やからちょっと待っててな。
具体的には、話の中の時間で大体3週間分の時間が経つぐらい待ってくれ。
ん~?一体、何で3週間なんだろーなー??
わかる奴おる?
ディオニュソス・ファミリアの
中層から無事帰還した俺は、ステイタス更新を受けるべく、ディオニュソスの部屋を訪れていた。
そもそもファミリアとは、主神である神と、その眷属のことを指す。
主神が自身の血“
ステイタスを刻まれた人間はLv1となり、恩恵を持たない人間よりも高い能力を持つことになり、モンスターを倒す・鍛錬を積むなどによって
そして、神々ですら認める偉業を成し遂げた者には器の昇華“ランクアップ”が起こる。
そうして、はるか昔より下界の人間と神の関係は続いていた。
そして更新を終えた神は、俺たちでも読めるように、羊皮紙に
「はい。これが今回のステイタスだよ」
そう言ったディオニュソスからステイタスを写した紙をもらう。
(ふんふん……お、力と魔力の伸びはいいね)
ありがてぇ。ゴライアス討伐においてこの二つは重要なステだからな。
ベルはバケモノみたいに合計で1,000以上上がったりしていたが、あんなのは例外中の例外だ。普通は1度で上がるのは精々50とか、ガチで死ぬレベルの無理を頑張っても100ぐらいのものだ。
でも……。
(んん?なんか……力と魔力以外のステが……)
「ディオニュソス様、なんか、思ってたほど伸びてない気がするんですけど」
ゴライアス、
そりゃ、下層に比べれば過酷さや危険は少なかったが、それでもゴライアスと木竜を討伐したことも加味すれば力と魔力以外ももう少し上がってもいいはずだった。
「ふむ……」
考え込むディオニュソス。
「もしかすると……君の『
「と、言いますと?」
「君の魔法の効果は、物理の完全無効化だろう?つまり、魔法の発動中は怪我もダメージも無いわけだ」
「ほうほう」
「そしてステイタス…とりわけ耐久に関しては、受けたダメージがそのまま経験値に繋がるから…」
「あ~、なるほど」
そういうことかぁ。
前は魔法を使える回数が少なかったから、少しぐらいの怪我をしてでも温存していた。だから、特に耐久の増えにくさを実感することは無かった。
だがLv4になってから、ステイタスでのゴリ押しが可能になったことで魔法の使用を強いられることも減った。そのうえ、魔法自体の使用可能回数も増えたことで、1回ぐらいなら割と雑に使うことが出来るようになった。
そのため、ダメージを受ける回数がかなり減ってしまったいうわけだ。
深層にでも行けばもっとダメージを受けることは間違い無いのだが、正直もう御免被りたい。いくらLv4でもあそこは地獄だ。少なくともウチのファミリアが潜って良いような階層ではない。あんなのはもう懲り懲りだ。
「そして器用と敏捷に関しては、魔法を使っている時は回避も受ける技術も、相手の攻撃を見切った技も必要ないから、上がりにくいというわけだ」
「それこそ、丁度上質な経験値が手に入るゴライアスと木竜には魔法を使ってるから猶更って感じか」
まさかの事実である。
魔法を使わなければ安定しない程の相手に勝っても、肝心の経験値はほぼ得られないとは。
(Lvが上がったことで表面化する問題もある…てコト!?)
内なるちいかわが出てきてしまった。
いや、正直舐めてた。「魔法使って攻撃受けとけば実質耐久無限に上げれんじゃん!」なんて思っていたが、考えてみればそんな楽な方法で経験値が溜まるわけが無いに決まっている。俺は馬鹿か。
でもなぁ…それでも普通に怪我とかしたくないしなぁ……。
ゴライアスを倒すだけなら最悪魔力さえあればなんとかなるんだが、ランクアップには必要な評定平均の下限が存在する。だからランクアップするには、ある程度満遍なくステイタスを上げておく必要もあるわけだ。理論上は力と魔力をガン上げして平均を押し上げることも出来るが、そのためにはかなりの経験値が必要になるため、現実的では無い。
経験値のことを考えるなら深層に行きたいところではあるが、ウチのファミリアでは行けないし、どうせ行くなら安心出来るパーティで行きたいものだ。
「ライ」
「はい?」
いつになく真剣な様子のディオニュソス。
「ウチのファミリアを辞める気はあるかい?」
「って言うんだよなぁ」
「そりゃまた……」
その日の夜。
俺はアイシャと数日ぶりに会っていた。
「ディオニュソス様が言うには、『いずれ君はLv5になるだろうけど、正直ウチにいたらいつレベルアップ出来るのかわからないだろう』だとさ」
いや、そりゃそうなんだけどね?確かに今のファミリアでは深層とかで上質な経験値を得られないからね?
俺もディオニュソス・ファミリア辞めたいってさんざん思ってたしね?辞めたいのは辞めたいんだけどね?
でもね?
(さすがに怪しすぎるんだよなぁ)
なにせあのディオニュソスだ。神にしか気付けない何かを感じ取った可能性だってある。
いくら辞めたいと思っていたとしても、別に行動には出していなかったはず。にも拘わらずこういった提案をされるのは、あまりにも俺に都合が良すぎる。
もちろん、善神ディオニュソスとしての思考で言えば至極まともな提案だから、俺の考えすぎということもある。
だが普通は神(あるいはファミリア)から見るなら俺が抜けることはマイナスにしかならない。単純に戦力が大幅に下がるし、他派閥を強化することにも繋がる。そうなれば暮らしのレベルもわずかに下げざるを得なくなるだろうからだ。
「確かに、アンタはあのファミリアの手に余るとはあたしも思ってたけどね」
「まあね。今はほぼ俺のワンマンチームだしなぁ」
フィルヴィスも一緒に潜ることが出来ればそんなこともないんだが、さすがに死神とダンジョンは遠慮しときます。おめぇの席ねぇから!!
「……怒らないんだね」
「ん?ああ、うん。そうだね」
普通に考えれば自分のファミリアを馬鹿にされれば怒ったりするのだろうが、俺にファミリアへの愛着は無いに等しい。
人自体への愛着はあるのだが、ファミリア自体は今の俺にとっては約束された破滅…免れえぬ終焉そのものなのだ。
だから、ファミリアを馬鹿にされたとしても、軽んじられても正直何も思わない。
それにまぁ、あの主神だからね……。あの主神のために怒る気にはなれないよ。
「アンタはオラリオに来た時からディオニュソス・ファミリアだろう?愛着とか無いのかい?」
「うーん……人自体には愛着あるんだけどね」
「アンタから聞いた話だと、主神も含めて良いファミリアだと思うけど…」
まぁ、だって今のディオニュソスは俺たちの前ではなーんにも悪い事なんてしてないからな。
それこそ、俺が真実を告げても誰にも信じられる事はないだろう程に、善神として信じられている。
「良い人ばっかりではあってもさ。ウチのレベルじゃ下まで潜れないから経験値の効率が悪いんだよなぁ…」
「それなら、いっそウチに来るってのはどうだい?」
「……本気で行こうかな」
「ちょっと。本気にするんじゃない。ただの冗談さ」
いやいや、正直完全に無しというわけでもない。
あと数年で消えるファミリアだし、あの化けガエルがいるなら深層へ行くことも可能だろう。
あくまで本当に最後に最後の手段ではあるというだけの話だ。
「分かってるって。俺もイシュタルは流石に嫌だし」
まあ、アイシャとしてもイシュタルと会わせたくなんて無いだろう。俺も会いたくないし、アマゾネス達に貞操を狙われるのもゴメンだ。
特にあのカエルには。今狙われたらさすがにまだ勝てない気がするしな。アレがLv5なのこの世のバグだろマジで。第一級以上はああいうバケモンみたいなやつがなれないようにしてくれ。きもくて強いのがいっちゃん最悪だから。
「ふうん。それって、あたしと一緒のファミリアは嫌ってことかい?」
「いやいやいやいやいや、そう言うわけじゃなくてだな」
何だこいつ可愛いな。
私とお揃いは嫌ってこと!?みたいなこと言うんじゃねえよ。可愛いな。メンヘラかよ。
(あ、今のうちに確認しとかないと)
「てか、それを言うならアイシャが抜ければいいじゃん」
「!!」
この探りは、わざと踏みに行った地雷だ。踏んで爆発する危険があっても確認できるときにした方が良いと考えたからだ。
原作では、アイシャは妹分の命を守るために、超大事なものぶっ壊して団長とイシュタルにガチギレされてボコされた。その上首輪として、アイシャは『魅了』によってイシュタルに逆らえなくされるのだ。
そして、俺が地雷を踏みに行ったのは、この事がもう起こったのかを確認するためだった。
もし事が起きた後なら問題は無い。だが起きる前だと、俺がこうして会ったりすることで、事が起きなくなる可能性があった。
だが、この反応ならば既に事が起こった後だと考えても間違いないだろう。
薄々そんな気もしていたが、『儀式終わってました~』とかなると原作が崩壊しちゃうからね。念のための確認は大事。
「……そうだね。いつかはね」
(うんうん。やっぱさすがに話してはもらえないか)
話してもらいたい気持ちはもちろんあるんだが、困ったことに俺は話さなくていいとも思っている。
アイシャは『アイシャ自身のことは自分の力で』『他人に依存するのは甘え』的な性格や考え方を持っている。ベルを欠いた状態でアンフィス・バエナと遭遇した時の内心のセリフに、アイシャのこうした気高さなどの魅力が詰まっていると言ってもいい。
だから、俺に相談しないアイシャを求めているが、普通の男として相談して欲しいというジレンマがあるというわけだ。
ほんま良い女やなぁ。
「それはそうとして、あんたは飲まないのかい?」
「いや、俺は禁酒してるから」
「へぇ…そりゃまたなんでだい?」
「あ、そうなんだよ、聞いてくれよ。昨日までダンジョンに行ってたんだけどさ」
「18階層だろう?」
「そうそう、それで……あれ?この話したっけ?」
「いいや。ただ、あたしたちは愛でつながってるから、分かったってだけの話さ」
「えぇ…」
(何それコワい)
なんだそりゃ。変なスキルとか出たりしてないだろうな…。
いやでも、アマゾネスの嗅覚とか直感みたいなものは馬鹿にできない。
フィンの絡んだティオネがいい例だ。あれマジ意味わからん勘の良さしてるんだよな。
「愛ってそんな機能無かった気がするんだけど…」
「あたしたちの愛にはあるんだよ」
「無敵かよお前。何でも愛で片付けそう」
「愛は世界を救うのさ」
「愛・アム・ヒーローってか?」
「ちょっと何言ってんのかわかんない」
「しばくぞお前」
そんな感じでしばらく話した後。
まあ結局いつも通り、愛だけでなく体で繋がった←上手いこと言ったつもり
ディオニュソス「ウチでは抱え切れない程の大物になっちゃったから、大派閥とかに行って活躍してね」
エニ○オ「Lv5とかは戦況ひっくり返すレベルの個になるから邪魔やしとっとと手放したい。あとフィルヴィスの曇らせに邪魔や。今ファミリアええ感じやねん。出ろ」
就活忙しすぎて全然時間取れんからしばらくゆっくりやるね、ごめんね。