待たせてしまった読者の方々には申し訳なく思います。
また、この章を終わらせたいという気持ちが先行し過ぎて急展開だったりします。
また、うろ覚えの設定などはGPT系を一部使ったりWikipedia使ったりしながらやっている部分もあるため、チグハグに思えてしまう箇所もあったりと、読みづらくなっていたら、こちらも申し訳なく思います。
さて、前書きはここまでといたしまして、今回のお話も読んでいただけたら幸いです。
side 第三者目線
目の前の景色が大きくヒビ割れ、そこから巨大な何かが這い出てくる。
それは異様な形をしていて、上半身は辛うじて人型に見えるが、それを支える下半身部分がもはや人ではない。
それは……大きな大地だった。
大きな大地からその大きさに等しい巨人の上半身が生えていた。
その異様な姿をした巨人の名称は『デビルコロニー』と言う。
F.C.と呼ばれる世界で人類を破滅に追い込もうとした存在だ。
元はといえば、その世界の自然環境をより良いものにしようと願われて作り出された『アルティメットガンダム』という機体が元だった。
当然自然環境を良くする様にプログラムが施されていたのだが……最終的に人類を滅亡に追い込むプログラムに置き換わってしまった。
何故そうなったのかについては詳細を省くが、その原因にはウルベ・イシカワも1枚噛んでいる……というよりも、この男が主導で計画を立ててアルティメットガンダムを手中に収めようとした結果が人類滅亡の入口に繋がってしまった。
本当に傍迷惑な男である。
まぁその傍迷惑な男が起因となって、自然環境を良くする為にプログラミングされたアルティメットガンダムは、豊かな自然環境を取り戻す為には人類を抹殺しなければならないというプログラムに置き換わり、『デビルガンダム』と名称が変わって、DG細胞を介して人類滅亡に舵をとった。
人類を滅亡させようとしたデビルガンダムは、F.C.の世界でシャッフル同盟とガンダム同盟の尽力あって撃ち倒され、機体も消し飛んでDG細胞も機能を停止した。
そのはずであったが、アルジをよく思わない神は全能を良いことに、デビルガンダムを人類滅亡まで追いやった時期の機体情報と能力で復活させてしまった。
そしてそれを操る為のウルベ・イシカワも復活させ、あまつさえ能力を強化し、オマケにチートじみた能力まで与えてアルジの住む世界へと赴かせた。
アルジを良く思わぬ神の命令によってウルベはこの世界に襲来し、彼を滅ぼした後は、世界を統一して自分の支配を隅々にまで行き渡らせようとした。
結果としてはアルジにコテンパンにされたが、それでもタダで転ばなかったウルベはデビルコロニーを呼び出す。
自分の生命活動は最早風前の灯であったが、その状態でもDG細胞に深く侵食された存在……そのためデビルガンダムはウルベを自分の核として機体の奥深くへと置き、彼の執念ともいえるアルジの抹殺を最優先にヒビ割れた空間からアルジが存在する空間へと今……全体を露わにして現れた。
現れて真っ先にした事は……勿論アルジの抹殺だ。
自らの口にエネルギーを溜め、大地に蠢いている何千にも及ぶガンダムヘッドにもエネルギーを溜めさせる。
その迫力はウルベが召喚した軍勢の比ではなく……まさに滅びを振り撒く存在だと、アルジのはるか後方、紅の塔頂上で戦いを見守っていた皆はそう思っていた。
そしてアルジも……
「……さっさとこの茶番を終わらせる」
その一言を呟いたと思えば、自分が纏っていたアスタロトの鎧を解除した。
代わりに左腰に灰色をした得物が顕現……その得物の持ち手、紅色に輝いていたそれに魔力を通して引き抜いた。
それは持ち手から刀身まで紅色に染まり切った日本刀だった。
そこにアルジが自らの魔力を流す事で更に紅く輝く。
紅く輝いた刀を、アルジは目にも止まらぬ速さで逆V字に宙を斬る。
そして最後に逆V字の中間あたりに、居合の要領で左から右へと一閃する。
それはアルファベットのAの文字で、紅い輝きを灯している。
アルジが刀でAの文字を宙に描いたと同時に、デビルコロニーも口から溜め終わったエネルギーを放出する。
それはデビルコロニーの大地で同じようにしていたガンダムヘッドからも放出され、それらはアルジ目掛けて一直線に走っていく。
それをアルジが避けるのは簡単だろうが、避けた先には紅の塔がある。
例えアルジが強力な魔力による防壁を張っていたとしても無傷とはいかないだろう。
しかしアルジは目の前から光線が迫ってきているにも関わらずそこから一歩も動かない。
それどころか抜き放った刀を左腰にある武骨な鞘に収める動作をしていた。
刻一刻と迫る悪意が濃縮された本流……後数秒もしたらアルジを容易に呑み込むだろう。
本来感情など持ち合わせていないはずのデビルコロニーも、まるでアルジをもう少しで消し去る事が出来ると感じ取ったのか、邪悪な笑みを顔に貼り付けていた。
しかし……事はそう容易くいくことなどなかった。
遙か上空から風切音を上げながら何かが落ちてくる。
それは紅色のオーラに包まれたなにかで、中身がハッキリと分からないが……それは一瞬目を離した程度にも関わらずデビルコロニーが発した本流とアルジの前に割って入った。
落ちて来た紅い何かにデビルコロニーから放たれた攻撃が当たる。
絵面で見てしまえばデビルコロニーの攻撃で紅い何かは消滅するだろう。
それ程の質量をデビルコロニーは放っていた。
だが蓋を開けてみれば……紅い何かはデビルコロニーの攻撃を堰き止め、後方にまで攻撃が及ばないようにしていた。
ここで一旦デビルコロニーの攻撃が終わる。
そしてデビルコロニーの攻撃を堰き止めていた何かは……今もなお中身が見えず紅いオーラを纏ったままで、損傷は見られない。
その紅いオーラの中に、アルジは入っていく。
まるでいつもそうしているという風に、何も躊躇いなくオーラの中に入り込む。
そして数秒も経たないうちに……紅いオーラは弾け飛んだ。
弾け飛んだ際に生じた風圧がデビルコロニーにも届く。
その風圧はデビルコロニーの巨体を揺らした。
そんな中デビルコロニーは見た。
オーラの風圧を発生させていた中心に佇むものを。
その佇んでいたものが宿す水色のツインアイを……直視してしまった。
途端、デビルコロニーが経験した事のない感情が内から湧き上がってくる。
自らは人類を滅ぼす存在であり、自らが恐怖をもたらす存在であると自覚していた。
だがこちらを見つめてくる水色のツインアイは……その比ではなかった。
その視線がこちらに向けられただけで……この場から一刻も早く去らなくてはならないと、自らを動かすプログラムが解答する。
それに伴って大陸で蠢いていたガンダムヘッドを相手に向かわして時間を稼ぎ、自分はヒビ割れた空間に戻る準備を始めた。
逃すわけがないだろう?
動きが唐突に止まる……早くこの場から逃れなければならないのに……プログラムが思うように動かない。
そしてまた……あの存在に視線を向けてしまった……
少し目を離しただけなのに……今も尚紅いオーラの風圧を発生させる存在の姿勢が変わっていた。
さっきまでは直立していただけだった筈が、今は居合の構えを取っている。
右手は左腰にある武骨な四角い鞘から伸びる紅い持ち手を握り、腰は深く落とし、両肩のパーツはまるで飛行機の主翼の形となっている。
そして聞こえてくる音は、飛行機が離陸する時に発するようなエンジン音……それが段々と強くなっていく。
その存在を少し見ていただけ……その僅かな時間しか経っていなかった筈が……いつの間にかデビルコロニーの視界は自分の上半身を支える大地に向いていて、大地との距離が近付いていた。
そして大地との距離が0になった瞬間……デビルコロニーのプログラムは機能を停止した。
side out
デビルコロニー全体が出現したと同時に、俺はアスタロトオリジンを呼び出した。
そのままその場で魔力で創り出すことをやっても良かったが、正直過去に1/1アスタロトオリジンを作成していたし、それも最近では搭乗する機会が無かったから、呼び出すコマンドをその場でやって、別空間にあるアスタロトオリジンを召喚した。
ただこのアスタロトオリジンの召喚については、かなり凝った演出をしている。
まず呼び出すモーションは『ガン×ソード』の主人公であるヴァンがダン・オブ・サーズデイを呼び出す時を参考にして、アスタロトオリジンを召喚する際はそのモーション込みを必須にした。
その時に目の前の空間へアスタロトをアルファベットにした際の頭文字である『A』の文字を、召喚する際に鍵となるγナノラミネートソードで描く事も忘れない。
その動作をし終わった後、アスタロトオリジンが空から紅いオーラを纏って降りてくるのだが、この演出も『Gジェネレーション クロスレイズ』でアスタロトオリジンの攻撃手段であるスレッジハンマーを選択した際に流れる描写をそのまま適用している。
ここまでの流れで他作品含めて丸パクリと言われても仕方ないが……その演出方法がカッコ良かったし、何より俺自身が生でその光景を見たかったからな……悔いはない。
それで召喚し終えた後はアスタロトオリジンのコックピットに搭乗する。
そしてこのコックピットの作りについても、『ガン×ソード』に出てくるオリジナルセブンという名称を持った『ヨロイ乗り』が搭乗するヨロイのコックピットを丸パクリしたものだ。
コックピットの真ん中にγナノラミネートソードをスレッジハンマーの鞘ごと思い切り、イメージとするなら地面にそのまま突き立てる勢いで立て掛け、ソードは引き抜く。
ここまできてようやくアスタロトは俺とリンクして動き出すようになる。
確かにいつもの如く、魔力で自分の周りに魔力で機体の武装や鎧を創り出して纏った方が早いのは言うまでもないが……
それでアスタロトオリジンとリンクしてからは……こちらの独壇場だった。
奴をこれ以上この世界に留まらせることを許してはならない。
ただその悪意を振りまく存在を滅ぼす……その事だけに思考を割いて居合の構えを取る。
奴から伸びるガンダムヘッドの群れは、さっきウルベが召喚した比ではない程に強力で数も多いが……そいつらの残骸一欠片も残す事はしない。
デビルコロニーは現れた時に光線を放って以来、自らで攻撃をして来る気配はなく、逆にこの場から逃げようとする動きをしている風に見えた。
逃すわけがないだろう?
俺の大切な人に傷を付けておいてタダで返すと思っているのだろうか……否、そんな事は俺が許しはしない。
その威圧が届いたのか……奴の動きが止まって、視線が俺の瞳を、アスタロトオリジンのツインアイに向けられていたと感じる。
その時には居合で一歩踏み出す寸前で、機体を飛行形態に移し背部のスラスターの推力を高めていた。
そして推力が最大まで達した瞬間に……一気に解放して前へと飛び出す。
飛び出した一瞬のうちに俺に1番近かったガンダムヘッドの集団を射程圏内に捉えて、すれ違いざまにスレッジハンマーの鞘からγナノラミネートソードを引き抜いて、右一閃に斬り払う。
それが終わればまたスレッジハンマーの鞘に戻して、違う対象をまた一閃すら。
その動作を繰り返して得られる効果……それは抜刀速度と納刀速度の上昇、それにプラスして一閃で相手に与えるダメージの上昇と斬れ味上昇、オマケに射程の上昇だ。
確かに魔力を刃に纏わせて一閃する手段の方が手間は無かった。
でも念には念を入れて……目の前に佇む存在には絶望を植え付けなければならない。
例えそれが機械で、身体を動かしているのが感情のないプログラムだったとしても……それが理由で手を抜く事はあり得ない。
デビルコロニーの本体に辿り着くまで、ガンダムヘッドの群れと何回もすれ違う。
同時に一閃を一機ずつにお見舞いして、完全に機能を停止させる。
そして最後のガンダムヘッドを一閃したその勢いのまま、デビルコロニーの頭付近まで近付いて……ガンダムヘッド達にしてきた様にすれ違いざまで頸を一閃する。
デビルコロニーの頭はガンダムヘッドの比ではない程に一回り大きい。
だがここに至るまで何回も居合からの一閃の動作を行ってきた為に、攻撃範囲が広がった一閃で奴の頸も軽々と斬り裂くことが出来た。
これでデビルコロニーの活動も停止していって、仕舞いには自壊を始めるだろう。
命令系統を失った軍隊と同じ様な感じで、DG細胞も壊死していく。
(だがそんな時間すらも与えはしない‼︎)
奴の頸を刎ね終えた後、デビルコロニー全体を縦横無尽に駆けて行き隅々まで一閃していく。
それも数秒で終わらせて最後の区画を一閃した後、デビルコロニーに背を向ける形で居合を振り抜いた動作で止まった。
そこから姿勢を正して、刀に付いた血糊を振り払う動作を数回した後、スレッジハンマーの鞘にγナノラミネートソードを納刀する。
納刀したと同時に、今まで形を保っていたデビルコロニーが端から粉微塵になりながら崩壊していく。
奴の後ろに空いていたヒビ割れた空間も、奴の身体が消滅していくと同時にその効力を無くして元の風景に戻っていった。
(これで今回の件は一応一件落着ってところ……って訳にもいかないか)
この件でこの街に被害が出た箇所の確認と修繕は勿論のことだが……それよりも先に解決しないといけない事がある。
(姉さんに自分の全てを曝け出すこと……だよな)
いつかはこの時が来ると思っていた。
でもそれはディアボロス教団との件が全て終わってから……そうしたら全て打ち明けて、その後は……
(正直後のことなんて……ただアルファ達と、それで姉さん達とこの世界を穏やかに過ごせれば良いって、それだけ思ってたんだけどな……)
でも蓋を開けて見れば、姉さんを巻き込んでしまった。
姉さんを巻き込まないやり方なんて、普通ならいくらでも思いついたし、それを実行に移すことも難しくなかったが……
(でもそれは俺が安心したいだけで……姉さんの自由を奪っているだけなんだよな)
……ここで考えても堂々巡りか。
(取り敢えず後始末は早々に済ませようか)
そう思った俺はアスタロトオリジンから降りて、機体も待機状態にさせる。
降りた瞬間に機体は召喚された時と同じく紅いオーラを纏いながら上空へと登っていく。
俺はそれを紅いオーラが見えなくなるまで見送って、その後紅の塔頂上へと戻った。
戻った後は、ベータ達に今回の件の被害状況含めてシャドウガーデンに共有する様に指示を出して、指示を出しながらも彼女達の身体に傷や異変がないかを魔力で探りながら確認していった。
(にしてもベータの心拍数が他の子に比べて早くなっているのはなんでだ? それに頬が赤く染まっているし……)
後俺のことを見る目が滅茶苦茶輝いていた。
多分さっきの戦いが小説の参考になるから、それで興奮していたんだろう。
そう考えたら他の子に比べて心拍数が高いのも……頷けるのか?
別の事も考えられはするが……今はその考えを取っ払うことにするか。
まぁもし体調に異変があれば時間を取って診させてもらおう。
それで他の面々で、紅の塔の女王、スカーレットについては特に問題はなさそうで、俺が彼女を回復させてからはすこぶる体調が良くなっているらしい。
それも自分が生きていた1000年前よりも、とは本人の言だ。
別に特別なことは何もしていないはずだが……まぁ調子が良いことは悪いことではないし、そこまで深く考えることもないか。
スカーレットの隣に控えている紅髪の女性……確か姉さんと一緒に行動していたな。
名前はメアリーさんと言って、1000前にスカーレットに使えていたメイドさんをしていたと聞いた。
彼女にも少々かすり傷が見受けられたから、魔力で治しておく。
そうしたら何故か彼女は顔を赤らめていた。
それを見ていたエリザベートは「あらあら、春が来たのかしら」とメアリーさんに言っていたが、俺は鈍感じゃあないからその意図としている言葉の意味は分かってるつもりだ。
だが彼女とはほぼ初対面だから……俺の見解としては急に俺の魔力が身体に入り込んでビックリしたんだろう程度だ。
アルファ達が言うには、俺の魔力は相当気持ちの良いもの、だそうだ。
だからメアリーさんもそう感じてしまったから頬を赤らめているんだろうなぁ……
それで最後に姉さんの元に向かおうとしたが、そこに結構肌を露出させた筋肉質の男が割って入る。
確か名前は……ジャガーノートと言ったか?
そいつは何か喚きながら俺に突撃してくる。
さっき俺とデビルガンダムとの戦いを目の前で見ていた筈だが、それでも果敢に向かってくるのは正直根性があるなと感じれば良いのか、それともただ蛮勇と捉えるべきか……
デコピン程度で塔から退場させようかと考えていたら、俺とジャガーノートの間に白い着物を纏った女性が間に入ってきて、あっという間にジャガーノートを塔の外へと弾き飛ばしてしまった。
「お怪我はありんせんか?」
それで俺の方を向いて問いかけてくる。
白の塔の管理者でユキメと名乗る獣人だ。
頭に赤い笠を被っているから表情は窺えないが、何処となく俺を心配している声音に聞こえる。
(それと……どことなく嬉しいって感情がうかがえるが……)
何故かそう感じた。
ただこの場で考えても答えは出そうにないから、怪我はないと伝える。
「そうでありんすか! 良かったでありんす……」
初対面のはずなのに、彼女は本当に嬉しそうに相槌を打ってくる。
その証拠に口元にも笑みを浮かべているし……
ただそこで時間を取られるわけにもいかなかったから、彼女には申し訳ないけど先程割って入って助けてくれた礼をいって姉さんの元へ向かう。
彼女もそれ以上は俺を引き止めるつもりがないのか、また機会があればゆっくり話したい、ということを言ってきた塔を後にした。
彼女がその場から去ったのを見送って、姉さんの前まで来る。
姉さんは目に涙を溜めながらも優しい笑みを浮かべて……俺を抱きしめてくる。
「ただいま、姉さん。無事に帰ってきたよ」
「えぇ……お帰りなさいアルジ。心配……したんだから」
ところどころ嗚咽混じりだけど、それでも俺が帰ってきて嬉しいという感情がそれだけで伝わる。
それでこの抱擁感も……何故か懐かしく感じてしまう。
いつもやられている事なのに、今されているこの抱擁が……温かい。
(だけどいつまでもこうしてはいられないな……)
この雰囲気を壊したくはないが、それでもここでのことは終わった。
だから姉さんには……俺の全てを話しておかないといけない。
姉さんが俺の正体を、俺の活動を知った以上は……もう隠し通すことなんて出来ないから。
姉さんには俺の泊まっている部屋に戻って待っていて欲しいことを伝えてから、今回の件の後始末をした。
その後始末が終わった後、その足で直ぐにミドガル王国のミツゴシ商会屋上にあるシャドウガーデンの拠点へと戻った。
「そう……貴方のお姉さんには自分の正体を明かしたのね」
「あぁ。本当はディアボロス教団との件が終わってから全て打ち明けたかったけど……」
シャドウガーデンの拠点に戻ってから直ぐに、アルファの自室を訪れて今回の件をかいつまんで説明した。
詳しい内容についてはベータ達が纏めてくれるだろうし、全体を見通せたわけではないから、俺が関わった点のみを伝える。
この事は後でベータにも伝える予定だ。
「にしても……貴方のことを狙う存在、ね。話を聞いた限りだと、私達の今の戦力では大きな犠牲が出るわね。シャドウならまだ相手取ることは出来そうだけど」
「兄さんはまぁ……悪く言えば別格な方だからな。でもアルファ達もそんな兄さんの実力に徐々にだが近付いていると感じてる。だから個々の実力とかその面では安心して欲しいかな」
「ふふっ、貴方からそう言われるのは嬉しいわね。と言っても、貴方から直々に鍛えてもらっているから、それに応えない訳にはいかないし、そんな貴方に私達は全力で応えたいと思っているわ」
アルファからそう言われて素直に嬉しく思う。
兄さんというバグキャラじみた実力と比べるなんて、アルファ達も向上心が高いなと毎度のことながら感じてしまうな。
(にしてもあの場にいた兄さんは最後まで何やってんだよ……)
ウルベという阿呆を滅ぼしてから諸々の伝達をベータ達にした後塔の頂上から去ろうとした時だ。
皆から見えない階段の影で兄さんがいたんだ。
それもいつもの様に無駄な凛々しい顔つきをして腕組みをしながらな。
そんな兄さんの姿を見て……なんかカチンときてしまった俺は兄さんの頭を平手でぶっ叩いた。
テメェは一体何やってんだと……
そんな俺の怒気を感じた兄さんは……脂汗をダラダラ流しながら言い訳をしていた。
曰く、ここぞというタイミングで加勢するつもりだったけどそこに俺が現れたから最後まで出るタイミングを無くしてしまった……と。
そう言いながらも兄さんの懐から金貨が1枚落ちる……
(やってる事が火事場泥棒じゃあねぇか‼︎)
なのでこの場で盗んだ物を全て元の場所に戻す様に説教して、兄さんが全て戻し終えたことを確認し終えてから後始末に入った。
(なんだろうな……戦闘とは関係ないところで精神すり減らすって……)
兄さんのこれは毎度ではあるが……盗賊から金品を奪うのとは訳が違う。
この塔は、確かに長年所有者が封印されていたから、その間にダンジョンの冒険感覚でそうしてしまったのは……まぁ100歩譲って分からんことではない。
だけどこの塔はすでに所有者の元に戻ったのだから、その時点で盗った物に関しては元に戻さないと罪だろうと思う。
そう言ってしまうなら盗賊が奪った物も所有者がいるからそれも返すべきでは? という反論が上がるかもしれないが……正直誰から奪った物か分からないため返しようがないというのが俺の結論だ。
持ち主が分かればそうするんだろうが……
「(っと、だいぶ話が逸れたな)それで今後のことだが……」
「貴方のお姉さんをどうするか、ということね。私は貴方の意見に任せたいのだけど」
「俺は……姉さんがしたいと思ったことを全力で叶えるまでだよ。それが姉さんにとって……いや、俺にとって茨の道でも……な」
「……貴方の中では既に、どんな道になるのか予想が付いているということね?」
「あぁ。しかもこれは……俺がもっとも見たくなかった光景になるが」
「……貴方1人で抱え込まないで」
「アルファ……」
アルファが近付いてきたと同時に俺を抱き締める。
彼女の柔らかい感触と温かい体温が、少し不安になっていた俺の身体を芯からほぐしてくれた。
「……そうだな。俺1人で抱え込む必要なんてないよな」
「ええ。どこまで貴方の力になれているか分からないけど、それでも私は貴方の隣にいるわ。貴方のことを少しでも支えれるように、ね」
いつものように綺麗な笑みを浮かべながら俺のことを見つめてくる。
その表情をいつも見ているはずなのに、その笑みを向けられると安心を覚えてしまう。
そして……自然と彼女の唇に自分からキスを落とす。
俺から急にそうされて驚いたのか、アルファは瞳を見開いていた。
でも次第に余裕のある笑みに戻っていって、今度はアルファから俺にキスをしてくる。
優しい感触に堕ちていきそうなバードキスに、最初覚えていた不安さえも溶けていった。
「んっ……はっ……ふふっ♡貴方のその顔を見ると……もっとこうして甘やかしてあげたいのだけど」
「……魅力的な誘いだが、俺にはまだやらないといけないことがある」
これ以上この雰囲気に飲まれてしまえば、多分俺は当初の予定さえ忘れ去ってこのままアルファに甘えてしまうことは目に見えていた。
だからなんとかそれ以上より先にいくことは踏みとどまって、アルファからゆっくりと離れる。
同時に俺の中で、もう少しあのままでも良かったと感じてしまう点については、本当に今後もアルファ達には頭が上がらないんだろうなと、そんなことを思ってしまった。
「そうね……まだアルジにはやらないといけないことがあるものね……本音を言えば、もう少し抱き合っていたかったわ」
「……また今度、その埋め合わせをするから」
「ええ、その時を楽しみにしているわね♡」
俺はアルファに見送られて、姉さんを待たせている無法都市の宿へと向かった。
side クレア
アルジに言われた通り、私はあの子が借りている宿部屋にいた。
といってもこの部屋は2人で泊まれる部屋だから、私とアルジでこの部屋を借りてる。
今回起こったこと……私の中では夢の中にいたんじゃないかって思うくらいに色々なことがありすぎた。
(でもこれは……現実なのよね)
私の左手首に刻まれた赤い紋様……そこからは今もあの女とのつながりを感じる。
そして前よりも……なんだか身体の動き軽くなったり、魔力の質が良くなったということも感じる。
(……問題はそれだけじゃないわよね)
確かに私があのヴァイオレットの瞳をした女とつながりを持ったというのも驚くことなのだけど……それよりも驚くことは……
「姉さん、俺だ。……今入っても、大丈夫かな?」
ドアがノックされて、アルジの声が聞こえた。
私は入っても良いと言ってアルジを出迎える。
私がドアの前に立っていたのが予想外だったのか、あの子はビックリした表情を見せていた。
(あの塔の上であれだけ戦ってた子が……たったこんな事で驚いた顔を見せてくれるなんて……やっぱり可愛いわね)
あの戦いを実際に見せられて、私とアルジの実力は……最早雲泥の差という言葉では測れないほどに開いていることが分かった。
(それでも私は……いつまでもこの子の傍に居たい‼︎)
例えこの子がシャドウガーデンに入っていても。
そして……私がこの子にこの答えを出して嫌われたとしても……。
side out
無法都市で借りてる宿屋の部屋に着いたら、予想外なことに姉さんが出迎えてくれた。
確かにいつもの光景ではあるが、でもさっき自分が大変な目にあったばかりで、自分の中にいつの間にか知らない力も入り込んでいたなら、平静なんて保っていられないと思う。
でも目の前の姉さんは……いつもと雰囲気は同じだった。
「ねぇアルジ……聞かせてくれないかしら。貴方のことを……」
「うん……だいぶ長くなるけど」
それで俺は姉さんに、自分がシャドウガーデンであることと、この世界の裏側を語った。
勿論姉さんが小さい頃に攫われた原因とかも含めて、今知り得ていることを全て。
「そう……そうなのね」
「黙ってて……ごめん。でも俺は……姉さんを守りたかった。それと……多分俺は姉さんに知られるのが怖かったんだ。知られたことで嫌われるるんじゃないかって……不安だった」
「アルジ……もぅ、馬鹿な子なんだから」
「っ⁉︎ ね、姉さん?」
「前にも言ったわよね? 私はどんな貴方になっても愛し尽くしてみせるって。だから貴方が例えシャドウガーデンに入っていたとしてもそれは変わらないんだから」
「姉さん……」
「それと……ね。まだアルジからの返事を貰ってないんだけど……返事は……貰えるのかしら?」
急に顔が赤くなって俺を見つめてくる姉さん。
正直俺は姉さんに、自分がシャドウガーデンに所属していることをいつどのタイミングで話そうかと物凄く迷っていたのに……姉さんからしてみれば俺がシャドウガーデンの一員であることよりもこの前告白した時の返事がどうなのかの方が大事らしい。
(ホント……姉さんらしいな)
でも俺も……姉さんに自分の本心を偽ることなんてしたくない。
だから……正直に答える。
「俺も……いつの間にか姉さんのこと、好きになってた。いつから好きになったのかなんていうことはハッキリと言えないけれど……それでもこの気持ちに嘘はない」
「っ‼︎ あぁ……アルジ……」
俺の返事を聞いた姉さんは、瞳を潤ませながら俺を抱きしめる。今は立ったままだから姉さんの頭が丁度俺の胸の位置くらいにきてて、そのせいか姉さんの髪の毛から甘い香りが漂ってくる。
たった数時間前まであんな砂埃が舞うような場所にいて、自分自身も危険な目にあっていたというのに、そんなことを微塵も感じさせない。
「(……でも姉さんの想いに返事をしたということは、あの事も話さないといけないな)姉さん……俺……もう一つ隠し事をしていることがあるんだ」
side クレア
私の告白にアルジが返事をしてくれた。
それは私のことをあの子も好きって返事で、それを聞いた私は思わずあの子の胸に飛び込むように密着して抱きしめる。
いつもこうして抱きしめているけれど、今はそのいつもよりも特別に感じて、幸せな絶頂にいるんじゃないかってくらいに私の心はいっぱいだった。
ずっとそんな空気に包まれていたかったけど、アルジから深刻そうな声音が聞こえた。
内容は、私に対してまだ隠し事をしているということ……。
なんでこのタイミングなのかって想ったけど、それも正直に答えてくれた。
簡単に言えば……、この子は……アルジはこの世界で産まれ落ちた存在ではないということ。
別の世界で死んだ魂をとある神様に拾ってもらって、そこからアルジは別の世界を点々として生きてきた。
その世界で培ってきた技術も全て引き継いで。
(だから自分は最初から私のように強かったわけじゃないから、自分の強さの秘密を知ってガッカリしたよね……か)
確かに私はアルジの強さの秘密について考えなかったことはないかと聞かれたら、嘘になる。
幼少の頃は……とても悔しかった!
自分よりも才能があって、その時点で全く敵わないと感じさせられるなんて……悔しくないわけがなかった。
(でもアルジは……昔からとても可愛い子だったわ)
もう1人の弟と違っていつも気遣いができたし、私の言ったことも素直に聞いてくれたし……それでアルジの見せてくれる笑顔が、いつの間にか私の支えにもなってた。
(だから……今更そんなことを言われたからって軽蔑するわけがないわ! 問題はそこじゃなくて、アルジの女性関係よ‼︎)
彼曰く……他の世界線でも結構な数の女性に言い寄られたって聞いた。
そして女性達の一世一代の告白に対しても、ずっと断ってきたんですって。
確かにアルジのこれまでの過去を聞いてしまえば、その時の判断は仕方ないと思ってしまうけど……
(だからと言って理由も告げられずこんなに可愛い子に断られたら……私の心が保たないわね)
だからそれを聞いた時、私もアルジに断られてしまった女の子達の気持ちが痛いほど分かったわ。
それで私はアルジに、今度から本気で貴方のことを好いている子の気持ちを踏み躙るのはやめなさいって、久々にお姉さんらしい事を言って叱ってあげた。
そうしたらアルジは、一瞬だけキョトンとした顔にはなったけど、困った顔つきになって頷いたの。
その様子がとても可愛くて仕方なくて……いつも以上に抱きしめたい気持ちに駆られてしまうわ。
(でも……ここからよ)
私は今までこの子に感じていたことを率直に口に出した。
side out
「ねぇアルジ……貴方の過去については分かったわ。それを聞いたからといって、私の気持ちが揺らぐことはないわ。だから私のこと……彼女にしてくれるわよね?」
俺の過去を聞いても姉さんは何も変わらなかった……いや、更に俺に入れ込んでしまっている可能性がある。
何せ目の前の姉さんの顔は、確かにいつもと同じで俺を愛おしむように見える……が、どことなく俺の中で違和感を感じていた。
いつまであるなら、もっとこう……積極的に俺にアプローチしてくるはずだ。なんか俺の中にある成分? ってやつを補給するために抱きついてくると予想していたが……
「それでねアルジ……私にもう一つ、隠していることがあるでしょ?」
「えっ?」
「あら? 私が気付いていないとでも思ったのかしら?」
姉さんはそう言いながら俺との距離を詰めて、首筋に顔を近づけてくる。
そして鼻を何度か小さく鳴らして匂いを嗅ぐ動作をしたと思ったら……
「今日だって……こんなに私以外の女の香りがするんですもの……ねぇアルジ? 私が言いたいこと……分かるわよね?」
(ね、姉さんが怒ってる⁉︎)
姉さんが静かながらも、俺に対してここまでの怒りの表情を見せたのは久しぶり……いや、今回が初めてかもしれない。
(しかもその怒りの根本も俺の体たらくが原因だ……)
ここは何も言い訳せずに素直に言って謝ろう。
それで姉さんに嫌われたら、それはそれでもう仕方ない……。
自分がしでかしたこととはいえ胸は痛むが……それも背負って生きるしかない。
「……姉さんには謝らないといけないことが、まだある」
「えぇ、それで?」
「俺には……彼女がいる。それも複数人……」
「どうやらそうみたいね。だっていつの日だったか、複数人の女の匂いをさせて帰って来ていたものね?」
「……こんなふしだらな弟でごめんなさい。姉さんの気持ちを踏み躙ってしまうようなことして、それをあまつさえ今まで黙ってて……ごめんなさい」
「……はぁ」
俺の謝罪を聞いてため息を吐いた姉さん。
でもそこからは、何か問い詰めるというわけでもなく、下を向いたまますぐに何かしてくる様子もない。
それから数秒後……
「……私ね、もしかしたらこんなことが起こるかもしれないって薄々思ってたの」
「ね、姉さん?」
「だってアンタは、誰にだって優しいし気配りできるし、いつでも頼りになる。それに可愛いし……学園の女子がアルジの虜になってたこと、気付いてた?」
「……まぁ最初の方は結構告白されてたから、なんとなくは」
「だからお姉ちゃんね、焦ったの。アルジが他の有象無象に取られるんじゃないかって……だから最初は、どうやったらアルジに変な虫が付かないようになるか、そんなこと考えながら実行して過ごしてたの」
「……えっ? 今実行するって言った?」
「そんなことはどうでも良いのよ。それで数ヶ月したらアルジに告白するような奴はいなくなったし、私としてもひとまず安心したわ。でもアンタときたら……私の親友のローズまで虜にしちゃって……まぁそこは諦めたけれど。でもね?」
姉さんが俺を優しく抱きしめてくる。
でもいつものように俺の頭を胸に抱きしめる体勢ではなく、俺の左肩に顎を乗せて、頭を俺の頭に寄り添わせるように……
「私……貴方の中での1番を諦めたわけじゃないから」
「そ、それって……」
「もぅ、鈍いわね……そうやって他の女の子も虜にしちゃったのかしら? 全く……いけない子ねアルジは」
耳元でそう囁いて、ゆっくりと俺の正面に顔をもってきた姉さん。
それで俺のおでこに姉さんは自分のおでこをくっ付けて……
「私も貴方の彼女になりたい。それでアルジと先に彼女の関係になった女の子達と競って、私が貴方の1番だって証明してみせるんだから」
そう言って俺にキスをしてくる。
そのキスはさりげないものだったが……姉さんの気持ちがハッキリと伝わった気がした。
「ということで……アルジ。私も貴方のシャドウガーデンに加入させてもらうわね?」
「……は?」
「だって、そうでしょ? 私がその子達と競うためには、一緒の土台に立たないと勝負にならないじゃない! それに、私だけ蚊帳の外で貴方に危険な事ばかりさせるのなんて嫌なの‼︎ だからアルジ……私もシャドウガーデンに入れてちょうだい。そして私も……貴方の傍に本当の意味でいさせて」
姉さんからの、決意の籠ったシャドウガーデンへの加入表明。
正直俺は……姉さんがその道を選ぶことが嫌だった。
俺がシャドウガーデンの一員として存在しているのは、俺にとって大切な人達が理不尽に傷つけられない世界をつくるためだから。
だから姉さんがその選択肢を選ぶのを、本当は拒否したい。
(でもそれは、姉さんの自由を否定するってことだ。そんなこと……俺にはできない)
姉さんが今まで通りに過ごすという選択肢であれば、ただ単に俺のことは秘密にするように言えば良い。
姉さんは、習性を利用しているようで申し訳ないけど、俺が本当に困ることはしないし言わないからだ。
(逆に俺と敵対するとか、俺を嫌うとかの選択肢だったら……精神的にはキツイが、俺が姉さんをそう思わせちまった結果だから、そうなったらそうなったで全部受け止めるつもりだ)
でもどちらでもなく、俺が予想した最後の回答を姉さんは選んじまった。
だから姉さんには……今まで以上に危険と隣り合わせな生活を送らせてしまうことになる。
(でも……姉さんが決めた道なら、俺はそれを尊重するまでだ)
姉さんが有象無象に狙われて危機的状態に陥ってしまったのなら……その時助ける。
姉さんはそこら辺にいる魔剣士より強いからな……だからその実力を信頼しているし、もし今の姉さんが危機的状況に陥るとしたらそれは、ラウンズやその候補と戦う時ぐらいだな。
「(今はどれほど考えたって明確なことは出ないし、その時になったら改めて考えれば良いか)……分かった。姉さんがそこまでいうなら、姉さんのシャドウガーデン加入について、俺の方でなんとかしてみる。でもこれまで以上に姉さんには過酷な運命が立ちはだかるかもしれない……どうかそれだけは頭の中に入れておいてほしい」
「それと……俺も姉さんのこと、好きだ。だから……これからも俺の傍にいてほしい」
「っ‼︎ えぇ! 分かったわ! お姉ちゃん、アルジのためにもっと頑張るから‼︎」
「そ、そうか……まぁ、ほどほどにな?」
とりあえず姉さんへの対処は一件落着といったところか。
(にしても今日も色々ありすぎて少し疲れた。シャワーでも浴びて寝るか)
そう思っていると、姉さんが俺の腕を抱きしめて、上目遣いをしてきた。
姉さんのその……大きさもあって形も整った柔らかい胸部が俺の腕を挟んでくる。
いきなりのこと過ぎて身体がビクッとなったが……姉さんにバレてないだろうか?
「ふふっ♡アルジったら、さっきまで真面目でカッコいい顔つきをしていたのに、今ではいつもの可愛い顔をして、それに抱きついた途端ビクッてなっちゃって……可愛いわね♡」
(……しっかりバレてたな)
「さてアルジ……今をもって貴方と私は互いに両想いになった訳だし……今からやること、分かるわよね?」
「へっ? や、やる事って?」
「もぅ、分かってるのに焦らすなんて……アルジったらいけない子ね♡」
「いやいや、分かってるって何を⁉︎ 俺は、今日はもう遅いからシャワーでも浴びて寝たいと考えていたんだが⁉︎」
「あぁ〜……確かに私もシャワーをまだ浴びていなかったわ。だからね、アルジ……」
姉さんが正面まで回ってきて、俺の頬を両手で挟むように添えてきた。
「この長い夜……男女の営みをして、もっとお互いのこと……分かち合いましょう♡」
(あっ……やっべ……これもう拒否権ない奴だ……)
そんな感じで俺は、その日の夜、姉さんの尻に敷かれるような具合で一夜を過ごした……
解説
◾️デビルコロニー(アルティメットガンダム)
『起動武闘伝Gガンダム』の世界線、自然豊かな地球環境を取り戻そうとして作成された機体だったが、途中ウルベ・イシカワなどの介入があり、そこから紆余曲折して「自然を取り戻す→人間を滅ぼせば自然は元通りになる」とアルティメットガンダムの自立コンピューターのプログラムが再定義してしまい、人類側を滅ぼす機体になってしまった。
その機体が、ネオジャパンコロニーと同化し、デビルコロニーとなった。
Gガンダムの世界線では人類を苦しめた存在であったが、本作ではただの踏み台となってしまった……本来は途轍もなく凶悪な存在であることを忘れてはならない。
◾️ガンダムアスタロト・オリジン(実際の機体と同じ大きさ)
本作のオリ主であるアルジ・ミラージの愛機。
しかしコックピットを既存のものではなく、『ガン・ソード』に出てくるオリジナルセブンが所有するヨロイと同じような造りに改造している。
そのため、本来の機体操作では到底無理な動きができる。
また、機体登場シークエンスも『ガン・ソード』の主人公が自分の機体を呼び出す為にする動作のオマージュである。(書いていた時に作者が、そうした方が格好良いと思った為)
解説は以上となります。
抜けている部分があれば、また編集などしていく予定です。
次回の予定は、この章の後日談を書いてまた新しい章に移っていきます。
それではまた次回、お会いいたしましょう。