就職だったり引越しだったり色々あって中々書く機会が取れなくて。でも、ちゃんと書いていくので気長に待っていただけると幸いです
戦場にキャロルの歌が響く。それに合わせてオートスコアラーたちが奏でた楽器のメロディはその歌声をより飾りたて引き立たせる。
その歌により発生したおおよそ80億人相当のフォニックゲインはフロンティアを経由しナスターシャ教授たちのいる分離したフロンティアの一区画を通して月遺跡を再起動させ、それだにとどまら無かった。
「これは……」
「力が溢れてくる」
「これがエクスドライブモード」
最初にその恩恵に預かったのは最も近かった日米艦隊護衛組である翼、奏、セレナの3人であった。
「エクスドライブモードだと!?」
さらにフロンティアからウェル博士とソロモンの杖を弦十郎と緒川と共に移送していたクリス。
「体が軽い、力が湧き上がる」
「この力は……」
「よく分からないデスけど!これなら!」
「やっぱり良い歌声」
「これなら、行ける!」
そしてTHE DISASTERを相手取っていたマリア、調、切歌、牙、響もその姿を変えた。シンフォギアのプロテクターが純白色のカラーリングへと変わりエネルギーで形成された翼が背中から現れる、光り輝くその姿はまるで天使だ。
これこそがシンフォギアにおける限定解除エクスドライブモード。本来ならば幾千、幾万人もの歌を重ねた高レベルのフォニックゲイン供給による成り立つ奇跡の産物。しかし、キャロルはそれを当然の帰結へと引きずり下ろした。
まさしく奇跡の殺戮者、その面目躍如であった。
「グルアアアアアアア!!」
だがそんな事は理性は焼き切れ負の感情に呑まれ目の前の全てを蹂躙し破壊し尽くす事しか出来ないTHE DISASTERには関係ない事だった。
ただひたすらに目の前の目障りなものを遠ざける為に拒絶するような大咆哮と共にマリアたちに向けて新たに血管のような赤い線が走る黒い大剣を手にしながら飛翔する。大剣には濃厚な闇が纏わりつき赤雷のスパークが散る。
【 ST⬛︎⬛︎ C⬛︎⬛︎T⬛︎R 】
そんなリゼに対してマリア、切歌、調の3人はそれぞれのアームドギアを構える。
「……リゼ、終わりにしましょう!」
「今度こそ……」
「助ける!」
マリアはエクスドライブモードになると共に長剣に変わったアームドギアを手にリゼに向けて全力で飛翔する。
「リゼェェェェェェェ!!」
その速度はまさに神速、リゼの反応すら越えた速度で連撃が叩き込まれる。
【DESPAIR♱BREAK】
マリアとTHE DISASTERの交差は一瞬。幾千もの剣閃が空に焼き付いた。
「ガッ……!?」
それは今までであればありえない光景だった。剣だった黒い破片が飛び散り大小様々な切傷がTHE DISASTERの体に走っていた。
その連撃により生まれた大きな隙を逃さずに切歌と調は飛翔した。大切な家族を救う為に。もう一度共に暖かい日常をおくるために。
「ごめんねリゼ……!」
「痛くするけど我慢するデス!」
調が丸鋸のアームドギアを1つ射出すると丸鋸は一瞬のうちに巨大化し飛翔する。
「これで!!」
【終α式天翔光刃葬】
その一撃をTHE DISASTERは刃の無い側面から両手で挟み込む事で止めようと試みる。高速回転する丸鋸はTHE DISASTERの掌と火花を散らしながらも回転を弱める事なく突き進む。
だがTHE DISASTERも全力で防ごうとし軌道を逸らそうといっそうと力を込めた瞬間。
切歌が調の一撃を防ぐ事でせいいっぱいの背中に三枚刃の熊手のようになったアームドを回転させ勢いをつけて全力で振りかぶる。
「いくのデス!」
【終虐・Ne破aア乱怒】
凄まじい衝撃にTHE DISASTERが手元を狂わせた事で拮抗していた丸鋸が手からすり抜け体に直撃する。鎌が逃げ場を奪い丸鋸が鎧を削り始める。
「グッ……!ガァッ!?」
丸鋸に押されるようにTHE DISASTERはフロンティア目掛けて落ちていく。
そんなTHE DISASTERの横に牙が並ぶ。
「終わらせる、グレイプニル!」
牙がグレイプニルの鎖を展開し無防備なTHE DISASTERを拘束し地面に激突すると同時に完全に縛り上げる。
「今だ!」
牙の声と共に響が前に出る。その後ろにはマリアたちも続く。
「引きずり出す!!」
響の腕のプロテクターが変形し光り輝き始める。これこそが響だけのアームドギア。『繋ぐ手』そのもの。
その輝きは無理矢理にでもTHE DISASTERの──否、リゼ・アルジェネロという少女とマリアたちを繋ぐ。