高町なのはくん   作:わず

33 / 33
おまけ
アリシアの日常


 

 とあるお昼前のこと。

 

 アルハザードにて日課の探検を行うものがいた。

 

「お邪魔しまーす」

 

 建物に入る。

 当然、中には誰もいない。

 

 奥へと進んでいく。

 行きついた先で容器を発見した。

 人が入れるくらいの大きさである。

 

「んー?」

 

 中では光が輝いていた。

 光は三角の形をしていて、それがいくつも浮遊している。

 

「なんだろうこれ?」

 

 アリシアがまじまじと見る。

 

「ヒドゥン、なにかわかる?」

 

 ──天使。

 

「え? 天使様!?」

 

 アリシアが喜ぶ。

 

「お話しできるかな?」

 

 ──不明。

 

「こんにちは!」

 

 返事はない。

 

「どこから来たの?」

 

 反応もない。

 

「お昼寝中かな?」

 

 アリシアが顔を近づける。

 光は意思を持っているかのように動いていた。

 顔の近くまで寄り、すぐに違う場所へと移動してしまう。

 

「ま、いっか」

 

 アリシアが探検を再開する。

 

「そういえばヒドゥンはどこから来たの?」

 

 ──回答不可能。

 

「ふーん、なんでアルハザードにいたの?」

 

 ──抑止力の起動によるため。

 

「抑止力?」

 

 ──防衛機能。

 

「うーん、わかんないや」

 

 アリシアが外に出る。

 

 アルハザードは神の領域に触れていた。

 時を戻す方法を見つけ出し、使用可能な段階まで実現していた。

 

 それは世界の理を壊すものである。

 これ以上の発展は許されなかったため、抑止力が働くこととなっていた。

 

 時の呪法を見つけた罪に対して、時の神による裁きが下ることとなった。

 

 そして同じ過ちが繰り返されないよう、ヒドゥンはそこに留まることとなった。

 荒廃した世界とともに永劫の時を過ごす。

 番人として、永遠にアルハザードへ縛られていた。

 

「ねえねえ」

 

 アリシアがその場で楽しそうにクルっと回る。

 その楽しい気持ちがヒドゥンにも共有される。

 

「時間を止められるなら、時間を戻すこともできるの?」

 

 ──可能。

 

「ほんと!?」

 

 喜びが大きい声となる。

 

「じゃあさ、またママと会えたりする?」

 

 ──可能。

 

「すごい! 今すぐに戻せる?」

 

 ──不可能。

 

「どうして!?」

 

 ──魔力不足。

 

「どれくらい必要なの?」

 

 ──惑星の保有魔力と同程度と推測。

 

「いっぱい必要ってこと?」

 

 ──莫大な量が必要。

 

「そっか」

 

 アリシアが空を見る。

 

「じゃあ星を手に入れないとだね」

 

 空には月があった。

 月には大量の魔力がある。

 知っていて見ているのか、知らないで見ているのか。

 いずれにしても、アリシアのやるべきことが定まった瞬間だった。

 

「できるかな?」

 

 ──不明。

 

「むー」

 

 ほっぺたを膨らます。

 

「そういうときはできるよって言うの!」

 

 ────可能性あり。

 

「うん!」

 

 笑顔で返事をする。

 

 なぜ笑うのかはわからない。

 ただ、その笑顔は何度見ても飽きなかった。

 

 アリシアのお腹が鳴る。

 たくさん歩いたせいだろう。

 

「パパのところに戻ろっか」

 

 ジェイルのもとへと帰る。

 今日も一日、アリシアはいつもと変わらない日常を過ごすのだった。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

高町なのはくん2(作者:わず)(原作:魔法少女リリカルなのは)

「高町なのはくん」の続編。▼前編 : https://syosetu.org/novel/313704/▼高町なのは▼【挿絵表示】▼月村すずか▼【挿絵表示】▼アクトロス▼【挿絵表示】▼キャット▼【挿絵表示】▼ 作:おし丸様▼3話 挿絵▼【挿絵表示】▼19話 挿絵▼【挿絵表示】▼24話 挿絵▼【挿絵表示】▼ 作:かぼちゃのかかし様▼16話 挿絵▼【挿絵表示】▼…


総合評価:1359/評価:8.83/連載:35話/更新日時:2026年09月05日(土) 00:00 小説情報

リリカルAnswer(作者:四脚好き)(原作:魔法少女リリカルなのは)

突然の転生。幸福だった人生、好きな物語、好きな家族、そのすべてがない世界に放り出された少年。少年はわずかな前世の思い出を胸に飛翔する。


総合評価:1053/評価:8.3/連載:14話/更新日時:2026年09月07日(月) 20:27 小説情報

紐になりたいといったな。あれは冗談だった。(作者:紺南)(原作:魔法少女リリカルなのは)

将来は紐になりたいと冗談を言った主人公。▼それを真に受け、受け入れる準備を始めたフェイト。▼そこから始まるドタバタコメディ。


総合評価:10420/評価:8.07/完結:44話/更新日時:2026年09月06日(日) 21:35 小説情報

呪術廻戦リリカルなのは∅(作者:織姫ミグル)(原作:呪術廻戦)

異なる世界から帰還した虎杖悠仁。▼未曾有の呪術テロの後、虎杖達はどこか見覚えのある少女と出会い·········▼https://syosetu.org/novel/401611/ ← この作品の続きのお話です。まだ読まれていない方は、先にそちらに目を通してから読まれることをオススメします。


総合評価:533/評価:9/連載:29話/更新日時:2026年09月06日(日) 07:00 小説情報

量産型ニケ、キヴォトスに行く(作者:ウィルキンソンタンサン)(原作:ブルーアーカイブ)

内心やかまし系量産型ニケがキヴォトスに召喚されて世界の美しさに触れる奴くれよ


総合評価:3667/評価:8.79/連載:18話/更新日時:2026年07月27日(月) 06:13 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>