1万文字は多くて書くのが大変なので。
基本1話3000~6000となります。14話までは書いてしまっているので飛び出していますが、その後は少し減らしめで。
それと最後のアンケート良ければ回答お願いします。
「皆ーー! 朝のSHRの時間だ! 席につけー!」
「ついてないのお前だけだぜ」
臨時休校があけて翌日、一昨日の話題で朝から持ち切りの教室では、もう見慣れつつある光景が繰り広げられていた。皆朝は自由にしているとはいえ相澤先生の厳しさを既に知っているので、時間になる前には席についている。そこに空回り気味の飯田が声をかけるというのがいつもの流れだ。
そんな中教室の扉が開き、相澤が入ってきた。
「おはよう」
「おはよーございまーす」
「おっす! おはようございます!」
昨日の襲撃事件において、単身ヴィランの集団とリーダー格数名と交戦していた相澤だが、オールマイトの救援が早かったことで特に大きな傷を負わずに済んでいる。むしろ後から来たオールマイトの方が、脳無と呼ばれた脳みそむき出しでくちばしのあるヴィランとの戦闘で重傷だった。
「一昨日の件、それぞれ感じるところがあっただろう」
教卓の前に立った相澤が語りだした言葉に、教室がシンと静まり返る。それぞれに、先日のヴィランとの戦いを思い出したのだ。オールマイトがかけつけるのが早かったとはいえ、それは相澤が戦っていた中央付近での話であり、その後他のヒーローが駆けつけるまで、生徒たちはそれぞれヴィランと戦闘していたのである。
「だが、あいにくゆっくりと振り返っている時間は無い」
「え?」
これから何かしら、教師としての言葉があるのだろうか、という予想を裏切る相澤の言葉に、呆けた声が誰からの口から出る。
「新しい戦いが迫ってる」
「戦い……!? まさかまたヴィランが!?」
「まだヴィランがいんのか!?」
ざわめく数名に、大鴉はしらっとした視線を向けないように努力した。
(雄英の教師が生徒にそんなもの予想してぶつけたりせんだろう。ここはあくまで常識的な教育機関だ)
「雄英体育祭が迫ってる」
「「「「「クソ学校っぽいの来たああ!!」」」」」
相澤の言葉に、生徒たちのボルテージが一気に上がる。彼らもヒーローの卵とはいえ高校生なので、そういう青春っぽいイベントなどには興味津々なのだ。
雄英体育祭。
一高校の体育祭ではあるが、そこには大規模な観客とテレビでの放映などが入る、現代のスポーツの祭典、オリンピックともいえる大イベントだ。
かつてスポーツの祭典として、肉体と、そして技術を磨き己を鍛え上げた者たちがスポーツでぶつかる舞台だったオリンピックは、超常黎明以降、人が定形を失い個体間で能力に大きな差異が生まれたことによってその価値を失った。才能や遺伝子の差はあれ、少なくとも生身の人間という平等なスタートラインがあった時代と比べて、個性によって人が異形や超人になりうる超常全盛期では、そもそもスタートラインもその成長力も全くもって変わってしまったのだ。
そしてそれに代わって、個性を使った大きな運動のイベントとして日本で放映されているのが『雄英体育祭』である。
そもそも日本では家庭外での個性の使用をヒーロー以外には全面的に禁止している。そのため、かつてあったスポーツを個性という新しい人間の身体能力に合わせてルールや形式を変えてプレーする、ということがそもそも出来ない。
そんな中で雄英体育祭は、雄英が日本一のヒーロー育成校であること、ヒーローという存在が、かつてのプロスポーツ選手にとって代わって、体の動きと個性によって魅せるエンターテインメントになっているということなどから注目を集め、またヒーローを育成するコースがある学校のイベントということでスポーツなどと違って個性の使用も肯定的に受け止められているため、オリンピックの代わりとなる一大イベントとして社会に認知されているのだ。
そしてこの『雄英体育祭』だが、かつてのスポーツの大会が観客にとってはエンタメだったが、スポーツ選手にとっては自分の実力を示しよりよい報酬、立場を得る場であったのと同様に、雄英生、特にヒーロー科には活躍に対してメリットがある。
(スカウト目的の視察、ね……上も見に来るらしいが、警察組織が個人事業か)
雄英体育祭はプロのヒーローも多数見に来る。その目的は、体育祭での活躍を通して生徒を見定め、自分の事務所に来て欲しいヒーローの卵をスカウトすることだ。活躍したものには多数のヒーロー事務所からスカウトが送られ、繋がりを持つことが出来る。そしてそこからヒーロー活動の見学である職場体験や実地研修であるインターン、更には卒業後の正式なサイドキックとしての就職にもつながる。ここでの活躍で将来が決まるといっても過言ではないのだ。
「今年は先日の襲撃も踏まえて、警備を例年の5倍に増やす。そこまでしてやるだけの価値が体育祭にはあるってことだ。年に1回……3年で3回だけのチャンス。ヒーロー目指すなら外せないイベントだ。しっかり準備はしておくように。以上」
相澤は盛り上がる生徒たちにしっかりと釘を刺して、話を締めくくった。
******
放課後。1-Aの教室前には多数の生徒が詰めかけていた。A組同様にヒーロー科であるB組の生徒だけでなく、普通科や経営化、サポート科の生徒もいる。その目的は、偵察、あるいは観察。体育祭というイベントの説明がされたことで、生徒たちが『特に台風の目になるであろう』A組を一斉に見に来た結果だ。
「やべ、ミスったはよ出とけばよかったわ」
「え? ああ、廊下か。確かに通るのも一苦労だね」
帰る支度をしつつ外を見た大鴉はそうぼやく。あまり急ぐキャラでもないので今日相澤から伝えられた体育祭についてなど雑談をしつつのんびりと支度をしていたが、そのせいで教室の外に他のクラスの生徒が詰めかけてしまったのである。
「うおおおお……何ごとだあ!?」
「出れねーじゃん! 何しに来たんだよ」
「敵情視察だろうがザコ。ヴィランの襲撃に耐え抜いた連中だ。戦いの前に見ときてえんだろ」
案の定、教室から出られない麗日や峰田が驚きの声を上げる。その中に特に気にすることなく爆豪が突っ込んでいき、詰めかけていた他クラスの生徒に向かって半ば暴言を吐いた。
「歪みねーなー爆豪」
「あはは……あれだけはっきり言えるのは、なんというか凄いよね」
教室の入り口付近で、出ていこうとしている爆豪やその暴言を止めようとする切島たち、それに他所のクラスから見に来た生徒たちのやり取りをぼうっと眺めつつ大鴉は内心呆れたため息を吐く。
(なんで今日になって押しかける、なんていう意味の無い選択肢になるのか。まだ宣戦布告とか言ってる普通科のやつはわかるんだけどな)
今日、この日。おそらく他のクラスでも教師による体育祭に関する告知があったのだろう。
その告知を受けてからしか、行動に移せない者たち。
あるいは、行動に移して、ここに見に来ることに果たして意味があるのか判断出来ない者たち。
いずれも、大鴉の思考からすれば未熟としかいえない。有名人に意味もなく群がるファンでもあるまいし、帰り際の支度をしている生徒の姿を見るだけで何の情報が得られるというのだろうか。
仮に、例えば入り口付近で今まさに行われている爆豪の他クラス生徒への暴言やその後のやり取りで性格や口調がわかったとして、それを得て何をしようというのだろうか。
もちろん、そうした情報を得ることで体育祭で優位に運ぼうとしているものもいるだろう。だが、それは断じて全員ではない、と大鴉は判断する。教室の前に詰めかけている生徒の大半は、ただなんとなく、『ヴィランの襲撃を退けた』という情報だけで、まるでヒーローに街中で駆け寄るように集まってきている。
「あほばっかかな」
「ん? 何か言った?」
「んやなんも」
大鴉が真面目に他クラス、特にB組を偵察するなら、まずは他クラスの戦闘訓練の映像も参考にしたいなどと言って相澤かオールマイト、それか話しやすくかつ許可が相澤よりは軽そうなミッドナイトやプレゼントマイクあたりにB組の戦闘訓練時の映像の視聴許可と、ついでに参考にしたいと個性把握テストの情報、あるいは学校に提出されている個性の一覧だけでも求めるだろう。
仮にそれがダメだったとして、次に行くのは放課後の演習場やトレーニングルームだ。そこを張っていれば、B組の生徒がトレーニングをしている場に行き当たるかもしれない。尤も、今現在のクラスの様子を見ると放課後に演習場の利用申請などを出してトレーニングをしている者はまだいないようなので可能性は薄いだろうが。
あるいは、直接B組と接点を持てる昼食に。入学してから数日食堂を利用しているが、その中でB組の生徒にも目星をつけている。A組の生徒としてB組が気になる、というだけでなく、大鴉の雄英における目的であるワン・フォー・オールの監視にも、どんな外見、能力、思想を持った人物が緑谷に接触しているか、あるいはしうるかという情報として必要となるので、特に同学年のB組の者を把握しておこうと注視していた。
そのため、席が空いていないので隣に座る、あるいは純粋に興味があったので、などと適当な理由をつけて接触することも可能だ。相手も、頭が切れそうなものや勘の良さそうなもの、思考を巡らせていそうなものではなく、A組で言えば上鳴や切島のような、よくも悪くも単純なメンツに絞って接触すれば疑われることもない。
「帰れるー?」
「ちょっと人は減った、かな? 筋トレ行きたいんだけどな」
「尾白行って『どかねえと俺の尻尾がうなりを上げるぜ!』って言ってきてよ」
「嫌だからな!?」
そんな、情報収集の知識云々以前に
その後、爆豪と他クラス生徒の言い合いで白けたのかあるいは爆豪に気圧されたのか、外にいる生徒の数が少なくなったのを見計らって尾白とともに教室を出る。特に目的地が同じというわけでもないが、互いにどこのグループに属すでもないのでなんとなく一緒にいることが増えているのである。
******
他のクラスメイトのようにトレーニングルームに行くことなく学校を出た大鴉だが、今日はまっすぐに家に帰らずに行く場所があった。
電車に乗って二駅、あまり大きくない駅で電車を降り、そこから徒歩で5分ほど。地方都市というのがまさに適当であろう街の通り沿いに、その建物はあった。
周りの建物となんら変わらぬ外観と、シンプルな看板には『ヤツガメクライミングジム』の文字。それが今日の大鴉の目的地だ。
入り口の自動ドアをくぐり中に入る。ドアの内部には、それほど広くないスペースに受付が一箇所。そしてその奥に大きな扉がついている。
「こんにちは。レッスンの予約をしていた大鴉なんですけど……」
「こんにちは。大鴉さんですね。はい、予約承っています。トレーナーを呼びますので少しお待ち下さい」
受付の女性がスマートフォンを操作する。普通社内の連絡には内線や放送などを使うのだろうが、小さな街のジムだからこそのアットホームさと言ったところだろうか。受付のあたりは最小限のスペースになっているようでベンチなどもなく、立って言われた通り待っていると奥の扉が開いて一人の男性が出てきた。
「こんにちは。大鴉さんですかね?」
「そうです。予約していた大鴉といいます」
「ようこそ、ヤツガメクライミングジムへ。私は当ジムのトレーナーをしている握田翔貴と言います。よろしくおねがいします」
「よろしくお願いします」
「それじゃあ、早速行きましょうか」
握田トレーナーに促されて、受付の奥に見える扉をくぐる。その先には、広い空間と、その壁面に取り付けられた無数の突起。ボルダリングやクライミングに使用されるクライミングホールドと呼ばれる色とりどりの突起物が、壁一面に取り付けられている。その壁自体も、ただ垂直なものだけでなく、様々な形で斜めになっていたり、張り出した大きなお椀型の形状になったりしている。
「それじゃあ、早速着替えて来てもらって、それからクライミングの勉強から始めましょうか」
「はい」
今日俺はここに、クライミングについて学びに来ていた。
******
更衣室で動きやすいようジャージに着替えて、握田さんの待つトレーニングルームに戻る。戻ると、隅の方の棚の前で握田が何やら道具の確認をしていた。
「大鴉くん、足の大きさはどれぐらいですか?」
「26センチです」
「26センチか……じゃあこれかな」
そう言って握田が持ってきたのは、薄いシューズのようなもの。
「これは?」
「ボルダリング用のシューズです。取り敢えずこれ履いてください」
言われたとおりにそれを履く。普段履いている靴と比べて遥かに軽く、また足にタイトにフィットする、特殊な靴だ。少しばかりつま先が詰まっている感じがする。
「ちょっと失礼……うん。それじゃあ、取り敢えずクライミングの基礎知識から話しましょうか」
足とシューズがあっているか触って確かめた握田は、小さく頷くと立ち上がって大鴉へと向き直った。
「と言っても、クライミング、ボルダリング自体はホールド、あの突起を掴んで壁を登る、という単純なものなので特に覚えないといけない知識はありません。それよりも、なぜ大鴉さんがボルダリングをしたいと感じたのかを、聞かせてください。それによって、私の教えるペースや内容も変化しますので」
「クライミングをやってみたいと思ったのは、あれです。俺今ヒーロー科に通ってるんですけど、自分に機動力がねえなってなったんですよね。それで、どうにかしてえなと思って」
「ヒーロー科! すごいですね。機動力、というのは?」
ヒーロー科、という言葉に、握田は純粋に驚いてみせる。世間一般からのヒーロー科に対するイメージはこんなものなのだろうか、と大鴉は思いつつ、自分がヒーローを目指す上で足りないと感じたものについて説明する。
「ヒーローって、街中でヴィランが暴れているときにすぐに行かないといけないじゃないすか。そんで高校の入試が、街の中で暴れているロボットを倒す、っていう試験だったんですけど、俺は普通に地面走ってくことしか出来なくて。あ、俺の個性、カラスと意思疎通が出来る、っていう身体能力とかには効果の無い個性なんすよ。そんで周りのやつら見てたら、足にエンジンがついてる個性の人とか、蛙みたいに跳躍力が凄い個性の人とかいて、それを見て、俺も今の、ただ道なりにしか走れないのじゃダメだなと思ったんすよ」
これはヒーローになるということを大鴉が真面目に考えてみて、自分には足りないと考えたところだ。ヒーローは、コスチュームとサポートアイテムはあるものの基本的に生身で街中をパトロールする。遠方でのヴィランに対して現地にかけつける際などには車を使うこともあるが、基本的には即応性というのがヒーローの強みだ。
それを考えたときに、機動力が常人なみでしかないというのは大きな弱みであると考えた。例えば、今現在日本のヒーローランキングでかなり上位にいるヒーローに、ホークスというヒーローがいる。彼は空を飛ぶことで高速の移動を可能とし、あっという間にヴィランが出現した場所にかけつけ、そして取り押さえる。
例えばそこに機動力が常人なみの、ただ走ることしか出来ないヒーローがいたとき、現地への到達速度は遥かに遅くなり、被害は拡大してしまう。
加えて、ヒーローという、正義の味方として目立つ必要がある職業を考えた時に、ただ地面を一般人並の速度で走ることしか出来ないのは、有り体に言えばダサいと思ったのだ。
他にも、市街でヴィランと戦闘になったときに、自由に飛び回るヴィランに対抗する術、立体方向への機動力というのも必要だ。
「なるほど……それで、なぜクライミングを?」
「最初はただクライミングだけじゃなくて、パルクールをやってみてえなって思って。あっ、パルクールってわかります?」
「あの街中を走って、前転とか飛び降りとかするやつですよね?」
「そうっす。そんな感じで、障害物とか建物とか飛び越えていけたらはやいなと思って。身体能力はこれから鍛えるんですけど、それを活かしてはやく移動する方法、みたいな」
そこで大鴉が考えついたのが、普通に走る程度の速度しかないなら、自由なルートを走れたほうが良いということだ。例えば街中で離れた場所に向かう時、建物を迂回するよりは上を超えることが出来たほうが速い。建物の高さにもよるが、二階建ての民家ぐらいなら間違いなくそうだろう。
「それ考えた時に、どうやって建物とか電柱登ろうか、って思って、色々調べてみたらボルダリングの人が、指先ぐらいしかないところに指2本とかでぶら下がってるのを見て、これ練習したいなって思って。そんでお願いしたって感じです」
「なるほど……ということは、ボルダリングやクライミングという競技ではなく、指先で小さな突起を掴んで登る技術に興味がある、ということですか?」
「だいたいそんな感じっすね。正直パルクール自体は、結構練習したら今の身体能力でも出来るのかなって思うんすよ。あれは訓練よりイメージだと思うんで。けどクライミングの指の鍛え方って、他の筋トレとかしてても鍛えられないじゃないですか。普通に鍛えてても、爪先ぐらいしかないところに指一本でぶら下がるようなことになりませんよね。なんで、それをちゃんと練習したいなと思ってきました」
大鴉の言葉を聞いた握田は、少し考え込む様子を見せる。
大鴉の求めるものは、はっきりと言えば、『指の鍛え方教えてくれ』という一言に集約されてしまう。ボルダリングジムでやるというよりは、一人でいかにトレーニングをするかになってくる。その中で、握田が教えられることはなにか。
少し考え込んだ握田は、顔を上げて大鴉の求めるものに対する返答を返した。
「それじゃあ、ジムでは指を鍛えることと、実際に小さな突起や様々な形状の場所に捕まる練習を主にしていきましょうか」
「あ、でも将来山とかを担当することを考えたら、普通にクライミングとかボルダリングの技術も欲しいなと思うんスけど、どうですかね」
「先程大鴉さんが言った通り、クライミングで一番困難なのが、クライミングをするに足る肉体、手や指先、柔軟性、体幹を鍛えることです。それをまずは重点的にやって、技術的なことは軽めにしておきましょう」
握田の説明に、大鴉は頭を下げる。
「それでお願いします」
「はい。指を鍛えるのについては家でできるトレーニングも教えるので、それも余裕があれば試してみてください」
大鴉がクライミングを練習したい理由について聞き終わった握田は、大鴉の現状がどれぐらいかを確かめるためにいくつかのホールドを掴ませ、ぶら下がれるか、ぶら下がれるとしたらどれぐらい自分を引き上げることが出来るかを確認する。
それが終わってようやく、本格的にホールドを掴む方法や力が入りやすい掴み方、摩擦がかかりやすい掴み方などを指導し、最後に少し残した時間で指のケアの方法などを教えていった。
飲み込みの良い生徒に握田は楽しそうに教え、大鴉もそれを楽しげに聞く。明確に言語化して理論的に、細かいところまで学びたい大鴉にとって、まだ大まかに体験する程度のことしかしていない学校のヒーロー基礎学の訓練はどこかしっくり来ないものだったのだ。
こういう場合はこうする、ああいう場合はああする。それを理論的に学び積み上げ、己の感性や勘、判断力をブラッシュアップするのが信条の大鴉にとって、一つ一つやってみて曖昧な反省ばかりのヒーロー基礎学はあまり好ましい学び方ではなかった。それをクラス全体でするぐらいならば、後から映像をもらって大鴉自身で分析をした方が効率いいと思う。まだヒーロー基礎学が始まったばかりなので仕方ない部分はあるかもしれないが、少し物足りない部分があるのは事実だった。
その点握田によるボルダリングの説明は、一つ一つ細かい説明があり、まだ学ぶ内容もひとまずは基本的な動作についてであり、それぞれに理屈などが明確にあって学びやすい。少し違う方法を取ると握田が理屈込でどのような状態か説明をしてくれるというのも、理論好きの大鴉にはありがたいことだった。
こうして、雄英体育祭までの2週間ほど、大鴉はほとんど毎日ヤツガメクライミングジムを訪れ、指周りを主に鍛えていった。
原作の描写、例えば体育祭なら緑谷が轟と決勝トーナメントで戦う試合を、主人公目線でリアルタイムで書くべきでしょうか。それとも、ダイジェストでどういうことがあって、主人公が何か気づいた事考えたことを軽く書けばいいでしょうか。どのあたりを本作に求められているのか知りたいです。というのも、体育祭を書いていて、主人公の試合よりも他の試合について尾白たちと話している場面が増えて書きづらいのでどうしたものかと。
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主人公周りだけでいい
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原作の内容を主人公目線で見たい
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主人公が何か気づきを得る場合など一部だけ