ちょっぴりオタクで、ちょっぴり生意気だけど、情にもろく、どこか憎めないファンゴ君。
今回、たどり着いたのは……ワールドの世界!
※短編1話のみです。
【ファンゴ君シリーズ】
①それいけ!ファンゴ君 シーズンF(MHF)
②それいけ!ファンゴ君 シーズン3G(MH3G)
③それいけ!ファンゴ君 シーズン4(MH4)
④それいけ!ファンゴ君 シーズンW[2019特別編](MHW)
ボクは、究極のドスファンゴになるのを夢見て、一匹旅をしている。
長い旅路の果てにボクが辿り着いたのは、のんびりとしたアプトノスが群がる、緑豊かでとても穏やかな場所だった。
そろそろ、お腹が空いてきたなぁ。
キノコ、キノコ……。
なんと!
こんなに緑がいっぱいあるのに、キノコの一つもないとはッ!
まったくけしからん。
ピヨピヨ、ピヨピヨッ、ピヨピヨピヨピヨ。
突然、聞こえてきた声のほうを見ると、アプトノスの背中に鳥の大群が乗っていた。
なんとまぁ、真っ白で、モッフモフ
「ピヨ、バーカ、バーカ」
「ピヨッ、バーカ、バーカ」
「ピヨピッ、バーカ、バーカ」
モフモフズは、このボクに向かって、一斉に大合唱を始めた。
おし、前言撤回!
そして、こんな挑発に乗るボクではなかった。
「ピヨ、デーブ、デーブ」
「ピヨッ、チービ、チービ」
「ピヨピッ、モサーイ、モサーイ」
……くっ、ボクはこういう生き物なんだよ。
それに、ブルファンゴの中でも、ボクはまだシュッとしているほうだ。
鳴りやまない誹謗と中傷の大合唱に、ボクの堪忍袋の緒は、ついに切れた。
だけど、最近はパワハラがどーの、コンプライアンスがどーのと、何かと世間がうるさいので、ボクはこの怒りを鎮めるよう、後ろ脚で地団駄を踏んだ。
すると、モフモフズは、ボクの渾身の蹴りに恐れを成したのか、一斉に逃げて行った。
ところが、一羽だけそこに残っている。
残ったモフモフは、足をグーンと伸ばしたり縮めたりしながら、ジーッとボクを見つめていたかと思うと、アプトノスの背中からボクの頭上へ飛び移った。
「ウォイッ! やめろよ、なんでボクの頭に……」
いくら頭を振っても、モフモフは逃げていかない。
「ここで何してるピヨ?」
えっ?
「あぁっと、ボクは旅をしてるんだ」
「あっそーピヨ。なら、いい場所を教えてあげるピヨ」
テッテレー♪
フワフワクイナが仲間になった!
ボクはモフモフを頭に乗せたまま、言う通りの道を進んだ。
たどり着いたのは、海が見える場所で、岩の隣にある一本の木の前だ。
「ここは?」
「もう少ししたら、ここに珍しい虫がやってくるピヨ」
……虫か。
貴重なたんぱく源だな。
その珍しい虫とやらが来るまで、海を眺めて待っていると、沈みかけた太陽で空が綺麗なオレンジ色に染まってきた。
「あっ、来たピヨ。捕まえるピヨッ!」
「ボ、ボクが捕まえるのかい? 君のほうが捕まえやすいんじゃ……」
「何言ってるピヨ! 今年は亥年なんだから、アンタが活躍しないでどうするピヨ?」
え、ボクの……年?
ということは、今年のボクはモテモテで、周囲からも一目置かれる存在になる、のか?
ファンゴ君、半端ないって!
あいつ、半端ないって!
どんなゲスい大型モンスターにも、めっちゃ猪突猛進でカマすもん。
そんなのできないだろ普通、そんなのできる?
できるヤツいたら、連れてきて!
……そうか。
こうしてボクの武勇伝が広がっていくんだな。
うむ。
「よし、任せろっ」
これくらいの高さにいる虫一匹を捕まえられないで、ドスファンゴになれるはずもない。
ボクは助走をつけると、虹色に輝く、なかなかにエモいカブトムシを目掛け、今年の期待に添えるような大ジャンプをかまし、センシティヴなお口でゲットントン!
「よくできましたピヨ」
ふふん。
このボクにかかれば、これくらい夕飯前さっ。
「教えてあげたんだから、半分もらうピヨ。アンタには頭のほうをあげるピヨ」
えっ?
頭って……ほとんど角じゃまいかっ!?
ボクの飽くなき道の冒険譚は……まだまだ続くっ!!