インフィニット・ストラトスの世界に、仮面ライダーセイバーの力を持って転生した男がいた。
しかし、この転生者が原因でこのままではこの世界は破滅へと向かってしまう。
その為、神は別の青年にこの転生者を止めるように頼み、青年はそれを了承する。
そうして、その青年は仮面ライダーカリバーを力を持って、この世界を守るために戦う。

とある転生した闇の剣士が、破滅の未来を変える物語。
これは、それのほんの1ページ

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ボンヌ・レクチュール!
私はZZZ777、作者さ。
なんとなく思い付いたシリーズ第四弾なんだけど、結構グダグダになっちゃった。
それでも頑張ったから、最後まで読んでくれると嬉しいな♪

※この作品は読み切りです


IS 闇の剣士転生物語

白い。

上も、下も、何処までもただただ真っ白い空間。

そんな空間に、1人の青年が横たわっていた。

 

 

「ん、ぁあ……?」

 

 

その青年は頭痛を感じ、頭を押さえながら上体を起こす。

暫くは謎の頭痛により周囲を見る余裕が無かったが、やがてそれが引いて行くと周囲の異様さに気が付いた。

 

 

「っ!?!?ど、何処だ此処!?」

 

 

青年は立ち上がりあたりの様子を見まわしそう驚愕の声を発する。

今までの人生で見たことが無い風景。

しかも、そんな場所に横たわっていたのだ。

驚愕しない訳が無い。

 

 

「俺って、此処に来る前何してたっけ…?」

 

 

青年はそう呟くと、記憶を掘り返すように目を伏せ思考を巡らせる。

 

 

「えっと、朝起きて、ご飯食べて、リバイス見て、その後買い物に出かけて……!!」

 

 

自分の行動を声に出しながら振り返っていた青年は思い出した。

此処に来る前の最後の記憶を。

 

 

「足を滑らせて階段から落ちたんだ…」

 

 

青年は呆然と呟いた。

 

 

「…じゃあ、此処は何処だ?病院じゃ無いだろうし……よくあり過ぎる転生モノで神様とかと会うところか?ははは、そんなわきゃ無」

 

 

『正解です』

 

 

「はぇ?」

 

 

急に聞こえてきた自分以外の声に青年は間抜けな声を発する。

そうしてその声が聞こえてきた方向に振り返る。

 

 

「えぇぇえ!?」

 

 

先程まで誰もいなかった筈のその空間には、沢山の人達がいた。

男女などの性別は問わず、それも年齢幅も広い。

見た目感じで言うと、1番下はまだ5歳児くらいで、1番上は90歳を超えているであろう老人だった。

青年が驚いた理由は、そんないろいろな人達が何時の間にかそこにいたから……だけでは無かった。

 

 

「は、羽!?」

 

 

そう、その全員がこの空間と同じ真っ白な服に身を包み、背中にはこれまた白い羽が生えていたからだ。

青年が呆然としたような表情でその集団の事を見ていると、1人の女性が青年に向かって歩み寄っていく。

 

 

『初めまして。私は転生を管理する神です』

 

 

「か、神様?え?は?え?」

 

 

その女性…神の言葉を聞いた青年は困惑したかのような声を出す。

急に目の前に現れて自分は神だと言われたら、困惑するか小馬鹿にするかの2択だろう。

しかし、次第に青年は納得していった。

目の前の神から感じられるオーラが、納得せざるを得なかったのだ。

 

 

「それで、その神様がいったい何の用…というよりも、そもそも俺は死んだんですか?」

 

 

『はい。残念ながら貴方は死亡しました。先程思い出しておられましたが、死因は階段からの転落死です』

 

 

神の言葉を聞いた青年は悲しそうな表情を浮かべるも、直ぐに頭を振り表情を切り返る。

そんな様子を見た神は驚いたような表情を浮かべる。

 

 

『取り乱したりしないんですね』

 

 

「喚いたって、死んだっていう事実は変わらないでしょう?…リバイス最後まで見れないのは悔しいけど」

 

 

青年は仮面ライダーシリーズが大好きである。

その中でも、仮面ライダーカリバーが1番のお気に入りである。

 

 

『…ふふっ、強いですね』

 

 

「それで、俺はこれからどうなるんですか?天国に行け…あ、裁判あるんでしたっけ?」

 

 

青年がそういうと、神は目を細める。

そんな神の様子に青年が首を傾げると、神はその場で頭を下げる。

 

 

『お願いします。私達を助けて下さい』

 

 

「………はいぃ?」

 

 

青年は困惑したような表情を浮かべる。

神は1度頭を上げると説明をし始めた。

神は転生の管理者ではあるが、人間個人個人を転生させるのは部下の神も行う事。

そんな中、この間研修神が1人の男を転生させた事。

転生させた先の世界は、インフィニット・ストラトスの世界。

そして、その男は転生特典として仮面ライダーセイバーの力を得た事。

 

 

「はぁ…まぁ、二次創作で良く聞いたような感じですね…あ、でもファンタジー要素が強いセイバーをIS世界に持っていくっていうのは珍しい気が…そんなにセイバーが好きなのかな?」

 

 

『……実は、その転生者が問題なのです』

 

 

青年の漏らした感想に、神はそう反応すると続きを話し始める。

転生者に選ばれるには前世での行動1つ1つが吟味されたうえで決定される

しかし、転生させた研修神のミスで今回転生させてしまった転生者は暴力、無職、ギャンブル好き、アルコール好きで女遊びしまくりのただの社会のゴミクズだった。

 

 

「そんなゴミが、セイバーの…仮面ライダーの力を…?」

 

 

青年はそう呟くと拳を強く握り込む。

1人のライダーファンとして、それが許せなかった。

物語の中には当然ヘイトを買うキャラは存在する。

しかし、セイバーは主人公…つまり、ヒーローである。

ヒーローの力を得た人間がゴミクズだという事を、青年はただただ許せなかった。

 

 

『しかも、それだけではありません。この男、如何やら碌に仮面ライダーシリーズは見ていなかったようです。なんとなく強い力との事で、適当に聞いた仮面ライダーの名前を言ったようです』

 

 

「なっ…!?」

 

 

神のその言葉を聞いた青年は更に驚きの表情を浮かべる。

まさか、そんなふざけた理由でセイバーを選んだとは思わなかったからだ。

だけど、同時に何処か安心もした。

仮面ライダーファンがそんなゴミクズになる訳が無いと信じていたからである。

 

 

『これだけでしたら、まだ幾分かマシだったかもしれません。しかし、事態はこれだけでは収まりません。このまま放っておくと、あの世界は破滅してしまいます』

 

 

「えっ?」

 

 

神から発せられた衝撃的過ぎる言葉に、青年の思考は固まった。

 

 

『このまま転生者があの世界で過ごしていると、やがてあの世界の本来の主人公である織斑一夏君が殺されてしまいます』

 

 

「っ!そうか!本来のシナリオ以外の場所で主人公が死んでしまうと……!!」

 

 

『はい、その世界は破滅します』

 

 

青年は今度は奥歯を噛み締めた。

物語を紡ぎ、未来を作ったセイバーの力で、世界を破滅させようとしている。

その事が許せなかった。

 

 

『そこで、貴方にして頂きたい事があります。その世界に転生して、転生者を止める…具体的に言えば、セイバーの力を回収してください』

 

 

「………へぇ!?」

 

 

急に言われた事で青年の思考はショートしたが、やがて大声で叫ぶ。

 

 

「え、へ?転生者を消すなら、それこそ神様のなんか凄い力でパパっと…」

 

 

『それは出来ません。1度転生させたものをもう1度我々で殺した場合、その世界へ多大な負担が掛かります。それこそ、破滅してしまうほどに。そうなったら本末転倒です』

 

 

「だから、もう1人転生させて、そいつに回収してもらうしかないと?」

 

 

『そういう事です』

 

 

神の言葉を聞いた青年は、表情を少し重たいものにする。

 

 

「……事情は理解できました。でも、なんで俺なんですか?俺以外に相応しい人はいっぱい…」

 

 

『いえ、貴方にしか頼めません』

 

 

「…理由を聞いても?」

 

 

『先ず第一に、転生…つまりは生まれ変わります。つまり、前世での身体能力は関係ありません。大事なのは、精神、そして想いです』

 

 

「精神と、想い…」

 

 

『自分が死んだというのに、動揺しなかった。今起こっている事を聞いて、自分事のように思える。突拍子もない事を聞いて、直ぐに受け入れ、状況を把握できる。そして……』

 

 

「そして?」

 

 

神の言葉を復唱した青年に向かって、神は微笑みながら言葉を発する。

 

 

『仮面ライダーシリーズを応援する、とても純粋な心。このように精神が整っている人はなかなかいません』

 

 

「……」

 

 

神の言葉を聞いた青年は黙る。

 

 

『無論、とても大変で、苦しい事をお願いしています。断って頂いても構いません。ですが、どうか私達に力を貸してください。お願いします』

 

 

『『『お願いします』』』

 

 

後ろに控えたいた者たちも、神と同時に頭を下げる。

青年は暫くの間その光景を見ていたが、やがて息を吐いた。

その表情は、覚悟が決まったものだった。

 

 

「…分かりました。お引き受けします」

 

 

『…!!ありがとうございます!!』

 

 

青年の言葉に、神は笑顔を浮かべながら顔を上げる。

 

 

『では、貴方にも転生特典を授けます。しかし、余りにも大量に特典を与えてしまうと世界が破滅へと向かってしまいます。多くて2つが限界です』

 

 

「2つ…なら、身体能力は自分で如何にかするしか無いな…」

 

 

神に言われ、青年は考え込むように顎に手を置く。

そして数分後。

 

 

「先ず1つ目は転生先は篠ノ之束の実家の近くでお願いします。年は2人より1つか2つ上で。仲良くなるのは自分で頑張ります」

 

 

一先ず、ISの世界で不自由なく動くにはこの2人と関係を持っておきたい。

そういう事だろう。

千冬は兎も角束とも自分で仲良くなろうとするのはなかなかハードだが、仲良くなる保証を付けると世界への負担が大きいと判断した。

そんな青年の考えを理解したように、神は頷く。

 

 

(2つ目は…悩むまでもないか。あるじゃないか。こんな状況にピッタリなものが)

 

 

2つ目は、青年は半ばもう決めていた。

セイバーの力を…火炎剣烈火とWRB(ワンダーライドブック)を回収する。

それなら、これしかない。

そう思える、自身のお気に入りの仮面ライダーが。

 

 

「…俺に、邪剣カリバードライバーと必冊ホルダー、ジャアクドラゴンとジャオウドラゴンと必殺技用のWRB、そして、闇黒剣月闇を下さい」

 

 

『……なるほど、分かりました。しかし、ジャオウドラゴン初めはブランク状態です。問題ないですか?』

 

「はい」

 

 

青年の言葉を聞いた神は頷き、青年に右手を向ける。

その瞬間に、青年の身体が光り始めた。

 

 

『では、早速で申し訳ないのですが、お願いします。我々の後始末を押し付けてしまい、申し訳ありません』

 

 

「いえ、大丈夫ですよ」

 

 

青年は最後に、決意の表情でこういう。

 

 

「…破滅の未来は、俺が変えます」

 

 

『……はい、お願いします』

 

 

神のその声を聞いてから、青年は破滅の未来を変えるために転生した。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

(た、助けてぇ!!)

 

 

転生した青年が生まれてから25年が経った4月のとある日。

この日は、IS学園の入学式の日である。

IS学園1年1組の教室、此処ではとある生徒が心の中で悲鳴を上げていた。

その生徒の名前は織斑一夏。

女性しか動かせないはずのISを男子ながら動かしてしまいIS学園に半ば強制入学となった学園に2()()しかいない男子生徒の1人である。

 

そんな一夏が悲鳴を上げている理由。

それはこのクラスが自分ともう1人以外の男子生徒以外全員女子だからである。

今は教壇に立っている担任教諭に視線が集まっているものの、先程までは視線でめった刺しにされていたのだ。

悲鳴も上げたくなる。

 

 

「さて諸君。私がこのクラスの担任の織斑千冬だ。君たちの様な未熟な者を一年で成長させるのが私の仕事だ。私の言う事にはYesかはいで答えろ。いいな」

 

 

(千冬姉!助けて!そんな軍隊みたいなこと言ってないでさぁ!!)

 

 

教壇に立っている担当教諭、彼女は一夏の姉にしてIS世界最強の織斑千冬。

そんな千冬に一夏は助けを求めるも、心の中の声が聞こえるはずが無い為千冬は無視して話を続ける。

 

 

そんな一夏を教室の最後尾の列から笑みを浮かべているもう1人の男子生徒。

彼の名は江川冬至。

青年が転生する理由となった転生者(ゴミクズ)である。

 

 

(あれが一夏…待ってろ、直ぐにでもてめぇをぶっ殺してやる。そうして、この世界で俺はハーレムを作って、好き放題するんだ!!)

 

 

冬至は他人に見せられないような下種な笑みを浮かべる。

そんな冬至の笑みは、教壇に立っている千冬には見えていた。

千冬は内心嫌悪感を覚えつつも話を続ける。

 

 

そうして話も終わりという時、教室の扉がノックされる。

 

 

『すみません、挨拶回りに来ました』

 

 

そして、扉の向こうからそんな声が聞こえてくる。

その声はIS学園では珍しい男の声だった。

 

 

「はい、丁度話も終わってます。どうぞ」

 

 

千冬が丁寧な感じでそう言うと教室の扉が開き1人の男が入って来る。

黒いスーツを着用し、優しそうな笑みを浮かべた黒髪黒目のイケメン。

その男は千冬がスッと退いた教壇に立ち、自己紹介を開始する。

 

 

「初めまして!今年からIS学園の教員になりました、冨加宮(ふかみや)悠人(ゆうと)です。担当科目は国語、現代文で今年は1年生を担当する事になってます。好きな食べ物はエクレアです。この度男子生徒2人と同様、ISを動かせると判明したため転勤になりました。みなさんと同様、まだまだ慣れない事も多いので一緒に成長出来たらと思います。よろしくお願いします!」

 

 

その男…教員の悠人は最後にニコッと笑みを浮かべる。

 

 

『キャアアアアアア!!』

 

 

「い、イケメン!」

 

 

「格好いい!」

 

 

「ああ!私達を調教してぇ~!!」

 

 

「んん!静かに!」

 

 

『はい!」

 

 

悠人の自己紹介に対して生徒達が騒ぐも、千冬の一喝で直ぐに静かになる。

 

 

「全く、先輩に調教されるのは私…ゴホン!ゴホン!」

 

 

千冬は思わず心に秘めた願望が漏れ出てしまうが、直ぐに咳ばらいをする。

呟きを聞き取れなかった悠人をはじめとした他の人達は首を捻る。

悠人は千冬が嘗て通っていた剣道場の近くに住む、千冬の1歳年上の先輩である。

同じ学校で良く顔を合わせる機会もあったので時間を物凄い掛けてだが仲が良くなった。

その上剣道場の娘でありISの開発者である千冬の親友や、それぞれの弟と妹とも仲がいい。

千冬とその親友は悠人に恋心を抱いており、悠人はそれになんとなく気が付いているもののあえてスルーしている。

あえて。

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

ここで、HR終了を知らせるチャイムが鳴り響く。

IS学園はISを学ぶ関係上なんと入学式の日から授業がある。

つまりは、この後授業なのだ。

 

 

「おっと…じゃあ俺は帰ります。あ、そうだ。その前に、一夏、お前に教師としてじゃなく近所の兄ちゃんとしていう事がある」

 

 

「なんですか?」

 

 

(ゆ、悠人さ~ん!!助けて!!)

 

 

一夏は心の中で悠人にヘルプを出す。

そんな一夏の内心を知ってか知らずか悠人は優しい笑顔を浮かべると一夏の頭を撫でる。

 

 

「男が少なくて大変だとは思うが、頑張ろう。覚悟を超えた先に?」

 

 

「…希望はある!ですよね」

 

 

一夏と悠人は笑い合う。

そんな2人を見てクラスメイト達は温かいものを見るような表情を浮かべ、千冬は羨ましそうな表情を浮かべる。

そうして悠人が教室を出る際、一瞬、千冬でも分からない程一瞬だけギロリととある生徒の事を睨む。

 

 

「っ!?」

 

 

その生徒とは、悠人が現れてからずっと困惑したような表情を浮かべている冬至だった。

 

 

(お前の好きには、絶対にさせない)

 

 

悠人は心の中でそう呟くと、教室から出て行くのだった。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

入学式の日から暫くたった4月末のある日。

この間に1年1組ではクラス代表を決定するための模擬戦が行われ、冬至がクラス代表になった…

なってしまった。

その後に2組に一夏の知り合いである少女、凰鈴音が転校してきて2組のクラス代表になった。

 

 

IS学園では、今まさにクラス対抗戦が開催されていた。

クラス対抗戦とは、各々のクラス代表がデザートフリーパスを掛けた模擬戦を行うという催し。

IS学園第一アリーナでは1組対2組…冬至対鈴が行われている。

 

 

「一夏があのカスに負けたのにはイラついたが、まぁ正直こっちの方が都合が良いか…」

 

 

そんな中、悠人は1人アリーナの陰に隠れるように立ちそう呟いていた。

今日の悠人の仕事は事務作業(授業プリントの作成等)であり、それをこの日の為に先回りして終わらせ、このフリーな時間を作ったのである。

 

 

「……あの日、この世界に来ると覚悟を決めた時。正直あまり実感が無かった。ただ、漠然とこの世界を守るって思ってた。でも、今は違う。25年生きた。千冬や一夏、束に箒……みんなと関わった。だから。今改めて誓おう」

 

 

悠人はそう言うと、紫、金、ガンメタでノコギリのようなギザギザの刃を持つ剣…『闇黒剣月闇(あんこくけんくらやみ)』を持っている右手に力を籠める。

 

 

「破滅の未来は、俺が変える!!」

 

 

その言葉と同時に、左手で紫色で表紙に仮面をつけた竜が描かれている小さい本のようなもの…『ジャアクドラゴンWRB』を取り出し、ページを開く。

 

 

《ジャアクドラゴン!》

 

 

《かつて、世界を包み込んだ暗闇を生んだのはたった1体の神獣だった…》

 

 

ページを閉じ月闇の刃である『ゴルドスレイブ』の下部にある速読器、『ジャガンリーダー』でジャアクドラゴンWRBをリードする。

 

 

《ジャアクリード!》

 

 

その瞬間に、辺りにおどろおどろしい待機音が流れる。

ジャアクドラゴンWRBを腰に装着されているベルト、『邪剣カリバードライバー』のバックル部分にある『カリバードライバーシェルフ』に装填する。

右手だけで持っていた月闇を両手で持つ。

そして、大きく息を吸い、叫ぶ。

その言葉を。

 

 

「変身!!」

 

 

カリバードライバー上部の始動装置『ライドインテグレター』を月闇の柄である『エングレイブヒルト』の末端に備えられた打突器で打ち込む。

 

 

《闇黒剣月闇!!》

 

 

その瞬間に、カリバードライバーに装填されているものと、悠人の背後に出現した巨大なジャアクドラゴンWRBが同時に変身ページを開く。

 

 

《Get go under conquer than get keen.(月光!暗黒!斬撃!)》

 

 

ゴルドスレイブと悠人の身体の事を闇のエネルギーが包み込む。

悠人は月闇を頭上に掲げ、振り下ろす。

それと同時に背後の巨大なジャアクドラゴンWRBから紫の竜が出現し悠人を中心に回転しながら飛行し、エネルギーと共に甲冑である『ソードローブ』を『カリバードライバーベルト』から展開する。

 

 

《ジャアクドラゴン!!》

 

 

そうして、その場には紫と銀の鎧を身に纏う闇の剣士…仮面ライダーカリバーがいた。

 

 

《月闇翻訳!光を奪いし漆黒の剣が、冷酷無情に暗黒竜を支配する!》

 

 

『ん、んん…こんな感じで良いか…』

 

 

そう喋るカリバーの声は、悠人のものではなくノイズが掛かったような声だった。

物陰から出たカリバーはアリーナの上空を見つめる。

そこには、遠くの方から飛行してくる1機の機械的なIS…無人機であるゴーレムがいた。

 

 

『束…悪いな。私の目的の為、お前のプライドはへし折らさせてもらう!』

 

 

カリバーはそう言うと月闇をカリバードライバーの両腰に装着されている必冊ホルダーの左側に納刀しトリガーを引く。

 

 

《月闇居合!》

 

 

そして、迫ってきているゴーレムに向かって抜刀する。

 

 

《読後一閃!》

 

 

月闇に紫色のエネルギーが収束し、ISに向かって振るうと同時に巨大な闇の斬撃を飛ばす。

その斬撃はゴーレムへとぶつかり、一撃でゴーレムは爆発した。

 

 

ドガァアアアアアアアン!!

 

 

「っ!?」

 

 

「な、なんだ!?」

 

 

その爆発音は、第一アリーナにも当然届いていた。

今まさに戦闘を行っていた2人…自身の専用機である甲龍を展開している鈴と、冬至が変身した仮面ライダーセイバー ドラゴンイーグルは咄嗟に動きを止め、爆発音が聞こえてきた方向に視線を向ける。

観客たちも急に聞こえてきた爆発音にざわつはじめる。

 

 

「い、いったい何が…」

 

 

鈴がそう呟いた、その瞬間だった。

 

 

ドガァアアアアン!!

 

 

アリーナのシールドを突き破り、何かがアリーナに落下してきた。

再び爆発音が鳴り、アリーナに土煙が発生する。

そうして、土煙が晴れて行きその場に落下してきたものを視認出来るようになる。

 

 

『……』

 

 

落下してきたもの…カリバーは膝をついた体勢から立ち上がる。

 

 

「「「ギャアアアアアアア!?!?」」」

 

 

カリバーの姿を見た観客達は悲鳴を上げ慌てて逃げ始める。

 

 

「なっ!?なによアンタ!!」

 

 

鈴が焦りながらそう声を発する。

 

 

『私の名は仮面ライダーカリバー。セイバー、貴様の火炎剣烈火とWRBを渡して貰おう』

 

 

カリバーは必冊ホルダーに納刀されていた月闇を抜刀し地面に突き立てる。

その瞬間に、月闇を起点としてアリーナに結界が張られる。

 

 

『これで、貴様らの脱出も他人の乱入も不可能だ』

 

 

カリバーはそう言うとセイバーに向かって歩んでいく。

 

 

「何訳の分からない事を言ってるのよ!!」

 

 

「あ、ちょ、待って!!」

 

 

鈴はその両手に巨大な青龍刀である『双天牙月』を2本展開しカリバーに向かって行く。

カリバーは自身に向かって振られた2本の双天牙月を月闇で受ける。

 

 

(鈴…悪いな)

 

 

『凰鈴音。私はお前に用は無い。眠っていてもらおう』

 

 

ガキィン!!

 

 

「なぁっ!?」

 

 

カリバーは腕に力を籠め双天牙月を同時に折る。

鈴が驚いている隙に足を上げる。

 

 

『フンッ!!』

 

 

「ガハッ…!!」

 

 

鈴の腹に蹴りを入れる。

そのままアリーナの壁際まで吹き飛んだ鈴は、衝撃に耐えられず気絶した。

 

 

「っ!てめぇ!!」

 

 

セイバーは怒りの声を発しカリバーに切り掛かる。

 

 

(弱い…烈火の振り方も、体重の乗せ方もなってない…こんな奴が、烈火を、セイバーを…!!)

 

 

セイバーからの攻撃を月闇で逸らしながらカリバーはそんな事を考える。

 

 

『ハァア!!』

 

 

「グァア!!」

 

 

月闇でセイバーの事を切り裂く。

 

 

「クソッ!こうなったら!!」

 

 

セイバーはそう言うと右側の必冊ホルダーから1冊のWRBを取り出す。

 

 

《ジャッ君と土豆の木!》

 

 

そして、その手に持つ烈火を腰の『聖剣ソードライバー』に納刀し、ページを開く。

 

 

《とある少年がふと手に入れたお豆が、巨大な木となる不思議な話…》

 

 

ソードライバーに既に装填されている2冊のWRB…『ブレイブドラゴン』と『ストームイーグル』のページを閉じ、ジャッ君と土豆の木を装填すし、抜刀する。

 

 

《烈火抜刀!》

 

 

《竜巻ドラゴンイーグル!増冊!ジャックと豆の木!烈火二冊!荒ぶる空の翼龍が獄炎を纏い、あらゆるものを焼き尽くす!》

 

 

仮面ライダーセイバー ドラゴンイーグルジャッ君へとなったセイバーは腕の『インタングルガント』から『土豆』を弾丸のようにカリバーに発射する。

しかし、カリバーは月闇で土豆を弾き続ける。

 

 

『弱いな』

 

 

「なんだと!?このぉ!!」

 

 

カリバーの言葉を聞いたセイバーはそう言い、烈火を持ってカリバーに切り掛かっていく。

 

 

(精神面も未熟か…)

 

 

そんな事を考えながらしっかりと月闇で受ける。

 

 

『火炎剣烈火とWRBを渡せ』

 

 

「黙れ!何が目的だ!」

 

 

『言っているだろう?回収だ』

 

 

セイバーとカリバーは鍔迫り合いしながらそんな会話をする。

すると、ソードライバーのブレイブドラゴンWRBとカリバードライバーのジャアクドラゴンWRBがまるで共鳴をするように光りだす。

 

 

「なっ、なんだ!?」

 

 

(アヴァロンへの光…如何やらキングオブアーサーは持っていない様だな)

 

 

『はぁ!!』

 

 

「ぐぁっ!?」

 

 

光に驚いたセイバーはカリバーからの攻撃をそのまま受けてしまう。

そのままカリバーからの攻撃の勢いは衰えず、セイバーは追い詰められる。

 

 

「く、ぅう…!!」

 

 

カリバーはカリバードライバーに装填されているジャアクドラゴンWRBを取り出し、ジャガンリーダーに深くリードさせる。

 

 

《必殺リード!ジャアクドラゴン!》

 

 

カリバードライバーにWRBを戻すと同時にトリガーを引く。

 

 

《月闇必殺撃!習得一閃!》

 

 

『ハァ!!』

 

 

月闇を振るい、2枚の紫色のエネルギー刃を飛ばす。

エネルギー刃は途中でX字に合体し、回転しながら向かっていく。

 

 

「ぐ、がぁあああああああ!!」

 

 

避ける事の叶わなかったセイバーはその攻撃を受け大きく吹き飛ぶ。

それと同時にセードライバーからジャッ君と土豆の木WRBが落ち、セイバーはドラゴンイーグルへと戻る。

 

 

(そろそろ撤退するか…この結界が零落白夜で切り裂けるかは分からないが、万が一出来た場合千冬と交戦する可能性になる。そうなったら面倒だ)

 

 

そんな事を考えながらカリバーはジャッ君と土豆の木を回収し、ジャガンリーダーにリードさせる。

 

 

《必殺リード!ジャアクな豆の木!》

 

 

『今日はここで引いてやろう。だが、必ず火炎剣烈火とWRBを回収する』

 

 

《月闇必殺撃!習得一閃!》

 

 

『ハァア!』

 

 

月闇を振るうと同時に紫のエネルギーに包まれた豆のツルが出現し、セイバーの事を地面に叩き付ける。

 

 

「うわぁああああああああ!!!!」

 

 

セイバーは悲鳴を上げると同時に強制変身解除される。

そんな様子を見ながらジャッ君と土豆の木WRBを右側の必冊ホルダーに仕舞ったカリバーは空間を切り裂く。

そこに生じた闇を通りカリバーはアリーナから撤退した。

それと同時にアリーナの結界が消滅し、訓練機を纏った教員達が突入してきた。

しかし、もうそこにはカリバーはいない為気絶した鈴と冬至を保健室に搬送する事しか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ…こんなものか…」

 

 

アリーナの近く。

先程悠人が変身した場所に闇の中から変身を解除した悠人が現れた。

 

 

「あのカスは、3冊使ったが恐らく反動なんて無いんだろうな…」

 

 

そう呟いた悠人はジャアクドラゴンWRBの事を見つめる。

 

 

「一先ずはキングオブアーサーだ。その上で烈火を回収する。出来ればドラゴニックナイトになる前にな…」

 

 

ジャアクドラゴンWRBを仕舞う。

するとその瞬間、悠人は頭を押さえる。

 

 

「くっ…やはり、これくらいでは何も変わらないか…」

 

 

悠人はそう呟き、暫くの間闇黒剣月闇を見つめていたが仕舞い走り出す。

たった今自分で起こした襲撃事件。

教員でもあるので対応をしなくてはいけない。

 

 

(どれだけ重罪でも。たとえ、何時か誰かにバレたとしても。俺は止まらない)

 

 

「覚悟を超えた先に、希望はある…破滅の未来は、俺が変える」

 

 

悠人は改めてそう呟く。

 

 

 

 

 

とある転生した闇の剣士が破滅の未来を変える物語。

彼の物語は、まだ始まったばかりである。

 

 

 

 

 

簡単な設定

 

 

〇 冨加宮悠人

 

本作主人公。

実は作者初のオリ主。

仮面ライダーカリバーに変身する青年で、年齢は25歳。

国語、現代文担当の教員であり、好物はエクレア。

 

転生者であり、前世では仮面ライダーシリーズの大ファンでカリバーがお気に入りだった。

階段から落下した事で死亡してしまったが、以前転生した転生者が原因で破滅へと向かって行ってしまう世界の未来を変えるために後を追って転生した。

 

中学校時代、家の近所の篠ノ之道場に通っていた千冬と時間を掛けて仲良くなり、そこから束や一夏達とも仲が良くなっていく。

転生特典で肉体強化は貰っていないものの必死の努力でなんとか千冬と同レベルの身体能力を有している。

 

そのひたむきなで明るい性格からそこそこモテるが、本人は恋愛をする気が無い(してる余裕がない)ので人生で恋人を作った事が無い。

 

 

〇 織斑一夏

 

原作主人公。

原作と大きく変わった部分は無いが、千冬を通して知り合った悠人に強い憧れを抱く。

その為原作では途中で辞めていた剣道を続け、また悠人本人から指導を受ける事により原作よりかなり高い身体能力を有している。

ISの知識に関しても、ISを動かせると分かってから悠人と共に必死に詰め込んだ事によりなんとか周囲の生徒と同レベルである。

因みに悠人を持ってしてもその天然ジゴロと朴念仁だけは修正できなかった。

 

 

〇 織斑千冬

 

一夏の姉で、1年1組担任にしてIS世界最強。

中学、高校時代は悠人の後輩としてそこそこ長い時間一緒に居た為自然と恋心を抱いた。

 

生徒達に対してはかなり厳しく接するものの、悠人が見てるとそこまで強く出れない。

その為去年の千冬の様子を知っている人達からは「可愛い部分もある」として温かい目で見られている。

 

 

〇 篠ノ之束

 

ISの開発者である科学者。

千冬を通して悠人と知り合った。

当初は悠人の事を毛嫌いしていたが、自分が落としたISの設計図案を見た悠人の「格好いいし、夢に向かって飛ぼうとするのは凄い」という言葉で懐いた。

そこから何度も交流を重ねていくうちに恋心を抱き、何時しかヤンデレになった。

彼女をもってしても、カリバーの正体が悠人だとは分からない。

 

 

〇 江川冬至

 

アンチ対象にして敵。

仮面ライダーセイバーに変身する青年。

 

転生者であり、この世界でハーレムを作って好き放題する事が目標。

前世は暴力やギャンブルを何度もしており、神のミスによって転生してしまった。

仮面ライダーシリーズを見たことは無く、転生するときに何か強そうだからと知ってる名前を言った。

その為カリバーの事をなにも知らない。

 

因みに、神山飛羽真と何一つ名前が掠って無いのはわざと。

 

 

 




いかがでしたでしょうか。

結構ごった返してる気がします。
なにか私が間違えている部分がありましたら、優しく指摘して頂けると嬉しいです。

また、設定で「こんなの足りない!」とかがあってもお申し付けください。

評価や感想、アドバイスなどよろしくお願いします!

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