ダンボール戦機 英雄の弟   作:ソーナ

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回想 W―ディテクター編 LⅠ 風摩キリト

 

〜レイside〜

 

パラダイスへの航行線上に立ち塞がる敵LBXを新たなLBXで倒し、パラダイスへと強行突入した僕ら。

リミッター解除によって普段以上の威力の必殺ファンクションによって、パラダイスの外壁を破壊。

強行突入にて着艦する。

その後、ヒロの[イカロス・フォース]経由で大空博士がパラダイス内部の情報を抜き出し、オタクロスが最短経路を探索し、オタクロスによって目指すべき場所が判明した。

オタクロスによると、パラダイスの心臓部にして人工知能【アダム】と【イブ】は中央にあるらしい。

だが、そこに行くためには4つの増幅器を破壊して動くエレベーターシステムを起動させなければならないらしい。

いや。中央に行くのに4つの増幅器を破壊しないと動かないエレベーターシステムとか何・・・・・・と、ふと思ってしまった。

僕らを阻む為・・・・・・・とかなら分かるけど、元からそうしないといけない設計なら正直不良品じゃないか、と考えてしまう。

ガーダインたちは予めシステムダウンしている時に通っただろうから良いんだろうけど?

いや、システムダウンしているならどうやって中央まで行ったんだ??

色々と疑問が湧いてくるのだが・・・・・・

まぁ、その疑問は横に置いといて―――

 

「レーザー発射まであと1時間だ。急ぐぞ!」

 

僕らはダックシャトルからパラダイス内部へと移動するため、宇宙服を装着してパラダイス内部へと侵入する。

サポートとしてダックシャトルには拓也さんとオタクロス、コブラが残り、父さんと大空博士は僕らとともに中央へ向かう。

外と内を隔てる場所で着ていた宇宙服を脱ぎ、駆け足で目的地の中央へオタクロスの指示のもと向かう。

インカムからのオタクロスの声で最速最短ルートで向かう。

そのまま駆け足で向かい、足元が硝子で足元からは地球が見える通路へと出る。

そのまま真っ直ぐ増幅器のところに向かおうとした僕らの前に。

 

「待っていたよ。さぁ、フィナーレだ」

 

何故かいる風摩キリトが、立ち塞がるように待ち構えていた。

 

「風摩キリト!」

 

「何がフィナーレよ!」

 

「どいてください!」

 

立ち塞がる風摩キリトに兄さんたちが言うが、風摩キリトは聞く耳を持たない。

風摩キリトは兄さんたちに視線を一度向けるや、すぐに僕に視線を移した。

視線を移すや。

 

「山野レイ。キミが相手だ」

 

と一方的に告げた。

 

「・・・・・・わかった」

 

兄さんたちを押し退けて前に出る僕。

 

「レイ!」

 

「すぐ終わらせる・・・・・・」

 

心配そうに言う兄さんに、僕は視線を風摩キリトに向けたまま返す。

兄さんに向けて出た口調は冷たい。

自分でもわかるほど、今の風摩キリトに激昂している。

 

「そう。その眼だ!俺は本気のキミとバトルがしたい!!」

 

「御託はいい。さっさと始めろ」

 

「ふっ」

 

風摩キリトが展開したDエッグに閉じ込められる僕と風摩キリト。

展開されたエネルギーフィールドの大きさからどうやら僕か風摩キリトを倒さない限り、兄さんたちも先には進めないらしい。

フィールドは完全に通路を塞ぐほどの規模だ。

 

「オタクロス。他にルートは?」

 

 

『入口はその奥にしかないデヨ』

 

 

インカム越しにオタクロスに問うも、迂回して進むのも不可と来た。

やれやれ、と思っていると。

 

「さっさと倒すよレイ」

 

「うん。時間もあまりないしね」

 

と両隣りからそんな声が聞こえてきた。

 

「へ?」

 

唖然に思って両隣りを見ると、何故かそこにはルナとメアがいた。

いや、なんでメアとルナがいるん???

頭上にハテナが、ポンポンポンと浮かび上がる。

どうやら風摩キリトは僕をご所望のようだから、僕一人で倒そうかと思っていたんだけど・・・・・・

そんな僕の心情を察した。というより、予想していたのか、二人は呆れた顔で。

 

「何でもかんでも一人でやらないでよ」

 

「レイの考えていることなんて、私たちにはお見通しよ」

 

と言った。

お見通しって・・・・・・

 

「あ、この、お見通しってのは私とルナちゃん、キヨカちゃんの事だからね」

 

・・・・・・・・・・キミたちは読心術でも出来るのかい?

僕の思っていた事を言われ、えー・・・・・・となる。

えー、となりながらも、肩を竦めて風摩キリトに謝る。

 

「ということらしい。悪いね。僕だけとの戦いを望んで居たようだけど」

 

「・・・・・・ああ」

 

対する風摩キリトは何処か羨ましそうに僕らを見ていた。

何故そんな目で見るのか不思議になりつつも、風摩キリトに幾つか質問する。

 

「キリト。アラン・ウォーゼンのことを通報したのはキミか?」

 

「さあね」

 

肯定でも否定でもない、曖昧な返し。

だが、今の返しでアラン・ウォーゼンのことを通報したのが風摩キリトだと言うことが分かった。

以前兄さんたちがLシティからNシティまでのリニアで遭遇した列車強盗団【ワイルドバッチ】の時もはぐらかしたような曖昧な返しだったようだし。

 

「まぁいい。次だ。何故いつもいつも僕らの前に現れる?」

 

「俺が欲しいのは"経験値"さ。キミたちとバトルをする事で、より多くの経験値が獲られる」

 

「経験値?」

 

風摩キリトの言った、この経験値というのにどうも違和感がある。

自分の経験値というより、何かの経験値。

まるで、データ収集のためのような経験値という言い方だ。

 

「特に山野レイ。キミは山野バンより良い」

 

「・・・・・・・・・・」

 

風摩キリトの興奮したような言葉に沈黙を以て返し。

 

「さぁ。バトルを始めよう!!」

 

「ああ!」

 

お喋りを終え。

 

「疾く天を翔けろ!―――[ウラノス]!!」

 

「[ヘスティア]!!」

 

「[アルテミス]!!」

 

「[デクーOZ]!![ハカイオー・キリト(カスタム)]!![ジョーカー・キリト(カスタム)]!!」

 

それぞれのLBXがジオラマに降り立つ。

ジオラマのフィールドは【王宮場内】。廃墟と化した王宮の闘技場が戦いの場で、夕日の赤い光が斜めに差し込んでいて全体的に薄赤い色に照らされている。

 

「(っ!3機の同時操作!?)」

 

風摩キリトのLBXを見て驚く。

LBXの3機同時操作は超高難易度といっても過言ではないほどのもので、僕らの中でも出来るのはダイキさんとオタクロスぐらいだ。

そのダイキさんも同機体の同ポテンシャルのLBXかつ、相手が1人でないと厳しいらしい。

オタクロスに関しては・・・・・・・・・・・・・・あの人規格外すぎるから除外で。

 

 

『レイ、今なにか失礼なこと思わなかったデヨ?』

 

 

なんかインカムから、ダックシャトルにいるオタクロスの声が聞こえるがスルーしよう。

互いのLBXが降り立ち、バトルが始まる。

最初に攻めてきたのは風摩キリトのハカイオーとジョーカーだ。

ハカイオーとジョーカーの同時攻撃をウラノスたちは下がって避け。

 

「舞え!」

 

展開した子機(ビット)。3対6翼の内、2翼を攻撃して動きが止まったハカイオーとジョーカーに向けて放つ。

放たれた砲撃は避けられるも、分断させることに成功した。

 

「メアはジョーカー。ルナはハカイオーを!」

 

「任せて!」

 

「うん!」

 

メアのヘスティアにジョーカーを。ルナのアルテミスにハカイオーをお願いして、僕のウラノスはデクーOZを相手する。

『ネビュラ』で攻撃してきたデクーOZの構えるトマホークを迎え撃つ。

そのまま左腕に取り付けられた盾で殴ってくるも、『アステラ』で弾き、子機(ビット)3翼の砲撃を上から浴びせる。

砲撃を避けられるも、連鎖で断続的に放つ。

 

「ちっ!」

 

砲撃とともにウラノスで攻撃する。

『ネビュラ』で突きからの、『アステラ』での死角による下段からの切り上げ。ギリギリで躱したところに真横から子機(ビット)による砲撃。

隙のない、絶え間ない連続攻撃で風摩キリトは舌打ちをする。

風摩キリトにとって、この状況は最悪といっても過言ではないだろう。

何せ、3機の同時操作をしている故に、集中力はいつも以上になりデクーOZの相手は僕のウラノス。

しかも、そのウラノスは遠近両用攻防一体のLBX。

近接武器に気をつけながら、子機(ビット)の6翼を警戒しなければならない。

実際僕もクイーン・シャルバート中尉の[プロト・U]を相手にした時はそうだったし。

けどあの時は1対1だった。だから僕もシャルバート中尉も十分に実力を発揮出来た。

けど、今の状況は風摩キリトにとって苦しかない。

言ってはなんだが、メアとルナもそんじょそこらのLBXプレイヤーとはレベルが違う。

何より、僕らには僕らだけのとっておき(・・・・・・・・・・)がある。

 

「ふっ!」

 

ガギンッ!!と双剣とトマホークがぶつかり合う。

不利な状況なのに、対等にぶつかり合う。

幾重ともしれない斬り合う。

メアのヘスティアとルナのアルテミスとも拮抗していることから尋常ではない集中力だ。

いや。狂気にも均しいほどの集中力だ。

妄執と言っても差し支えないかもしれない。

けど―――!!

 

「時間が無いんだ。一気に決めさせてもらう!!」

 

CCMを操作して子機(ビット)の4翼を『ネビュラ』と『アステラ』へ合体させる。

 

形態変換(アームドチェンジ)星刃(シュナイデン)!!」

 

「なにっ!?」

 

それぞれ2翼を合体させて片手剣から大剣ほどの大きさまで変え、斬撃を飛ばす。

振った『ネビュラ』から放たれた斬撃を咄嗟に左手の盾でガードするデクーOZ。

今ので、戦い始めて初めて風摩キリトの表情が崩れた。

 

「こう言ったらなんだけど・・・・・・キリト。あまり僕らを舐めるなよ?」

 

ウラノスの『ネビュラ』とデクーOZのトマホークがぶつかり合う中、風摩キリトに向かってそう言う。

 

「なに?」

 

意味がわからない、と怪訝な顔をする風摩キリトに。

 

「僕たち3人が揃ったら・・・・・・」

 

「「―――負ける戦いなんてないっ!!!」」

 

僕の言葉を引き継ぐように、メアとルナが異口同音を口にしそれぞれ、ギンっ!!ダンっ!!という響きとともに、ジョーカーとハカイオーがデクーOZの方へと吹き飛ばされた。

 

「あ、訂正。キヨカも入れた僕ら4人だ。4人揃えば負ける戦いなんてない」

 

そのまま吹き飛ばされたジョーカーとハカイオーを巻き込みながら、『ネビュラ』と『アステラ』で吹き飛ばし、バトル開始前と同じ構図になるのを見ながら訂正する。

キズだらけのジョーカーとハカイオーに対して、ヘスティアとアルテミスは軽傷って感じで軽微だ。

 

「大丈夫二人とも?」

 

「まあね。レーくんがいるからか私たちの方は少し疎かだったし」

 

「そうだね。まぁ、レイ相手に油断したらすぐに首をもっていかれるから」

 

「人を殺戮魔みたいに言わないでよ〜」

 

「ただの例えだよ」

 

気を抜けない相手がいるのに、僕らはいつもと同じ空気で会話する。

多分、僕一人だけで戦っていたらこんなに喋らないし、瞬殺に近い戦闘スタイルだったかもしれない。

もちろん、今も手は抜いていない。

けど、二人がいるからその分気が楽なのは事実。

 

「クッ!」

 

風摩キリトは顔を少し歪めてCCMを操作し、デクーOZらを再度ウラノスたちに向かってこさせる。

僕らもそれぞれ反撃に移る。

ウラノスはデクーOZのトマホークを双剣でいなして捌き、ヘスティアはジョーカーの三日月形の鎌を素早い速度で避け、胴体に細剣『ラピエールウェスタ』を数撃叩き込み、アルテミスはハカイオーの武器腕による攻撃を薙刀『アージェントセレーネ』の持ち手で受け止め、弾き飛ばすと同時に薙ぎ払う。

それぞれ相手をしているとメアが。

 

「レーくん。ルナちゃん・・・・・・アレ、やろうよ」

 

と提案してきた。

珍しく、メアからの提案に驚く僕とルナ。

 

「アレって、アレ(・・)のこと?」

 

「うん」

 

確認したらアレとはやっぱりアレの事らしい。

 

「いいと思うよ。久しぶりにやろうよレイ」

 

「あははは。ルナもか」

 

ハカイオーを相手にしながら言うルナに苦笑しながらデクーOZを相手する。

 

「そうだね。それに、メアが言わなかったは僕が言おうとしていたし」

 

肩を竦めながら言う僕にメアは胸を張りながら言う。

 

「ふふーん。レーくんの事なら私には全部お見通しなんだから」

 

「メア、そこで惚気ないで。・・・・・・ズルい」

 

・・・・・・なんかハカイオーへの攻撃に鋭さが増したような・・・・・・・・・・

不貞腐れたようにメアを見ながらアルテミスを操作するルナ。

てか惚気って・・・・・・

 

「まぁ、これが終わった後でレイにはこれまでの分の埋め合わせとして色々付き合ってもらうから」

 

「あ、それ私も〜!」

 

「確定事項!?」

 

今に始まったことではないが、何故か確定事項なのだ。

ギョッ!?とするが、もう慣れた。

いや、慣れたらダメなんだろうけど。

 

「それじゃあ・・・・・・」

 

「うん」

 

「いつも通りに」

 

互いに顔を見合わせ頷き、行動に移す。

 

「行くよメア!ルナ!」

 

「「ええ!!」

 

「何をするつもりだ!?」

 

両サイドに散開するヘスティアとアルテミス。

追撃しようとハカイオーとジョーカーが追い掛けるが、それを防ぐように残った子機(ビット)の2翼で行く手を阻む。

すでに4翼は『ネビュラ』と『アステラ』と合体させているため、自由に動かせるのは残った2翼のみだが、それで十分だ。

 

「―――フェーズ(ワン)!!」

 

風摩キリトのLBX3機を逃さないように連続で攻撃し動きを封じる。

 

「―――フェーズ(ツー)!!」

 

動きが鈍ったハカイオーとジョーカーをデクーOZに向けて突き飛ばす。

 

「―――フェーズ(スリー)!!」

 

相手の動きが止まったところで。

 

「「「―――合体必殺ファンクション!!」」」

 

僕、メア、ルナが同時に叫び、それぞれのCCMからは全く同じ異口同音の言葉が発せられる。

 

「「「【アタックファンクション!!オリオン・プラネットラプソディー】!!!」」」

 

それぞれの武器。双剣、細剣、薙刀に、黒と白。緋色に蒼銀のライトエフェクトが煌めく。

それぞれ、星のような煌めきを輝かせながら絶え間ない連続攻撃をデクーOZとハカイオー、ジョーカーに浴びせる。

やがて、3機をヘスティアとアルテミスが‪✕‬(クロス)を描く様に、振り抜きざまに切り払い、‪(クロス)‬の中心点をウラノスが上空から穿くように勢いよく落下し、双剣をフィールドに突き刺す。

まるで隕石が落ちたかのような衝撃が発生し、砂煙が立ち込める。

そのまま勢いよくデクーOZらを薙ぎ払い、三方向に吹き飛ばす。

デクーOZは真後ろの、ヘスティアとアルテミスの中央にある壁に。ハカイオーとジョーカーはそれぞれ北東と北西へと吹き飛び、オブジェクトの柱にぶつかり青白いエフェクトを発光させてその場に倒れた。

 

「な・・・・・・んだと・・・・・・!!?」

 

一撃で2機倒れたのに目を見開いて驚く風摩キリト。

ブレイクオーバーしなかったとはいえ、唯一生き残ってるデクーOZもダメージがデカい。

 

「よし!」

 

「上手くいったね!」

 

「ええ!」

 

【オリオン・プラネットラプソディー】。

後に、『フォーメーションアタック』と呼ばれる僕とメア、ルナ3人による合体必殺ファンクションだ。

これの意味は【自由にさまよう希望の星】。

この合体必殺ファンクションの発案者は僕ではなく、メアだ。

切っ掛けはメアの「せっかくだから、私たちだけの合体必殺技を作ろうよ」である。

これを聞いた時、僕もルナもキヨカも、は????となったほどである。

何せ合体必殺ファンクションなど聞いたこと無かったからだ。

普通一般、基本的に必殺ファンクションは単体で放つ。

なのだが、メア曰く連携技をすればもっと威力は上がるんじゃないかな?との事だった。

いや、僕も連携の合体必殺ファンクション良いなぁ、って思ったことはあるけど。

まさかそれを実際にやろう、って言われるなんて思わなかった。

しかもメアに。

まぁ、それからはかなーーーーり苦労して合体必殺ファンクションを作り上げたわけなのだが、ついでに2人で放つ合体必殺ファンクションも開発してしまった僕らである。

まぁ、この開発のお陰で母さんに「ちゃんと寝なさい!」と怒られてしまう事が何度かあったのだが。

とまぁ、そんなこんなで色々苦労したがなんとかそれぞれの合体必殺ファンクションを開発することが出来たわけである。

この【オリオン・プラネットラプソディー】は僕とメア、ルナの合体必殺ファンクション。

キヨカとの合体必殺ファンクションや、僕を除いたメア、ルナ、キヨカだけの合体必殺ファンクションもあるのだが、それは割愛するとして。

結構久しぶりに使ったからミスするかと思ったけど、やっぱりそれは杞憂だったね。

 

「さぁ。これで3対1。コッチはほぼ万全に対して、そっちは満身創痍。既に勝負は着いたと思うけど風摩キリト?」

 

僕の勧告に風摩キリトは―――

 

「勝負は着いた・・・・・・?ふっ・・・・・これからだよ!!」

 

と返した。

それと同時に、風摩キリトのCCMが光、デクーOZを金色のオーラーが包み込んだのだった。

 

〜レイside out〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜キリトside〜

 

「(残り3%・・・・・・)」

 

強引に山野レイたちとバトルを始めた俺は、CCMに表示されたインジケータを見る。

本当なら山野レイ一人と戦いたかったが、フィールドが展開されたと同時にレイの両脇を2人の少女らが入り込み3対1という状況になった。

戦い前に2人とレイが話してる姿を見て、俺は羨ましさと懐かしさを憶えていた。

戦いが始まり、俺は自分のLBXら。

デクーOZに、ジョーカー・キリトC、ハカイオー・キリトCの3機で山野レイらを相手する。

戦いは圧勝や善戦。なんて微塵も欠片もない。

苦戦も苦戦を強いられていた。

 

「(山野レイは相変わらずだが、この2人はなんだ?!山野レイに匹敵する実力のプレイヤーだと?!軽く打ち合っただけで山野バンらより上か、それに並ぶ実力者だと分かる)」

 

一人で3機を操作しないとならない為、どうしてもリソースが100%その機体に行くわけでないので、本来のスペックを発揮出来ずに分散してしまう。

だが、それでも俺自身がカスタマイズしたLBXだ。

分散していても相手取るには問題ないと思っていた。

しかし―――

 

「(なんだ!?山野レイのLBXだけでもミスしたらやられるのに、この2人は・・・・・・!!)」

 

ここまで来たのだ。

並大抵のプレイヤーでは無いことは予想していた。

だが、その予想は大きく裏切られた。

山野レイの新たなLBXもそうだ。

遠隔で操作出来る砲撃機に気をつけなければならないし、山野レイの操作スキルは俺を凌駕する。

これでもLBXの操作には他より高いと自負している。

が、山野レイはそんな俺よりも高い、天性の天才レベルと言っても過言ではない程のスキルだ。

それは山野レイと初めて戦った時に解った。

だが、それと同時に膨大な経験値が得られるとも。

だから俺は山野バンではなく、山野レイに勝負を挑んだ。

そして、その結果。

 

「後2%。もう少しだ。もう少しで・・・・・・エイミー、キミの微笑みを・・・・・・・)」

 

すぐにインジケータは残り2%の、98%になっていた。

あと少しで俺の・・・・・・・

エイミーの微笑みを取り戻せる。

ここまでの事を俺は山野レイらを相手に、脳裏に思い出していた。

始まりは、あの雨の日。

エイミーを目の前で喪った。

俺がエイミーを死なせた日。

 

「(俺は、あの日も待ち合わせに遅れていた)」

 

エイミーと付き合って数年。

この日も俺は彼女とデートの約束をしていた。

だが、俺は大切なデートの日にも関わらず、待ち合わせの時間に遅れていた。

雨が降る中、俺はいつも通り笑って許してくれる、と思っていた。

そして待ち合わせの場所の目前に着き、後は信号を渡るだけだった。

エイミーも俺に気付いたようで、俺を見て微笑んでいた。

けどそこに、トラックがブレーキのスキール音を鳴らしながら、彼女へと迫った。

一瞬の出来事だった。

エイミーは、滑って横になったトラックのトレーラーに押し潰された。

 

「(俺のせいだ。俺が、約束の時間さえ守っていれば・・・・・・!)」

 

警察によりトラックの運転手は過失運転致死傷でその場で逮捕。

エイミーは無残にも押し潰され原型が分からないほどだった。

俺が時間さえ守っていれば。俺が後5分でも早く来ていれば、こんな事には成らず、エイミーを死なせることは無かった。

エイミーの両親に俺は額に傷が付くほどの土下座をした。

俺が遅れたせいで死なせてしまった、と泣きながら。

だが、エイミーの両親はそんな俺に罵声を浴びせる所か、キミは悪くない、と言ってきた。

そんなこと言わずに、罵倒や殴りかかってきて欲しかった。

それを受ける資格が俺にはある。

本当なら俺が彼女を死なせたようなものだ。

なのにエイミーの両親へ俺を赦した。

エイミーの葬儀後、俺は何もかも手放してある事をし始めた。

 

「(エイミーの微笑みは喪われた。だが、俺は取り戻したかったんだ)」

 

アンドロイドにエイミーと同じ感情を与えるため試行錯誤を繰り返した。

ただ、もう一度エイミーに逢いたい。微笑んでほしい。そのほほ笑みを取り戻したかったから。

だが、いくら何度やっても本物のエイミーとは似て非なるものしか出来なかった。

そんな日が幾日も経ち、ある時気晴らしにエイミーとよくデートで行った公園のベンチに横になっていた俺の前にあの男。アラン・ウォーゼンが現れた。

そしてアラン・ウォーゼンはある物を差し出して言った。

 

「このLBX用チップ【サイロップスAI】をパーフェクトブレインに進化させる仕事をしてみないかね?」

 

と。

LBXは俺が得意とするものだ。

エイミーに何度も俺のLBXを見せたり、色んなことを話した。

だが、エイミーを喪ってからLBXへの情熱も冷め、あれ以降一度も手を付けてなかった。

それ故に興味が無かったが、アラン・ウォーゼンの告げた次の言葉は興味を惹かれる言葉だった。

アラン・ウォーゼンはソレを差し出したまま。

 

「これはアントロイドにも転用可能なAIチップでね。パーフェクトブレインを使えば、アンドロイドに人間と同じ感情を持たせることが出来る。つまり、もう一度愛する人と話すことが出来るのだよ」

 

と告げた。

アンドロイドに人間と同じ感情を持たせることが出来る。

つまり―――

 

「エイミーと・・・・・・話せるのか・・・・・・?」

 

エイミーにもう一度逢える。

エイミーを蘇らせられる。

俺の問いにアラン・ウォーゼンは。

 

「その通りだ」

 

と肯定した。

それ以来、俺はオメガダインのテストプレイヤーとしてサイロップスAIをパーフェクトブレインにするために経験値を稼ぐ日々を送った。

オメガダインに所属している他のテストプレイヤーたちとバトルするも、レベルが低くあまり良い経験値は得られず、あちこちでバトルをしては経験値を稼ぎまくった。

初めて山野レイとバトルしたのもその時だ。

丁度、オメガダインのあるLシティに来ていた山野レイにバトルを申し込み戦った。

山野レイについては有力なLBXプレイヤーを調べていた時に、短期間で日本のアキハバラランキングバトルを駆け上がり序列1位に到達した少年というネットの情報を見て知った。

その時のLBXは確か[カオス]とかいうLBXだったか。

そのカオスと俺のデクーOZは全力で戦ったのに負けた。

最後に有り得ないほどと思う程のスピードとパワーでデクーOZを圧倒し瞬く間に倒したスキルに俺は驚愕した。

その時獲得した経験値は他のプレイヤーと戦った時の数倍。

もしくはそれ以上手に入り、その一戦だけでかなりの経験値が得られた。

その後も山野レイと戦いたかったが所在が掴めず、仕方なく暇潰しも兼ねてあちこちのプレイヤーと戦った。

山野バンと会合したのはそれから半年後。

アルテミスチャンピオンの彼と戦えば山野レイと同等の経験値が得られるかと思ったが、期待外れでガッカリした。

初めて会合したとき、「これなら、彼の方が強かったね」と言ったのは本心だった。

その場でバトルを申し込まなかったのは、時間が無かったのと今戦っても意味ないと判断したからだ。

そしてしばらくの後、山野バンは海道ジン、灰原ユウヤとともにオメガダインに来て俺は灰原ユウヤと戦った。

さらに、Nシティへ行くリニアの中で不完全燃焼という形ではあるが山野バンと海道ジンと戦った。

もっとも、列車強盗とかいう訳の分からないのに邪魔をされて勝負する気が失せたが。

それからも俺は山野レイや山野バンらの情報収集をしてイギリスで灰原ユウヤらと。

何故ドクターマミーが彼処に【キラードロイド】を送り込んだのかは知らないが、アレは俺でも恐怖を体感した。

そして俺はアラン・ウォーゼンの背後にいる人物を特定し、アラン・ウォーゼンに交渉を持ち掛けようとした。

交渉をしようとヤツの部屋に行った。

だがアラン・ウォーゼンは、何者かに重症を負わされていてとても交渉出来るような状況ではなかった。

幸いにもまだ息はあったから警察と救急に連絡してある程度の治療を施してその場を去り、背後にいた人物アルフェルド・ガーダインを追うために国防基地に行き、そこからヤツらを逃がさないためヤツらの乗ったシャトルでここに来た。

アラン・ウォーゼンの事が少しだけ気掛かりだったが、バトル前の山野レイとの会話でどうやら一命は取り留めたようで安堵した。

アラン・ウォーゼンを助けた理由は、これまでの礼というのと、もう二度と誰も死なせたくないからだ。

それが例え俺を利用しているヤツでもだ。

エイミーと同じような状況はもう。

二度と懲り懲りだ。

もし今この状況をエイミーが見たらなんて言うだろ。

笑ってくれる?そんな訳ない。

怒るに決まってる。

俺は何度もアイツらの邪魔をしているし、今も妨害をしている。

アイツらがなんでここに来たのか知っているし、今がどれだけ切迫詰まっているのかも解ってる。

だが、例え恨まれようと俺は俺の目的のために進み続ける。

何れ、俺はこれまでの報いの審判を受けるだろう。

だが、それでも、俺は―――

 

「(後1%。エイミー、キミを蘇らせる!)」

 

エイミーを蘇らせると。

彼女の微笑みをもう一度取り戻すと決めた!

バトルを開始してしばらく経った。

山野レイに集中しなければならないのもあり、ジョーカーとハカイオーへの操作が疎かになりつつある。

そのせいか、ジョーカーとハカイオーのダメージ蓄積量は予想より遥かに多い。

そして3機同時操作による隙を突かれ、今まで見たことない合体必殺ファンクションというのを食らい、ジョーカーとハカイオーはそれぞれブレイクオーバー。

デクーOZに至ってはLPがイエローゾーンを下回っていた。

 

「な・・・・・・んだと・・・・・・!!?」

 

ジョーカーとハカイオーが一撃で。

普通のジョーカーとハカイオーではなく、俺のカスタムしたLBXなのに一撃で倒された。

いくら残りLPが少なかったとはいえ、まだイエローゾーンの半ば程だったのだ。

なのにその量を一撃で吹き飛ばした。

 

「さぁ。これで3対1。コッチはほぼ万全に対して、そっちは満身創痍。既に勝負は着いたと思うけど風摩キリト?」

 

確かに状況的には俺は圧倒的に不利だ。

だが、ようやく。

このタイミングで至った―――

 

「勝負は着いた・・・・・・?まさか・・・・・これからだよ!!」

 

CCMの画面のインジケータが100%になり、画面には新たに【COMPLETE】の文字が表示される。

そして、デクーOZを神々しい金色のオーラが包み込む。

 

「ついに・・・・・・ついにパーフェクトブレインに・・・・・・!!」

 

パーフェクトブレインになったデクーOZの一振りは突風を起こして山野レイらのLBXを吹き飛ばす。

 

「待ってていてくれエイミー。コイツらを片付けたらすぐにキミを」

 

サイロップスAIがパーフェクトブレインになった。

もう、山野レイらと戦う意味は無い。

さっさと終わらせてエイミーを蘇らせる!!

 

〜キリトside out〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜レイside〜

 

風摩キリトのCCMが突然光ったかと思いきや、それと同時にデクーOZまで金色のオーラーに包み込まれて立ち上がった。

立ち上がると同時に振られた一振りは、突風引き起こし、ウラノスたちを吹き飛ばし奥へと押しやった。

 

「なに!?」

 

「なにこのパワーは!?」

 

「さっきまでの比じゃない!?」

 

突然パワーアップしたデクーOZに僕、メア、ルナとも目を見開いて驚愕する。

特殊モードでは無いはずだ。

特殊モード特有の、CCMから『〜〜〜モード』というシステム音声が無かった。

だが、特殊モードではないのにこのパワーは・・・・・・!!

しかもパワーだけではなく、すべての性能が上がっている。

 

「っ!!」

 

もう一度振られた剣の旋風は磁気嵐のような雷を帯びており、咄嗟に双剣をフィールドに突き刺し耐えるが、メアのヘスティアとルナのアルテミスはジオラマの壁面部に吹き飛ばされた。

 

「メア!ルナ!大丈夫!?」

 

「う、うん。でも・・・・・・」

 

「今の一撃だけで二割ぐらい持ってかれたわ」

 

「なっ・・・・・・!」

 

直撃していないのに二割も削られた。

もし直撃でもしようものなら恐らくその倍は削られる恐れがある。

 

 

『レイ聞こえるか!長期戦は不利だ。一気に決めるしかない!!』

 

 

この様子を観ていた父さんからもCCM越しに言われる。

 

「分かってる!メア、ルナ下がって!!」

 

「「了解!!」」

 

形態変換(アームドチェンジ)煌刃(プラネート)!!」

 

残った子機(ビット)の2翼をすでに合体させている『ネビュラ』へさらに合体させる。

子機(ビット)を4翼合体させた『ネビュラ』は、剣幅と刀身は変わらないが、刀身の色合いが元の白黒から白金(プラチナ)のような色に変わる。

 

「必殺ファンクション!!【アタックファンクション!!シャドウ・エクスプロージョン!!】」

 

合体させるやすぐさま必殺ファンクションを発動させる。

ウラノスを白紫のオーラーが包み込み、『ネビュラ』を紫金色のライトエフェクトが輝かせる。

紫金色の斬撃がデクーOZへと迫り。

 

「必殺ファンクション!!【アタックファンクション!!Xブレイド!!】」

 

対する風摩キリトも必殺ファンクションを発動させた。

デクーOZは恒星のような紫の煌めきを輝かせながらXの字の斬撃をする。

ウラノスの【シャドウ・エクスプロージョン】と、デクーOZの【Xブレイド】がぶつかり合う。

ぶつかり合った必殺ファンクションが巨大なエネルギー波を発生させ、キィーーンという甲高い衝撃音を発する。

発生したエネルギー波は、Dエッグの展開した上部のエネルギーフィールド膜に穴を開けた。

 

「なっ!?」

 

「うそ・・・・・・!?」

 

「Dエッグのエネルギーフィールドに穴・・・・・・!?」

 

4翼付けた『ネビュラ』の【煌刃(プラネート)】の攻撃力は【星刃(シュナイデン)】の倍だ。

そして放った【シャドウ・エクスプロージョン】の攻撃力は現状の片手剣の必殺ファンクションの中で最強の一撃を放つ。

素の攻撃力でさえ、他を圧倒するほどの攻撃力なのに加え、【煌刃(プラネート)】によってさらに攻撃力は膨れ上がっている。

なのにデクーOZの【Xブレイド】はその一撃と対等に渡り合った。

信じられないとしか言えない。

驚嘆する僕らに対して風摩キリトは歓喜の表情を浮かべていた。

 

「素晴らしい!これがサイロップスAIの完成系、パーフェクトブレインの力!!これでエイミーは蘇る。俺の元に戻ってくる!!」

 

「蘇る・・・・・・?」

 

風摩キリトの蘇るという言葉に怪訝になる。

そこへ―――

 

「「「「っ!!?」」」」

 

突如、ウラノスとデクーOZで発生したエネルギー波で破れたDエッグのエネルギーフィールド膜から蒼白い光を発行させて正体不明のLBXがフィールドに降り立ち、LBXの手がデクーOZを背中から貫いた。

貫かれたデクーOZはその場に崩れ落ち、青白い光を発行させてブレイクオーバーとなる。

突然の事態に、僕らも風摩キリトも動きを止める。

降り立ち、デクーOZをブレイクオーバーさせたLBXは白と青のカラーリングで通常のLBXに比べて一回り大きな体躯。

両肩に棘、頭部には角のような装飾があり神々しい中に禍々しさを出し、右手に前後に両刃の青い雷のような槍を持っていた。

 

 

『ふっハッハッハッハ』

 

 

動きを止めた僕らへ、何処からかガーダインの声が響き渡った。

 

「ガーダイン・・・・・・!」

 

声のするパラダイスの上を見る。

どうやら何処からか放送で話しているようだ。

 

 

『礼を言うぞ風摩キリト君』

 

 

「ガーダイン!」

 

 

『ここまでよくサイロップスAIを育ててくれた』

 

 

ガーダインのLBXはブレイクオーバーしたデクーOZに近づき、再び胴体部を貫くや、デクーOZの中から何かを取り出した。

 

「何をする?!それはエイミーのための!!」

 

 

『愚かなヤツめ』

 

 

「?」

 

 

『サイロップスAIは、LBX専用。例え、パーフェクトブレインになっても、アンドロイドには使えないのだ』

 

 

「!!」

 

 

『君は利用されていただけなのだよ、フハハハハハ』

 

 

「そんな・・・・・・そんな・・・・・・」

 

糸が切れた用にその場に膝を着く風摩キリト。

 

 

『パーフェクトブレインは我が理想のために使わせてもらう』

 

 

「そうは行かせるか!!メア!!ルナ!!」

 

「うん!」

 

「ええ!」

 

よく分からないが、あのLBXをこのまま行かせるのはヤバいと本能で感じた。

現れた時と同じように、空いた穴から立ち去ろうとするガーダインのLBXの行く手を防ぐように飛び上がり、ガーダインのLBXへ『ネビュラ』を叩き付ける。

下からはメアのヘスティアとルナのアルテミスがそれぞれ、細剣の『ラピエールウェスタ』と、薙刀の『アージェントセレーネ』を振るう。

三方向からの攻撃がガーダインのLBXに当たる瞬間。

 

「「「っ!!」」」

 

ウラノスは突如上から来た新たな謎のLBXの攻撃をガーダインのLBXへの攻撃から咄嗟に受け止め、ヘスティアとアルテミスの攻撃はガーダインのLBXが槍で受け止め、そのまま地面に吹き飛ばしていた。

 

「くっ!」

 

新たに来た謎のLBXはそのままガーダインのLBXを逃し、眩い発光をして自分も何処かに消え去った。

発光が治まると、既にどこにもガーダインのLBXも突然現れた謎のLBXの姿形は無くなり、デクーOZが倒されたことでDエッグのエネルギーフィールド膜が消え去った。

後には生気を失ったように崩れ落ちる風摩キリトと僕らだけだった。

 

「・・・・・・どうみるレーくん」

 

「仲間割れ・・・・・・じゃないよね見た感じ」

 

「うん。風摩キリトは最初からこの為に利用された、と考えるべきだろうね。それにしてもパーフェクトブレインって一体・・・・・・」

 

突然の事態に理解出来ずにいた僕らに。

 

「時間がない。行くぞ3人とも」

 

と、父さんが言ってきた。

僕らはその場に膝を着く風摩キリトを残して通路の先に進む。

進む途中でダッグシャトルにいるコブラに、風摩キリトをダッグシャトルに連れて行くように言う。

通路の先には左に1と2。右に3と4の数字が描かれた通路があり、それぞれ予定通りに分かれて増幅器を止めに行った。

3番は僕とジンとユウヤが。

4番はメアとアミ姉とカズ兄が。

2番はルナとジェシカとアスカが。

そして1番は兄さんとヒロ、ラン、父さん、大空博士が向かった。

番号の描かれた通路の先には巨大なケーブルがたくさんあり、ケーブルはそれぞれ上に伸びており、レーザー反射エリアにケーブルが集まっているところの上には黄色く光る増幅器があった。

 

「レイ、行けるか」

 

「任せて」

 

ジンの問いに頷いて返し、ウラノスでレーザー反射エリアを抜けその上にある増幅器を目指す。

無数にあるレーザーの反射を予測するのは難しいが、なんとかレーザーに当たらないようにして増幅器に到達。

そのまま増幅器を分離(パージ)した子機(ビット)の6翼で攻撃し破壊する。

破壊すると爆発音とともに、すぐ側にあった丸いエレベーターのようなもののハッチが開いた。

僕、ジン、ユウヤは球体のエレベーターらしきものに乗り込み、上層階を目指す。

上層階に着きオタクロスから、奥にある中央エレベーターに乗ればコントロールルームに着くことを言われ、中央エレベーターのある部屋を目指そうとする。

が、エレベーターから足を踏み出した途端、警報音が鳴り響き、中央エレベーターのある部屋へのシャッターが降りようとしていた。

 

「間に合え・・・・・・っ!!」

 

駆け出してなんとかギリギリのところで中央エレベータールームに辿り着く。

だが―――

 

「ジン!?ユウヤ!?」

 

あと少しのところでジンとユウヤの目の前でシャッターが降りきり、2人と分断された。

 

「レイ!」

 

「っ!兄さん!っ!?メアたちは!?」

 

反対側には兄さんたちがいたが、左右の扉の前には誰もいなかった。

どうやら僕と兄さんたちだけが突破出来たようだ。

 

 

『どうやら、出られたのはバンたちだけのようだな』

 

 

CCM越しの通信でカズ兄が言ってくる。

 

「今助けに!」

 

 

『来るな!』

 

 

兄さんの言葉をジンが遮る

 

 

『先に行くんだ』

 

『自分たちで何とかするわ!』

 

『ここはいいからみんなは先に行って!!』

 

ジン、ジェシカ、メアが僕らに告げ、僕らは先に行くことにする。

中央エレベーターに乗り込み、コントロールルームへと行く。

コントロールルームに行く中でオタクロスから、メインレーザーの発射まで残り15分だと伝えられる。

風摩キリトとの戦いでかなり時間を取られた影響か。

中央エレベーターから降り、コントロールルームに降り立つ僕ら。

目の前にある階段の上にはガーダインとビショップ。

そして―――

 

「・・・・・・・・・・」

 

ようやく見つけた。

 

 

 

「ようこそ。我が革命の象徴。パラダイス心臓部へ」

 

 

 

 

 

 

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