中央トレセン学園の教官、ディーンドライブは元競争ウマ娘だった。
でも、現役時代の成績は白星ひとつない、未勝利ウマ娘。
期待されてはいた。この娘ならそこそこ走ってくれるんじゃないか、という期待。
両親も、クラブチームのコーチも、学校の先生たちだって彼女の背を押した。
君は中央で……トゥインクル・シリーズで走るべきだ、と。
デビュー前から大仰な異名までもらって、順風満帆。
恥ずかしかったけれど、嬉しくもあった。
そう呼んでもらうにふさわしいだけの蹄跡を残せるだろうかという不安もあった。
「走るべきだ」という言葉はあまりにも無責任なものだと後で気付いた。
まったく後悔していないかと問われれば、後悔はある。
後悔しているからこそ、まだ走ることが好きで、走ることに縋っていた。
でもここまでの出来事は、きっと劇的な悲劇などではない。
あまりにも普遍的にそこにあって、誰もが直視しようとしないだけだ。
潰れた希望を掻き集めて、もう一度走り出せる者は少ない。
存外に軽くなる心地に逆らえるものは、多くはない。
諦めはココロの安全装置だ。
諦めないということは、あまりにもつらい。
なのに、諦めた自分が、みじめにもなる。
だからヒトは夢を託す。
願いを紡いで、祈りをささげる。
諦めた自分ではなく、諦めない君へ。
そのココロを連れて飛ぶ。
高く、遠くへ。
それがたとえ、許されないことだとしても。
ディーンドライブは、走り出す。
でも、現役時代の成績は白星ひとつない、未勝利ウマ娘。
期待されてはいた。この娘ならそこそこ走ってくれるんじゃないか、という期待。
両親も、クラブチームのコーチも、学校の先生たちだって彼女の背を押した。
君は中央で……トゥインクル・シリーズで走るべきだ、と。
デビュー前から大仰な異名までもらって、順風満帆。
恥ずかしかったけれど、嬉しくもあった。
そう呼んでもらうにふさわしいだけの蹄跡を残せるだろうかという不安もあった。
「走るべきだ」という言葉はあまりにも無責任なものだと後で気付いた。
まったく後悔していないかと問われれば、後悔はある。
後悔しているからこそ、まだ走ることが好きで、走ることに縋っていた。
でもここまでの出来事は、きっと劇的な悲劇などではない。
あまりにも普遍的にそこにあって、誰もが直視しようとしないだけだ。
潰れた希望を掻き集めて、もう一度走り出せる者は少ない。
存外に軽くなる心地に逆らえるものは、多くはない。
諦めはココロの安全装置だ。
諦めないということは、あまりにもつらい。
なのに、諦めた自分が、みじめにもなる。
だからヒトは夢を託す。
願いを紡いで、祈りをささげる。
諦めた自分ではなく、諦めない君へ。
そのココロを連れて飛ぶ。
高く、遠くへ。
それがたとえ、許されないことだとしても。
ディーンドライブは、走り出す。