爆豪勝己のサイドキックは元CP0   作:規律式足

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 後半は視点変わります。
 緑谷君にアンチ有り、閲覧注意。


第39話

 

 演習試験が終わって翌日。

 朝の教室で絶望に顔を染めた芦戸さんと上鳴君の姿がありました。

 底抜けに明るくお調子者で、女子と男子のムードメーカー代表とも言えるこの二人。

 そんな彼らに雄英高校一年の夏のメインイベントに参加できないことは正に死刑に等しいのです。

 日頃から勉強してないせいだ、ときちんと反省していますが、それでもあの校長に勝てるかは微妙でしょう。はっきり言って視認できない場所に校長がいる時点でその戦場は詰みなのですから。

 周りの慰めの言葉も耳に入らず、時折逆ギレしながらも彼らは落ち込むのです。

 まあ間違いなく一番評価低いの瀬呂君ですが、防毒マスクなどの装備で対処できるのに怠ったわけですから。あと青山君もギリですね、麗日さんは捕縛したからなんとか。

 とりあえず色々くれと叫ぶのでオールマイトチョコ(兄さんがオマケ目的で買ったヤツ)を渡してあげました。 

 そして現れる相澤先生。

 いつものように重苦しい雰囲気をだしながらまず期末テストの結果から。

 

「林間合宿は全員行きます」

 

 いつものように合理的虚偽ですねハイ、そろそろ合理的配慮も見せてよいのではないかと。

 追い込むために不参加チラつかせましたが、事前情報のせいで緩んでましたからね。

 しかし勝ち筋ですか、校長にありましたかね?落ち着いたら正解のルートでもあったのでしょうか?

 まあ喜ぶ三人ですが、学校に残っての補習よりキツイ勉強を合宿中にするそうなので再び絶望してましたね。反省から異論はないようですが。

 配られたしおりに記入された予定、一週間の強化合宿ですか、必要なモノが多いですね。

 準備に盛り上がる中で葉隠さんがA組みんなでの買い物を提案しました。テストでの疲れをパーッと晴らしたいのでしょう。

 

「ボスも行きますか?」

 

「必要なものなんかねえから行かねえ」

 

「登山が趣味だからか道具類揃ってますしね」

 

 私も買い物に行く気はないです。

 轟君も見舞いで不参加のようですね。

 

「ノリが悪いよ、空気読めやKY男子共!!」

 

 峰田君の声を聞き流して参加を断ります。人混みは苦手なんです。

 ましてやボスなんかヒーロー殺しの件で知れ渡っているから行ったとしても買い物どころではないでしょう。

 クラスの和を乱すようで心苦しくは思いますけどね。

 

 この時の判断が誤りだとは思いません。

 けどもし参加して死柄木弔を打倒していたのならば、未来はもっと良くなっていたのではないか。

 私はそんな後悔をすることになるのです。

 

 

 

 

 木椰区ショッピングモール。

 多くの人々で賑わうその場所に、雄英高校一年A組の姿があった。

 放送により顔の知られた彼らは時折人々から声をかけられながら各々の買い物を楽しんでいた。

 そんな中、一人の少年が窮地に陥っていた。

 ファンを装い接触してきた男。

 ヴィランを率いて雄英高校を襲撃し、一人の生徒 緑谷来久に返り討ちにあった男。運命、因縁めいた出会いと嘯く彼は死柄木弔と言う。

 先日の事件、ヒーロー殺しの一件から揺らぐ社会。かの大事件の一人の首謀者であるにも関わらず、なぜか置いてきぼりのような気分に晒され彼は、自らの嫌う大衆の中を埋没するかのように彷徨っていた。

 彼は嫌う、この社会を。

 ヘラヘラ笑う人々を、危機感に染まらぬ日常を。

 その中で生きれぬ疎外感は嫌悪となって彼に不快さを与える。

 あるいは緑谷来久なれば理解を示すその感情を彼は完全に持て余していた。

 ゆえにその感情の捌け口として自身の目論見を台無しにした二人の関係者、緑谷出久を選んだ。

 

「だいたいなんでも気に入らない」

 

 その一言こそが彼の本音なのだろう。

 一人の命を握りながら言葉を紡ぐ。

 緑谷出久との問答、そこに答えを探る。

 緑谷出久はヒーロー殺しに理解を示してしまう、弟である来久はただの殺人犯と一蹴し、幼馴染である爆豪勝己はその被害から嫌悪する存在を。

 始まりがオールマイト、それだけの理由で。

 そして、だから自分はヒーロー殺しが気に入らないのだと、死柄木弔は理解した。

 

「お前の弟と幼馴染なら、んな事言わねえんだろうな。アイツらの始まりはオールマイトじゃないから」

 

 だから気にならない。

 厄介だと思っても嫌悪しない。

 

「オールマイトのいない世界を創ろう。それでこのニヤけた世界がどうなるか見てやろう」

 

 死柄木弔の再始動。

 爆豪勝己と緑谷来久の不在という幸運に感謝しながら彼は一歩踏み出した。

 形容できない自ら内から溢れて止まらない悪意の向ける先を見つけて。

 

 

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