IS×World Trigger 作:ガイストは男のロマン
「ふぅ……漸く一息つけるな」
俺は食堂で一息つく。事情聴取が終わって解散となったので少し遅い昼食を取ることにしたのだ。
「恭弥、ここ良いか?」
と、ここで織斑と鈴がラーメンを持ってやって来るが、席はガラガラだから問題ない。
「もちろんだ」
「ありがとな」
「お邪魔するわ」
2人が座ってくるが、雰囲気は悪くないし、ある程度仲直りしたのだろう。
「そういやクロエとセシリアは一緒じゃないのか?」
「クロエは束さんに呼ばれた。セシリアは本国に代表候補生のレポートをやってから食べると言ってた」
「ふーん。イギリスは月の下旬に提出なんだ」
「みたいだな。しかし今日は疲れたし、食ったら寝るか」
「俺もそうするか……あ、そういや恭弥に頼みがあるんだけど」
織斑が改まって話しかけてくる。
「どうした?」
「あのさ、俺はボーダーに正式に入隊出来るか?」
いきなりだな。今日の襲撃で何か思う事があったのだろう。
「元々正式入隊の話は出てたし、可能だと思う。ただ鈴は無理だと思うぞ」
他国の代表候補生だからな。加古さんが日本の代表になった際も結構揉めたらしいからな。
「まあそれは予想がついてたわ。けどあたしはあたしでお願いがあるんだけど」
「?何だ?」
「明日から学園の周りをボーダー隊員が警備につく話になったじゃない?」
「ああ」
今回の襲撃に対して今後も色々取り組まないといけない問題が生じたが、生徒の安全が最優先という話になり、明日からボーダーから2部隊の派遣が決まった。
しかも派遣する部隊がA級部隊と決まっているし、安全性はかなり良くなるだろう。
「で、当番ごとに警備するなら、隊員にも空き時間が出来ると思うけど、その時間に鍛えて欲しいからアンタの隊長を紹介してくれない?」
鈴は太刀川さんの剣を知りたいのか。確かに太刀川さんも鈴も同じ二刀流だな。
しかし……
(……正直、賛成しかねる。あの人、戦闘については圧倒的に強いけど、学力は圧倒的に酷いからなぁ)
ただでさえ馬鹿なのに弟子なんか取ったらますます学業が疎かになるのは明白だ。
「……一応話はしとく」
とはいえ鈴が太刀川さん本人に直接頼んだら意味ないからな。
「ありがと。それにしてもさっき戦闘記録を見たけど、ボーダー隊員って強過ぎじゃない?」
「まあ今日来たのはトップクラスの強さを持つ隊員だからな。弱い奴は弱いぞ」
「ちなみにアタシの単純な剣の腕はボーダーだったらどれくらい?」
「うーん……中堅ってとこだな」
マスターランクではないが、B級下位レベルではない。B級中位クラス……個人ポイントで言うと6000から7000の間だろう。
「ふーん……世界は広いわね」
鈴はしみじみとラーメンを啜るが、ある意味世界は狭いぞ。ボーダーの活動範囲は基本的に三門市だけだし。まあ偶に嵐山隊が全国ネットに出たり、スカウトで県外に出るけど。
そんな風に飯を食べ進める。とりあえず俺達の出来ることは全てやったし、後は大人達に任せよう。
ただ叶うならばこのようなトラブルが2度と起こらないで欲しいものだな、うん。
しかしこの時の俺は知らなかった。これから事あるごとに面倒臭いトラブルが生まれて巻き込まれていく未来があることを。
2週間後……
「あら恭弥さん、これから鍛錬ですか?」
朝、飯を食べ終わってからアリーナに向かおうとしたら廊下の向かい側からセシリアがやってくる。
「まあな。来月のトーナメントに備えてな」
今は4月末で、来月末には生徒全員が参加するトーナメントがある。代表候補生は己の成長を自国の担当者に見せる必要があるし、一般生徒は企業や軍に自身を知って貰う重要なイベントだ。
俺もボーダーに戦闘データをより多く送りたいので勝ち上がるつもりだ。
で、今日は休日だから1日集中して鍛錬するつもりだ。
「宜しければ今から一緒に鍛錬しませんの?」
「別に良いぞ。最後に模擬戦な」
基礎練大事だが、実践訓練も無視出来ないからな。
「わかりましたわ」
互いに頷いてアリーナに向かう。
「そういえば少し前に織斑さんとクロエさんが校門をくぐっているのを見ましたが、ボーダーが関係してますの?」
「いや、織斑が久しぶりに実家を見に行くのと、中学の友人に会うらしくてな。クロエは織斑の護衛だな」
織斑も護身用トリガーを持ってないが武器が入ってないから、俺のようにIS乗り襲われたら危ないからな。
「恭弥さんはご家族と会いませんの?」
「俺は昨日会った……っと、俺達以外にも鍛錬をしているようだな」
向かっている第一アリーナに近づくと剣戟の音が聞こえてくる。そしてステージに向かうと……
「おっ、鈴の奴、やってるな」
甲龍を装備した鈴か双天牙月を太刀川さんに振るっている。一方の太刀川さんはトリオン体ではあるが、弧月ではなくISの近接ブレードを持って鈴の剣を捌いている。
そして鈴が両手にある青龍刀を同時に振るった時だった。太刀川さんは左の青龍刀の横っ腹にブレードを叩きつけて、左右の青龍刀をぶつけ合わせる。
それにより左右の青龍刀が弾かれるように動いた瞬間、太刀川さんはガラ空きになった鈴の胴体に3回斬撃を叩き込む。
ビィィィィィィィィィィィィッッッッッ!
ここで模擬戦終了のブザーが鳴る。モニターを見れば鈴のISのエネルギーゲージは0を示していた。
「やっぱ強いな太刀川さんは」
「えぇ。しかもあの人、本来は二刀流ですわよね。刀一本で戦ってましたが、本気ではないって事ですの?」
「まあな。そもそも今は訓練だからカウンターで戦ってたが、本来の太刀川さんはガンガン攻めるぞ」
援護を出水先輩に任せて激しい剣戟を繰り出す太刀川さんは黒トリガーでもない限り止められないだろう。
しかし太刀川さん、稽古を付けるのは良いが勉強を疎かにしないでくれよ。結局鈴の弟子志願について本部長は認めたが、学業について太刀川さんに釘を刺していたからな。
「お疲れ様っす太刀川さん」
「おー、恭弥か。お前も鍛錬だろうが家族とも過ごせよ」
「大丈夫です。昨日会いましたし、2週間に一回は会う予定です。で、鈴の調子はどうすか?」
「太刀筋が素直過ぎるな。まあISはスポーツの色が強いから仕方ないっちゃ仕方ないけど。まあ基礎は出来てるし、B級中位くらいはあるんじゃね?」
やっぱりそのくらいの実力のようだ。読みが外れないで安心した。
「恭弥、B級中位ってどれくらいの強さなの?C級が訓練生、B級が主力、A級が精鋭ってくらい知らないんだけど」
やっぱり外部の人間はそのくらいの認識のようだ。
「B級下位は個人だと素人に毛が生えた程度で、部隊でも戦術も構築されてないな。で、中位になると部隊ごとに戦術が確立されて個人でも中々の実力者がいるな」
「中位でそこそこ実績を出せれば、個人ランク戦で偶にA級隊員に勝てるようになってくるな」
俺の意見に太刀川さんが補足するが、実際下位と中位にはかなりの差がある。中位から下位に落ちる部隊は偶にいるが、次のRoundで中位に戻るからな。
「じゃあ上位はどうなんですの?」
「上位はA級予備軍だな。しっかり作戦を練ればA級下位部隊も落とせる可能性はある」
「どのチームにもA級でやっていける奴がいるし、中にはA級上位ともやり合える奴もいるぞ」
生駒さんとか弓場さんだな。特に銃手ランク1位の弓場さんには負け越しているし。
「じゃあ全く見込みがないって訳ね。それなら良かったわ」
鈴が安心したように頷くが、何かに気づいたように口を開ける。
「そういえば一夏とクロエはいないの?」
「ん?織斑は実家に帰ってから中学の友人の家に遊びに行ったな。クロエは護衛で付いて行ってる」
「マジで?ちなみに中学の友人の名前を言ってた?」
「ん?確かダンと言っていたな」
「マジで……クロエによって面倒な事にならないと良いけど」
「ん?ソイツは女嫌いなのか?」
「いや、弾はチャラくて女好きよ。問題はアイツの妹よ」
「妹?織斑さんを好いていますが、気に食わない事があると鉄パイプでも振るうような人なんですの?」
「おいおい。束の妹もそうだけど、1人目はバイオレンスな女に好かれやすいのか?」
セシリアの質問に太刀川さんがそう口にするが、篠ノ之以外ではいないだろう。つか居たらマジでヤバいわ。
「や、それはないわよ。あの子、普段は強気だけど一夏の近くに女がいたら割とメンヘラになるのよ」
「なるほどな。鈴、もしソイツの連絡先を知ってるなら絶対にクロエに手を出すなと言っとけ。束さんがブチ切れる」
「だな。以前クロニクルの目を気持ち悪いって本人を前に侮辱したC級隊員が居たんだが、それを偶然聞いた束はソイツの両親に横領の罪を着せて破滅させたらしいからな」
ああ、あったな。束さんに聞いても肯定したし。
「目?クロエってずっと目を閉じてるから盲目だと思ってたわ」
「私も盲目だと思ってましたわ」
まあ普段はずっと目を閉じているからな。クロエが目を開けるのは滅多に見ない。師匠の俺でも10回はないだろう。
「何にせよクロエに喧嘩を売ったらヤバいのはわかったからメールしとくわ」
鈴は携帯を取り出してメールを打つが、朝っぱらからトラブルが起こるなよ。
週明けには篠ノ之の謹慎も解除されるし……今から憂鬱だ。
入学後の構成を考えているが、ISのキャラが原作で過激だからどう構成を練ってもアンチネタが出てしまう……それはおかしいのか?
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おかしい
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おかしくない