全ての章を書き終えたので、定期投稿を始めたいと思います!
――ヒグマは、生まれながらの怪物ではない。
正確には、“怪物になった男”だった。
幼い頃から、この世界の全てを知っていたからだ。
海賊王。
悪魔の実。
覇気。
未来、世界を震わせる怪物達の存在。
そして、自分が後に“山賊ヒグマ”として、近海の主に喰われるだけの雑魚になる未来も。
「……ふざけんな。」
それが、始まりだった。
山の中。
まだ子供だったヒグマは、血反吐を吐きながら拳を振るっていた。
一日一万回。
拳。
蹴り。
素振り。
走り込み。
滝打たれ。
呼吸。
覇気。
来る日も来る日も、自分を壊し続けた。
才能などなかった。
だから鍛えた。
骨が砕ければ繋ぎ直し、筋肉が裂ければまた鍛える。
眠りながら立ち、気絶しながら鍛えた。
常軌を逸した執念。
それだけが、ヒグマを支えていた。
「……まだ足りねぇ。」
子供の頃には熊を素手で殺し、
十代になる頃には山を荒らす賞金首を潰し、
十五の頃には海王類を殴り殺していた。
それでも止まらない。
なぜならヒグマは知っている。
この世界には、本物の怪物がいる。
ゴール・D・ロジャー。
エドワード・ニューゲート。
カイドウ。
シャンクス。
生半可な強さでは、話にならない。
だから鍛えた。
狂ったように。
未来を知るからこそ、妥協だけは絶対に出来なかった。
覇気の存在を誰より早く理解し、
武装色を身体の芯まで叩き込み、
見聞色を極限まで研ぎ澄ませ、
覇王色すら、暴力的な精神力でねじ伏せた。
その結果。
ロックス海賊団の怪物達ですら、ヒグマを測れなくなる。
「……お前、本当に人間か?」
かつてエドワード・ニューゲートがそう漏らした事がある。
ヒグマは酒を飲みながら答えた。
「努力しただけだ。」
その瞬間、船内にいた全員が黙った。
リンリンですら笑いを止め、
シキですら顔を引きつらせる。
努力。
その言葉だけで辿り着ける領域ではないと、誰もが理解していたからだ。
ヒグマは知っている。
才能ある怪物達が、どれほど理不尽かを。
だからこそ、それを上回る理不尽を、自分で作った。
未来を変える為に。
誰にも舐められず、
誰にも支配されず、
誰にも敗けない為に。
怪物達は、生まれながらに怪物だった。
だがヒグマだけは違う。
彼は、自分で怪物になった。
だからこそ――
誰よりも恐ろしかった。
ヒグマが目指したものは、ただ一つ。
“最強”である。
その果てに何があるのか、自分でも分からない。
海賊王にも興味はない。
世界の王になる気もない。
ただ、誰より強く在りたかった。
その副産物として生まれるのが、“56皇殺し”
そしてもう一つ。
未来で海軍大将“緋熊”と呼ばれる男の存在である。
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