える私。八卦炉を構える魔理沙。

 同じように八卦炉を構える金髪の博麗の巫女。

 

「恋符『マスタースパーク改』!」

 

 彼女の八卦炉から放たれるマスタースパークは、今の魔理沙が使えるマスパのそれと威力が段違いだった。

 

「うわっ! ……なんちゅー火力してやがる」

 

 私と魔理沙は、飛んで避けた。

 その弾道の先には、永遠亭があり、二人がいた。ウカツなことをしたと私は思ったが、その光線は暗闇に吸い込まれるように消えた。

 マスパを()()()()()()から無数の目が覗き込むように見開き、その両端には小さな赤いリボンが巻かれている。

 言わずもがな、それは()()()であり、スキマを使うということは……。

 

「紫……!」

「……はぁ。叩き起こしてくれちゃって……ほんと……」

 

 道師服に身を包み、大きなリボンをつけた帽子をかぶった紫がその穴から姿を表したのだ。

 

「で、そいつが、未来から来たっていう博麗の巫女?」

「らしいのぜ」

「ふーん……。魔理沙以上の威力をぶっ放すとはね……。もしかして、博麗の巫女でありながら種族は魔法使いなのかもしれないわね」

「じゃあ、あいつは人間をやめちまってるわけか!?」

「おそらくは。捨虫と捨食の魔法を覚えて、老いるスピードを緩やかにして、食事をそれほど必要としていないのかもしれない存在、ってことね」

 

 あいつのぶっ放したマスパを見て、看破する紫。

 

「未来から来たと言っても、ここで騒ぎを起こすのなら、容赦はしないわ。たとえ、あれが本当に未来の博麗の巫女であってもね!」

「………八雲、紫」

 

 紫の姿を見て驚愕の反応を見せる金髪の巫女。

 

「あら。私を知っているようね、()()()()()。――それもそうよね。未来でも幻想郷が存在しているのなら、私もいるだろうし。まあ、最も、未来の私はこいつをどう思っているかなんて、今の私からすれば知ったこっちゃないけど!」

 

 ここまで神経を昂ぶらせる紫はあまり見たことがない。

 ……つまり、今の紫はわかりやすく()()()()()

 

「さぁてと……。これでも喰らいなさいな!」

 

 金髪の巫女の顎めがけて、スキマを開いた紫。

 

「んがっ!?」

 

 スキマから現れた金属製の棒かなにかの直撃を受けたのか、のけぞる。

 

「よし、今なら!」

 

 八卦炉に光が集中する。魔理沙のオハコが炸裂するだろうね。

 

「これが本元の『恋符「マスタースパーク」』だ!」

 

 魔理沙の八卦炉から虹色の大きな光線が放たれる。

 紫の攻撃で身構えられなかった巫女はその直撃を受けた。

 

「――ッ!!」

 

 魔力を集中させ、さっき金髪巫女が放ったような高威力のマスパだったからか、だいぶボロボロになったらしい。

 

「防御の結界を張ることも忘れるなんて、あんたは巫女としては落第生かもしれないわね。……それとも、」

 

 構えた八卦炉を払い落とし、首元を掴む。

 

「――博麗の巫女の()()()、人間をやめたから、忘れちゃったとかありそうね」

「……!!」

「まあ、いいわ。あんたに今のこの幻想郷を守ることはしなくていいわ。さてと……!」

 

 掴んでいた手を離すと、金髪の巫女はその場に尻餅をついた。

 私は彼女に対してお祓い棒を構えて、いつぞやに易者を真っ二つにしたように振り下ろした。

 易者のように真っ二つ、とはならなかったけど、大きなコブができるぐらいの痛さは感じたらしい。

 

「~~~ッ!!」

 

 頭を抱えている。激痛だったらしい。それもそうだ。

 ものすごく勢いよく、振り下ろしたからね。

 その激痛に身悶えているせいか、戦う意志はなくなったようだ。

 

「……やれやれ。それで、こいつ、どうする?」

「どうやって現れたか知らないけど、私のもとで一旦引き取るわ。()()()()()()()()()()()ためにね」

 

 どうやら、紫は怒り心頭といった気持ちだ。彼女らしくないような発言をしている。

 

「それもそうね。私からもお願いするわ、紫」

「ええ。任されましたわっと。それじゃ」

 

 激痛を抱える金髪の首根っこを押さえて引っ張り、スキマを閉じて、消えていった紫。

 

「――結局、霊夢がマジに死にかけた話ってなんだったんだろうな」

「さてね。金髪が口を割って話してくれるか、紫に尋問されて強制的に喋らされるか……。どっちかしらね」

 

 紫の介入であっさりとした幕引きとなったけど、謎は残っている。

 私が死にかけた異変というのは一体。


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