転生しても戦争だった ~数多の転生者が歴史を紡ぎ、あるいは歴史に紡がれてしまう話~ 作:ガンスリンガー中年
いや~、仕事関係でテンション落ちている上に執筆時間が(泣き
さて、今回はうん……サブタイが全てかな?w
どうやらドロシーちゃん、エンジンが掛かってきたようですよ?
「へぇ~。大公、サンクトペテルブルグでTa183A、いやさMiG-17モドキ?を作ってるんだぁ~」
どうやら話題はクルスの用意した”土産”、「オハイン博士が設計した遠心圧縮式ターボジェットの設計図」とその用途に移行したらしい。
「まあ、そうなるな」
「それでオハイン博士の遠心圧縮式ターボジェットの設計図を土産に持参したって訳ね? 納得いったわ。それで……」
ドロシーはにんまり笑い、
「じゃあさ。こんな提示はどう? MiG-15系列と言えば”ニーン”よね? こっちもお土産返しに”ニーン”の設計図ぐらいあげられるけど、もう一歩踏み込んだ契約しない?」
「というと?」
「現物の”ニーン”をまとまった数を輸出してあげるから、戦後に正式にサンクトペテルブルグが独立国になってからで良いから、Ta183Aを英国に輸出しない? できれば、ライセンス生産権込みで」
「はぁ?」
どうやらドロシー、英国にも近代的な後退翼のジェット戦闘機を史実より早く効率的に導入したい腹積もりのようだ。
無論、史実の英国にはグロスター社の”ミーティア”の後継として後退翼を持つホーカー社の”ハンター”戦闘機、あるいはデルタ翼機のグロスター社の”ジャベリン”が50年代初頭に登場し、”この世界線”でもそうなるかもしれないが……
しかし現状、ホーカー社もグロスター社も実に多忙を極めていた。
まず、ホーカー社だが”ハリケーン”戦闘機が40年後半には生産打ち切りになってはいるが、現在は戦闘爆撃機の”タイフーン(史実のロケットフーン)”の生産が最優先事項だ。
加えてである。
英国海軍は現在、「装甲空母6隻を中核とする空母機動部隊体制」を基準として海軍の近代化を構築している。
そしてこの英国最初の装甲空母シリーズ”イラストリアス”級、史実よりかなり大型化しているのが特徴だ。
基準排水量で32,000t、つまり史実の改イラストリアス級(インプラカブル級)の満載排水量に匹敵する基準排水量を持つ巨艦だ。
その大型化した内部容積の余力から、「搭載航空機の大型化」を踏まえて史実では不可能だった「十分な高さ(6.5m)を持つ二段格納庫」を標準とし、150,000馬力級の主機に2基の蒸気カタパルト、オール・サイドエレベータ+装甲ハッチという近代的な船体に搭載機数は標準で80機という中々の充実っぷりだ。
まあ、史実と違い日本と戦争どころか日英同盟絶賛継続中で、ドイツとの停戦もなっている為にこれで戦時中は必要十分な洋上航空戦力(加えて軽空母もある)であろう。
このスペックなら、陳腐化した旧式空母の代替えとして建造される戦後第一世代空母予定の基準排水量47,000tという”ジブラルタル級”戦力化まで余裕を持って対応できるだろう。
まず、この6隻の主力装甲空母を前提に英国は44年後半から45年前半にかけて「レシプロ時代の最後の搭載機近代化」を予定していた。
その中核となるのが三本柱、艦上戦闘機の以前に少し話が出たスーパーマリン社の”シーファング”、艦上攻撃機としてブラックバーン社の”ファイアブランド”、そして戦闘爆撃機としてホーカー社の”シーフューリー”が予定されているのだ。
そしてこの時期、”ミーティア”に並んでデ・ハビランド社の単発ジェット戦闘機”バンパイア”が既に生産を開始され英国王立空軍に配備が始まっており、艦上型の”シーバンパイア”も試作されたが……
内部容積の問題で燃料搭載量が少なくターボジェットの燃費の悪さとも相まって航続距離は短く、また直線翼を始めとする旧来の構造を強襲しており、性能は「ジェット戦闘機としては」ちょっと物足りない。
売りとしては「シンプルな構造の単発機で生産や整備がしやすく、軽量であるがゆえに運動性が高い」事だろうか?
特に艦上型の航続距離の短さは致命的で、その為にホーカー社には戦後の「ジェット時代へのパラダイムシフト」を見据えた新型戦闘機(後の”シーホーク”)の開発依頼が行われていた。
”この世界線”のホーカー社も少し触れた通りやがて後退翼を持つ戦闘爆撃機の”ハンター”を作るかもしれないが、現状から考えるなら開発が始まるのは確実に戦後だろう。
更にグロスターに至っては前述の”ミーティア”の先行量産を終えて、全力生産に移行する予定が立っており、現状ではそれで手一杯だろう。
「何なら、契約の先払いで”ミーティア”の
実際に英国レーダーFCSコンポーネントをサンクトペテルブルグで複製するのは不可能だろう。
問題なのは「ドイツに流しても構わない」というところではないだろうか?
恐ろしくサンクトペテルブルグ的に美味しい条件……一見すると英国側のとんでもない大盤振る舞いにも思えるが、
(つまり、ニーン搭載で英国FCSコンポーネントを用いたTa183Aをサンクトペテルブルグで先ずは作らせて、「英国発の後退翼ジェット戦闘機」を手っ取り早く導入しようって事か……)
裏を返せばそういうことだ。
英国でも上記の通り先進的な後退翼機やデルタ翼機は登場するだろうが、基礎御研究はともかく本格的な開発は各航空機メーカーの多忙な現状から考えて戦後、どんなに早く開発が進んでも制式配備するのは40年代末だろう。
それまで、航続距離の長い侵攻用ジェット機はともかく、米ソがジェット機開発で追従してくる可能性がある以上、国土防空用のジェット要撃機が”ミーティア”と”バンパイア”だけというのはどうにも心許ない。
故にその空白を埋めるべくTa183Aを導入するという事にするようだ。
とまあそんな裏事情が透けて見えても良い条件の取引ではあるのは違いない。
「一応、
「構わないわよ? まあ、断る理由は無いとは思うけどね♪」
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さて、時間帯的に昼食後に始まった英国王夫妻のリチャードIV世とドロシー、サンクトペテルブルグ大公フォン・クルスとの非公式・非公開会談は午後のティータイムを超えて、休憩を挟みつつ夕食後にまで続いたようで……
「ところで、そろそろ脱いでいいかしら?」
夜の帳が完全に落ちる頃、ドロシーは唐突にそう切り出した。
「何故に?」
まあ、当然の疑問だろう。
クルスの表情に珍しく困惑の表情が浮かんでいた。
「いえ、今までTPOを考えて着衣してたけど、私、基本はプライベートスペースでは下着だし。パジャマもこれよ? ほら、”大公”にはそこまで気を遣う必要はないかな~と」
なんかドロシー的にはクルスの”大公”は地位というより仇名的なそれになったっぽい。
「リチャード王?」
ちょっとしたジト目をリチャードに向けて、視線で「奥様は露出趣味ですか?」と問い掛けるクルスだったが、
「……妻は見た目通り子供のように新陳代謝が激しく基礎体温が高いようでな。実はあまり着衣自体が好きではないらしいのだ」
「要するに私、けっこう暑がりなのよ。ほら、リチャードってあんまり寒さが得意じゃないの。戦場ではアドレナリンドバドバで全天候対応で平気みたいだけどね。ほら、
この鉄拳獅子王、生態までライオン寄りなんか?
いやでも後宮やらハーレムを作る習性は無いようだが。
ドロシーはするりと脱ぎだし……
「リチャード好みの室温だと、私だとやや暑いのよ。それに……」
ドロシーはいたずらっぽく笑いながら、
「こっちの方がリチャードも喜ぶし♡」
大きく頷くリチャード。
流石はヌカロクの鉄拳獅子王(性豪)である。
☆☆☆
それはともかく、話し合いはまだ続くようだ。
少なくともクルスの帰国は明日以降になるのは確定だろう。
とはいえ、クルスは気づいておらず、リチャードが気づいてる事がある。
ドロシーがプライベートスペースであるが来客の前で「暑い」という表現で脱衣するという事は、単なるTPO云々やら親愛の現れなどではない。
物理的と言うよりむしろ精神的な「熱」が籠ってきたというサインでもある。
(ドロシーのそれは文字通り”勝負下着”だからな)
そうリチャードは心の中で呟く。
(少し覚悟してもらうぞ? 大公)
おそらくここから先は単純な戦闘機の技術交渉ではなく、「英国の戦後」に関わってくる、より大きな話になるだろう確かな予感があった。
なぜなら、リチャードは愛妻の脱衣が、「遠山の金さんの桜吹雪」の見せ場に近い事を察していたからだ。
という訳で、ドロシーちゃんの脱衣は、断じて「色仕掛け」などではないという現実(挨拶
とりあえず、Ta183A(実質、Mig-17)の完成度は英国製の”ニーン”エンジンとレーダーFCSを搭載する事で、完成度がより上がるみたいですよ?
まあ、”この成果”についてはやがて成果として大戦末期(1945年?)のサンクトペテルブルグの上空を、戦後は英国本土上空を飛ぶことになりそうな……
そして、”勝負下着”モードになったドロシーは、さらに切り込む模様です。
というか、クルス相手でも物怖じしないドロシーが、かなり肝っ玉が太い疑惑w
前書きにも入れましたが、ちょっと執筆時間の減少やモチベーションの下降で執筆速度は落ち気味ですが、次回はこの会談の続き(アイスランドやら英国の戦後デザインやら)の予定です。
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