組織抜けたい   作:比翼連理

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 お茶濁しです。
 書き上げたら続き全部、毎日投稿するんで、多分原作完結よりは先に投稿すると思うんで。ゆるして。

 ちょっと書きたいところ(書けるところ)だけ。


IF:小さくなった犯罪者

「なあ、シェリー……眠れる薬……って、何徹目?」

 

 眠れるお薬が欲しいと思って、とりあえず研究所に来たのだけれど、そこにいたのはちょっと冗談みたいな隈を作っていたシェリーだった。

 俺を驚かせるためにマジックペンか何かで描いたんじゃないのか? そんなレベルだ。

 

「十日は経ったかしら」

「……冗談、だと良いなぁ」

 

 普通なら嘘だろうとか、大げさだろうと切り捨てるような数字。それが本当なんだろうと思わせるほどに疲れ切ったシェリーに、本当に睡眠が必要なのはこっちの方なのではないかと思ってしまった。

 

「えっと、眠れる薬よね……眠れる薬なんて……薬……薬……」

「シェリー?」

「あぁ、ごめんなさい。えっと、薬だったわよね。これ」

「ん、ありがと」

 

 勝手なイメージなのだけれど、眠れる薬って錠剤な気がしていた。

 

 シェリーから渡されたのはカプセル。赤と白の、いかにもな奴だ。

 プラシーボ効果とかあるし、こういうちゃんと薬だぞ! って見た目の方がいい気もするな。

 

「じゃあ、また遊びに来るから、ちゃんと寝ろよシェリー」

「……つまり癌化する場合と違って、この場合のテロメア活性は……」

「聞いてねぇし……」

 

 

 

 

 

 

 24 Hours Later

 

 

 

「あら……薬の数が合わない……」

 

 シェリーこと宮野志保は、久々の睡眠から覚めて、またすぐに実験を開始した。

 その前に、軽く書類の整理と、備品のチェックなどをしていた時に、APTX-4869の数が一つ減っていることに気が付いた。

 

「誰か実験に使ったのかしら」

 

 ジンが勝手に試作品を持って行ったり、ウェルシュが酔っぱらって暴れて行ったり、まあ、紛失は初めてのことではない。

 案外、この組織はその辺りが緩かったりするのだ。

 薬のデータの入ったフロッピーを無くしても、まあいいかで終わったりするし。

 

 故に、少し寝ぼけていることもあって、十徹目でほとんど意識のない状態でのウェルシュとのやり取りを忘れた志保は、いつかフロッピーがどれだけ探してもなかった時と同じような結論を出した。

 

「まあ、気にすることは無いかしらね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 

 

 

 

 俺は犯罪者のウェルシュ、本名は偽名っぽいと言われるけれど田中太郎!

 

 幼馴染と言えなくもない感じのシェリー……宮野志保にお薬頂戴をした結果、多分間違って毒薬を飲まされてしまっていた。

 結構苦しかったけれどシェリーに殺されるのも悪くないかもと少しやばい感じの快感も感じ始めていたのだけれど、気が付いたら身体が縮んでしまっていた!

 

 俺が生きていると組織にばれたらまた殺人に駆り出されてしまう。

 

 誰からも助言を貰えない俺はとりあえず与えられていた部屋に、以前殺した死体を置いて爆破! これで死んだって事にならねぇかなと、黒桐々たる闇夜に駆けだした。

 

 

 

 

「そんなわけで、保護プリーズ!」

「……なんだお前」

 

 公安からのスパイ。スコッチ君の場所に転がり込みました。

 

 

 

 ☆

 

 

 難破船

 

 

 少年の身体には大きすぎるショットガン。その反動も当然、小さくなったウェルシュの肉体に耐えられるものではない。

 

 しかし、空中で何度も体を捻りながら引き金を引き、ゴム製のスラグがテロリストの身体を吹き飛ばすのを確認しつつ、反動を利用してサブマシンガンの攻撃を躱し、着地と同時に、バネが跳ねるような勢いでもう一人のテロリストとの距離を詰めた。

 

 ウェルシュの推理通り――尤もウェルシュにとっては、推理などするまでもなく感覚で分かったのだが――傭兵経験があるようだ。接近戦となるとすぐに取り回しの良い拳銃に切り替えた。

 

 その反応速度はウェルシュの想定を僅かに上回っていたようだ。僅かに驚いた様子を見せるが、すぐに手にしていたショットガンを投げつける。

 

 慌ててテロリストは発砲。けれど、闇雲に撃った弾丸は明後日の方向へと飛んでいくだけ。

 

 ウェルシュは正確に顎を裏拳で打ち、コンと小気味のいい音がしたかと思うと、ウェルシュの何倍もの体格の男がぱたりと倒れてしまった。

 

 

「すっげ……」

「工藤君、こんなことで感心している暇はないよ……君がいるから殺さないけれど、シェリーをぶった奴だけは地獄を見せるから……それくらいはいいよね」

「……いやぁ……うん」

 

 どこか引き気味のコナンに、ウェルシュは軽く笑って。

 

「ちなみにどこまで、工藤君の中でセーフに入る? 手足をもいでもいい? 死にさえしなければ一生意識なくても構わない?」

「駄目に決まってんだろ!」

「えぇ……じゃあ、歯を全部折るね」

「あー、まあそれくらいならって――駄目だ! こんな露骨なドア・イン・ザ・フェイスに引っかかるかよ」

「いや、引っかかってないんだったら今のなに? ねぇ、コナン君? 今ノリ突っ込みしたのぉ?」

 

 

 しばらくは極度の鬱と、不安障害でボロボロだったウェルシュだが、シェリーこと宮野志保……今となっては灰原哀と再会してからというものは、デレデレと灰原に対して好意をむき出しにして、かなり精神が持ち直した様子だ。

 早々に公安へ情報提供したこともあって、ウェルシュの処遇でかなり揉めたようだが、とりあえずしばらくの間は小学生として過ごすことになった。

 

 コナンとしても、自傷行為や自殺未遂を繰り返すウェルシュに思うところがあったし、彼の出生に同情もするのだが。

 

 コナンらしくない表現で言うと、流石に切れそう。

 

 

「とにかく、こいつらは赤いシャムネコとは無関係かなぁ」

「なら、バクテリアは?」

「わかんないけど……たぶん嘘なんじゃない? 俺ならこんな手段を使わないから。このレベルで制圧できる能力があるのなら、少なくとも俺は管理の厄介な生物兵器は使わないかな。組織だって、生物兵器は――あ、やばいの研究してたわ」

「おい」

 

 

 

 

 ☆

 

 

 黒鉄

 

 

「待ってろ灰原――!」

 

「あ、あの潜水艦って俺が買った奴じゃん」

「え?」

「システム改造して、そもそも設計からちょっと弄ってさ、遠隔操作可能にしてるんだよね」

「……」

「えっと、これをこうして、とりあえず浮上させれば後は俺が制圧して来るね」

「……うん」

「シェリーさらった組織の連中だし、俺に銃とか撃ってくると思うんだ。正当防衛なら――」

「おい! いいか、いくら組織の奴らだからって――」

「半殺しならセーフだろ?」

「……」

「そもそも、工藤君、どうせついてくるんだろうし」

「ったりめーだろ?」

「足引っ張んないでよ? 君を守るために殺さざるを得なくなったら、流石に恨むからな」

「オメーこそ、切れて暴走すんなよな」

「シェリーが怪我してたら千倍にして返すけど」

「オメーの場合、誇張表現抜きだからな……」

 

 

 

 

「ところで、シェリー助けたらこっそりセットした《自爆しーくぇんす改・やっぱり自爆はロマンだぜ》起動してもいいよね」

「やっぱりオメー公安に捕まってろよ!」




 一応こういうルートもあるかなというのを一年前に考えていたのを思い出した奴。

 シェリーが死んだと勘違いして組織絶対滅ぼすマンになるIFも考えたんですけれど、安室さん生かせそうにないので没です。
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