ディスカバリーのPVみてフワッと思い付いたやつ。
星のカービィ×Fateのクロス。
続かない。

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圧倒的…………!圧倒的見切り発車…………!
あらすじにも書いたけど続きません。


流れ星

 それは、一つの奇跡だった。元来、決して交わるはずの無い二つの世界。その二つの世界それぞれに生じたそれぞれの異常、それらの奇跡的な調和によって、天文学的な確率の元に二つの世界は繋がった。

 

 そしてその奇跡は、更に幾つもの奇跡を呼び寄せ、幾億もの奇跡を折り重ね、ある一つの存在をその世界へ喚び寄せた。

 

 それは星の奇跡。星の化身。純粋無垢の善意が、問答無用の救済を携えて、その世界へ舞い降りた。

 

 

 

 

 

────────────

 

 

 

 

 

「何よ、これ………」

 

 燃え盛る、見覚えの無い街並みを前に少女、オルガマリー・アニムスフィアは呻くように言葉を零した。節々が痛むのを感じながらもどうにか立ち上がった彼女は、その地獄としか形容出来ない状況を前に一瞬の内にパニックに陥った。

 

「何よ!何なのよこれは!!レフ!ねぇどこにいるのよレフ!!」

 

 自身が最も信を置く男の名を呼びながら、彼女は無意味に喚き続ける。そしてその声が、この地を徘徊する魑魅魍魎の群れを呼び寄せた。

 スケルトン。単体であれば彼女でも容易に捩じ伏せ得るその存在だが、彼女の前に現れたのは数十体の群れだった。それらはカタカタと音を鳴らし、目の前の獲物(オルガマリー)に狙いを付けた。弓を、剣を、槍を構えた骸の群れに、彼女はただ悲鳴を洩らすことしか出来ない。

 

「い、や……!」

 

 身を竦ませ、立ち上がることすらままならない状況で、彼女はただ襲い来るであろう痛みに身構え、目を瞑った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 まぁ、そんな有り触れた絶望を彼が見逃すはずも無い。

 

 一体のスケルトンやったが矢を放った直後、凄まじい勢いの吸引音がその場に鳴り響く。その音が収まった後、「ごっきゅん」という何かを呑み込む音が、オルガマリーの耳に響いた。

 

「え?」

 

 疑問の声と共に目を開いた彼女が見たのは、バスケットボール程の大きさのピンクの球体に手足が生えた謎の生命体だった。()()は頭に青い羽根付き帽子を被り、その手(?)に星の装飾が施された弓を携えていた。

 

「ふっ!!」

 

 力を込めるような声と共に、彼はどこからとも無く現れた矢を弓に番え、凄まじい速度で連射した。一撃一撃がスケルトンの頭部を貫き穿ち、一分と経たず彼はスケルトンを一掃した。

 

「…………は?」

 

 いくらスケルトンとはいえ、それらをものの数十秒で片付ける目の前の生命体に、オルガマリーの脳が停止する。しかし彼が振り返り、彼女の方へ目を向けた事で、彼女の脳は再び活動を開始した。言ってしまえば、先程のスケルトンを超える脅威が現れたと言っても良いのだ。しかし再び怯えを顕にした彼女を、彼は危害を加えるでもなく不思議そうな顔で首(………首?)を傾げながら見上げるだけで何もしない。

 やがて、ようやく彼が自身に危害を加える存在では無い事に気が付いた彼女は未だ理解の追い付かない頭で素朴な疑問を零した。

 

「あなたは………」

 

 そこに込められた疑問は彼が"何なのか"というもの。オルガマリーの知る如何なるものにも該当しない目の前の生命体への疑問だ。しかし、彼はそれを名前を問われたのだと解釈した。

 片手を上げ、笑顔を浮かべて彼は己の名を告げた。

 

「カービィ!」

 

 斯くして、奇跡は舞い降りた。

 

 

 

 

 

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「…………」

 

 カービィとの邂逅の後、十数分後のこと。オルガマリーは理解を放棄した。

 自身の前で元気に跳び回るピンク玉は、結論から言えば(本人も理解しているかは怪しいが)サーヴァントだった。その奇っ怪な見た目からは想像も出来ない戦闘能力を発揮する彼に、彼女は理解を早々に諦め、その助けに身を任せることとしていた。

 清々しい程の無垢さと、悪意のないその姿に毒気を抜かれたとも言える。

 

(異様に強いわね………)

 

 とはいえ、ある程度の冷静さを取り戻した彼女は警戒も怠ってはいない。その馬鹿げた戦闘技能は驚異的と言わざるを得なかった。その一撃の破壊力は正にサーヴァントのもの。しかし凡そあらゆる生物の枠組みから外れたカービィに、オルガマリーは疑問を深め続けていた。

 

(クラスは、さすがにアーチャーよね)

 

 これだけの腕前でアーチャーじゃない訳がない。と彼女が考えている時だった。

 

ドオォォン!!

 

 そんな轟音が鳴り響いた。何事かとそちらに目を向け、そこで迸る魔力の流れを見て怖気付いたオルガマリーは、一応自身の指示に従っているカービィに退却を命じようとして、

 

「ちょっ!?」

 

 それよりも先に爆心地へ向けて走り出したカービィの姿が視界に入った。

 

「ま、待ちなさい!!」

 

 小心者故に、本能的にカービィから離れるのが一番危険であると察知したオルガマリーは慌てて彼を追い掛ける。身体が小さく身軽なカービィは瓦礫だろうがなんだろうがピョンピョンと飛び越えて行くが彼女はそうは行かない。

 しばらくして、魔術で身体機能を強化するなどして何とか瓦礫をよじ登った彼女が見たのは、自身の話をガン無視して爆睡をかました生意気な一般人(藤丸立香)と、その傍でどういう訳かデミ・サーヴァントとして立つマシュ・キリエライト、そして敵をボコボコにするカービィと、カービィの姿を見て困惑して棒立ちとなったキャスターと思わしきサーヴァントの姿だった。

 

「…………もう意味が分からないわ…………」

 

 その言葉と共に、オルガマリーは諦めの境地に至ったのだった。

 

 

 



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