神様のミスにより死んだ主人公。3つの特典を貰い、【ハイスクールD×D】の世界に転生した。
SIDE OTHER
「嗚呼、腹減った」
駒王学園。
少子化の影響か、ここ数年で女子校から共学に変わった学園。そんな学校の制服に身を包んだ少年はどうでも良さげに呟く。
その少年、彼の名前は兵藤 一誠──とは云っても、中身は前世の記憶持ちだ。……二次創作宜しく神様のミスで死んだ彼は、神様から提示された【ハイスクールD×D】で生き抜く為に3つの特典を貰った。
1つ目は生き残る為の〝力〟に“永遠結晶エグザミア”。
2つ目は、そのエグザミアを十全に使いこなせる様になること。
3つ目は原作に関わりたいため、“赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)”を宿している兵藤 一誠への憑依を選んだ。
〝彼〟が前世で死んだ年齢は25歳。彼女居ない歴2年。年長者から見れば若輩者なれど、それなりに酸いも甘いも経験した。……漢の夢であるハーレムには興味ナシ──とまではいかないが、〝可愛い彼女が出来れば良いな〟程度にしか考えていなかった。
ならば何故彼はエグザミアや〝女〟を引き寄せる様な──ドラゴンが宿っている神器等を頼んだのか?
……早い話、ファンタジーな世界でファンタジーな〝力〟を振るって、所謂〝俺TUEEE〟がしたかったのだ。〝彼〟は兵藤 一誠の2歳頃の身体に憑依して、直ぐ様“赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)”に宿る赤い龍──ドライグとの邂逅を果たし、ドライグ指導の元こつこつと身体を造り、2年間の壮絶──と云う言葉ですらも生温い修行の果てに亜種の〝禁じ手〟にも〝至った〟し、エグザミアの能力で〝覇龍〟も完璧に制御した。
「腹減った」
もう一度だけ大した意味も無く呟く。足元には彼を襲おうとした堕天使の死体。名前は、既に消えかかっている〝知識〟によるとレイナーレ。襲われたので返り討ちにした。
高二の彼は独り暮らしで、2年前に一誠が留守の時に、その背中から生えている羽の枚数を察するに上級だと思われる堕天使3人(?)に両親は殺された。一誠が帰った時には全て終わっていた。
〝禁手〟とエグザミアをフルに振るい、堕天使共は皆殺しにしたが、今度は魔王がやって来た。
その後は紆余曲折有り、その魔王に保護され、その紅い髪の魔王から時折来る〝はぐれ〟殺しのバイト等で生計を立てている。……因みに、一誠が駒王学園に通っているのも某紅い髪の魔王の勧め──と云うより、魔王からの依頼だ。
……曰く、〝妹──リアス・グレモリーの護衛を頼む〟と。
紅い髪の魔王は憚らずに言ってしまえば、シスコンだ。……故に報酬は良かったので、すんなりと飛び付いた。……〝護衛〟の依頼が本収入なら、〝はぐれ〟討伐の依頼は臨時収入だ。
「あぁ、またサーゼクスさんとアザゼルさんに報告しないとな。……面倒臭い」
下っ端とは云え、同輩を殺したのだ、周囲に緊張させる様な行為をしたのだ。報告はしなければならない。……尤も、穏健派筆頭であるアザゼルからは軽い愚痴だけで、咎められる事は恐らくだが無い。
例の事件依頼、一誠は堕天使の首魁であるアザゼルとは面識を持っている。……わざわざアザゼルが頭を下げに来たからだ。
閑話休題。
――パァァ
「始まったか」
一誠は〝今日の夕食、何にすっか?〟等と益体も無いことを考えていると、〝グレモリー〟の紅い魔法陣が展開される。
……それは〝原作〟の始まりの合図だった。この兵藤 一誠は何を為すのか…それは誰も──兵藤 一誠、本人すらも知らない。
SIDE END