たまたま人理を救うマスターに選ばれたに過ぎない。
俺自身、歴史ある魔術師の家系出身という訳でも、特殊な力を当時から持っていたと言うわけでもない。
(右目に備わる異能、『絆を紡ぎ見通す眼(グランド・オーダー)』や
左眼の『強化眼(ワンポイント・アイ)』だって魔力の扱い方を学んでから視えるようになった。)
以前にも説明した通り、自分は東洋出身だが完全なアジア人という訳ではない。魔術回路があるのは母方の父が西洋出身で、大昔に魔術師の家系であることがキルケーの調べで判明した。まぁ一応、冬木の赤い悪魔こと遠坂さんと同じでクォーターと言うやつらしい。
(ちなみにではあるが、妹こと通称ぐだ子は母の再婚相手である義父の連れ子である。あいつと俺は兄妹ではあるが血は繋がっていない。)
容姿は普通であると物語の主人公達の独白ではよく語られるが、何を基準に普通と言うのだろうか。自分を普通だと言う奴はブサイクであると言う可能性も考えなければならない。故に敢えて言わせてもらう_______自分は美青年であると。普通にぐだ子も俺も高校生の頃は人並み以上に友達もいたし案外モテたりもした。何ならぐだ子のやつ、他校の生徒からも告白されるくらいには人気者だった。
(まぁ、あいつはお世辞なしにかわいいからな。)
兄妹仲も悪くない。だからバイト帰りに時々会う際、一緒に帰る事もあった。
「お兄ちゃんさ、彼女できた〜」
「出来てたらバイトを三つ掛け持ちしてないだろ。そういうお前はどうなんだ?」
「私もバイト掛け持ち二つしてるし、時間ないって〜」
「高校生でバイト掛け持ちしてて受験は大丈夫なのかよ?」
「推薦があるんで笑あ、献血所あるじゃん!やってこうよ、お兄ちゃん!ジュースとお菓子ただで貰えるとか最高じゃん!」
「いやいや、めんどい、まじで帰って課題して寝たいって!」
そんな会話を繰り広げながら帰路に着いていたが、妹が献血所を発見して自分を引きずって行く。
「ご協力本当にありがとうございましたぁ。」
献血をしてくれた女性はニコニコと笑顔を浮かべながら血を回収。そして妹も終えたのか貰ったであろうジュースを飲んでいた。
「お兄ちゃん帰ろ!」
「あぁ、家に帰るか。」
席を立ち上がり献血所を去ろうとした刹那、先ほどの女性が自分達が去るのを阻むように立ち塞がる。
「バイト!バイトしない!ウチで!!」
大きな声。女性は自分達の手をとりバイトの募集をかけて来た。
「給料は1時間で1万5000円!超破格なバイトだと思わないかい!?」
妹と自分は互いに顔を見合わせ、その女性に向き直る。
「「やりますねぇ!!!」」
その献血所こそが後にカルデアへと来ることになる理由なのであった。