転生したら帆波ちゃんだったので、綾小路君の相棒になってみようと思います   作:レイラレイラ

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構想やらグループメンバーやらを決めるのに時間が掛かってしまったと反省しつつ、投稿です


第4巻
一難去ってまた一難


 無人島特別試験が終わってからの3日間は本当に平和なものだった。

 

 どうせすぐに次の特別試験が控えているんだからと、純粋に楽しい旅行というものを満喫させてもらうのは悪いことじゃないよね。

 

 私と清隆くんと愛里ちゃんといういつものメンバーでプールで遊んだり、卓球などのスポーツで競いあったりもしたのは本当に楽しくていい思い出になったと思う。

 

 まあ、清隆くんはスポーツでも全力を出してくれなかったから、そこは不完全燃焼だったと言わざるをえないかな。

 

 それでも学生らしい青春は送れたのは事実だし、これからも時間があればみんなとの高校生活をエンジョイ出来ればいいなと願わずにはいられない。

 

 充分に休養は取れたんだと、ひとまずは気を引き締めて今回の特別試験は挑むつもり。

 

 特別試験が始まったわけでもないのに今から気を揉んでも仕方がないとは思うけど、作戦とかどう対応していこうかと考えてしまうのはもう癖になっていて直せそうもないしね。

 

「どうしたの帆波ちゃん。なんだかボーッとしてるみたいだけど」

 

「えっ? あ、うん。大丈夫、少し考え事してただけだから」

 

 心配そうに声をかけてくる愛里ちゃんには申し訳ないけど、さすがにこの悩みは誰にも打ち明けられない。

 

 もう少し日常的な悩みだったらよかったのに、だいたいのことは自分だけでも出来るから誰かに相談するような機会もない。

 

 こういう時の相談事を振るのが苦手なのは、私の唯一の欠点とも言えるのかも。

 

 あんまり心配かけないようにと、私は注目してからしばらく経って冷めてしまったきのこがたっぷりと入ったパスタを口に運んだ。

 

 三人ともお昼は軽いもので済ませたいということで、パスタ専門のお店に足を運んだわけ。

 

 雑談混じりに思考を巡らせていたところ、そっちに集中してしまったために愛里ちゃんにも心配されてしまったということだ。

 

「もしかして、また特別試験があるんじゃないかとか考えていたんじゃないか? 帆波がそこまで考え込むこと自体が稀だからな」

 

 さすがに清隆くんは鋭いね。

 

 そういう清隆くんこそ、特別試験があるかもと警戒ぐらいはしているでしょうに。

 

「むぅ~…………それだと普段の私が、悩みがない人みたいに聞こえるんだけど」

 

「別にそこまでは言ってない。帆波がBクラスのために常に色々と考えているのに、それを笑顔でやってのける実力は確かなものだ。意外だと思って口に出た言葉だったんだが、不快にさせたなら謝る」

 

「不快なんかじゃないよ。だって、清隆くんは心配してくれてるんだもんね。あんまり悩んでると、クラスの士気にも関わるからシャキッとしないとね」

 

「帆波ちゃん…………。何か私にも出来ることあったら言ってね。協力するよ」

 

「ありがとう、愛里ちゃん」

 

 清隆くんだけじゃなく、愛里ちゃんだってずっと私のことを気に掛けてくれてる。

 

 そういえば、平田くんからは鈴音ちゃん関係の悩みを聞かされることはなかったな。

 

 どうにかルームメイトと上手くやれてるといいんだけど、何かあったら相談してくれるだろうし今は忘れよう。

 

 パスタを食べ進めていると、清隆くんが私の顔をジッと見つめていることに気づいた。

 

 あんまり見られると恥ずかしいんだけどな。

 

 もちろん嫌なわけではないし、好きな人に見られているぶんにはむしろ嬉しいぐらいだ。

 

 会話をしている時なら清隆くんも顔を見て話すのがデフォだから、まだ納得も出来るんだけど一度会話は途切れているわけで。

 

 愛里ちゃんも食事に戻っていて、そちらに目が行っている状態にある。

 

 清隆くんの方からそっと手を伸ばされたかと思うと、私の口元に振れてきて無意識に身体が震えてしまう。

 

 不意打ちのドキドキだけじゃなく、好意を抱いている異性から触れられているという現実が私の思考を鈍らせてくる。

 

 どうしていいのかわからずにされるがままでいると、清隆くんの指に口元を拭われたことに驚きを隠せない。

 

 彼の指先にはソースが付いていて、どうやらそれを取ってくれたんだと理解すると嬉しさに加えて羞恥心が沸いてくる。

 

 そして清隆くんは何を思ったのか、指先に付いたソースを口に入れた。

 

「き、清隆くん!? な、何をやってるの?」

 

「口にソースが付いてたからとっただけだが」

 

「そうじゃなくって、そこにあるおしぼりで拭けばよかったんじゃないかってこと!」

 

 清隆くんの目の前におしぼりを指差すも、清隆くんは自分のした行動に驚いている様子で綺麗になった彼の指から目を離さなかった。

 

「…………そうだな。次からは気をつける」

 

「あ…………ごめんね、何だか強い言い方になっちゃって」

 

 決して嫌だったわけではないし、突然のことで冷静でいられなかったのは事実なんだよね。

 

 それでも少し咎めるような言い方になってしまったのは反省しないとダメだ。

 

「別に気にしてない。今回はオレに非があるからな」

 

 清隆くんは悪くないよと言おうと口を開いた瞬間、私たち三人の端末が同時にキーンと高い音を鳴り響かせた。

 

 学校からの指示であったり、行事の変更などがあった時に送られるメールの着信音だった。

 

 重要性の高いものであることから、マナーモードであっても強制的に出る仕様になっているのは入学後にも説明を受けていた話だ。

 

 今までこの重要メールが送られてくることがなかっただけに、緊張感は否応なしにやって来る。

 

 逃げ場はないと言うように船内アナウンスも入ってくる。

 

『生徒の皆さんにご連絡いたします。先ほど全ての生徒宛に学校側から連絡事項を記載したメールを送信いたしました。各自携帯を確認し、その指示に従ってください。また、メールが届いていない場合には、お手数ですがお近くの教員まで申し出てください。非常に重要な内容となっておりますので、確認漏れのないようにお願いいたします。繰り返します──────────』

 

「今のメールのことだよね? ということは…………」

 

「多分、そういうことだろうね」

 

 それぞれ同時に届いた学校からの通知に、腹を括った気持ちで向かい合う。

 

 アナウンスの指示に従って携帯を操作して開くと、メールには次のようなことが書かれてあった。

 

『間もなく特別試験を開始いたします。各自指定された部屋に、指定された時間に集合して下さい。10分以上の遅刻をした者にはペナルティを科す場合があります。本日19時までに2階208号室に集合して下さい。所要時間は20分ほどですので、お手洗いなど済ませた上、携帯をマナーモードか電源をオフにしてお越しください』

 

 幸いにも攻略法自体はわかっているわけだし、作戦も大まかにだけど思いついてる。

 

 リラックスした状態で特別試験で望めるメリットはあまりにも大きい。

 

「二人ともメールを見せてくれる?」

 

 画面が二人にも見えるように端末を差し出すと、清隆くんたちも同じように全員が見える形をとった。

 

 すると清隆くんは18時に、愛里ちゃんは19時20分までに部屋に来るようにという旨が記載され見事にバラけた状態。

 

「どうしてこんな変な呼び方するのかな? 何か裏があるんじゃ…………」

 

「下手に勘繰ってもしょうがないよ。良い予感がしないのは事実だけどね」

 

 どうにか裏を読み取ろうと思考する愛里ちゃんをいったん止めて、端末のチャットに鈴音ちゃんからメッセージが来た。

 

『今学校からのメールは届いた?』

 

『届いたよ。私は19時からに指定されてたんだけど、鈴音ちゃんは?』

 

『こっちは20時40分からだったわ。一之瀬さんの方が早いみたいだし、何かあったら報告をもらえるかしら』

 

『わかった。清隆くんが18時らしいから、話を聞いたら伝えるね』

 

 端末をポケットに閉まって、私たちはいったん食事を再開した。

 

 ここで慌てても何も始まらないし、冷静に対処すればこの試験でも私の思い描く結末に辿り着くはず。

 

 今回も勝ちをもらっていくつもりだけど、誰にも恨まれないことを祈ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 2階フロアに足を踏み入れて端末を確認すると、指定の時刻まではあと5分に迫っていた。

 

 目的の部屋の前で立ち止まって、扉をノックすると低い声が中から返ってくる。

 

「入りなさい」

 

 許可されて208号室に入室する。

 

 声でもしやと思ったけど、ガッチリした体格のスーツに身を包んだAクラスの担任である真嶋先生が椅子に腰掛けていた。

 

 真嶋先生の前には椅子が並べられ、二人の女子生徒が腰かけ座っていた。

 

「帆波ちゃん! よかったぁ、安心できる人と一緒で…………」

 

「みーちゃんも同じグループだったんだね。松下さんも今回はよろしくね」

 

「よろしく。私は王さんから見れば安心出来ない生徒らしいし、一之瀬さんがいるのは助かるかな」

 

「そ、そういう意味で言ったわけじゃ…………」

 

 みーちゃんは松下さんにからかわれていることに気づかず、私としてもその反応が可愛くてあえて訂正はしないでおく。

 

 二人ともこの船でルームメイトとして過ごした相手でもあったからか、教室で話していた時よりもかなり交流が深まった生徒なんだよね。

 

 どういう采配でこのグループに私とこの二人が集められたのか、一見しただけでは判断は出来そうもない。

 

『兎』グループというわけでもなければ、リーダー格が集められる『辰』グループというわけでもなさそうだ。

 

 いずれにしても情報が少なすぎるため、真嶋先生の話を聞くことに集中しておいた方が良さそう。

 

「Bクラスの王、松下、一之瀬だな。ではこれより特別試験の説明を行う」

 

 特別試験という単語を聞いて、みーちゃんは怯えるように身を縮こまらせた。

 

 なんとなく想像していたからか、松下さんは比較的冷静でいる様子。

 

「今回の特別試験では、1年全員を干支になぞらえた12のグループに分け、そのグループ内での試験を行う。試験の目的はシンキング能力を問うものとなっている」

 

 問われるものは『シンキング』。

 

 考える力、考え抜く力を問われる試験は具体的に何について思考を巡らせるのか。

 

 現状の分析、問題解決に至るまでのプロセスを明らかにする力、創造力を極限まで働かせることで生み出されるものに価値を見いだす行為が必要だということ。

 

「そしてここにいる3人は同じグループとなる。今この時間、別の部屋でも同じように『君たちと同じグループになる』メンバーに対して同時に説明が行われている。さらにグループは1つのクラスで構成されることはなく、各クラスから3人から5人ほどを集めて作られることになっている。わざわざクラスを分けて説明したのは、事前説明がなければ混乱を来たす恐れがあるためだ」

 

 真嶋先生の説明を理解したと言うように、みーちゃんは何度も頷いていた。

 

 全員の理解が及んだのを見計らったタイミングで、少しの間沈黙していた真嶋先生は再び口を開く。

 

「君たちの配属されるグループは『鼠』。ここにそのメンバーリストがある。これは退室時に返却されるので必要性を感じるのであればこの場で覚えておくように」

 

 渡されたのはハガキサイズの紙。

 

 グループ名に加え合計14名の名前が記載されていて、真嶋先生の言うように私たち3人を除いた生徒はAとCとDクラスで構成されている。

 

 

 Aクラス・石田優介 戸塚弥彦 橋本正義

 

 Bクラス・一之瀬帆波 松下千秋 王美雨

 

 Cクラス・柴田颯 米津春斗 渡辺紀仁

 

 Dクラス・金田悟 椎名ひより 山田アルベルト

 

 随分と癖の強いメンバーが集められたみたいだね。

 

 暗躍大好き橋本くんに、Dクラスの頭脳派2名と武闘派1名とは色々と複雑な構成だと思う。

 

 完全に私対策というか、警戒されているのが分かる布陣だった。

 

 Cクラスは柴田くん以外は狙いが読めないけど、特別に重要視するほどじゃない。

 

「今回の試験では、大前提としてAクラスからDクラスまでの関係性を一度無視しろ。そうすることが試験をクリアするための近道であると言っておく」

 

 優待者を見つけるためにも必要だもんね。

 

 まあ口に出して言えるはずもないから、大人しく真嶋先生の話に耳を傾ける。

 

「今から君たちはBクラスとしてではなく、鼠グループとして行動することになる。そして試験の合否の結果はグループ毎に設定されている」

 

 事前知識のない生徒からすればまるで全貌の見えない状態であり、みーちゃんだけじゃなく松下さんまでも訝しむような表情を浮かべていた。

 

「特別試験の各グループにおける結果は4通りしか存在しない。例外は存在せず必ず4つのどれかの結果になるように作られている。分かりやすく理解してもらうために結果を記したプリントも用意してある。ただし、このプリントに関しても、持ち出しや撮影などは禁止されている。この場でしっかりと確認しておくように」

 

 3人分用意されていた紙は何度も目を通していた証拠か、ヨレて少しだけくしゃくしゃになっている。

 

 書かれてある基本ルールは以下の通り。

 

『夏季グループ別特別試験説明』

 

 本試験では各グループに割り当てられた『優待者』を機転とした課題となる。

 

 定められた方法で学校に解答することで、4つの結果のうち1つを必ず得ることになる。

 

 ○試験開始当日午前8時に一斉メールを送る。『優待者』に選ばれた者には同時にその事実を伝える。

 

 ○試験の日程は明日から4日後の午後9時まで(1日の完全自由日を挟む)。

 

 ○1日に2度、グループだけで所定の時間と部屋に集まり1時間の話し合いを行うこと。

 

 ○話し合いの内容はグループの自主性に委ねるものとする。

 

 ○試験の解答は試験終了後、午後9時30分~午後10時までの間のみ優待者が誰であったかの答えを受け付ける。なお、解答は1人1回までとする。

 

 ○解答は自分の携帯電話を使って所定のアドレスに送信することでのみ受け付ける。

 

 ○『優待者』にはメールにて答えを送る権利が無い。

 

 ○自身が配属された干支グループ以外への解答は無効とする。

 

 ○試験結果の詳細は最終日の午後11時に全生徒にメールにて伝える。

 

 

 基本的なルールの詳細が書かれていて、細かい説明や禁止事項なども記載されている。

 

 そして4つの定められた『結果』についても事細かく書いてあった。

 

 ○結果1・グループ内で優待者及び優待者の所属するクラスメイトを除く全員の解答が正解していた場合、グループ全員に報酬50万プライベートポイントを支給する。優待者は倍の100万プライベートポイントを得る。

 

 ○結果2・優待者及び所属するクラスメイトを除く全員の答えで、一人でも未解答や不正解があった場合、優待者には50万プライベートポイントを支給する。

 

 正直に言ってしまうと、優待者というのは面倒なポジションという感想しか抱けない。

 

 得られる報酬は破格のものでも、結果2はともかくとして結果1に導くことはかなり難しいからだ。

 

「説明した2つの結果は理解したか? これが理解出来なければ次に進めないぞ」

 

「大丈夫ですよ真嶋先生。先に進んでください」

 

 みーちゃんと松下さんが理解しているのを確認したあと、私は真嶋先生に続きを促した。

 

「グループの中には1人だけ優待者が存在すると説明したが、いち早く優待者を暴き出すことで第3、第4の結果が新たに現れる」

 

 私たちは一斉にプリントをひっくり返すと、そこには残りの2つが書かれていた。 

 

 

 以下の2つの結果に関してのみ、試験中24時間いつでも解答を受け付けるものとする。また試験終了後30分間も同じく解答を受け付けるがどちらの時間帯でも間違えばペナルティが発生する。

 

 

 ○結果3・優待者以外の者が、試験終了を待たずに答えを学校に告げ正解していた場合。

 答えた生徒の所属するクラスはクラスポイントを50ポイント得ると同時に、正解者にプライベートポイントを50万ポイント支給する。また優待者を見抜かれたクラスは逆にマイナス50クラスポイントのペナルティを受ける。及びこの時点でグループの試験は終了となる。なお優待者と同じクラスメイトが正解した場合、答えを無効とし試験は続行となる。

 

 ○結果4・優待者以外の者が、試験終了を待たずに答えを学校に告げ不正解だった場合。

 答えを間違えた生徒が所属するクラスはクラスポイントを50ポイント失うペナルティを受け、優待者はプライベートポイントを50万ポイント得ると同時に優待者の所属するクラスはクラスポイントを50ポイント得る。答えを間違えた時点でグループの試験は終了となる。なお優待者と同じクラスメイトが不正解した場合、答えを無効とし受け付けない。

 

 少しでもプライベートポイントをクラスで保有したいと考えれば、結果1に持っていくのが理想なんだけどね。

 

 クラスポイントを増やして継続的にプライベートポイントの供給を得るという手もあるし、BクラスをAクラスに上げるためにも求められるのは結果3だろう。

 

 結果1は龍園くんのグループに任せておけばいいとして、私はとりあえず優待者狩りに勤しむことにしようと思う。

 

「今回学校側は匿名性についても考慮している。試験終了時には各グループの結果とクラス単位でのポイント増減のみ発表する。つまり優待者や解答者の名前は公表しない。また、望めばポイントを振り込んだ仮IDを一時的に発行することや分割して受け取ることも可能だ。本人さえ黙っていれば試験後に発覚する恐れもない。もちろん隠す必要がなければ堂々とポイントを受け取っても構わん」

 

 みーちゃんは堂々とポイントを受け取るだろうけど、松下さんは絶対に仮IDを発行する気満々だろうね。

 

 実力を発揮して優待者を見つけようと動き出すとは考えにくいというのもあれば、そういうのを晒したがるタイプではないのを知っているから言えることなんだけど。

 

「3つ目、4つ目の結果は他の2つとは異なるものだ。よって裏面に記載した。以上を踏まえて今回の試験の説明は完了とする」

 

「ど、どうしよう。私自信ないよぅ…………」

 

「大丈夫だって。一之瀬さんならまず間違いなく優待者を見つけてくれるだろうしね。私たちはドンと構えてればいいと思う」

 

「あははは…………」 

 

 頼られるのは嬉しいんだけど、少し過信しすぎじゃないかな。

 

 大方の見当はついてるけどさ。

 

 まだ優待者に関する通知も来ていないのに、学校側に報告すわけにもいかないしね。

 

 禁止事項についても携帯を盗むのはダメ、脅迫行為での優待者の確認なども退学の処分を受けるということらしい。

 

 学校から送られるメールのコピー、削除、転送、改変なども厳禁。

 

 怪しいと思われる行為があれば、当然だけど学校側から徹底的な調査が行われる。

 

「君たちは明日から、午後1時、午後8時に指示された部屋に向かうように。当日は部屋の前にそれぞれのグループ名の書かれたプレートがかけられている。初顔合わせの際には室内で必ず自己紹介を行うように。室内に入ってから試験時間内の退室は基本的に認められていない。トイレ等は済ませておくように。万が一我慢できなかったり体調不良の場合にすぐに担任に申し出るようにしろ」

 

 真嶋先生の説明にもやっと終わりを向かえると同時に、私たちは退室を命じられた。

 

「一之瀬さんはどうするの? これから優待者についてとか、3人で色々と話し合いした方がよかったりするのかな」

 

「うーん。話し合いも大事だとは思うけど、今日は解散でもいいと思うよ。このグループの優待者がBクラスにいるかわかってからの方がやりやすいだろうし、具体的なことは明日に話してもいいんじゃないかな」

 

「わかった、じゃあ先に部屋に戻ってるね」

 

「帆波ちゃんまた後でね」

 

「うん。二人ともお疲れ様ー」

 

 みーちゃんたちに遅れて数分後に部屋を出る。

 

 作戦はもう終局まで想定して作ってあるし、後はミスなく勝利を勝ち取るだけ。

 

 明日が楽しみで今日は眠れるか心配だなぁ…………

 

 

 

 

 

 




サブタイトルを一難去ってまた一難としましたが、帆波の実力からすれば一難になっているかも怪しいです

鼠グループの編成については帆波(憑依)も考察している通り、完全に帆波を意識したものになっています(通称一之瀬包囲網)
同じBクラスにもそれっぽい人を入れたいと思い、松下を起用しました。
みーちゃんは8巻で同じグループだということで、ここでも一緒に出来たらと思ってのことです

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