転生しても戦争だった  ~数多の転生者が歴史を紡ぎ、あるいは歴史に紡がれてしまう話~   作:ガンスリンガー中年

411 / 439
嗚呼、今夜も深夜アップになってしまった……
シフト制勤務がツラ味(泣

さて、今回はちゃんとクルスとクリスがエンカウントして、なんと二人きりのイベントが発生します♪
まあ、色気があるかと言えば……お察しくださいw

そして、ラストに……








第408話 クリスマスの夜、アホの娘……こうなんか色々バレるけど結果オーライな話 ~そして、もう一つ明らかになる事実が~

 

 

 

「なっ……フォン・ホーエンツォレルン家のご令嬢を大公殿下がエスコート……だと?」

 

「まさか、もう両家はそのような……?」

 

 クリスマス・パーティー会場となっている”冬宮殿”の大広間にざわめきが広がった……

 

 

【挿絵表示】

「ふふっ。良い感じに話題になっているようだな」

 

 

【挿絵表示】

「……大公様、もしかして私を”虫よけ”代わりに使ってません?」

 

 少し子供っぽいむくれた表情をするクリスティアーナに、

 

「まさかまさか。先のドイツ帝、ヴォルヘルム陛下の孫娘たるご令嬢をそのような用途に使うなんて大それたこと、とてもとても」

 

「……大公様、目が笑っておりますわよ? それとその言い回しだと私のお爺様がなんか水戸黄門っぽいです」

 

水戸黄門(・・・・)……?」

 

「あっ、えっと……日本の偉人です! 手下を連れて全国旅してて、困ったときには印籠だして先の将軍ってネタバレさせて……」

 

 やっぱりクリスティアーナはアホの娘であった。

 それと史実の水戸黄門、史実の徳川光圀は諸国漫遊(世直し旅)なんてしていない。

 史実で江戸時代の全国行脚で有名どころと言えば、松尾芭蕉とかだろう。

 

「それを言うなら”先の副将軍”だ。あと手下連れてじゃ清水次郎長や国定忠治になっちまうぞ?」

 

 ついでに言えば、史実では”副将軍”という役職もなかったりする。

 

「えっ? そうなんですか? ところで”しみずのじろちょー”とか”くにさだちゅーじ”ってどなたです?」

 

 どうやらそこは守備範囲外であるらしい。

 まあ、知名度から言うなら水戸黄門の方が遥かにあるだろうが……そういえば水戸黄門は時代劇にしては珍しくアニメ化されたことがあるそうな……

 いや、主題歌が”ザ・チャンバラ”って。

 

「実在したやくざ者だ。こっちも聞きたいことがあるんだが……」

 

「はい?」

 

 声のトーンが急に変わったクルスに、クリスティアーナは小首をかしげた。

 

「なぜ、”三つ葉葵の印籠”を知っている? あれは戦後も戦後、TV番組”水戸黄門”シリーズの創作だぞ? 無論、今の日本で講談の”水戸黄門漫遊記”はあるが、印籠が出てきた作品はまだないはずだ」

 

 明らかに周囲に聞こえない小声、しかもドイツ語ではなく日本語でクルスは問いただした。

 

「え、えっと……」

 

 咄嗟の反応に困るクリスティアーナだったが……

 

 

 

(あれ? ”リア”のとナンカチガウ……)

 

 そう。先のハルヒ発言の時のリーリアの反応は、『ハルヒって誰よ?』だったはずだ。

 そう、”知らないはず”なのだ。

 

(まさか、クルス大公って……)

 

「クリスティアーナ・フォン・ホーエンツォレルン……パーティー後、じっくり話を聞かせて欲しいんだが?」

 

「……Ja(ハイ)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

*******************************

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ええっ!? 大公様も”転生者(サクセサー)”だったんですかぁっ!?」

 

 

【挿絵表示】

「しかも多重だな。俺の前世記憶には、今より未来の時代の日本人だった頃もそれ以外の人種の記憶もある」

 

「ふぇぇぇ~~~……そんな人もいるんだぁ」

 

 ちなみにこの二人、現代日本語で会話している。

 書き忘れていたが、ここはクルスの執務室ではなく寝室と繋がっているプライベートルーム。

 あまり他人に聞かれたくない話をするにはうってつけの場所だし、『ホーエンツォレルンの令嬢を寝所に連れ込んだ』と噂されるのは、今の釣書攻勢の只中にあるクルスにとりメリットが大きかった。

 

「まあ、一応他にも何人か”転生者”に覚えはあるが、どうも俺みたいなタイプは珍しいようだな」

 

 

【挿絵表示】

「えっ? 他にもいるんですか? mjd?」

 

 何というかクリスティアーナの口調が、「大公と令嬢」のソレではなく、単純に「目上の人(?)」に対するソレに変わっていた。

 

「いるぞ。まあ、俺の一存だけで誰とは明かせんのだが……感じからするとホーエンツォレルン嬢は、」

 

「あっ、クリスティアーナでいいです! 何なら短縮形でクリスでも!」

 

「それ短縮形ってより渾名、いや愛称だろ? そう呼ぶには”好感度が足りない”って奴だ」

 

「えっと、大公様の?」

 

「いんや。どちらかと言えば、お前さんのかな?」

 

 するとクリスティアーナ、フンス!という感じの顔で、

 

「大丈夫です! 大公様に対する友好度はともかく愛情度はMAXですよ♪」

 

 やっぱアホの娘だ……

 

「ギャルゲーかい。いや、なんで最初から愛情値(クライ)MAXなんだよっ!?」

 

 

【挿絵表示】

「一目惚れしました♡ 婚約を前提に付き合ってください♪」

 

「そこは普通、”結婚を前提に”じゃないのか?」

 

「いえ、流石に婚約期間も置かずに交際→結婚√は貴族的にいかがなものかと」

 

 変なところで貴族令嬢っぽい発言をするクリスティアーナである。

 

「てか、”婚約ならバッチコイ”とかマヂか?」

 

「Das ist richtig. Exzellenz, der Erzherzog(その通りです。大公殿下)」

 

「いや、いきなりだな。その『ドイツ語をカッコイイと思って使う某ポン骨』っぽいリアクション……間違いなく前世は日本人、しかもアニヲタとみた」

 

「大正解! ちなみに少女漫画より”エリア88”が、魔女っ子物より”ガンダム”シリーズが好きです! ”ボトムズ”、”ダグラム”、”ザブングル”とか泥臭い戦闘物とか大好物ですが、オサレ風味の戦闘妖精”雪風”とかも良いですよね~。マクロス・シリーズで一番好きなのは”プラス”かな?」

 

(ああ、あのアニメ史上最高と名高いドッグファイトね。要するに)

 

「筋金入りじゃねぇか。いや、なんか急に同年代に思えてきたぞ……いや、リアルタイムで見たとは限らんか」

 

「そこは乙女の秘密ってことで♪」

 

 きっと「前世込みのクリスティアーナの年齢」は極秘案件なのだろう。

 それはを言ったら、クルスは赤いナポレオン(トハチェフスキー)だった頃や明らかに「80~90年代のアニメや漫画の視聴経験のある」日本人だった時代もあるようで、なんか他にも人種も時代も違うのが混じってる気配があるし……合計したら最低でも3桁年なのは間違いないだろう。

 まあ、前世記憶は大半が断片的、明確な”前世の自分”という自覚があるのは前述のトハチェフスキーだろうが……まあ、それも我々の歴史と同一人物かは定かではない。

 

「とりあえず、クリスティアーナでいいか……まあ、”婚約くらいなら”別にいいぞ? まあ、細かい調整とかはNSR頼みになりそうだが」

 

「えっ!? 自分で言っておいてなんだけどホントにっ!?」

 

「俺にもまあ色々事情があるのさ……」

 

 クルスは不意に瞳のハイライトを霧散させ、

 

「なあ……ロリっ娘に婚姻絡みの物量戦仕掛けられる気持ちって予想や理解できるか?」

 

「なにその○リコンにとっては天国だけど、それ以外には地獄の展開っ!?」

 

「それを回避するためには、あらゆる手段は肯定されるとは思わないか?」

 

「大公様、なんかコワイ……」

 

「ハハッ。赤軍相手に丁々発止やった方が遥かにマシな相手ってのは、俺も初めての経験だったよ」

 

 

 

☆☆☆

 

 

 

 さて、一方その頃リーリアと言えば……

 

 

【挿絵表示】

「えっ? 貴方、もしかして”フリードリヒ・ハルトマン”……?」

 

 

【挿絵表示】

「えっと……君は?」

 

 それは、運命だったのかもしれない。

 

「私はリーリア・リトヴァク。サンクトペテルブルグ市民軍(ミリシャ)戦闘機隊の所属よ」

 

「えっ? 君が女の子なのにダブルエースになったっていう?」

 

「まあね。他にも言うならば……」

 

 リーリアは小さな笑みを浮かべて覚えたてのカーテシーを披露し、

 

 

【挿絵表示】

「スモレンスク上空で、貴方が”撃墜した女”よ」

 

 どうやら、もう一つの意外な真実が明らかになり、「撃墜した側とされた側の男と女」という皮肉な運命がつながったようだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




【祝!】クルス大公、婚約者が(多分)決定する!!【ただしその理由が……】

という訳で、なんかクルス、クリスティアーナとの婚約に前向きなようですよ?
ただ、実務はNSRに丸投げする模様w

まあ、決定打になったのは「クリスティアーナが”転生者(サクセサー)”バレした」からと言うのがなんとも……
しかも、バレた理由が”水戸黄門の御印籠”という予想の斜め下な物だったというw

まあ、クルスがクリスティアーナとの婚約に乗り気な理由がかなりアレなのでどっちもどっちか?

そして、ラスト……短い文章ですが、どうもスモレンスク上空でリーリアを撃墜したのは(今回、初のイラスト化となった)ハルトマンだったみたいですね~。

まあ、サンクトペテルブルグのクリイベ・エピソードはとりあえず今回でおしまい。
クルスとクリス、リーリアとハルトマンが今後、どんな運命を歩んでいくのか………

さて、次回はまた国境を跨ぐ予定です。

ご感想、高評価、お気に入り登録してくださると大変嬉しいです。
次回もどうかよろしくお願いいたします。





  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。