CBCのイベントを終え、カルデアに召喚された高杉晋作の元に事件が舞い込む…! 果たして高杉は名探偵として、カルデア中に隠された謎を解き明かすことはできるのか!

ミステリー風のギャグ寄りです。
タイトル通りイベントクリア後を想定しています。
イベント終了直前の熱が冷めないうちに書いたため、細かな設定の矛盾などはご容赦下さい。

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イベントお疲れ様でした!
熱が冷めないうちに、ちょっとコメディ二次創作。


C.B.C.高杉晋作の事件簿〜面白き男の名にかけて〜

 

 

 

 

 早速だけど、僕が主人公の事件簿ということはだ。

 手垢のついた推理なんぞさせるわけがないだろう? 

 むしろよくある犯人探しを椅子に腰かけてて言い当てるなんて、草履が腐ってしょうがない。

 

 僕が事件を起こして、僕が解決する。

 

 うん、これなら面白いし、一石二鳥で2倍僕が楽しめるというわけだ。

 というわけで事件を起こしてくるから、君たちは急いで僕を発見すると良い。

 

 ああ、勿論。

 

 僕が事件を起こす前に捕えてくれたって構わないぞ。

 むしろ追い物がいたほうが、逃走劇に華が咲くと桂くんも言っていたしな。いや、今は木戸くんだったか? 

 

 ともかく、だ。

 このメッセージで言いたいことは一つ。

 

『面白き こともなき世を 面白く』……だ! 

 

 さあ諸君、カルデアが大変なことになる前に僕の事件を見事解決してみせると良い!!」

 

 

 ブツッ

 

 散々言いたいことを言い切った動画の再生が終わり、まず口を開いたのは土方歳三だった。

 

「やっぱり、長州は切っとくべきだったか」

 

「気持ちは変わりますが落ち着いてください、土方くん。いくらこんな予告状を送りつけてきたとはいえ、彼はカルデアのサーヴァント。早々に処刑はどうかと思います」

 

「でもさぁ、これを僕たちに見せつけてくるなんて、一体どういうわけ? マスターちゃんのところにも同じ内容のものが届いたらしいけどさ……わざわざ新撰組宛てに犯行声明とは、随分度胸があるようだな」

 

「斎藤さんも挑発に乗らないで!」

 

 土方歳三、斎藤一の2人を抑えようとする山南敬助。

 山南がパラケルススやケイローンの談義から帰って来たところ、そこにいた既にすこぶる苛立った顔つきの2人に驚き、原因を尋ねた。

 すると「ここが新撰組かな? 君たちに便りだとも」と郵便局員に扮したダビデが置いていった端末を渡され、それを再生をして今に至った。

 

「あれ、ところで沖田くんは……?」

 

「ああ、沖田のやつなら、この映像を見終わる前に部屋から飛び出していったぞ」

 

「ちょっと、それを早く言って下さいッ!」

 

 

 これは絶対面倒なことになる。

 山南の直感はそう告げていた。

 

 

 

 □□□

 

 

 

 

 幕末において用兵の天才、日本の小ナポレオンと呼ばれた男がいる。

 松下村塾で学び、禁門の変、下関戦争、戊辰戦争、そして函館戦争にて活躍した彼の名は、山田顕義。

 彼自身もまた軍事から政治家へ転じた際、ナポレオンの書を読み敬愛したという。

 

「Oh là là(オーララ)! つまり鎖国し続けたJapon(ジャポン)にも、俺の名声はすぐさま響いたってことだな。悪い気はしないぜ」

 

 カルデアの食堂。

 筋骨隆々の熱血漢ナポレオンは、いつもの軍服でなく赤い白を基調としたボーリングウェアを着ていた。

 最近はフェルグスや金時と共にスポーツで熱く激しく競い合っているらしい。

 

「そう、そして彼は遥々フランスにまで行って、君の甥であるナポレオン3世とも出会ったそうだ。今なら彼の気持ちも分かる。僕だってその派手な大砲術と、デッカい帽子に驚かされたからな」

 

 そんな談義をしている赤髪に歌舞伎者のように派手な和装の青年を、地を這うように素早く駆けつけた沖田総司の絶剣の切先が

 

「──-覚悟」

 

「おやめなさい」

 

 その瞬間、狙いが逸らされた。

 標的(ターゲット)が横のルビーレッドのジャケットを着た男に移るよう、意識を集中させられた。

 さらに抜き出した刃は、その服に傷一つ負わせられずに終わった。

 

「食事と談話を楽しむ場に、諍いの武器を持ち込んではいけない。用があるのなら、その口を使うべきだ」

 

 低音せ凛々しくも、どこか優しい響きの声。

 そこにいたのは、コンスタンティノス11世。

 東ローマ帝国の皇帝であり、沖田総司の剣を抑えたのは、防御に特化した彼のスキルによるものだ。

 

「すみませんが……緊急にあの赤い鳥頭の方を絞り上げなくてはならないのです。恐らく口で言っても聞かないでしょうから、先に2、3度切り刻もうかと」

 

「可愛らしい見た目と裏腹に、発想が武人だな

 ……私が調停に挟まるから、ここは穏便に行かないか?」

 

 

 

 □□□

 

 

「なんだい、その話は? もっと詳しく聞かせてくれたまえ!」

 

 目をキラキラと輝かせて、高杉は沖田に話を急かした。

 

「……本当に、何も知らないんですね?」

 

「勿論さ、僕はカルデアに来た新参者として、色んなサーヴァントたちと交流を勤しむ日々でね。さすがは歴史に名を残した者たちとあって、僕に負けず劣らずの面白い奴らばかりだと、昼夜を惜しんで語り合っていたから、そんな暇はないとも」

 

「そういえば、昨日もローマを知りたいと、私や神祖らに会いに来ていたね。キチンといつ誰にあったかを聞けば、彼が嘘をついていないという裏を取れそうだ」

 

「はぁ……では、一体あの映像は何だと言うんですか。誰かが高杉さんに成り済ましていたとでも?」

 

「それなんだよ。僕に成り済ますなんて見所のある奴だと思うが、話を聞く限りはどうも確かに『高杉晋作』っぽい……これはもしかして、僕がもう1人召喚されたとか、未来から送られてきた映像というわけかもしれんな!」

 

「どうでも良いです。結局どうせ高杉さんが元凶に決まってますから、さっさと解決しに行ってくれませんか」

 

 そろそろ新撰組の屯所から抑えきれなくなった土方たちが飛び出してくる頃合いのため、動かないという選択肢はない。

 

「当然だ、こんな面白いこと、僕以外の誰かにやらせるか! それじゃあ皆の衆、失礼するぞ。もし僕が来たか聞かれたら、新堀松輔しかいなかったとでも言っておいてくれ!」

 

 そういってケラケラご機嫌に笑いながら、高杉は食堂から立ち去った。

 

 

 向かう先は当然──-

 

 

「と、いうことだマスター! 是非とも僕に協力して、この事件を解き明かしてやろうじゃないか!」

 

 

 

 

 □□□

 

 それから2人の騒動は始まった。

 

「人斬り集団から逃げられたと思って途端、巨大な狼と首なし亡霊が追ってくるとはな。僕が首を盗んだときの信長公もあんな感じだったのかい?」

 

「あれが殷の黄飛虎が乗ったとされる五色神牛か。1日に八百里を駆ける霊獣に追いかけられる体験ができるなんて、カルデアはイカしているな! ところでこのラビュリントスとかいう巨大迷宮、出口はどこだい? 目前は行き止まりなんだが!」

 

「ハハハ、まさか僕の宝具で召喚した奇兵隊が

 丸ごと乗っ取られるとは! あの老人の黄色い布に洗脳効果? ……なるほど、土佐勤王党より敵に回したくない存在だな、黄巾党は!」

 

「クソ、これは強敵だ……見たまえ、あの西洋の騎士たちを! あんな面白い奴らの集団……僕たちだけで太刀打ちできるかどうか。だが良いぞ、女装よりも、全裸よりも面白い男が此処にいると証明してやろうじゃないか!!」

 

 

 

 □□□

 

 

 

 地下深くの決戦場にて。

 

「ここまで……本当に長かった。新撰組に追いかけられながら、未来の僕とカルデアに召喚されたもう1人の僕とおまけでAIの僕と知能合戦を繰り広げ、ようやく真の黒幕を追い詰めるところまで辿り着いた……!」

 

「えぇ、特に未来晋作が厄介でしたね……貴方の行動を事前に予測し、追い詰めようと動けば動くほど小さな解れが生まれ、大きな騒動にまで発展していくとは……」

 

 最初は胡散臭い高杉との協力を、マスターのためでもあるからと仕方なく付き合っていた沖田も、歴戦を潜り抜けて絆を強固にしていた。

 

「そう、そしてそんな蜘蛛の糸を操るような策略ができるのは、君しかいないんだ。若きモリアーティーくん!」

 

 現れたのは、獲物を前に喜びを隠しきれない表情である、ルーラーのジェームズ・モリアーティ。

 

「そうだとも、こんな芸当、犯罪界のナポレオンである私にしかできない。未来で悪友となる君との縁を手繰り寄せ、少しばかり因果をずらして、私に関わるとはどんな人間かを観察させて貰ったが……私の計算より早くここに辿りついたな」

 

「マスターが騒動に巻き込まれたサーヴァントたちの共通点に気づいたお陰さ。今年のCBCの礼装という、僕たちでは気づけない視点から犯人の正体を突き止めてくれたわけだ」

 

「そういうことか……計算を修正しよう。そして君たちには教えてくれたお礼に、私も全霊をもってお相手しよう。具体的には高杉重工から吸い上げた資金と、張角より譲り受けた改造アラハバキの力を受けると良い!」

 

「さあ、いくぞマスター。金も宝具も失ったが、この土壇場こそ僕たちの本領を発揮できる場所だ。僕らが実に面白い男かどうか、確かめさせてあげようじゃないか!」

 

 そうして今、最後の戦いの火蓋が切って落とされる。

 とはいえ……

 

 

(結局、高杉さんが未来で若森さんと釣るんだ自業自得では?)

 

 2人の話を聞くうちに冷静になったマスターはそう疑念を抱いた。

 そして洗脳の解けた沖田は、ぐだぐだと無理矢理ホワイトバレンタインを引きずる展開に、いつもの台詞を呟いたのだった。

 

 

 

 

「いや、そういうのもう言いんで」

 

 

 


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