※実際の話とはあまり関係ありません。オートコ・ノーコもなにも吞まれてません。フィクションです。
正直ボーイズラブタグ付けるか最後まで悩んだけど一応つけてます。(そういう要素は)ないです。
歩く、歩く、歩く。もうずっと歩いて目の前の翁について回った。ここがどこなのかは知らないが、きっと故郷からずっとずっと遠い場所だろうということだけはわかっていた。
灰になった故郷よりも、ずっとだ。
うつむき、目の前の師匠である老人の足だけを確認しながら黙々と歩く。ハァハァという自分の荒い息と目の前の規則正しい足音だけが聞こえる。
幸い気温はそう高くない。少しつらいがまだ頑張れる。とはいえ、今は丘を登る最中で、気温のアドバンテージなど消え去っているようなものだけど。
「待て、何か音がする」
師匠が立ち止まりそういうので、こちらも耳を澄ます。
ズズ…ズズズ…と地面がわずかに振動し、独特の音を響かせる
足裏から伝わる振動も、だんだんと大きくなっていく。
「なんです?これ」
「やつらの群れだ…あれを見ろ」
師匠の指がさすほうを見る。丘の上から少し遠い平原。その端から何か白く、とても大きな化け物の群れがどすどすと歩いてくる。
カサ…カサ…┌(┌^o^)┐ホモォ…カサ…カサ…┌(┌^o^)┐ホモォ…カサカサ…┌(┌^o^)┐ホモォ… カサカサ…┌(┌^o^)┐ホモォ…
カサカサ…┌(┌^o^)┐ホモォ… カサカサ…┌(┌^o^)┐ホモォ…
カサ…┌(┌^o^)┐ホモォ…
カサカサ…┌(┌^o^)┐ホモォ…カサカサ…┌(┌^o^)┐ホモォ… カサカサ…┌(┌^o^)┐ホモォ…カサカサ…┌(┌^o^)┐ホモォ…
カサ…┌(┌^o^)┐ホモォ…カサ…カサ…┌(┌^o^)┐ホモォ…
カサカサ…┌(┌^o^)┐ホモォ…
カサカサ…┌(┌^o^)┐ホモォ…
カサ…┌(┌^o^)┐ホモォ…カサ…カサ…┌(┌^o^)┐ホモォ…カサカサ…┌(┌^o^)┐ホモォ…カサカサ…┌(┌^o^)┐ホモォ…
カサカサ…┌(┌^o^)┐ホモォ…
カサカサ…┌(┌^o^)┐ホモォ…
カサ…┌(┌^o^)┐ホモォ…
「腐女子の群れじゃ…急ごう。ここもじき腐界隈に沈む…」
そういうと師匠は再び前を見て歩き出す。
私は、しばらく動けなかった。やつらの群れを見ていると、足が地に縫い付けられたかのように動かなかった。
全身白の四足歩行。その巨躯は小さなものでも体高数メートル。大きなものでは10数メートルもあろうか。
何を考えているのかわからない、とがった目。ともすれば間抜けにも見える開きっぱなしの大きな口。
あの化け物を見て思い出すのは私の故郷。やつらに呑まれ消えていった郷愁の地。そして…そして…。
「おかあさん…お父さん…」
「…ゆくぞ。進路が被っていないとはいえ、急がねば危険だ」
はい。そうか細く返事をしてまた歩く。ああ、くそったれ…こんなのって
「だいっきらいだ」
しばらく歩くと村が見えてきた。なんでも師匠の知り合いがいる村らしく、そのつてでここに避難しようという話だった。
「見えたな。もうすぐ着く」
「はい」
そうして村に近づく。小さな村だ。家が十数件と畑、そして村を囲うように腰ほどの高さの木の柵が立ててあった。
私の村も大きくなかったからよかった。私はきっと賑やかな街になんてなじめない。こうも見慣れた雰囲気ならばきっと大きな負担はかからない…かもしれない。
「おい!そこの二人組!!何者だ!!」
村の入り口らしきところには5メートルほどの櫓が立っており、その上に立つ見張りらしき男が私たちに大きな声でその身を問うた。
「ワシはオートコ・ノーコ村のタマナシだ!!村が腐女子の群れに襲われここに避難してきた!ここのサオデカの友人だ!入れてくれ!!」
師匠の言葉を聞いた見張りの男はそれを聞くと大きな声でサオデカさんを呼ぶ。
「お~い!サオデカ!!ちょうどいいところにいたな!客人だ!!」
すると、村の奥から一人の男が走って来る。とても驚いた様子で、息を切らしながら師匠に話しかける。
「タマナシ!どうしたんだこんなところに。遠かっただろう」
「ああ…村が腐女子に呑まれてな…」
それを聞いたサイデカさんはとても心配そうな顔で身の安全を聞いてきた。師匠は大丈夫だと答えた後、村が飲まれ、ここに避難しに来たこと。自分たち以外はおそらく死んだということ。そして腐界隈がもうすぐそこまで来ていることを伝えた。
「そんな…少し前にジョーソウ・ダンシ村が飲まれたばかりではないか…もうそんなに」
「ああ。以前の予測よりもずっと速いスピードだ。やつらめ、再び団結を取り戻し始めている」
「なにっ!?」
サオデカさんはとても驚いた様子であった。それもそのはず、腐女子たちの群れは前までは混乱状態にあり、そうほかの場所まで飲み込むことはないだろうと思われていたからだ。
時は数年前。腐女子の住処の一つであるピク=シブは混乱の真っただ中であったという。その混乱の原因はオ=ソマーツという一つの神具が原因であった。
オ=ソマーツの強大なる力によって一気に人口が増えた腐女子であったが、それゆえに数多くの問題が起きた。
端的に言うと戦争である。
一気に増えた個体への教育が間に合わず、結果「タグを理解していない」「関係ない作品にまでオ=ソマーツのタグを付与する」「ジャンル分けの基礎がなってない」などの大きな問題が立て続けにおき、それによってちょっとした内乱状態にまでなったのだ。
だが、それはさして大きな問題ではない。何せ腐女子の内輪もめなど日常茶飯事であるからだ。公安ゴリラの履いているパンツがボクサーかトランクスかという話であってもたやすく殺し合いを始めるヤツらにとって、問題なのは内輪もめではない。
真の問題とはそう、他界隈とも戦争状態に陥ったことである。
繰り返される新人腐女子による荒らしに耐えかねた他の界隈は一気に腐女子排斥へと傾き、その牙をむいたのだ。
オ=ソマーツなどただの引き金に過ぎなかった。元々年を超えるたび数が増えていき大きな界隈となっていた腐界隈は、いずれこうなっていただろう。なんせほかの界隈も通った道なのだから。
こうして起きた大戦は続き、終わらぬものと思われていたのだ。だが…。
「だが、終わっていた。わしらの知らぬ間にな。そしてやつらは我らを飲み込み始めた」
「そんな…」
「オートコ・ノーコは腐界隈には属さぬ。我々は一つの独立界隈であると主張しても…無駄であった。数には勝てず、そして…」
師匠はついに俯いてしまった。私も今にも泣きそうな気分で話を聞いていた。
「そうか…とりあえず私の家に来るといい。案内しよう」
そう言い村に入っていくサオデカさんの背に、師匠と二人で付いていく。
足取りは重い。だけれど、まだ何にも犯されていないこの村には少し、ほんの少しだけど。希望の匂いが感じられた気がした。